HITMAN『世界線を超えて』   作:ふもふも早苗

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HITMAN『名探偵を狙う者』

『緊急電よ。47。』

 

『今回は東京に行ってもらうわ。そこで今現在逃走中の人物を援護してほしいの。』

 

『江戸川コナンっていう少年、あなたなら知ってるわよね?本名は工藤新一っていうんだけれど、彼はある組織の試薬品を飲まされて体が小さくなってしまったんですって。その組織の情報を彼が探っている最中に誤ってその組織に感づかれたみたいね。今現在3人に別々のアプローチで追われているわ。』

 

『ターゲットは追っている組織の人間3人。一人はスケボーで逃げる彼をバイクで追っている組織の下っ端、木村源五郎。もうひとりは公共交通機関を使って先回りしつつ知略で攻め立てようとしている萩義昌。最後は上空から彼を攻めると同時に他の二人に位置情報を提供しているフォラリス・R・ゲイル。この3名よ。』

 

『クライアントは彼の協力者の一人。宮野志保。今は灰原哀という名前だけど、彼女も彼と同じ薬を飲んで同じ境遇になったらしいわ。詳しい説明は省くわね。』

 

『事態は一刻を争うわ。既に逃走開始から2時間が経過しようとしている。クライアントからの情報だと彼の使っているスケボーはあと1時間ほどしか全力で走れないみたい。できる限り事故に見せかけてほしいらしいけど、救出が最優先だからいざとなったら直接でも構わない。増員も派遣予定よ。』

 

『準備は一任するわ。』

 

 

 

 

 

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ゴー

ガヤガヤガヤ

 

私は今、東京は新宿駅にいる。情報部の情報によると、ターゲットのうちの一人、萩義昌がここを通過する可能性が高いことがわかった。早急にターゲットを始末しなければならないため、誘導の後の暗殺は使えないだろう。だがそれでもやりようはいくらでもあるし、むしろ大都会はその手のものにあふれている。

 

大江戸線ホームにやってきた。流石に夕方ラッシュ時間帯ともあって、非常に人が多い。ブリーフィングでみた顔を、この人混みから探さねばならない。

 

 

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『47、情報よ。ターゲットは午後6時14分発の都庁前行きの電車の先頭車両に乗っているのが監視カメラの情報で判明したわ。』

 

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6時14分というと、あと2分ほどでこの駅に到着する電車だ。私は先頭車両の停車位置に移動する。時間に正確な日本の鉄道だからこそ、追跡に公共交通機関が活用できるのだろう。

 

 

ゴー

 

電車がやってきた。車内は相当に混んでいるが、すし詰めと言うほどではない。私は先頭車両の一番後方の扉に並び、通過する時に車内を確認した。ターゲットと思わしき人物は車両中程に居た。私は電車に乗り、人混みの間をすり抜けてターゲットのすぐ近くに移動した。ターゲットは吊革につかまりながらタブレットを見ていた。

 

 

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『アレが萩義昌。組織の情報参謀役。コードネームはランビック。あなたと同じく、その場にあるものを利用して犯罪行為を行う知将。』

 

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私は彼の後ろに陣取り、通勤客を装う。ココ最近特異な雰囲気だった自前のスーツもここならば普通の会社員にしか見えないだろう。そのまま電車に揺られ、大門までやってきたところでターゲットが降りた。私もさり気なく降り、後をつける。乗車時間は17分ほどだ。

 

ターゲットは、そのまま浅草線のホームへ向かった。こちらも相当に混んでいるが、タッチの差で電車が出たばかりのため、ターゲットはホーム後方の乗車列の先頭にたった。私はそのすぐ後ろに立ち、カモフラージュも兼ねてスマートフォンで現状を確認する。現在少年は、永田町から銀座方面へ走行中のようだ。

 

パァァン!ゴー

電車がやってきた。気がつくと周りには客が多く並んでホームが混雑していた。電車が近づく。私は後ろに並んでいる人がみな一様に新聞やスマートフォンを見ていてこちらを見ていないのを確認すると、ターゲットの背中を強めに押した。

 

 

「えっ?」

パァァァン!!ゴシャ キィィィィ!

ダレカヒカレタゾ-!キャー!

 

 

ターゲットは完全に油断していたのかいともたやすく線路上に投げ出され、ホームの後ろの方で待っていたのもあって電車の速度がそれほど落ちておらず、相当な速度で轢かれた。大江戸線ではホームドアがあり決行出来なかったが、浅草線はまだホームドアの設置がされておらず、こういう事故もよくあることだろう。まずは一人目だ。

 

 

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『ターゲットの死亡を確認したわ。まずは一人目ね。コナン少年は今現在数寄屋橋交差点を曲がり築地方面へ向かったわ。ターゲットは残り二人よ。』

 

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人が轢かれたことによって緊急停止した電車の周りで人だかりができ、ホーム上は大混乱となっている。私はその混乱に紛れてホームを後にする。再び大江戸線に戻り、丁度来た電車に乗って再び電車に揺られた。

 

私は2つ先の駅、築地市場駅で降りた。築地市場自体は既に使われておらず、周辺施設に向かう人しか使っていないようだ。乗り降りする人も他の駅に比べて少なかった。私は地上にでて、新富町方面へ歩き始める。時折スマートフォンでターゲットの現在位置を確認しながら。

 

 

 

 

 

 

~コナンside~

 

 

バァン!バァン!

キンッ!

 

っと!あぶねえ!スケボーにかすったぞ!あいつ繁華街のど真ん中だって言うのに容赦なくぶっ放してきやがる!

このまま逃げ続けても埒が明かねえが策がねえ・・・。路地裏に逃げ込んで撒いてもすぐ追いついてきやがる。ボール射出ベルトは球切れ、止まってタイマン張っても銃を乱射されたら周りにまで被害が出る・・・っと!やべえ!さっきの弾でスケボーまで調子が悪くなってきやがった!

どうする!どうすれば!

 

 

 

キキーッ!

「うわっ!」

 

急に車が猛スピードで俺の横についてきた。新手か?!だが窓を開けて見えたのは見知った顔だった。

 

「やあ。コナンくん。間に合ったようだね。」

「キャメル捜査官!」

「さあ乗るんだ。そのスケボーももう持たないのだろう?」ガチャ

「よっと!ありがとう!」

「礼ならその横にいる彼女に言ってくれ。彼女がキミの現在位置を正確に把握していてくれたんだ。」

 

 

横には見知らぬ少女が座っていた。青い髪のメガネを掛けた物静かな少女だ。

 

 

「えーっと・・・ありがとう?っていうかどちら様?」

「灰原哀に頼まれてきた。」

「灰原に!?」

「そう。そして貴方を守るようにとも言われた。」

「えっ?」

 

 

そういうと彼女は車の天窓を開けてそこから身を乗り出した。手には何やら木の棒を持っている。何をする気なんだ?すると車が急にスピードを上げた。

 

 

「くっ!奴ら容赦ないな!撃ってきたぞ!」

「任せて。」

 

 

見ると上空からミサイルが飛んできている。望遠メガネで見ると漆黒に染まった空に戦闘ヘリが見えた。そうか!空にも敵がいたから位置が把握されっぱなしだったのか!

彼女は天窓から体半分出した状態で持っていた棒を振った。すると空中に氷が現れた。どういうマジックだよ!

 

「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ハガラース・・・」

“ジャベリン”

 

 

空中に浮かんだ氷塊はかなりの速さで飛んでいき、飛んできているミサイルに正確に当たった。ミサイルは空中で爆発し、爆炎があたりに広がる。何だこれ?マジックショーか?

 

 

「後ろのバイクも撃ってきそうだぞ!」

「わかってる。」

 

“アイス・ウォール”

ガキキキキン

 

車の後方に張られた氷の壁はバイクの男が撃った銃弾を見事に防ぎきった。なんなんだこの女?!

 

 

「埒が明かないな!そっちの増援はどうなってる?!」

「もうすぐ。」

「増援?増援って何?」

「コナンくんを守るための助っ人集団さ。」

「私達は仕事で頼まれただけ。それ以上でも以下でもない。」

「ハハハ・・・。」

「なんなんだよ・・・。」

 

 

車は新富町入船橋交差点を通過する。その時、道路脇から何かが投げ込まれた。

 

 

ドガッ!キキー!ガシャーン!

 

 

 

 

 

 

 

~47side~

 

 

スマートフォン上で表示されている少年の動きが早くなった。この動きはおそらく車だ。増援が間に合ったようだな。私は足早に予定地点へ向かった。築地を抜け、新富町へ入る。時間も時間なので周囲のビルから帰宅する会社員で道は混雑していた。私は地面にアタッシュケースをおいてスマートフォンをいじりながら信号待ちをしている会社員を発見した。静かに近寄るとさりげなくアタッシュケースを借りた。

 

借りたアタッシュケースを持ってそのまま待つ。少しして後方から車が猛スピードでやってきた。時折対向車線にはみ出しながら猛スピードでやってきた車は私の目の前で右折した。私はその車の後ろを追随しているバイクにめがけてアタッシュケースを放り投げた。

 

 

ドガッ!キキーッ!ガシャーン!

 

アタッシュケースは見事にバイクに当たり、元々凄まじく速度が出ていたため盛大にコケた。十数mは吹っ飛び、信号機に激しく体を打ちつけていた。あまりの激しさにバイク本体が当たっていないにもかかわらず若干信号機が傾いた。あの激しさならばおそらく生きては居ないだろう。

 

 

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『ターゲット、木村源五郎の死亡を確認したわ。上出来ね。さて、残るは上空を飛んでいる戦闘ヘリのフォラリス・R・ゲイルだけよ。』

 

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私は騒然となっている現場を離れ、一路東へ向かった。道を強行突破している車に道は混乱しているが、先程の交差点以外に何処かぶつけたりしているわけではないので、暴走族の一種だと思われているようだ。迷惑そうな顔をすれども騒ぎになったりはしていなかった。

私は足早に人混みをかき分けて進み、ここからでもときおり見える高い塔、「聖路加ガーデン」を目指した。高空に居る戦闘ヘリを攻撃できるとしたらここだろう。助っ人もそこに呼んでいる。

 

 

聖路加ガーデンに着いた。少年たちの現在位置は川を渡って豊洲方面へ行っているようだ。私はタワーのエレベーターに乗り、最上階の展望台へ向かった。展望台はカップルなどで賑わっていた。その中を進み、展望台の更に上の屋上に出る作業用扉に来た。普段は鍵がかかっているのだろうが、今回は協力者のおかげで鍵は開いている。私は周囲に気付かれないように慎重にドアを開け、屋上へ登った。

 

 

「遅かったじゃないか。」

 

 

屋上には助っ人として呼んだ男、赤井秀一がいた。彼はFBIだがよく協力する気になったなと思う。だが少なくともこの場は協力者であり、仲間となる。

 

その直後、タワーのすぐ脇を戦闘ヘリが通過していった。コックピットは単座型で、両脇のハードポイントには何も付いていないが機首には機銃が付いている。通り過ぎざまに金髪の男がコックピットにいるのが見えた。

 

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『アレがフォラリス・R・ゲイル。コードネームはアルマニャック。無類の兵器好きの危険な男。さあ、最後の一人よ。』

 

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「銃は用意しておいた。高価だから丁重に扱ってくれよ?」

「銃の値段は関係ないだろう。任務をこなすだけだ。」

「はぁ・・・相変わらずだな47。」

 

 

彼とは昔、アメリカで銃撃戦を行ったことがある。結局時間切れで引き分けに終わっているが、戦略的に見れば1時間以上時間を食わされたこちらの負けとも言えるだろう。

 

彼は2本のスナイパーライフルのうちの一本を渡してきた。“PSG-1”だ。精度の良いいい銃であり、ヘリを落とすのに不足している火力を精度で補えるだろう。

 

戦闘ヘリが戻ってきた。先程より高度を下げ、地上に向かって時折機銃掃射を行っているようだ。市街地のど真ん中で戦争とはなんとも大胆だ。

 

 

「47。お前は右エンジンだ。俺は左をやる。」

「わかった。」

 

 

真っすぐ飛んでくるヘリのローターの根元についている2つのエンジンめがけて照準する。

 

 

「3・・・2・・・1・・・今!」

バァンバァン!

ガキキ!ボンッ!

 

2人のスナイパーから放たれた2発の弾丸は正確に左右のエンジンを打ち抜き。給気口部分から火花が飛び散り煙を吹かせた。目に見えてヘリがふらつき始めた。

 

 

「むう・・・流石に一発では落ちないか。ならば。」

 

 

赤井は再びスコープを覗いた。ふらつき、一瞬だけテールローターが見える。その時を逃さず赤井は弾丸を放った。

 

バァン!ガキィン!

 

弾丸は吸い込まれるようにテールローターの軸に当たり、破損した軸は高速回転するテールローターに耐えきれずバラバラに砕けた。テールローターを失ったヘリはまたたく間に回転しながら落下していく。だが・・・、

 

 

「足りないな。」

「何?」

 

 

私はスコープを覗く。回転する速度、落下する速度、ふらつき方、そしてコックピットの位置。それらを総合すると・・・。ここだ。

 

 

バァン!

バリン!

「ほう。やるな。」

 

 

私が放った弾丸は正確にコックピットに座る操縦者を横から撃ち抜いた。一回転した後に確認するとコックピット内は飛び散った血でいっぱいになっていた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『最後のターゲット、フォラリス・R・ゲイルの死亡を確認したわ。墜落する前に仕留めるとは流石ね。任務はすべて完了よ。帰還して頂戴。』

 

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ドシャーン!

ヘリはそのまま川へ落下した。川の近くの橋では少年が乗っていたと思わしき車が警察車両に取り囲まれていた。

 

 

「不規則な動きをしている墜落中のヘリの操縦者を的確に狙撃か。さすが“エージェント47”だな。」

「一瞬しか見えないテールローターの軸を正確に撃ち抜く“シルバーブレット”も大概だと思うがな。」

「ふふん。とにかく任務は達成だ。」

「ああ。私は失礼させてもらおう。」

「次にあった時は・・・決着を付けてやる。」

「望むところだ。」

 

 

私は銃を返すと、踵を返して展望フロアに戻った。展望フロアは落下したヘリに釘付けになっており、全員が外を見ていた。私は静かにエレベータに乗り一階に降りた。

 

1階は1階で騒然としていた。戦闘ヘリが市街地で機銃を撃ったと思ったら墜落したのだから当然といえば当然だが。私は外に出ると手近なタクシーを拾い、その地域を脱出した。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

~同時刻~

 

 

「ふう・・・何とかなったわね・・・。」

「ありがとうね!哀ちゃんが協力してくれなかったらどうなってたことか・・・。」

「大したことはしてないです。組織に居た頃の伝手を使っただけで。」

「ふむ。それは大丈夫なのかい?組織に情報が漏れる可能性は?」

「大丈夫だと思います。ICAはクライアントの情報は守秘義務がありますから。クライアントの情報を閲覧できるのは現場の担当オペレーター以外は上級委員会役員だけですから。」

「ふうん。でも良かったわー。新ちゃんが組織に追われてるって聞いた時は心臓が止まりそうだったもの。」

「まったくだ。ああ、依頼料はちゃんと振り込んであるから心配しなくていいよ。」

「ありがとうございます。」

「それで~?哀ちゃんは新ちゃんのことどう思ってるのかしら?」

「え?」

「ふむ。それは私も聞いてみたいと思っていたところだよ。で、どうなのかな?哀君。」

「べ、別になにもないですよ。ただの協力者ってだけで。」

「ほんとに~?」

「ほ、本当です!というか誂わないでください!」

「あはは!ごめんごめん!」

「ははは。まあとにかく、これからも新一のピンチの時は手助けしてやってくれ。私達もできる限り協力するから。」

「お願いね!新ちゃんの真実を知る人は阿笠博士と私達以外で身近なのは貴方くらいだから。」

「わかっています。できる限り、サポートします。」

 

 

 

 

 

 

ミッションコンプリート

・「白いデッドライン」+3000 『ターゲットを電車に轢かせて殺害する。』

・「空飛ぶケース」  +2000 『アタッシュケースを使ってターゲットを殺害する。』

・「3発目の銀弾」  +3000 『赤井秀一と共同で戦闘ヘリを撃墜する。』

・「一撃必中」    +5000 『墜落中のヘリに乗るターゲットを狙撃する。』

 

 




私は哀歩派です。


次回は別アプローチです。
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