色々悩んだ末書き上げたら「あれ?ポケモン関係なくね?」な展開になってしまってどうしようかと思案したけれど、今更練り直すのもアレなので強行突破することに。
投稿作業して気がついたけど他の話の倍くらいの量になってるのに気がついた。
念の為ご注意を。どうりで疲労感があるわけだ。
『ヤマブキシティへようこそ47。』
『今回はポケットモンスター、通称ポケモンが初めて見つかった“カントー地方”の大都市ヤマブキシティを根城にする“ジャイス”という少年がターゲットよ。今までいろいろな恐喝窃盗殺人など様々な悪事を働いてきたらしいわ。』
『クライアントは彼に機密文書を盗まれて倒産の危機にある企業よ。それから今回は同時に倒産の危機に瀕した時に助けてくれなかった“ヤマブキ・シティ銀行”と少年一人捕まえられなかったヤマブキシティ警察にも損害を与えてほしいとも依頼されてるわ。こちらはサブ目標として設定しておくわね。遂行するかどうかはあなたの判断に委ねることにします。』
『準備は一任するわ。』
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ガヤガヤガヤ
私は今、ヤマブキシティの繁華街に来ている。情報によるとこの繁華街を抜けきった先にあるヤマブキ・シティ銀行にターゲットを含めた強盗団が押し入る可能性が高いことが情報部が教えてくれた。しかも今回はヤマブキシティ警察、そして強盗に入られる銀行自体にも少なからず制裁を加えてほしいというなんとも奇妙な依頼だ。完全な逆恨みではないかと思うが契約は契約だ。ともすればそれらが一堂に会する強盗発生の瞬間を狙うしか無いだろう。今回私は、ICA特製の設置式リモコン爆薬を持参した。
まずは周辺状況を確認することにする。ヤマブキ・シティ銀行はウォール街とも取れる金融街の一角に店舗兼本社を構えている。ビルの高さはかなり高く、シルフカンパニー本社ビル、ヤマブキショッピングモールについで3番目に大きな建物だ。情報によると建物は鉄筋コンクリート造の50階建て。もっともシルフカンパニー本社ビルが100階建て、ヤマブキショッピングモールはトレーニングジムやBAR、高級マンション等が併設されて80階建てなのでそれらと比べるといささか小ぶりに見えてしまう。さらに言えばすぐ道路の向かいに新しくビルが建設中であり、完成すれば120階建ての超高層ビルになる予定らしい。現在は40階ほどしか出来ておらず、最上部にはタワークレーンがせわしなく動いている。
道幅はかなり広く、片側3車線歩道と中央分離帯付きの大通りで、乗用車・トラック・バスなどかなりの交通量がある。店の外観もとても重厚でニューヨークの連邦準備銀行を思い起こさせる。
私はこの状況を見てあるプランを思いついた。だがそれは今まで私がやって来たどの暗殺よりも大きな被害を出し、多くの人命を殺傷することにはなるだろうが、主要目標であるターゲットの暗殺とサブ目標を同時に達成できるであろうプランだ。任務の達成は最優先だ。条件が整えばこのプランで行くことにする。
私はプランを遂行するべく準備に取り掛かった。まずは必要な車両の調達と必要な服装の調達だ。私は銀行向かいにある工事現場の脇の路地へ入った。路地裏は日も当たらず電灯もないようなので昼間でも薄暗かった。工事現場が終わりかける地点のビルの根元の裏口階段でこの街を縄張りにしていると思われるゴロツキが居た。何かを話しているようだ。私は気が付かれないようにそっと近づき聞き耳を立てる。
「しっかしよう、参加しなくてよかったのかなぁ?うまくすればこんな生活しないでタマムシかクチバに別荘建てられるくらいの収入は期待できたのに。」
「バッカ、ヤマブキ・シティ銀行だぞ?ちょっとでも身バレしたら永遠に全世界のお尋ね者だ。タマムシやクチバどころじゃねえ、グレンやハナダ岬、ジョウトやホウエンに行ってもお尋ね者になるのは間違いねえ。こんなとこでたむろすることすら出来やしなくなるんだぞ。」
「でもよおオレ、ジャイスに借りがあるんだよ…それで・・・その・・・引き受けちまったんだよ、用心棒役。」
「マジかよ!?じゃあ今度の“ドデカイ仕事”にも参加するのか?」
「するわけ無いだろ!オレポケモンバトルも強くねえし、銃なんか持ったことすらねえ。喧嘩も勝率5割がせいぜいだし、用心棒なんて務まるわけねえんだよ!」
「でもどうすんだよ。ジャイス怒らせたらただじゃすまねえぞ。間違いなくクチバの海に捨てられるか最近開通したリニアの全速力に突っ込まされるかハナダの洞窟に放り込まれるかのどれかだぞ?」
「そうなんだよ・・・あーあ!バックレて田舎に潜むかあ?でもあいつ執念深いからきっと追ってくるだろうしなあ・・・。」
「そうだな…あいつがそのドデカイ仕事で死んでくれれば話は早いんだがな・・・。」
####アプローチ発見####
「あいつが簡単にくたばるかよ。なあ、お前どうにかしてジャイスを何とかする方法とかねえのか?」
「オレが知るかよ!あったら俺もどうにかしてるさ!」
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『どうやらターゲットは町の悪人たちにも恐れられてるみたいね。彼はジャイスの仕事をすっぽかしたことによる報復を恐れてる。うまくすれば私達の計画に協力してくれるかも知れないわね?』
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私は隠れるのを止め、彼に近寄った。
「な、なんだおめえ!」
「今の話を聞かせてもらった。ジャイスを葬る手伝いをしてくれないか。」
「な、なんだとぉ?」
「誰なんだよお前は!」
「私が誰かよりもお前がジャイスの報復から身を守るすべが今目の前にいる不審な男にしかない現実を受け止めるべきだ。」
「ぐっ・・・」
「何も危険なことをしてもらうわけではない。少しだけ手伝ってくれたらそれでいい。」
「な、何をしろってんだよ。言っとくがこちとら警察とやり合うだけの力はねえぞ?」
「簡単なことだ。そこの工事現場から建設作業員の作業着と作業用エレベーターに乗るための鍵を調達してきてくれればいい。」
「何?それとジャイスが何の関係があるってんだよ?」
「それは君たちは知らなくて良いことだ。どうする?私の要求を聞きジャイスから逃れるか、はたまた地の果てまでジャイスに追いかけられながら余生を過ごすか。」
「・・・」
「・・・」
「・・・わかったよ。やりゃあいいんだろやりゃあ!」
「おい、お前!」
「どうせこのままグダっててもジャイスに殺されるだけだ。それに作業着と鍵盗んだくらいならサツに捕まってもせいぜい数ヶ月ムショに入るだけだ!」
「でもコイツがジャイスをやるのを失敗したら・・・。」
「失敗しても俺が何をした?工事現場の作業着盗んだだけだぜ?どのみち仕事すっぽかしたことには変わりねえんだから殺されるのは一緒だ。」
「・・・わかったよ!乗りかかった船だ、俺も協力する。お前のドガースじゃせいぜい煙幕貼って逃げることぐらいしか出来無さそうだしな!」
「恩に着るぜ兄弟。」
「話はついたか?」
「ああ、作業着とエレベーターの鍵だけでいいんだな?」
「ああ、それだけでいい。後はこちらでどうにかする。」
「わかった。受け渡しはどうすんだ?ここでいいのか?」
「ああ、ここでいい。できれば今すぐ取ってきてほしい。」
「今すぐだあ!?・・・まあいいか。オイ、お前のニューラの手助けが必要そうだぜ。」
「わかってらい。」
「じゃあ頼むぞ。1時間後、またここに来る。」
「あいよ。」
「せいぜいそっちがすっぽかさないことを祈るぜ。ジャイスを絶対なんとかしてくれよな!」
工事現場に入るための作業着をこれで調達する。彼らがしくじった場合は私自身でなんとかすればいい。彼らは手間を省くためだけのものだ。
私は路地裏を後にして銀行を横目に街道を進む。もう一つの必要な装備である車両を調達するためだ。しかしこちらは案外早く片が付きそうだ。かなり遠いが道沿いにその車両が置いてあるところを発見したのだ。ピッキングや車両を“借りる”際の手順なども把握しているのでその点は問題がないと言えるだろう。私はその場所に行き、目的の車両があることを確認すると、銀行へ戻り内部を観察することにした。
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」
「金をおろしたいだけだ。」
「かしこまりました。ATMはあちらになります。」
「どうも。」
私は銀行内部に入る。銀行のカウンター内では流石にポケモン発祥の地らしく複数の種類のポケモンが荷物運び書類運びお茶くみなどの仕事を行っている。あのポケモンは以前ポケモンセンターという施設でも見たが何故腹に卵を抱えているのだろうか?
怪しまれないためにもATMで適当に金を下ろす。ふと周りを横目で見ると客にもポケモンを連れてる人が多くいるのがわかる。この銀行を制圧するのは至難の業だと思うが果たしてどうするつもりなのか。監視カメラは見たところ10台以上、入口付近にシャッターのスイッチ。カウンター内にはお約束の通報装置などがあるのだろう。店内も広く、死角が多い。少人数では客や警備員に体制を建て直され制圧は難しいだろう。奥の扉に入る行員の奥にちらっと見えた金属製の格子の扉と丸型の金庫扉。典型的な銀行の金庫だ。
私はそろそろ先程指定した時間になるのに気が付き、銀行を出た。道路を渡り、工事現場の路地裏に戻る。
「遅かったな。こっちはバッチリだぜ。」
「ご苦労だった。これはこの仕事に対する報酬だ。」
そう言うと私はさきほどおろした金を手渡す。
「お、何だやっぱあるんじゃねえか報酬!」
「だから言ったろ?こんな強面のいかにも仕事人ってやつが報酬の1つも用意しないで頼み事なんてするわけはないんだよ。」
「ああ、お前の言ったとおりだったぜ。じゃあこれが頼まれた作業着と鍵だ。鍵は2本あってな。赤いほうで電源を入れて、黄色いほうでエレベーターを動かすんだ。」
「わかった。ご苦労だった。使用法の情報まで仕入れてくれた礼に一つ教えてやろう。早めにこの周辺から離れたほうがいい。もうすぐ“ドデカイ仕事”が始まるからな。」
「お、おう。わかったぜ。やっぱ実行は今日だったってわけか。こりゃ見られる前にさっさとトンズラだ。出てこいオニドリル!」グワー!
「じゃあな!ジャイスのこと頼んだぜ!」
####アプローチ完了####
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『うまく利用できたわね。建設現場には気絶した作業員を隠す場所もないでしょうから好都合だったわ。』
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彼らはそういうと出したポケモンに乗ってどこかへ飛び去っていった。
私は作業着に着替えると早速工事現場へ侵入した。
工事現場では依然として作業員がせわしなく働いている。ビルの建屋以外の敷地は緑地帯にでもするのかスペースが有った。私は資材の間を縫うようにして目立たずにエレベーターに近づいた。
エレベーターは常に作業員が乗っているわけではなく、用があるときにはその都度用のある人が動かす事になっているようだ。私はエレベーターに乗り、情報の通りまず赤色の鍵を【電源】と書かれた鍵穴に差し込みまわす。発動機が動き始めた音がした後、今度は【昇降機】と書かれた鍵穴に差し込む。階を示すランプが点灯した。目指すは最上階だ。
最上階に到着した。最上階と言ってもまだ建設中ではあるが。ビルの道路側の端にタワークレーンがある。私はその根元に近づき、タワークレーンを支える鉄骨4本の内道路側の2本の根本に資材に隠れるようにリモコン爆薬を設置した。この爆薬は強力で、手のひら大の大きさの厚さ3センチの容器に特製のプラスチック爆薬が大量に詰め込まれている。鉄骨を吹き飛ばすくらいは容易なはずだ。
設置作業も作業員の服装のおかげで特に怪しまれること無く終わった。私は速やかにエレベーターに戻り、下に降りた。余談だがこの建設現場でもポケモンは多用されており、資料に名前の会った“カイリキー”や“ワンリキー”などが多く居た印象だ。相変わらずどストレートなネーミングだが誰が名付けたのだろうか?
下準備が終わり、私はいつものスーツに着替え直し、路地裏で実行の時を待った。
しばらくして銀行の前に一台のセダンが止まった。中から現れたのは仮面をかぶった3人組。一人は女性のようだ。そのうちの一人は身体的特徴がターゲットの情報と見事に合致した。
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『アレがジャイス。衛星のスキャンでも確認したわ。本人に間違いない。さあ仕事の時間よ。派手にお見送りしてあげましょうか。』
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ジリリリリリ!!
彼らが中に入るとすぐにけたたましい警報音が鳴り響いた。すぐに正面扉のシャッターが降りる。しかし既に警報は鳴り響いているため足止め程度にしか使えないだろう。内部は煙幕でも炊いたのだろうか、黒い煙が立ち込めて窓からは中がよく見えない。そのうちその窓にもシャッターが閉められ完全に中は見えなくなった。
遠くから警察車両特有のサイレンが聞こえてきた。警報装置により通報が行ったのだろう。町一番、もしかしたら地域一番の大銀行とあってかなり大量にパトカーが動員されているようだ。私は速やかに行動を開始した。
パトカーとすれ違い、私は道沿いの一軒の“ガソリンスタンド”へ入った。この世界は個人の移動は基本的にポケモンに頼ることが多いようだが、物流や大人数の移動には車やトラックが使われている。またポケモンを持っていない人も多くいるらしい。そういう人々のためにもガソリンスタンドはこの世界でも重要な場所だ。私はガソリンスタンド内に停めてある“タンクローリー”にから今まさに積まれている大量のガソリンをタンクに移そうとしている作業員を発見した。
私は作業員に背後から近づき、首を絞めて気絶させた。幸いにして作業員のいた場所はビルの壁面とタンクローリーの間だったため見られることはなかった。そのまま作業員は其の場に放置し、私はタンクローリーに乗った。さあ、ショータイムだ。
このタンクローリーはそれなりに大型であり、作業員を気絶させた時に見た表記によると6つの燃料部屋におよそ総量50キロリットルのガソリンが入っているらしい。私はタンクローリーを運転し、銀行を目指す。銀行から数百mの地点には既に警察によりバリケードがはられている。そのせいかバリケード前には十台前後の車が渋滞していた。銀行にはシャッターを破るためだろうか、ポケモン数匹による火炎放射が行われていた。私はアクセルを全開にし、対向車線に無理矢理分離帯を乗り越え侵入、バリケードの警察官が必死になって止めようとしているが、燃料満載のタンクローリーが時速80キロで突っ込んでくればポケモンでも止めることは難しいだろう。私はそのまま銀行の前にタンクローリーを突っ込ませる。銀行前の警官隊もこちらの存在に気がついたようだ。慌てた様子でその場から離れようとする。私は銀行手前100mほどで運転席から飛び出し、歩道へ転がるように着地した。制御を失ったタンクローリーは中央分離帯を再度乗り越えその拍子に横転、横転したタンク部分を慣性でパトカー数台にぶち当たりつつそのまま銀行に突っ込ませた。
ガガガガドカーン!
銀行正面は既にポケモンによる火炎放射でところどころに火がついており、燃料層の1つが破損し漏れ出たガソリンに引火、爆発した。周辺に居た数名の警官を巻き込んだ爆発はその銀行の正面玄関を完全に炎で覆い尽くした。警官たちは茫然自失状態になっている。私はすぐさま近くの路地裏に避難し、爆弾のスイッチを押した。
ボーン!ガガガガガ…
上で爆発音が響き、何か金属がきしむような音がしている。タワークレーンだ。タワークレーンは4本の鉄骨の内2本が爆発で吹っ飛んだおかげで吹っ飛んだ鉄骨の方へゆっくりと傾き始めた。数十トンあるタワークレーンが傾き倒れ始めたらもう止められるものは誰も居ない。そのまま道路側へ倒れたタワークレーンはクレーン部分を向かいのビル。つまりヤマブキ・シティ銀行の社屋にぶち当てながら凄まじい音を立てつつ瓦礫とともに炎上中のタンクローリーに降り注ぎ、そして
ドカーーーーーーン!!!
おそらく他の複数ある燃料庫全てに引火したのだろう。凄まじい爆発音と衝撃、そして100m以上離れたこの路地にすら届く凄まじい熱風を放ち、周りのパトカー、人、ポケモン、ビル、その他すべてを巻き込んで大爆発を起こした。資料で見たポケモンの技のそれとは比べ物にならない規模である。私が其の衝撃と音と爆風に耐えていると道路の方にいろいろなものが吹っ飛んできた。紙やガラス片、人やパトカーまでもが宙を舞っている。9.11以来の大惨事だ。これは明日のCNNニュースのトップになること間違いないだろう。
爆発が収まり、路地裏から顔を出すと街路は見るも無残な様相になっていた。バリケードの向こう側で待っていた車も何台か横転しており、ほぼ全てが炎上している。人影は無く、倒れている人は数え切れない。突っ込ませたとき巻き込んだパトカーなど2棟となりのビルの3階部分に突き刺さっている。周囲のビルの窓ガラスはすべて割れており、無事ですんだ建物は見渡す限り一軒もない。銀行の正面は見る影もなく、4階部分までえぐれて崩落している。おそらくターゲットも生きては居ないだろう。ミッションコンプリートだ。
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『47、爆発の威力がすごすぎて衛星スキャンでもターゲットの安否が特定できないわ。内部に入ってちゃんと始末できているか確認してきて頂戴。』
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なんともとんでもないことを言う。銀行は今にも崩落しかかっており、建設中のビルも半分以上えぐれており今にも倒壊しそうだ。だが任務を達成するためには致し方ない。むしろほとんどの人が居なくなった今、作業はしやすいかも知れない。私は道路を渡り炎上し崩落した銀行へ向かった。
正面玄関は大炎上でとても近づけそうになかったので裏路地にまわり、銀行の裏口へ向かった。裏口も中から凄まじい圧力で吹き飛ばされたようでドアはところどころくすぶりながら派手に壊れている。私は内部に侵入した。
内部はもう凄まじいとしか言いようがない。壁は壊れ鉄骨がむき出しになっているし、上の階がところどころ崩落しており、まともに進めるところはなかった。と、奥の金庫室と思われるところで話し声が聞こえる。ターゲットの可能性がある。私は急いで向かった。崩落して瓦礫の下に埋もれられては確認のしようがない。
金庫室の大型の丸扉もへしゃげていた。熱を加えて溶断しようとしたところに爆発を食らったらしく内側に向かってくの字に折れ曲がっている。だがそれでも完全には通れるようになっていないところは流石というべきか。その金庫室の前に二人の男女が倒れていた。私は駆け寄る。
「大丈夫か?」
「う・・・あな・・たは・・・?」
「助けに来た。ひどい有様だな。」
「そう・・・ゴホゴゴ・・・シル・・・バー・・・は?」
「シルバー?」
「あのこ・・・」
彼女は反対側に倒れている男子を指した。私は駆け寄り脈を測る。
「大丈夫だ。気絶しているだけのようだ。」
「そう・・・よかった・・・」
「ジャイスはどこにいる?」
「彼・・・はカウンターで・・・警察の相手を・・・」
「そうか。とにかく出よう。肩を貸そう。」
「ありがとう・・・」
私は彼女とシルバーと呼ばれた男の子を救出した。裏口から隣のビルのさらに反対側に連れて行ったあと、再び銀行内に戻りカウンターを目指した。
カウンター、と呼べるかはわからないが先程偵察の時に見たカウンターと同じ色の瓦礫ならみつけた。バラバラになっており既にカウンターとは到底呼べないものだろう。
「う・・・たすけ・・・」
その時声が聞こえた。声のする方を探すと鉄筋に腹部を貫通されたターゲットが居た。まだ息はあるようだ。
「お願いだ・・・たすけて・・・」
本来なら助けるべきだが、残念ながら相手はターゲットだ。私は懐からシルバーボーラーを取り出し彼に向けた。
「えっ・・・なん・・・で・・・」
「悪いがこれも仕事なのでね。」
パシュン
「ガッ・・・グフ・・・」
銃弾は胸部を貫通。そのまま彼は動かなくなった。
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『ターゲットの死亡を確認。任務完了よ。47、その場所は危険だわ。早く脱出して。』
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言われなくてもそうするつもりだ。先程からいろいろなものが軋む音があちこちからしている。
ガラガラガラ!
っと、まずい。崩落が始まった。私は急いで外へ出る。途中瓦礫が降ってきたがなんとか避け、裏口から脱出。脱出直後に裏口は降ってきた瓦礫に押しつぶされた。私は救出した二人の元へ向かう。
「ここはまずい。もっと遠くに逃げるべきだ。立てるか?」
「なんとか・・・でもあの子は・・・」
「彼は私が背負おう。さあ逃げろ!」
シルバーと呼ばれた子を背負い、私と彼女は逃げた。後ろではさらに大きな音で色々なものが崩れつつ周りのビルにぶち当たるような音が聞こえる。周りのビルも連鎖崩壊する可能性もあったので私達はさらに遠くへ、数ブロック先のビルの中へ逃げ込んだ。逃げ込みドアを締めた直後に崩落によって発生した粉塵があたりを包んだ。ヤマブキ・シティ銀行の本社ビルとその向かいの建設中のビルは完全に倒壊した。
「はあ・・・はあ・・・」
「間一髪というところだったな。」
「・・・」
「私はようがあるので先に離脱する。お前たちはこの建物の中にいる人に助けを求めろ。ではな。」
そう言って私は脱出しようとした。
「待って。」
「・・・どうした。」
「あなた。もしかして、ICA?」
「!」
「その反応。図星みたいね。私達の前に現れるということはこの騒ぎもあなたが?狙いは・・・もしかしてジャイス?」
「・・・」
「そんな怖い顔しないでよ。何も邪魔しようとか世間にバラそうとかいうんじゃないの。それにそんな事したらあなたは私を殺すでしょう?」
「・・・何が目的だ。」
「交渉しようと思って。」
「交渉?」
「ええ。私を。私達をあなた達の組織に入れてくれない?」
「・・・」
「すぐにとは言わない。あなたの上司に掛け合ってほしいの。私達こう見えても結構腕は立つんだから。」
「・・・少し待て。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『今、上層部に報告したわ。どうやら上層部は乗り気みたいよ?私としてはあまり歓迎できないのだけれど、上層部はカントー地方にICAのエージェントを常駐させることを望んでる。一度2人と直接話をして見る必要がありそうね。迎えを送るわ。』
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なんと意外にもICAは受け入れる方針のようだ。私は彼女らの技量を見たわけではないのでどの程度使えるのかわからないが情報部によるとそれなりに腕は立つようだ。
「上と話をした。しばらくして迎えをよこすらしい。」
「ホント!?やった!あ、でもシルバーは・・・?」
「“2人と”と言っていた。おそらく一緒だろう。」
「ほんとに!よかった!あ、私の名前はブルー!もしかしたら同僚になるかも知れないから一応ね!」
「まだ決まったわけではない。」
「わかってるって!じゃあここで待ってるわ。そう伝えて。暗殺者さん。」
「わかった。では私は行く。」
「ええ。またどこかで会いましょ。」
「運が悪ければな。」
私はそう言うとまだ粉塵が待っている町へ出てそのままホコリまみれになりつつ銀行があった通りとは逆の通りへ出て近くの放置された車に乗って脱出した。
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~3日後~
「それで。彼女たちは使い物になりそうなのか?」
『彼女たちは学術試験も実地試験もパスしたわ。後は上層部の判断に任せるだけね。』
「ICAははこういうスカウト事業はやらないと思っていた。」
『ICAも昨今の労働者不足ならぬ諜報員不足に悩まされていてね。あなた以外のエージェントはそこまで優秀じゃないのも原因だけれど。』
「彼女たちは代わりになりそうなのか?」
『今のとこはなんとも。ただ成績は優秀よ。だけどあの二人がお互いを姉と弟として慕っているというのがネックね。身内に縛られて諜報活動に支障をきたすかも知れない。』
「ならば二人一緒に行動させればいい。一人では出来ないことも二人ならばという場面もあるだろう。」
『あら、ずいぶんと肩入れするのね?お気に召したのかしら?』
「そうではない。諜報員不足に役立つ案を提示したまでだ。判断は君か上がすることだろう。」
『そうね。私にそこまでの権限はまだないけれど一応意見具申として上層部に報告はしておくわ。』
「では次の任務まで待機する。」
『ええ、今は休んで頂戴。今回はずいぶん派手にやったからあなたも疲れたでしょう。』
「多少は。」
『強がりなんだか本音なんだか相変わらずわからないわね・・・。』
ミッションコンプリート
・「ハリウッドスター」 +3000 『崩壊するビルから脱出する。』
・「イムフルの斧」 +3000 『タワークレーンを銀行へ激突させる。』
・「まさかの展開」 +8000 『ブルーとシルバーをICAに加入させる。』
・「地獄の直行便」 +2000 『警官と民間人を50人以上殺傷する。』
ちょっとした制裁どころじゃない気がする(滝汗)
今回仲間に加わったことでもしかしたら今後他の話に出てくるかも知れません。
2019/06/17追記
今から考えるとスマートのスの字も無い。お叱りを受けるレベル。たしかこの時はテンションオンリーで書きあげてた気がする。
次回は南米へ向かいます。