問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡   作:ブレイアッ

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ギフトゲームも今回でおしまいです


番外 4話 試練ですよ? 後編

  飛鳥と黒ウサギは十六夜と耀が討ちもらした機械兵器と女性を相手にしていた

 

「はぁっ!」

 

  バチバチッと黒ウサギの持つ疑似神格・金剛杵(ヴァジュラ・レプリカ)から雷が放たれ、迫ってくる機械兵器とマリアージュたちを一掃させる

 

「流石ね、黒ウサギ」

 

「そう思うのでしたら、もう少し黒ウサギを敬ってください。これでも箱庭の貴族なんですから」

 

  軍勢の大半は十六夜が破壊しているので討ち漏らしは少ない

 

「────ッ!  耀さん!!」

 

  突然、黒ウサギがマリアージュの集団に向かって叫んだ

 

  ドオォンッ!  

 

  空気を振動させる爆発音と共に真っ白な空間の一部が黒と赤に塗りつぶされる

 

「おや、これで一人脱落でしょうか?」

 

  修也が愉しそうに笑う

 

「そんな…………!  嘘でしょう!?」

 

  飛鳥が信じたくないとばかりに叫ぶ

 

  このゲームの敗北条件は参加者全員の死、脱落とは参加者の死を意味する

 

「いえ、耀さんは脱落などしていないのですよ……!」

 

  

  刹那

 

 

  (ゴウ)ッ!  と炎が竜巻のように天高く燃え盛った

 

:::

 

(あれ?)

 

  春日部耀は周りを見渡す

  視界を埋め尽くすのは赤い炎、それなのに

 

(熱く…………ない?)

 

  聖鎧石が発動したのか?  否、聖鎧石はギフトカードの中、発動している時のような温もりはない

  

  キィンッ!  と木彫りのペンダントが輝いたような気がした。耀はペンダントを両手で包む

  修也の手が、添えられたような気がした

 

(そっか……ありがとう)

 

  使い方が解る、何をどうすればいいのか、心が教えてくれる

 

 

  (ゴウ)ッ!  と炎が耀を中心に天に向かって渦巻き、天に昇った

 

 

「行くよ」

 

  耀が右手を振ると、炎の竜巻は消え去り、熱い熱をもった風が辺りに吹く

 

  その風によって近くにいたマリアージュが溶けて燃え上がる

 

(セイ)ッ!」

  

  右手を上に向かって振り上げると未だに燃えるマリアージュの炎が命を与えられたかのように火柱をあげ、龍の姿になる

 

()ァ!」

 

  耀が振り上げた右手を勢いよく降り下ろす

  炎の龍は雄叫びを上げるかのように熱風を吹かせながら耀を取り囲むマリアージュたちに突っ込む

 

  炎の龍に飲まれ、火にくべられた紙のように次々と燃え上がるマリアージュたち、爆発によって燃え上がった炎は龍に吸収され、さらに炎の龍を巨大化させる

 

  その姿はまさに蹂躙、耀の操る炎の龍は機械兵器も、マリアージュたちも、触れると同時に燃え上がり、飲まれる

 

  耀は両手を振り上げる

 

  炎の龍は天に向かって駆け上がる

 

(バク)…………!」

 

  勢いよく降り下ろされた両手にあわせて炎の龍は軍勢に向かって突撃する

 

()ァ!」

 

  炎の龍は軍勢に体当たりすると同時にその体を崩壊させ、軍勢を火の海に包む

 

「そこまで!  このゲーム……”ノーネーム"の勝利!!  プレイヤーは私の近くに集まってください」

 

  修也の声が白い空間に響き渡り、ゲームの終了を知らせた

 

:::       

 

「凄かったわ!  春日部さん!」

 

「ええ、とっても凄かったのですよ!  あの炎は耀さんのお友だちの力なのですか?」

 

  戻ってくるなり飛鳥と黒ウサギ、黒ウサギの質問に耀は首をふって答える

 

「わからない、でも……使い方は修也が教えてくれた」

 

「修也さんが…………?」

 

  ジンが修也を見る

  

「おや、私ではないですよ。それにしても炎天の焔を扱うとは…………貴女は人間ですか?」

 

「うん、生物学上は人間」

 

「そうですか…………では少し失礼して」

 

  そう言って修也が耀の首にかかる木彫りのペンダントに手をかけようとすると

 

「…………っ!」

 

  まるで身を守るかのように炎の吹き出し、修也の手を弾く

 

「…………これはこれは」

 

「なんで………?  こんなこと、今まで無かったのに」

 

  耀自身も生命の目録(ゲノム・ツリー)の突然の変化に困惑を隠せないしかし、それはジンや黒ウサギ、飛鳥に十六夜までもが同じだ

  そんな中、修也だけが納得した表情を浮かべる

 

「なるほど、そういうことですか…………全く、召喚剣士も馬鹿なことを」

 

「どういうこと…………?」

 

  修也のことを馬鹿と言われ、不機嫌そうに耀が訊く

 

「なに、簡単なことですよ。貴女が召喚剣士の力を使えるようになった。それだけです」

 

「そっか…………修也の」

 

  耀はどこか嬉しそうに木彫りのペンダントを両手で包む

  そんな中、ジンだけが険しい表情を浮かべていた

 

 

 

 

 

「全く、召喚剣士も馬鹿なことを………そんなことをすれば命を削るだけなのに」

 

 

 

 

 

  小さな声で発せられたその言葉は近くにいたジンにだけ聞こえた

 

 

「さぁ、ゲームには勝ったぜ。とっとと修也の身体から出ていけ」

 

  十六夜の言葉にはっと現実に引き戻された

 

「えぇ、出ていきますよ。その前に…………」

 

  パチン、と修也が指をならす

 

  それと同時に白い空間に亀裂が入る

 

「貴殿方を箱庭4桁のベルカの地へとご招待しましょう」

 

 

  白い空間が割れ、世界が変わった

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