HITMAN『世界線を超えて』   作:ふもふも早苗

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HITMAN『音速が恋した人間』

『銚子港へようこそ。47。』

 

『良い所でしょう?ここは日本で一番水揚げ量が多い港。世界一の大都市である東京都市圏の食を支える重要港よ。でも残念だけれどゆっくり海の幸に舌鼓打ってる余裕はないわよ。』

 

『今回のターゲットは速水翔という人物。彼はごく普通の大学生ではあるけれど、最近妖怪たちの楽園である幻想郷に迷い込んだことがあってね。そこで知り合ったある妖怪と恋仲になってしまったそうなの。その妖怪は幻想郷でも知らぬものはあまり居ないという人物で、依頼者によると幻想郷に無くてはならない重要なピースの一つと位置づけられてるらしいわ。』

 

『どうやらその二人は駆け落ちしたらしくてね。連れ戻そうにも動きが早くて捕まえられない。なので秘密裏に相手方である速水翔を密かに抹殺するようにという依頼よ。相手が死亡すれば動きが止まって連れ戻しやすくなるというわけ。あまり気分が乗らない話ではあるけれど依頼なら仕方ないわね。』

 

『クライアントは八雲紫。そういえば47、前回の彼女の依頼のミッションは上層部が仕組んだ偽装依頼だったわ。今後はちゃんとこちらでも先方に確認をとっていくようにするから安心して。今回の依頼はちゃんと彼女自身から依頼されたわ。でも食事中に現れないでほしかったわね。』

 

『準備は一任するわ。』

 

 

 

 

 

 

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~ブルーside~

 

「シルバー!そっちはどう!?こっちはそろそろきつくなってきたわよ!」

「待って後少し!・・・・・・終わった!送信完了!」

『データは確かに受け取ったぜ!早く脱出するんだ!アンクルサムと愉快な仲間たちはお前達でバーベキューパーティする気だぞ!』

「わかってる!行くわよシルバー!片付けは済んだ!?」

「何言ってるんだ!片付けなんかこれで終わりさ!」ポイッ

ドゴォォン

「良いわね!でもアタッシュケースは持っていきなさいよ、あれICAのロゴが入っちゃってるんだから!」

「大丈夫、ちゃんとそれは持ってる!」

「じゃあ血路を開くわよ!ニドちゃん!はかいこうせん!」

「ギャラドス!お前もはかいこうせんだ!」

 

ドゴーーーン

 

「世界最強の軍隊を相手に私達だいぶ健闘してるわね!このままウィスキーホテルに観光でもしに行く?」

「冗談言ってる場合じゃないよ!さっさと逃げよう!アンドルーズ基地からも増援部隊が接近しているみたいだ!合流されたら相手の兵力が倍以上になる!」

「流石にまずいわね。すぐ南にボトマック川があるわ!そこへ逃げ込むわよ!」

「わかった!」

 

 

 

 

『ブルー、シルバー、撤退完了だ。今回収部隊を送ってもらうぞ。それまでちょっと寒いが川の中で待ってな!・・・あ、ボートあるのか。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~47side~

 

 

 

澄み切った寒空にカモメが飛んでいる。私は今、銚子漁港の一角にある小さな公園に居る。隣には不思議な銅像が建っている。説明書きには母子河童像と書かれている。河童は川の生物ではなかったのだろうか?

 

情報によるとこの付近のどこかにターゲットが隠れ住んでいるらしい。まずはそれを特定しなくてはならないだろう。

 

ドンッ

「あっ、すみません・・・!」

「いや、お構いなく。」

 

 

急ぎ足で公園内を通過していた女性にぶつかってしまった。気のせいか何処かで見た顔だったような・・・。

 

私は乗ってきた車に戻り、小さな川を渡って道沿いに進んだ。左側には倉庫があり、そのすぐ向こう側は海だ。今日は日曜日で市場は休みのようだ。それもあってかあまり活気などはなく、物静かな印象すら受ける。

 

コンクリートで作られた大きな建物があった。その前には大型トレーラーが何台か止まっている。建物に付けられている看板を見ると、どうやらそこは漁業組合事務所らしい。ターゲットは漁業関連の職についているらしいことが情報部から伝えられていたので、私は情報を得るためにまずはこの組合事務所に侵入することにした。

 

トレーラーの後ろに車を止め、トレーラーの裏側で道の反対側からは死角になっている窓を開けて侵入した。どうも日本の事業者は窓の鍵を締め忘れることが多い。平和すぎるのも考えものだろう。

 

入った先は事務所のようだった。今日は休日なので最低限の人員しかいないのだろう。部屋の一番奥に設置されているストーブとその周辺の電灯だけが点いていた。

 

私は手近なところから探し始めた。最近の漁の様子、最近の漁獲高、近年の法令改正資料、様々な資料が色々なところに散らばって置かれており、探すのはなかなかに骨が折れたが、少しして目的のものを見つけた。雇用者名簿である。

 

私はターゲットの名前を探した。かなりのページ数があるため探すのにはそれなりに骨が折れそうではあるが、12ページ目にその名前があった。その情報によると、住所はすぐ近くのアパートのようだ。

 

私は本を閉じて元あった場所に戻すと、侵入に使った窓から再び道へ戻った。車に戻り、直ぐ側のT字路を曲がって住宅街へ入ってく。かなり密集して家が立っており、アメリカのニュータウンなどとはまた違った雰囲気だ。私は住所情報から家を探し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~速水翔side~

 

 

 

今日はなんだか胸騒ぎがする。せっかく東京から旧友がくるというのに何事もなければ良いのだが・・・。

 

しかしその願いは早くも崩れ去る。アパートの階段を駆け上がる音、凄まじいスピードで駆け上がっているその音はおそらく私のところへ来るだろう。

 

 

ドタドタドタバーン!

「速水さん!居ますか!」

「どうしたんだい、そんな慌てて。」

「どうもこうもありません!今すぐここから脱出しますよ!」

「脱出?どういうことだい?」

「いいから!早く!」

「ま、まってまって。今日は客が来る予定なんだ。せめて来て事情を話してからでも・・・。」

「そんなの遅いです!早くしないとあいつが・・・!ほら早く!」グイッ

「あだだだ!わかったわかったって!」

「早く早く!」ドタドタガチャ

 

 

さすがは妖怪だ。凄まじい力で引っ張っていく。しかしドアを開けた瞬間ドアの目の前に私の客人がそこに居たためその先へはいけなかった。

 

 

「・・・。」

「・・・へ?」

「・・・あ、どうも・・・。」

「ほら、文、もう来たみたいだから。すまんな。慌ただしくて。」

「あ、ああ。何かあったのか?」

「速水さん、この方々は?」

「ああ、紹介しよう。俺の大学時代の友人の毛利だ。えっとそっちのは・・・?」

「こっちは娘の蘭だ。こっちは居候のコナン。」

「はじめまして~。」

「こんにちわー。」

「こんにちは。こっちは私と同居している射命丸文だ。非常にせっかちで力が強い子でね。」

「ど、どうも・・・。」

「慌ただしくてすまんね。まあとにかく一旦中へ入ろう。事情は私もまだ聞いてないんだ。文、いいね?」

「・・・はい。」

 

 

私達は一旦中へ戻った。1Kの狭い部屋だが幸いにしてなんとか客人を招き入れるだけのスペースはある。私はお茶を用意して沈黙している文にまずは事情を聞くことにした。

 

 

「さて、文。なんであんなに急いでたんだい?」

「先程公園で見かけたんです!」

「誰を?」

「暗殺者をです!」

「何!」

「ええ?!」

「暗殺者ぁ?!」

 

 

私達は揃って素っ頓狂な声を上げてしまった。暗殺者がこんな閑静な港町に何のようなのだろう?毛利の連れの子供が質問する。

 

 

「なんで暗殺者だってわかるの?」

「私は以前居たところで彼の仕事を見たことがあるからです。その時は集落一の実力者を暗殺していました!」

「警察には行ったのか?」

「私が居たとこは警察が居なくて事件はそのまま大天g…町の町長によって全て隠匿されました・・・。」

「ううむ・・・それで、その暗殺者がまた現れたってことか。」

 

 

私は疑問ばかりが浮かんでいたが文の必至に説明する表情は今までにない鬼気迫るものがある。おそらく本当のことなのだろう。

 

 

「でもその暗殺者が何故こんなところに?」

「狙いはわかってるんです!速水さん!あなたを暗殺しに来たんですよきっと!」

「私を?」

「ええ!依頼者はおそらく八雲紫でしょう。私を連れ戻すために外の世界に連れ出したあなたを抹殺するために!」

「なんだってそこまでして・・・。」

「とにかく!早く遠くに逃げないと!」

「逃げると言っても何処に?」

「とりあえず外国へ高跳びです。後のことは逃げている最中か先で考えましょう!」

 

 

どんどん話が大きくなっていく気がする。私も殺されたくはない。しかし逃げ続けてもいずれ追っては付くだろうな。

 

 

「毛利、お前警察に顔効いたよな?どうにか出来ないものか?」

「そう言われてもなあ・・・事件はまだ発生してねえし、その暗殺者が本当に居るのかすら怪しいもんだしで警察が動くかどうか・・・。」

「居ると思うよ暗殺者。」

「何?」

「コナンくん?」

「文さん。その暗殺者の容姿ってわかる?」

「えっと、スーツ姿で赤いネクタイしてて、スキンヘッドで・・・あ、頭の後ろにバーコードみたいな入れ墨してたような。」

「やっぱり。ほら蘭姉ちゃん覚えてる?道後温泉での事件。」

「あのヤクザの人が殺されたっていうアレ?」

「あの事件、結局外部犯ということで決着が着いたけど、おそらくその暗殺者がやったんだと思う。証拠はないけど。」

 

 

何と目の前の旧友とその家族はその暗殺者を見たことがあるという。いよいよ持って信憑性が出てきたということか。

 

 

「どうやら本当に暗殺者が迫っているようだな・・・。」

「だからそう言ってるじゃないですか!さあ!早く逃げましょう!」

「すまん、毛利。来てもらってそうそう悪いがこういう事態だ。済まないが今後はしばらく会えそうにない。」

「わかった。俺らが暗殺者をとっ捕まえてやるよ。この名探偵毛利小五郎様がな!」

「助かる。とりあえず私は車で空港へ向かうことにしよう。」

「では行きましょう!」

 

 

私達は必要最低限のものだけ持って玄関へ向かった。文がドアを開ける次の瞬間。

 

 

「危ない!」ドンッ

「うわ!!」

チュンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~47side~

 

 

出てくるところを狙撃しようと構えていたが、すんでのところで連れの女性にターゲットを押しのけられ外してしまった。

 

ターゲットの後ろにいる人物は見知ったあの少年だ。まさかこんなところでも会うとはな。そのまますぐに扉を閉められた。このアパートは裏側に窓があり、その下に駐車場がある。車で逃げられると厄介だ。私は乗ってきた車に戻ると、アパートの裏側にある駐車場の出口へ向かった。

 

間一髪、ターゲットの乗っている車が駐車場を出ていった。横目に駐車場を見ると、あの探偵一家がレンタカーと思われる車に乗ろうとしていた。私はそのままターゲットの車を追った。

 

道はそれほど広くなく、歩道にもそれなりに人がいるためにあまりスピードが出せない。だがそれはターゲットの車も同じなようで、私は彼の車にピッタリとついて後ろにつけた。狭い市街地を猛スピードで走り抜けており、いつ事故を起こしてもおかしくない状況ではあるがこちらも事故にあっては元も子もない。私は定石として車で体当たりを敢行した。

 

 

ガンッ!

キュルルル

 

 

それなりに大通りに出るところで曲がろうとしていた彼の車を後ろから小突いた。彼の車は一瞬スリップしたがすぐに体制を立て直し大通りを曲がった。

 

その後すぐに道は急激に狭くなったが、車のスピードはむしろ上がっている。すると後ろから数台のパトカーを引き連れて1台のセダンがやってきた。こちらのスピードが100km/h弱なためすぐに追いつかれ、後ろにつかれた。バックミラー越しに見えたのはあの毛利とかいう探偵とその娘だった。・・・ん、あの少年の姿が見えない。ということは・・・。私は車に置いておいた携帯で応援を要請した。

 

ターゲットの車は道を曲がり、更に細い道へ入った。正面にはなにかの塔が見える。あそこへ向かっているのだろうか?塔を過ぎると再び大通りにでた。右へ曲がり、通りを進んでいく。車の性能で言えばこちらのほうが上なのでアクセルを吹かして横につける。そのまま横から体当たりを敢行する。

 

 

ドゴッ

キュキュキュキュガッ!

 

 

ターゲットの車はぶつけられたはずみで縁石に乗り上げ派手にはね、ガードレールにぶち当たりその向こう側に飛んだ。しかし上手いことそのまま一回転してその先にあった駐車場に着地した。しかし車にはダメージが大きかったらしく、ボンネットから煙を吹いている。駐車場の真ん中でターゲットの車は停まった。私はその近くに車を止め、そのままシルバーボーラーで運転手であるターゲットを狙撃した。

 

 

パシュン

バリン

 

 

またもや助手席に座っていた女性が急に抱きついて押し倒したことにより狙いが外れた。彼らはそのまま向こう側のドアを開け、外に出た。私も外に出る。後ろから警察車両とセダンが追いついてきた。いつの間にか増えていた警察車両も駐車場を完全に包囲したようだ。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『47。支援のヘリがそちらに間もなく到着するわ。無線を回すから指示を出して頂戴。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「そこを動くな!」

 

 

後ろのパトカーから拡声器で警告が発せられる。私は気にせず岸壁によりつつターゲットが見える位置へ向かう。ターゲットは着地の衝撃で気を失っていたようだ。そばの女性が抱えながらこちらを睨みつけている。

 

 

「動くなと言っているんだ!さもなければ発砲する!」

 

 

私は気にせずシルバーボーラーで狙いを定める。この国の警察はたとえ拳銃を発砲したとしても犯人に対しての発砲は最後の最後までためらうフシがある。暗殺者にとってこの国の警察が無視しても問題ない理由はそこにあるといえる。

 

抱えられては居るが頭は見えている私は引き金を引き・・・

 

 

バシン!

「ぐっ!」

カラカラカラ…

 

 

私の手に何かが当たってシルバーボーラーを落としてしまった。その近くで跳ねるサッカーボール。そうか、彼か。

 

 

 

 

「終わりだよ。暗殺者さん。」

 

 

 

 

彼は岸壁に立っていた。どうやらご自慢のスケボーで先回りしていたようだ。なるほど。やけに行動が早い警察車両だと思っていたが、私はここにおびき寄せられたというわけか。

 

 

「どうする?まだやるの?」

「終わりか。果たしてそうだろうか?」

「何?」

 

 

 

バララララララ

ヂヂヂヂヂヂヂヂヂ

 

 

 

 

「うわっ!」

「・・・!」

 

 

ICAの支援ヘリだ。M134ドアガン付きブラックホーク。この警察勢力に対抗できる火器はないだろう。ミニガンの掃射で私と彼の間は更に離れた。私はシルバーボーラーをゆっくり拾い直すと警察勢力に向けてブラックホークの拡声器をとおして呼びかけた。

 

「警察勢力に告ぐ。君たちの働きには敬意を表するが、ここはおとなしく見ていてもらおうか。邪魔するようならば残念ながら敵性勢力とみなさざる終えず、あのガトリングの餌食になってもらうことになる。」

「ふっ、そういうことね。でもそれも想定済みだよ。」

「何?」

 

 

ショゴォォォォォ!

 

 

その時上空を戦闘機が通過した。その尾翼に日の丸。自衛隊機だ。

 

「松山でお前達の兵力は知ってた。今回は自衛隊にも協力を要請したからもう逃げられないよ。」

「ふむ・・・やるな。少年。」

「わかったら早く投降してよ。その方が無駄な血を流さずに済むんだから。」

「悪いがそれは出来ないな。私は自分の任務を・・・む?」

 

 

ターゲットが居ない。何処へ消えた。私はその瞬間、ターゲットの車の向こうに黒い大きな羽を見た。なるほど。あの少女、何処かで見たと思ったら思い出した。幻想郷の天狗の集落であった女性。射命丸とか言った少女だ。

 

彼女は飛び上がった。周りの警官たちが驚きの声を上げているが彼女は一瞬こちらを見た後、凄まじいスピードで空へ浮き上がった。その手にはターゲットが抱えられている。

 

しまった。周りの者達に気を取られ、ターゲットを逃してしまった。幻想郷一のスピードを誇ると言われている彼女は音速を突破することもできるという話だ。ヘリでは追いつけないだろう。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『47。こういう事態も想定済みよ。成田からICAの支援機無人機が上がったわ。最近ブルーがアメリカから入手してきてくれた最新鋭機の設計図をもとに技術部が作り上げた物。支援ヘリの中に操作パネルがあるからそれで操作して頂戴。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

支援ヘリが近くまで降りてきた。無論ドアガンは依然として警察を狙い続けたまま。

 

 

「少年。私は任務を達成するためにここで御暇させてもらう。」

「逃げようったってそうは行かないよ。」

「どうかな?君のそのサッカーボール生成器で生成したサッカーボールを蹴って私に当てるのと、ミニガンの銃身が回転して発砲するまでとではどちらが早いかな?」

「・・・。自衛隊も居る。逃げられないよ。」

 

 

「・・・自衛隊?何処に居るんだ?」

「何!?」

 

 

さきほど上空を飛んでいた自衛隊機は影も形もなくなっていた。全機基地に帰還したようだ。

 

 

「我々を甘く見ないほうが良い。攻撃することを放棄した弱小軍隊など、銃など使わずとも勝てる。」

「くっ!」

「ではな、少年。運が悪ければまた会おう。」

 

 

私はヘリに乗り込むとそのままその場を後にした。ドアガンで乗ってきた車を爆破するのを忘れずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

~射命丸side~

 

 

「はっ!ここは・・・?」

「あら?気が付きましたか?」

「文、ここはいったいいいいいい?!」

「あ、暴れないでください!落ちちゃいますよ!」

「なんで海の上にいるんだい?!見渡す限り陸地も見えないし!」

「ここは太平洋上ですかね。銚子から全力でここまで逃げてきたんですよ。このままアメリカに渡りましょう。」

「アメリカって、かなり遠いぞ!大丈夫なのか?」

「なに、距離はわかってます。方角も大丈夫。一旦ハワイに降りれば何のことはないですよ。」

「かなりのスピードのようだけどどのくらい出てるんだ?」

「マッハ4くらいですかねえ。私の出せるほぼ全速力ですよ。余裕そうに見えるかもしれませんが結構しんどいですよ流石にこの速度で飛ぶのは。」

「文・・・。」

「感謝してくださいよ?私の力がなかったらこの速度で飛んだらあなた風圧で切り刻まれるか凍りつくかのどっちかなんですから。」

 

このスピードなら戦闘機にだって追いつけはしないでしょう。まずは米国に渡って、そこから少し休んだら南下して南米に潜みましょうか・・・。

私が今後のことを考えながら飛んでいると後ろからなにかの気配を感じた。

 

 

「文!後ろからなにか来る!」

「嘘でしょ!この速度について来れるなんて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~47side~

 

 

私は帰還中のヘリの中で操作パネルを弄っている。この技術部が作り上げたという最新鋭無人機は元々偵察用だったらしい。極超音速偵察機、SR-72。開発元のロッキードではそう呼ばれていたようだ。無論偵察機なので武装は皆無だが、そこはいくらでもやりようがあるだろう。

 

送られてくる衛星通信映像に彼女たちが映る。私はまず彼女らのすぐ横に向かって最高速で突っ切ろうとする。彼女たちが回避軌道を取った。その機動で速度が落ち、無人機が彼らの横をほぼ最高速で通過する。後部に設置されたカメラ映像では衝撃波で空中にターゲットが放り出されていた。かなりのスピードで落下していくターゲット。それを追って降下する射命丸。私は大回りで旋回し、ターゲットの方へ向かう。

 

数百メートル落下したところで射命丸が彼の手を取った。その瞬間、ターゲットの体に無人機の翼がかすめた。マッハ6で金属の塊が掠めれば言わずもがな、彼の体はソニックブームにより切り刻まれた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『ターゲットの死亡を確認したわ。手間取ったけど試作機の実地試験も出来たから上々ね。ああ、あと自衛隊にはこちらから手を回しておいたから追手はないわ。そのまま帰還して頂戴。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

わたしは操作パネルをオートパイロットに切り替え、太平洋上のICAの基地へ向かわせた。カメラ映像では亡骸になったターゲットを抱えている射命丸の姿が写ったが、すぐにその姿は突如として空中に現れた裂け目に飲み込まれたことで見えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

~2日後~

 

 

「聞いたわよ!47!私達が取ってきたデータが役に立ったみたいね!」

「助けられたようだ。感謝する。」

「えへへ!あなたに感謝されるのは初めてだから、なんだかむずかゆいわね・・・。」

「姉さん。締りのない顔になってるよ。」

「お前達はあの設計図を取りにアメリカへ向かったのか?」

「ああ。もっとも、上層部は別のデータの方にご執心みたいだけどね。」

「別のデータ?」

「なんでもカテゴリLOGに使えそうな技術が見つかったとか何とか。」

「たしかにあの偵察機の構造はなかなかに斬新だったものね。」

「それはそうと47。話があるって聞いたんだけれど?」

「ああ。日本にいる“江戸川コナン”という少年には気をつけろ。彼は子供のような見た目だが、特殊な薬品でその姿になっているだけだ。高校生探偵工藤新一。それが彼の本名だ。」

「聞いたことあるわねその新一って人。前はテレビにバンバン出てなかったっけ?」

「電気屋のテレビで見たことがあるね。行方不明とは聞いていたけどまさか子供になっていたとは。」

「情報部も彼には警戒している。いずれ相対する時が来るかもしれないから用心しておくように。」

「わかったわ。」

「了解。」

 

 

 

 

ミッションコンプリート

・「住所照合組合」  +1000 『漁業組合でターゲットの自宅の住所を特定する。』

・「比較的安全運転」 +2000 『ターゲット追跡中に時速100km/h以下で5分以上走る。』

・「数少ない失敗」  +1000 『警察と自衛隊の介入を許す。』

・「あの空の彼方へ」 +5000 『SR-72を使用してターゲットを殺害する。』

 




執筆中は「END of AIR」と「あの空の彼方へ」をエンドレスで流してました。
別アプローチではちゃんと気付かれずに“暗殺”する予定ですw


次回は別アプローチです。
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