「」←実際の会話です。
『』←バーンウッドの会話です。
カッコなし ←47の心の声です
『横須賀へようこそ。47』
『あなたのことだから“艦娘”という存在は知ってるわよね?今回の任務はその艦娘からの依頼よ。』
『今回のターゲットは横須賀第3鎮守府の最高権力者、アドミラル・ロクロウ閣下。世間一般には数々の歴戦を経て最高司令官に上り詰めた叩き上げの凄腕軍人と噂されているけれど、その実態は金と暴力に裏打ちされた汚職に次ぐ汚職によって他の司令官から手柄を横取りした結果なの。さらに言えば彼はセクハラが多く、すでに多くの艦娘が彼の魔の手にかかり“育児休暇”の名目で退役させられているわ。軍人の風上にも置けない男ね?』
『あなたの今回の任務はアドミラル・ロクロウの抹殺。及びその汚職の数々の証拠となるメモリを奪取すること。そのメモリがあれば彼の名誉は失墜し、なおかつ本人が死亡すればこれから幾多の司令官および艦娘たちの名誉と貞操を守ることができる。依頼者である“育児休暇中”の艦娘の意向に沿った結末になるというわけ。』
『準備は一任するわ。』
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「ほんとやってらんねえよなあ!ここの提督さんにはよお!」
「オイ、声が大きいぞ。側近の艦娘にバレたらどうする。」
「構いやしねえよ!だいたいアイツのこと本気で慕ってる艦娘なんて居るのかよ?」
私、エージェント47は今、横須賀第3鎮守府の第二工廠に整備員の扮装をして潜り込んでいる。横で2人の中年の整備員がアドミラル・ロクロウについて話している。
「でもよお、長門や鹿島はいつだって近くにいるじゃねえか。アイツラは慕ってるんじゃねえのか?」
「バッカ、長門は要領がいいから側近にして仕事を丸投げしてるんだよ。鹿島に至ってはセクハラ要員だ。次の育児休暇は鹿島だろうよ。」
「全くうちの提督も参るなあ・・・。ここに入ったときにはもっと有能だって聞いてたんだけどもよ。」
「百聞は一見に如かずってやつだな。一見どころか一瞬で外で聞いたのとは違うことがわかるのもアレだがよ。」
「そういやそろそろ第一ドックで新しい艦娘ができるんだろ?そいつもあいつの餌食になるんだろうなあ」
「そうそう。建造時間は比較的短かったから、ロリコンのアイツ好みの駆逐か軽巡だろうな。」
「アイツいつも建造が完了する瞬間見に来るよな?それはやっぱり生まれたての姿を拝みたいとかそういうのか?」
####アプローチ発見####
「そりゃそうだろ、アイツは女の裸体が見れれば艦娘だろうと娼婦だろうと関係ないのさ」
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『もうすぐ隣の第一工廠で新たな艦娘が誕生するみたいね。提督は毎回欠かさず建造完了の瞬間を見に来るようよ。あなたがその瞬間を案内してあげたら?きっと忘れられない建造になるでしょうね。』
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私は隣の工廠へと向かった。
第1工廠ではもうあと10分ほどで新しい艦娘が完成するところだった。
「オイ、そこのお前、新人か?ちょっと頼みがあるんだが」
私が入ってすぐ、現場担当者と思われる男から声をかけられた。
「何でしょう」
「実はドック横の観覧スペースの安全縄が切れちまってな。そろそろ提督がやってくる。それまでに新しいのに張り替えといてくれや。縄はあっちの倉庫にあるからよ。」
「わかりました」
どうやらドックの横すぐ近くに観覧スペースがあり、アドミラル・ロクロウはいつもそこから観覧しているようだ。ドックは深さは数十mはあり、横幅も同じくらいある。縦の長さは100m以上あって向こう側に渡るのも一苦労だろう。しかし、艦娘は普通の船とは違い、人間サイズなため、そのドックの中央部にて光たまのような状態で建造されており、完了するとそこから近くの足場に着地するということらしい。
「じゃあそういうことで、オレはちょいと野暮用に行ってくるわ」
そう言うと急いでドック横の小部屋に駆け込んでいった、腹を押さえていたところを見ると腹痛でトイレに駆け込んだのだろう。
私は言われたとおり倉庫から縄を取り出し、観覧スペースの“中央部分だけすぐ解けるよう緩めに”縄を張った。
そうこうしているうちにトイレに行った現場監督が戻ってきた。
「おお、上出来上出来。じゃあそろそろ建造が完了すっから、提督呼びに行ってくれや」
「わかりました」
私はドック横の扉から外に出て本棟へ向かい、提督室を目指した。
「はわわ!なんかすごいおっきな人なのです!」
「なんかすごいオーラを放っていた気がするわ。近寄りがたいっていうのはああいうのを言うのね・・・」
途中、小柄の艦娘(確か名前を雷と電と言ったか)とすれ違った。47は極力殺気というものを出してはいないはずだがそれでも独特の雰囲気に艦娘の二人は気がついた。抑えていかねば側近の長門と鹿島に気取られる可能性もある。注意しておこう。私は心の中でそっと2人の小さな艦娘に礼を言った。
提督室についた。私はノックをした後「入れ」の声の後入室した。
「何だ工廠のか。ということは建造は?」
「はい、間もなく第一ドックの建造が完了するためご確認願いたく思います」
「おお、そうかそうか。オイ、長門。後を頼むぞ。鹿島ついてこい」
「ハッ、承知しました書類はこちらで処理しておきます。」「了解しました。お供します。」
私は奥の棚の中に「艦隊運用法」や「効率の良い遠征方法」に混じって「重要記録」と書かれたファイルがしまわれているのを見逃さなかった。
「こちらです。ここでお待ち下さい」
「うむ。」
私は緩めておいた縄の前に提督を誘導すると、そこで待機するように言った。
「提督さん、新しい船がご挨拶したいんですって。」
鹿島がそう言うと建造完了のチャイムと共にドック中央部の光の玉が一層輝き出した。
「すみません鹿島さん。確認の書類を用意するのを忘れていました。横の棚からとっていただけますか?」
「え?あ、ハイ、わかりましたちょっとまっててくださいね」
そう言うと鹿島は提督に背を向ける形で棚に近づき書類を探し始めた。
私はそれを手伝うよう裝って提督の背中を少しだけ押した。
「うおっと」
もともと提督は肥満体質であるにもかかわらず足腰が丈夫そうには見えない。彼は少し押されるとよろけ、目の前にあった安全用の縄を掴んだ。縄は緩んでいたためそのまま彼の体重によって完全に解け、そして・・・
「うわ!わ、わ、わああああああああ!!!」
ドサッ
「え?え!?提督さん!?」
「鹿島さん。提督が転落したようです。早く救助を。」
「ええ!?わ、わかりました!誰か!誰かいませんか!」
「私は長門副司令にこのことを伝えてきます」
「わかりました!お願いします!提督さん大丈夫ですかあ!?」
私は集まってきた整備員の雑踏に紛れるように司令室へ向かった。
艦娘の建造に皆夢中だったため提督が落ちた直接の原因を誰も見てはいなかった。
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『お見事ね47。彼は己の欲に忠実になった結果身を乗り出して転落。あの高さで下はコンクリート。まず助からないでしょうね。次は重要情報のメモリよ。』
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私は提督室の扉を慌てたように乱暴にノックした後返答を待たずに入室した。
「長門副司令、一大事です。提督がドックに転落なされました」
「何!?それは本当か!まずいことになった。すぐに行く!」
「お願いします」
私の言葉を聞く間もなく工廠へ向かって長門は走っていった。提督室にはもう誰もおらず、私は難なく侵入した。
奥の棚にあった“重要記録”は他愛のない書類ばかりであったが、これ以上記録を増やすことを拒んだのかそれとも今までの“育児休暇”に行った艦娘の置き土産なのかは定かではないが一番最後のページにそのメモリはあった。私はそれを丁寧に取って跡が残らないように細工をした。私は記録を元の場所に戻すと提督室を出た。
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『素晴らしいわ47,任務完了よ。そこから脱出して。』
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工廠の方は大騒ぎになっている。憲兵隊も出動している他、非番と思わしき艦娘もちらほら見える。だがその表情は悲観にくれるというよりも長い呪縛からやっと解放されたようなそんな安堵感が見て取れた。私は第4工廠の横に止めてあったトラックに乗り込み基地を後にした。
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~3日後~
「それで、新しい提督の着任は遅れそうなのか?」
「いえ、もともと提督は更迭間近だったようで、少し予定が早まっただけのようです。」
「そうか、しかしあのふてぶてしい悪人がこうも簡単にポックリ逝くとはな・・・」
「ですね・・・何があってもしぶとく生きながらえそうな人でしたから・・・」
「そういう鹿島はあまり悲しそうじゃないな?アレだけ提督にべったりだったのに」
「提督さんは私の体目当てだって薄々気がついていましたから・・・。そういう長門司令だってあまり悲しそうじゃありませんけど?」
「私は使いパシリのような状態だったからな。元よりあの男に忠誠など誓ってはいなかったさ。というかこの鎮守府内で彼の葬儀に出席する艦娘がどれだけ居るかも疑問だな。」
「私と長門司令は問答無用で出席ですものね・・・秘書艦の任務ってホント大変。」
「まあそれもこれも葬儀に出席するのですべて終わるわけだ。新しい提督はもっとマシになることを祈ろうか。」
「ですね。」
ミッションコンプリート
・「欲望の果てに」 +2000 『ターゲットをドックに転落させる』
・「艦娘プロフェッショナル」+1000 『工廠の整備員としてスタートする』
・「戦友」+2000 『艦娘と一緒に行動中にターゲットを始末する』
・「着任しました?」+1000 『建造中の艦娘が完成する前にターゲットを始末する』
作者は一応ショーストッパーの暗殺チャレンジはすべて完了している程度にはプレイしています。
艦これの方はトラック泊地で提督やってます。
次回は別アプローチです。