問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡 作:ブレイアッ
「嘘!」
「グルルルル」
そこにいたのはガルドではなく虎だった
「人間の姿をしていない」
「そんなの見りゃば分かるわよ!」
冷静な修也に飛鳥が突っ込みを入れる
「来る!」
「ガアアア!」
「戦闘開始だ!」
ガルドは咆哮を上げながら修也達に襲い掛かる
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「今のは…!」
ガルドの咆哮は、門前で待っていた黒ウサギと十六夜にも届いた。
「虎に変身した春日部だな」
「あ、なるほど。ってそんな分けないでしょう! 幾ら何でも今のは失礼でございますよ!」
スパァンッ、とハリセンで十六夜の頭をはたく。
はたかれた十六夜は気にした様子も無く言う
「なあ、見に行ったらまずいのか?ジャッジマスターとそのお付きってことでさ」
「ウサギの素敵耳は、此処からでも大まかな状況が分かってしまいます。状況が把握できないような隔絶空間でもない限り、侵入は禁止です」
十六夜はワザと黒ウサギに聞こえるように呟いた。
「……貴種のウサギさん、マジ使えねぇ」
「せめて聞こえないように言ってください! 本気でへこみますから!」
ハリセンでさらに叩く黒ウサギ。
だが、状況を聞き取れている黒ウサギは内心はらはらしながら四人の無事を祈っていた。
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「ガアアア!」
ガルドは修也達に飛び掛るが
「春日部さん!?」
耀が振り下ろされたガルドの腕を受け止める
「逃げて!3人とも!」
耀は後ろを見ながら言う
「ちっヴォルザ !」
《スタンバイレディ・セットアップ》
一瞬、修也が光に包まれ
ソレがはれると両腕を手から肘にかけて装甲が付き、その服装までもが変わった修也がいた
「炎刃拳!」
修也は右拳に炎を纏わせてガルドの眉間を殴りつける
「ガウウウ!」
ガルドはその衝撃に後ろへと吹き飛ばされる
「ジン! 飛鳥! お前らは逃げろ!」
修也は振り返らずに2人に言う
突然の事にあっけにとられる2人だったが我に返った飛鳥はジンの方を見ながら
「ジンくんは逃げなさい!」
「でっでも…」
渋るジンに飛鳥は威光を使う
「いいから。
「…はい」
ジンはそう答え、飛鳥をお姫様抱っこし、走り出す
「何で逃げなかったの?」
「お前が心配だから。いくらグリフォンからもらったギフトがあるからと《来ます!》っち」
「ガアアア!」
再度飛びかかるガルドを修也は左腕に雷を纏わせ
「雷刃拳!」
叩きつける
“契約”で守られているガルドには、傷つける事はできずとも弾いたり逸らすことはできる
そんな時、修也の視界に壁に刺さった十字剣が映る
『春日部、あそこの壁に刺さってる剣、たぶんアレが指定武具だ』
「え? ホントだ」
突然頭の中に聞こえた言葉に驚くも冷静に壁の方を見て、壁に刺さった十字剣を見る
「俺があいつの動きを封じる。お前はあの剣を取れ!」
そう言って修也は両手をガルドの正面に構え
「召喚! 捕縛の鎖!」
虚空から鉄の鎖が出現し、ガルドを縛り付ける
「今だ!」
修也の言葉に頷き、剣の刺さっている壁に向かって跳躍する耀
そのまま耀は剣を引き抜き、着地。そのまま正面に剣を構える
「グ………ガアァァァ!!」
「なっ!」
耀が銀の十字剣をとったことで本能が反応したのかガルドは鎖を引きちぎり耀に襲い掛かる
ガルドは右腕を振り下ろすが耀は横に飛んで間一髪でよける
ガルドは着地と共に方向転換し、再び耀に襲い掛かる
ガルドの爪が耀を引き裂かんとばかりに迫る
耀は死を覚悟し、目をつむる
しか一向に痛みは来ない
耀は恐る恐る目を開けると
血まみれになりながらも耀をかばうように立っている修也がいた
「修也…!」
「春日部…飛鳥達の、とこへ行け」
「でも! 修也は「早く!」っ!」
「早く…行け」
「ガアアア!」
ガルドは耀ではなく、修也に向かって跳びかかる
「っく、炎刃拳!」
修也は炎を纏わせた拳で排撃するが相殺しきれず、後ろへと吹き飛ばされる
「修也!」
耀は飛んでくる修也を受け止める
生ぬるい液体が耀をぬらす
「送還、春日部耀」
「修也―――!」
修也は耀を飛鳥達の元へと召喚の応用の送還をする
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耀がいなくなった部屋
そこにはガルドと血を床に落としている修也がいた
修也はのろのろと修也は立ち上がり、ガルドを睨みつける
「行くぜ、虎野郎」
修也はニヤリと笑い、8センチ程の柄の無い小さな刀を召喚した
「時間稼ぎ程度だが…コレで。十分だ」
修也はソレをグサリと左腕に刺した
修也は青い光に包まれ、その姿を変える
その体は鋼である
その爪牙は刃である
その翼は刃を弾く
それは
鋼の竜
人の姿をした竜
鋼の竜人である
「ギャオオオオオン」
鋼の竜人へとその姿を変えた修也は咆哮を上げる