問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡 作:ブレイアッ
今後とも召喚士をよろしくお願いいたします
「俺は「その必要はありませんよ」ぐっ!?」
修也が名乗ろうとしたとたんクラウスが修也の顔面を殴り、修也の体が宙を舞った
「なっ!?」
「修也さん!?」
クラウスの突然の行動に驚きの声をあげる黒ウサギとジン
「この…………!」
「待て」
今にも殴りかかりそうな勢いの耀を修也が止める
「いいぜ、そういうこなとなら………!」
修也の右腕に肘から指先までを保護する装甲を展開させ、クラウスの顔面を殴った
「なっ!?」
「修也さん!?」
今度は別の意味で黒ウサギとジンが驚きの声をあげる
「修也さん! 何てことを……!」
「そうですよ! いくら殴られたからって…………!」
「いえ、いいんですよ」
クラウスが立ち上がって言う
「ま、そういうこった」
修也がクラウスに拳をつきだすとクラウスはその拳に自らの拳をコツンと合わせた
「力は落ちたようですが腕は鈍ってませんね」
「まあな、クラウスも腕、かなり上がったな」
笑いあう二人、黒ウサギたちは混乱するばかりだ
「修也、もしかして知り合い?」
耀が修也に訊く。それは”ノーネーム"全員が思っていた疑問だ
「ん、まあ………知り合いって言うより戦友?」
「私と修也は親友です」
「「「「「……………………え?」」」」」
”ノーネーム"全員の声が重なった
今、彼らはなんと言った? 親友? 一国の王と修也が?
ぐるぐると黒ウサギとジンを中心に思考回路が混乱する。そんな彼女たちをおいて
「それでは、パーティーを楽しんでくださいね」
オリヴィエがそう言って別のコミュニティのところへと向かう、クラウスもそれについていった
『あ、修也は後でいつもの部屋に来てくださいね』
去り際にイクスから送られてきた念話に修也は頷いて見せた
:::
「し、親友とはどういうことなのですか!? 修也さん!」
一時的な思考停止から復活した黒ウサギが問い詰める
修也は近くのテーブルの上の料理を浮遊の力を使って皿の上に乗せながら答える
「どういうこと、と言われてもそういうことだ。イクスたちと俺は同じ世界、同じ時間から箱庭に来たってことだな」
ふよふよと料理が乗った皿が人数分、黒ウサギたちの前に飛んでくる。ご丁寧にナイフとフォークも一緒だ
「まぁ食え、質問は受け付ける」
そう言って修也は皿の上に乗った肉料理を口に運んだ
「ひゃあ、わらひはら(じゃあ、私から)」
口いっぱいに皿の上のものを入れた耀が言う
「(ごっくん)修也はどうやってあの人たちと知り合ったの? 外の世界じゃ王様だだったんだよね」
「ん、そりゃ俺がイクスの騎士だったからな、同盟国のシュトゥラに行った時に留学生だったオリヴィエとシュトゥラの王子だったクラウスと仲良くなった。クラウスやオリヴィエとは好敵手ってかんじかな? 武を競い会う仲だった」
「そうなんだ、よかった」
耀がほっとしたように呟いた、皿の上の料理を食べるスピードが上がる
「黒ウサギからも一つ質問が………」
黒ウサギが怯えたような様子で言う
「もしかして黒ウサギが箱庭に呼んでイクス様たちに迷惑をかけたんじゃないでしょうか?」
「いや、全く」
修也はそう即答して浮遊の力で耀に六皿目を運ぶ。その様子はどこか楽しそうだ
「色々あってな、旅をしてたところにお前から手紙が来て召喚されて、今は“ノーネーム”の召喚剣士だ」
「ノーネームの」を強調した修也の言葉は黒ウサギたちに安心感を与えた
:::
その日の夜
シュトゥラ城 クラウスの部屋
クラウスの個室にノックもなしに堂々と入る人影があった
「来ましたね、修也」
「おう、今朝
そう言って懐から封書を取り出す
その時、パタパタと二つの足音が聞こえた
「すみません、クラウス! 遅れました!」
「ごめんなさい~!」
勢いよく扉を開けて入ってきたのはオリヴィエとイクスの二人だ。オリヴィエの顔には泥がついている
「オリヴィエ、ほら! 顔に泥がついてますよ」
クラウスはポケットからハンカチを取り出してオリヴィエの顔についた泥を拭き取る。それを見た修也は懐かしいものを見たとばかりに頬を緩ませる
「どうしました? 修也」
イクスがトテトテと修也のもとに歩みより問う
「いや、懐かしいなと思って。一年近く経ってるからかな?」
イクスはオリヴィエとクラウスの二人を見てたしかに、と呟いた
修也の一生は短い、他の人間にとっての一日は彼にとって一週間のようなものだ。故に彼の一年はとてつもなく長い
「そうですね……」
:::
「さてと、修也が箱庭に召喚されて昔の四人がそろったことですし、久しぶりに談笑会を始めましょうか」
イクスが修也、オリヴィエ、クラウスの三人に言う
「そうですね、私たちの子とは大体手紙で説明してるので修也のことを聞きましょうか」
「ですね、まずは箱庭に来てからのことから」
オリヴィエとクラウスの二人が修也に詰め寄る
修也は少しだけ後ろに下がった。この二人はイクスより大人なのに変に子供っぽいから困る
「わかったから、落ち着け! 今から話すから」
そうして修也は箱庭に召喚されてからのこと、ガルドやペルセウスのことを詳しく話させられるであった
次回、王さま三人と修也の楽しい(?)談笑会