また持ち込み道具の一部が変わっています。前書きは例によって簡略化されています。
『幻想郷へようこそ47』
『今回のターゲットはルーマニア出身のマリー・パルシュ。ルーマニアきっての呪術研究家よ。幻想郷の存在自体を危険視する彼女は自ら幻想郷に赴き、外部の人間を流入させてその存在自体を葬ろうとしている。幻想郷の管理者ヤクモ・ユカリより依頼を受け、今回ICAが処理する案件となったわけ。ICA上層部としてもUMAのような存在が野に解き放たれるのはあまりよろしくないの。』
『準備は一任するわ』
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ここは人里。私は町人の一人として町一番の大通りを歩いている。町一番と言っても幅は5mほどしかなく、シャンゼリゼ通りなどに比べれば狭い部類だが人口を考えるとだいぶ余裕がある。私は今回、注射型麻酔薬と自由に整形できる硬質粘土を持ってきた。この粘土は変装する相手の身体的特徴を再現するのに使われるものだ。
「ごうがーい!ごうがーい!」
空を羽の生えた人間が飛び回って叫んでいる。“号外”と叫びながらビラを撒いている辺り新聞か。ここは日本をもとにしており、紙も1枚なので瓦版というべきか。街の人が対して驚いても居ないところを見ると、ここでは空を飛ぶ妖怪もその妖怪が号外を配ってることもそんなに珍しいことではないらしい。私はばらまかれた号外の一つを手にとった。
【急報!大妖怪八雲紫、急増する外来人に対策を開始!】
見出しにはそう書かれていた。正直号外を出してまで報道することなのだろうか。それともヤクモ・ユカリという人物は対策に動き出すのがそんなに遅いか珍しいことなのだろうか。というか我々が対応していることが既に報道されているのはいかがなものか。情報ダダ漏れとはまさにこのことだ。
「まーた文ちゃんの“号外”か。」
「今月に入って号外これで10回目だな。」
「号外ってなんなんだろうな。」
会話が聞こえてくる。どうやら号外を乱発しすぎてネタの内容が薄くなってきているようだ。別の町人の会話が聞こえる。
「号外ねえ・・・、この前の号外は結局ガセネタだったしなあ。」
「まあなあ。あ、でもその前の号外は半ば当たってたみたいだぜ?」
「本当かい?確か【民家跡に謎の術式跡、新興宗教か!?】だっけか。」
「そうそう。そんな馬鹿なって思ってよ、載ってる民家跡に肝試しがてら行ってみたんだよ。何の変哲もない一軒家だったんだけどよ、中覗いてみたら・・・」
「覗いてみたら?」
「家具や調度品も一切なくて変わりに床一面に魔法陣だかなにかがいっぱいに書かれてたんだよ」
「うわぁ、あの号外もまんざら嘘八百ってわけじゃねえのか」
「だなあ。おれ魔法陣のことはよくわかんねえけどよ、普通魔法陣って英語って言葉で書かれてるんだろ?その魔法陣は周りに漢字が書いてあったぜ?」
「漢字?漢字で魔法陣って作れるのか?」
「おれが知るかい。そういう魔法陣も有るんじゃねえか?」
「で、それを見てどうしたんだよ。」
「どうしたって?」
「何もしてないのか?巫女さんに報告するとか、妹紅さんに調査依頼出すとかよ。」
「だってもう号外になってるんだぜ?巫女さんも妹紅さんも知ってるだろ。」
「それもそうか・・・やべ!もうすぐ昼じゃないか!」
「げげ!早く行かねえと特製まんじゅう売り切れちまう!」
「あのまんじゅう甘えからな。コゾナックとか言ったか?」
「まんじゅうにしてはふわふわしてるけどな。行こうぜ!」
コゾナック。私はその名前を聞いて、調査の必要があると感じ、二人の後を追った。
「げーっもうだいぶ並んじまってるよ!」
「号外で話し込んでたからなあ」
そこには長蛇、とまでは行かないがかなりの列ができている店があった。
“コゾナック”とは元々はルーマニアの菓子パンで、クリスマスや誕生日などの特別な日用のケーキのようなものなはずだ。しかしそこにあった店頭ポップにはシフォンケーキのようなメロンパンのような丸くまとめられたものが描かれていた。私の知っているコゾナックよりはだいぶ外皮もしっとりとしていた。
2人はそそくさとその列に並び始めた。前から思ってはいたが、この国の人間は行列が有ると並びたくなる衝動でも有るのか行列に並ぶことをそれ程苦にしていないように思える。しかしかく言う私も行列に並ぶのは嫌いではない。なぜなら、
「ここのまんじゅうは格別なんだってさ!」
「へー、あんまり見ない形のまんじゅうだよね?」
「なんでも外の世界のるーまにあ?とか言うとこのお菓子だったみたいよ。」
「そうなの?それを伝えた人がいるのかしら?」
このように行列に並ぶと自然に世間話が聞こえてきて情報収集という点においては非常に役に立つのだ。人は暇になるとそばにいる親しい暇な人間と話始めるものだ。私も列に並びながら周りの客の言葉に耳を傾ける。
「それなんだけどさ、なんかるーまにあ?から来た人がこの製法を伝授してくれたみたいなのよ。」
「伝授?ということはそのるーまにあの人がやってるんじゃないの?」
「そこが謎なんだけどさ、なんでも幻想郷のことについて教えてくれたらレシピ教えてあげるって言ってきたらしいのよ」
「幻想郷のこと?そんなの聞かなくてもいくらでも調べられるじゃない。巫女さんや霧雨店の店主さんとか、けーね先生とか喜んで授業してくれそうだけど。」
「なんか後ろめたいことでも有るんじゃないかなあ?世界を滅ぼすために動いてる悪の秘密結社とか!」
「あんた最近外の世界から来たっていう小説の読み過ぎだってそれは・・・」
どうやらマリー・パルシュかその関係者が幻想郷のことについていろいろな方向から調べ上げてるようだ。その足跡をたどればターゲットにたどり着けるかも知れない。
そうこうしてるうちに私が買う番になった。
「コゾナックを一つ頼む。」
「まいど!ありがとうねえ!」
「だいぶ繁盛しているようだな。」
「いやーおかげさまで。このレシピを伝授してくれた人様様ですわ!」
「そのコゾナックを教えてくれた人は今何処にいるんだ?」
「ん?さあ、地下世界にもこのレシピを広めるんだとか言ってたような・・・。さあ、コゾナックだ、堪能してくんな!」
####アプローチ発見####
「ありがとう。」
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『ターゲットは地下世界に頻繁に出入りしてるみたいね。地下世界は巨大な洞窟になっていて、地獄で使う炎を作り出してるところなんですって。地獄の業火はマリーパルシュも浄化してくれるかしら?』
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地下世界、ブリーフィングで基本的な世界図は頭に入れていたのでおそらくそれは地霊殿、旧地獄と呼ばれる場所だろう。私は足跡をたどるため足早にその場を後にした。
町で地霊殿について探っていると前から特徴的な人物が歩いてきた。事前ブリーフィングで名前は知っていた。あの特徴的な青を基調とした服と中国人のような帽子、上白沢慧音だ。
センセーオハヨー!ハイオハヨウ
通り過ぎる子供から先生と呼ばれている。事前情報通り教師をしているようだ。と、町の中央広場にある少し高くなっている台の上に乗り声高々に話し始めた。
「みんな聞いてくれ。先日地霊殿の主、古明地さとりの使いより連絡があった。どうやら最近地霊殿に出入りしている人間が居るようだ。知っての通り地霊殿は鬼や悪霊などが巣食う場所。人間が行けば無用な争いや被害にあうだろう。よって、村長とも話し合った結果、南東にある地霊殿へ続く道を封鎖することを決定した。今後この道は通らないように注意してくれ。これも人への被害を減らす一環だと思ってわかってくれ。以上だ。」
人々はその知らせを聞いて思い思いの表情を浮かべてはいたが概ね了解しているようだ。おそらくその出入りしている人間とはターゲットの関係者か本人に違いない。私は雑踏に紛れつつ路地裏を通り南東のたった今封鎖された道を目指した。
道を道なりに進んでいくと地底世界入り口になっている洞穴があった。ご丁寧に“この先旧地獄”とまで書かれた看板まで有る。かなり深く続いていることが外からでもわかるほどかなり奥まで見渡せるがさらに奥の方は暗くてよくわからない。私はひとまずその中へ入っていった。ここは多種多様な妖怪の巣窟になっているようで道中、足が何本も生えた蜘蛛のような少女や、桶に入りっぱなしの少女などを見かけたが、石を明後日の方向に投げるだけで気をそらしてくれたおかげで事なきを得た。
しばらくすると橋が見えてきた。地底を流れる地下水路にかかる橋のようだ。その橋の上にまたあからさまに少女が立っている。思えばここの妖怪は少女ばかりだった。あの子もその類と見るのが自然だろう。しかしこの通路は多少入り組んでるとは言え一本道、川幅はそれなりにあり、深さは少なくとも底は見えない。どうやればあの子に気が付かれずに渡れるだろうか・・・。
ガヤガヤガヤ
後ろからなにか騒がしい音が聞こえてきた。私はとっさに近くのくぼみに身を隠す。
「いやー早く帰って一杯やろうぜ」
「今日はオレとっておきの酒開けちゃおうかな!」
「あたいにも飲ませてくれよそいつをさあ」
ガヤガヤガヤ
後ろから頭から角の生えた人が集団でやってきた。おそらくあれが鬼と呼ばれる妖怪だろう。かなりの人数がおり、さながら百鬼夜行と言ったところだ。
「ちょっとあんたたち、何処行ってきたのよ!」
「おう!パルスィちゃん!今日も元気だねえ!」
「元気だねえじゃないわよ!また地上で遊んでたの?私はここを離れられないっていうのに妬ましいわね・・・」
丁度良く目の前で集団が止まった。私は比較的背丈が似ている最後尾の鬼に目をつけた。小石を足元に投げ、おびき出し、後ろから麻酔注射を行った。意外にも鬼は人間とさして変わらない様に昏倒した。服を借り、硬質粘土で同じような角を自分の頭に作った。そして百鬼夜行の列の最後尾に何食わぬ顔で紛れ込んだ。
「まあいいわ!とっとと通りなさい!」
「ヘイヘイ、あんまり怒ってると可愛い顔が台無しだぜパルスィちゃん!じゃあな~!」
「うるさい!早く通りなさい!」
可愛いと言われて照れたのか川の方を向いて押し黙ってしまった。おかげで怪しまれることもなく難なく川を渡ることができた。私は橋を渡ってすぐに岩陰に身を隠し、百鬼夜行集団と別れた。
程なく町が見えてきた。以前任務で行った日本のキョウトと呼ばれる町によく似ている。が、こちらのほうが現代的な建物や施設がないぶんタイムスリップしたような感覚に陥る。町の中では先程の鬼たちが元から居た鬼たちと談笑しながら酒を飲み交わしている。そう言えば鬼は酒好きと聞いた記憶があるのを思い出した。
その群衆の少し外れたところにフードをすっぽりかぶった人影を見つけた。あそこまであからさまに怪しいとバレそうなものだがおそらく呪術的な何かでどうにかしているのだろう。鬼たちがそちらを見ることはあっても気にかけることはない。
私は顔を確認するべく近くへ寄った。居酒屋のような店の店先で酒を飲むフリをしつつその人物を確認した。
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『あれがマリー・パルシュ。呪術の天才にして楽園の破壊者。ヤクモユカリを退けられるなら鬼を退けることなどたやすいということかしらね。』
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ターゲットを確認。どうやら他の内通者は居ないようで鬼たちの出方を窺っている。
私は飲むふりをやめ裏側に回り込む。彼女はこちらに気がついておらず、ひたすらに前方の鬼の集団を見ている。私は周りを確認し、後ろからシルバーボーラーを構える。
パシュン ガシャーン!
放たれた弾丸は正確に鬼たちの持っていた酒坏を打ち砕いた。私はすぐさま路地裏に身を隠す。
「おいテメェ!オレの盃をどうしてくれるんだよ!」
「ああ?テメェ人間か!?こんなとこまで来て俺らに喧嘩売るとはいい度胸じゃねか!」
「えっ?えっ?何どういう事?!?!」
「とぼけてんじゃねえ!変な術でオレの酒坏割ったのはおめえだろ!ソッチのほうからなにか飛んできたのをオレは見逃さなかったぜ!」
「鬼に喧嘩売るってのがどういうことか知らねえはずはねえよなあ!」
「えっ、ちが、私じゃ」
「とぼけんじゃねえ!やっちまえ!」
ワーワーワー
辺りはたちまち大乱闘になった。私はそそくさとその場を離れ、2ブロック先の軒先から
様子をうかがうことにした。
急な戦闘の勃発に困惑しながらも彼女は呪術で対応していく。彼女もなかなかに善戦しているように見えるが、鬼たちの表情は怒りで冷静さを失っている。攻撃に容赦がなく、まともに喰らえば良くて複雑骨折、悪ければ一撃でぺしゃんこだろう。彼女がハクレイノミコのような人物であったなら対処は可能であっただろうが、良くも悪くも呪術的には平和な外の世界の出身。次第に押され始め、ついには
ゴシャア
まともに鬼の全力と思えるパンチを食らった。彼女は数mは吹っ飛びつつ向かいの建物の壁に叩きつけられた。まだ息はあるようで体がピクピク動いている。
「わかったか?!俺達に喧嘩売るならもっと力をつけてくるんだな!」
「殺しちまうと巫女に折檻されちまうからこのくらいにしといてやるよ!」
「身の程をわきまえるんだな!」
鬼たちはこれ以上攻撃するつもりはないらしい。大声で笑い合っている。と、私は彼女の頭上に大きめの鍾乳石が有るのを発見した。鬼たちが勝ち鬨を上げるのと同時に私はその鍾乳石の根元を撃った。
パシュ ピシッ ガシャーン
鍾乳石は根元から割れ、虫の息だった彼女に正確に命中した。先端が鋭利になっている鍾乳石に押しつぶされ胴の中央部を貫いていた。彼女はもうピクリとも動かなくなった。
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『ターゲットダウン。見事な手際だったわ47。そこから脱出して。』
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「お、オイ!あいつのとこに岩が落ちてきたぞ?!」
「もしかして喧嘩の余波で岩が崩れたのか?!」
「やべえよあいつ虫の息だったのに、死んじまったんじゃねえか?!」
「やべえよこりゃあ、巫女に退治されちまう・・・」
「お、オイ、逃げ・・・」
鬼たちがその場から逃れようとしている。と、奥から特徴的な服と角を持った女の鬼が来た。
「おおっとそうはいかないねえ。お前ら。」
「げ!勇儀姉さん・・・」
「お前ら今は地上の連中とピリピリしてるから人間には手を出すなってさとりから言われてただろう?」
「で、でもあいつからふっかけてきたことで」
「いいわけすんじゃねえ!!」ハ!、ハイイ!
「お前らには直々にお仕置きが必要なようだな・・・」
「ヒェェェ!姉サンご勘弁を!これは事故なんだ事故!」
「言い訳無用!!」
ギャー
先程の戦闘が生ぬるく感じるレベルの騒ぎになりつつ有る。早々にここから退却する必要がありそうだ。先程来た橋の方からも2人やって来た。
「ちょっとちょっとなんの騒ぎよ!なんか大きな物音がするから来てみたらなんで勇儀が暴れてるのよ!」
「おう、パルスィ。いやコイツらにちょっと折檻をな。コイツら人間をいたぶって殺しやがったのさ。」
「人間?そんなやつ通した覚えないけど・・・ってこれ以上被害増やしてどうするのよちょっとは落ち着きなさい!」
「そうよ、ちょっと様子を見に来たらそういうこと・・・」
「げ、博麗の巫女・・・何故ここに・・・パルスィどういうことだい!」
「様子を見に行く途中で会ったのよ。何でも里で行方不明になってる人間を探しに来たとかで。」
「この岩の下敷きになってるやつの事かい?そいつあ気の毒なことを・・・」
「で、実行犯は誰?」
「ああ、コイツらだが、コイツらの管轄は私だ、私に責任がある。」ア、アネサン!
「あ、そう。じゃああなたが代わりに退治されてくれるのかしら?」
「言い訳はしないがこちらにもメンツが有る。ただ退治される訳にはいかないね。」
「じゃあ、仕方ないわね。」
「「弾幕で勝負!」」
ドパパーンガシャーンギャーギャーワーワー
何か更に派手なことになった気がするが、橋に居た彼女がここに居るということは今現在橋はフリーパスということだ。私は足早に橋へ向かった。
橋を渡り、隠しておいた服を着、着ていた鬼の服をまだ伸びていた鬼に着せた。思えばこの鬼は私と背丈が似ているから成人した鬼だと思っていたが、街で見かけた鬼の体格を見るにもしかしたらまだ青年期、小鬼と呼べる段階なのかも知れないと思った。私は帰りも蜘蛛と桶の妖怪少女たちを小石でやり過ごしつつ出口に向かった。
そこからは簡単だ。来た道を順繰りに戻ればいいのだから。途中、宙に浮かぶ黒い球体に遭遇しそうにもなったが里で買ったまんじゅうに引かれているようだったので明後日の方向に投げたらそっちを向いてくれた。私は里へ戻り、ICAセーフルームから外の世界へ帰還した。
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~3日後~
「ふう、これで事後処理は終わり」
「お疲れ様です、さとり様。」
「ああ、お燐、全く鬼たちの喧嘩好きにも困ったものだわ。」
「本当に。それで今回死んだ人間はこちらで引き取れるんですか?」
「遺体自体は地上の無縁塚に葬られるみたいだけど魂はこっちに来るんじゃないかしら?」
「やりぃ!・・・あ、すみません。」
「いいのよ。それにしても不思議な事件だわ。」
「何がですか?鬼に喧嘩ふっかけた人間が鬼の力加減のミスで死んでしまったというだけでは?」
「鬼が喧嘩を止めた時点ではまだ息はあったらしいのよ。直接的な死因は鬼が騒いだ際に崩れ落ちてきた鍾乳石ということだけれど・・・」
「鍾乳石・・・ああ、あの天井にぶら下がってる岩のことですね」
「そう。でも鬼の喧嘩ごときで鍾乳石が割れて落ちてきてたら今までにも同じような事故があってもおかしくはなかったでしょう?それなのに今回は落ちてきた。しかもピンポイントで被害者の頭上に。」
「それは・・・偶然喧嘩の余波が当たった岩の下に偶然被害者が行ってしまっただけなのでは?」
「偶然・・・で済ませられればいいのだけれど。」
「考えすぎですよさとり様。何ならお空に天井確認させますか?」
「そのくらいな私がやるわ。まあ、今回はそれで地上の巫女も納得しているようだし、そういうことにしておきますか・・・」
「ですよ。考え過ぎは良くないですよ。ただでさえ毎日のように小難しい顔をしてシワが寄りまくってるんですから。」
「シワが寄っているは余計です!」パシン!アイタ!
ミッションコンプリート
・「ようこそ地獄へ」 +1000 『地下世界へ赴く』
・「酒と喧嘩は地底の華」+3000 『鬼たちの喧嘩に遭遇する』
・「鬼に金棒」 +5000 『ターゲットを暗殺する。その罪を鬼に着せる』
・「幸運の黒点」 +2000 『ルーミアに遭遇する』
なんとか地霊殿を噛ませたいと思った結果、またしてもターゲットの性別が関係ない事態に・・・w
しかも噛ませた割に自分の推しであるお空ちゃんやらこいしちゃんを登場させられてないという・・・w
2019/06/17追記
お空ちゃんとこいしちゃんには登場して貰う予定にはなっています。
次回は学園艦へ向かいます。