問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡 作:ブレイアッ
少年は一つの火花に過ぎない
大きな炎から飛び出して、消えて逝く
ほんの少しだけの煌めき
瞬きをする間に消えてしまう
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人々の記憶からある者の存在が消えて行く
否、最初から彼はいなかったのだ
最初から箱庭に召喚されたのは逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀の三人。源修也という人物はいなかった
ガルドを倒したのは久遠飛鳥、春日部耀、ジン=ラッセルの三人。この中に命を落としてまで戦った者などいなかった
ペルセウスのギフトゲームに挑んだ時に久遠飛鳥、春日部耀の二人を石化から救った者はいなかった
魔王とのギフトゲームで愛する人に嫌われることを良しとし、自らの消滅を恐れずに、犠牲を出さないように開幕数分で幕を下ろした兵器など最初から無かった
最初から彼はいなかったのだ
全ての人の記憶から彼が消える
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サウザンドアイズの支店 白夜叉の部屋
魔王とのギフトゲームに勝ち、火竜誕生祭が再開されてから数日が経った
「失礼します、オーナー宛にこのようなものが」
従業員から渡されたものは薄い封筒、白夜叉は従業員に礼を言ってから受け取り、その中身を出した
「これは…………」
中から出てきたのは一枚のギフトカード、びっしりと武器の名が書かれたそれを見て白夜叉は立ち去ろうとする従業員を引き留める
「おんしは、最近黒ウサギのおる“ノーネーム”に増えた同士を覚えておるか?」
「あの
「…………そうか、もう下がってよいぞ。引き留めて悪かったな」
「? では失礼します」
従業員が去ったのを確認し、ギフトカードを眺める
「そうか…………あやつは、消えたか」
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“ノーネーム”本拠
ジン、黒ウサギ、レティシア、十六夜、飛鳥、耀が北側に行っている間、リリを含む年長組は本拠の掃除をしていた
「よし! 次は…………あれ?」
彼がいた部屋のドアノブに手を伸ばしたとき、リリはある違和感に気づいた
「なんで私、誰も
「リリちゃーん! ちょっとこっち手伝ってー!」
他の年長組の子が呼ぶ声が聞こえる
「はーい! 今いくー!」
リリはパタパタと足音をたてて声のした方へと走るのであった
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春日部耀の寝室
ハリセンの音で耀は目を覚ます。どうやら十六夜が何かをしたらしい
「なんかいい夢を見てた気がする」
まるで幼馴染みと再会したような…………
そこで耀はあれ? と首を傾げる
「私に幼馴染みなんて………いたっけ?」
寝ぼけてるのかな? そんなことを考えながら起き上がる
今日もいつも通りの日常が始まる
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この物語は、己のすべてをかけてある少女を守ろうとし、散っていった兵器『シュウ』の最期。誰の記憶にも残らない火花のような召喚士『源修也』が最期に辿った軌跡である。
問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡
完