HITMAN『世界線を超えて』   作:ふもふも早苗

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HITMAN『インバウンド』

『47。いよいよプロジェクト23265が開始されるわ。』

 

『あなたにやってもらいたいことは、1,紅魔館に侵入すること。2,地下室を探すこと。3,紅魔館当主レミリア・スカーレットの妹、フランドール・スカーレットを見つけること。とりあえずはこの3つよ。』

 

『見つけた後は追って指示を出すわ。暗殺依頼ではないから早まって殺したりしないようにね。吸血鬼の上位種らしいから殺すことはかなり難しいと思うけど。』

 

『前回紅魔館に侵入した影響で警備が強化されているわ。時間を止めることのできる優秀なメイド、十六夜咲夜が館内の警備巡回を行うようになっている。不審な点があったら即座に時を止めて館内をくまなく調べるでしょうね。そうなったら見つからずにやり過ごすのも迎撃するのも不可能になるわ。』

 

『情報部が掴んだ情報によると十六夜咲夜はこの後午前9時から午後4時ごろまで人里で予定が入ってることがわかったわ。つまりことはその間に迅速に行われなければならない。帰ってきたら警備が最高レベルまで強化されるでしょうね。一応別働隊で足止めを行うけれどあまり期待はしないでね。』

 

『準備は一任するわ。』

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

「ふっ!ふっ!」

 

 

私はいま紅魔館の門の外の茂みに身を潜めている。眼の前にある門の前で門番が拳法のようなものを練習しているのが見える。前回は寝ていたせいで私の侵入を許した結果、同じ使用人仲間の一人を暗殺された。もう同じことは繰り返させまいと気合が入っているようだ。

 

警備に気合が入るのは結構なことだがこちらとしては不都合だ。侵入経路の一つが潰されたわけだから。しかし、こういう場合も想定して一人助っ人を呼んである。

 

 

「では頼むぞ。タバサ。」

「(コクン)」

 

 

情報によれば門番の彼女は日頃の行いからかあまり待遇が良いとは言えず、食事も満足に与えられていない時があるという。妖怪なので人間のように頻繁に食事を取らなくても活動できるらしいが、それでも腹は減るようだとのことである。

 

私はここに来る前に寄った人里のパン屋でパンの詰め合わせセットを買っておいた。それをタバサに持たせ、合図と同時に中身を開けてもらう。私は門の風下にあたる反対側の茂みまで静かに移動した。移動した後にタバサに合図を送る。

 

タバサは合図を受け取るとパンの籠を開けた。中から焼きたてのパンの香りが立ち上る。タバサが立っているのはちょうど門から風上に当たる。香ばしい匂いは風に乗って門番まで届いた。

 

 

「ふっ・・・ん?・・・スンスン・・・いいにおい・・・。」

グゥー

「うっ・・・今日も朝ごはん食べてないからなあ・・・結界もあるしちょっとなら大丈夫よね・・・こっちのほうかな?」

 

 

彼女が匂いの在り処を探して茂みに入っていく。私はその隙に門をくぐり抜ける・・・。っと、門を通る前に一応アレを起動しておこう。

 

紅魔館には大図書館の別名のある優秀な魔法使いパチュリー・ノーレッジがいる。前回の事件と先日起こった人里での事件を鑑みて侵入検知用の結界を張っている可能性が高いという。そこで技術部は、以前カテゴリLOG計画で副次的に収集した彼女のデータを元に結界回避用の装置を開発したらしい。手のひらに収まるボール型の機械の中央のスイッチを入れるだけで、所持者は結界の影響をすり抜けることができるらしい。虚無の魔法を応用したものと聞いたが、私にはよくわからなかった。

 

装置を起動し、門をくぐる。くぐる瞬間に一瞬だけ後ろを見ると、門番にタバサが見つかっていた。が、見間違えじゃなければタバサがパンを一つぱくついてたように見えたが、私は見なかったことにして門を足早にくぐった。

 

庭園は相変わらず人気がなく、十六夜咲夜が出払ってるのもあり、すんなりと前回の侵入ポイントである窓まで来ることができた。前回と同じように窓を開けて侵入する。侵入する際に結界回避装置が震える。前回はなかった侵入検知用の結界が館自体にも張られているようだ。この装置がなければたちまち警戒態勢に移行していただろう。

 

前回調査した時と部屋の構成は変わっていないようだったので、客間と前回確認した部屋はスルーして1階を進む。途中妖精メイドに見つかりかけたりもしたが、妖精たちは基本的に頭がそれほど良くはなく、簡単な欺瞞に引っかかり事なきを得ていた。

 

事前情報によると1階のロビーよりも東側に地下への階段があるはずだった。しかし、ブリーフィングで確認したはずの場所にその階段はなく、周囲の他の部屋と同じ客間があっただけであった。どうやら地下室への階段を捜索しなくてはならないようだ。

 

エントランスロビーを抜ける。探しているのは地下室なので部屋は基本的にスルーだ。地下へ続く階段のようなものがあると推測されるが、何分十六夜咲夜の能力によって広げられている館はかなり広かった。ざっと見ただけでも今いる廊下の長さは最低でも500mはあるだろう。根気よく探しているが一向に階段らしきものが見当たらない。

 

私は方針を転換し、手近な部屋のドアに張り付いた。中からは妖精メイドの話し声が聞こえてきた。

 

 

「どうするの~?」

「どうしようか・・・。」

「早くしないとメイド長に怒られちゃうよ?」

「でもあそこには行きたくないよぉ・・・。」

「でも最近は暴れることもなくなって静かじゃない?」

「なんかよく図書館の方に遊びに行ってるらしいね?」

「じゃあ大丈夫なんじゃない?」

「そうかなあ・・・。」

「私も一緒に行くから。」

「・・・わかった。すばやく言ってすばやく終わらせよう。」

「妹様もすばやく部屋を片付ければ褒めてくれるかも?」

####アプローチ発見####

「そうだねー。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『47。彼女たちの言っていた「妹様」っていうのがターゲットであるフランドール・スカーレットよ。彼女たちはターゲットの部屋を掃除しに行くみたいね。尾行すればターゲットのところまで案内してくれるんじゃないかしら。』

 

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好都合だ。すんなりとターゲットのところまで案内してくれそうな人物を見つけることができた。私は側の柱に隠れ、彼女たちが出てくるのを待った。しばらくすると中から掃除用具を持った妖精メイド2人が出てきて、私とは反対の方向へ駆けていった。私は気が付かれないように気配を殺しつつ後を追った。

 

しばらく廊下を進むと階段が現れた。しかしあろう事か彼女たちは階段を登っていった。地下室へ向かうのに何故階段を登る?2階部分からしか行けない仕組みになっていたりするのだろうか?疑問に思いつつもそのまま後をつけると一つの大扉の中へ入っていった。私も慎重に近づき、気が付かれないよう注意しながら侵入した。

 

大扉の中は図書室・・・いや、この広さは図書館だ。高さ3mはあろうかという大きな本棚に本がびっしりと入っており、その本棚が数え切れないほどに大量に置かれている。どうやらここも空間を広げてあるらしく、奥の方は遠すぎて見えない上、天井高も軽く見積もって50m以上はあるだろう。そんな大図書館の手前に大きめのテーブルと椅子があり、紫色の服装の少女が座って本を読んでいた。妖精メイドたちはその少女に近づいていく。

 

 

「パチュリー様。用意ができました~。」

「ん・・・ああ、ご苦労さま。こあ。」

「了解しました。鍵取ってきますね。」

「くれぐれも気をつけなさいね。以前よりはだいぶ穏やかになったけど、まだ不機嫌になったら突発的に壊しちゃうこともあるみたいだから。」

「はーい。」

「ああそれと、これも持っていって上げて。さっき咲夜が持ってきてくれたのだけれど私には甘すぎるから・・・。」

「クッキーですか?わかりましたー。」

「・・・。」

「パチュリー様?どうかなされましたか?」

「・・・何かいつもとは違う気配がするような・・・。」

 

 

アレがこの図書館を取り仕切っているというパチュリー・ノーレッジか。私の気配にも若干だが気がついている素振りがある。早急に脱出したほうが良いだろうか?

 

 

「ん~?でも侵入者探知用の結界には何の反応もありませんけど・・・?」

「うーん・・・まあこの検知結界は、構造がわからないとスキマ妖怪でも抜けられないレベルの代物だから大丈夫か・・・。」

「そうですよ。第一この図書館にだって6重にも防護結界が張ってあるじゃないですか。」

「考えすぎか・・・。それじゃああなたたち、妹様の部屋の掃除をお願いね。」

「はーい。」

 

 

6重の防護結界。なるほどだから先程からこの機械がかなりの熱を持って作動しているのか。内部で何かが激しく発熱しており、懐炉状態になっている。

 

図書館から先程の妖精メイドが出ていく。手にはやたら古風な鍵が握られている。なるほど、ここへは鍵を取りに来たわけか。私は再び気が付かれないよう距離を取りつつ尾行を再開した。

 

図書館を出て階段を降り、1階のいくつかある部屋のうちの一つ、その部屋だけやたら扉が重厚な扉だが、妖精メイドたちはその扉を先程の鍵で開けて中へ入っていく。完全に閉まる前に駆け寄り、扉の中を覗いた。

 

扉の向こう側は地下へ続く階段になっており、ここが目的の場所なのは間違いないだろう。妖精メイドたちは壁に用意されていた燭台に火を灯して明かりを作って降りていく。燭台はまだあったが私まで光をともしては気づかれてしまう可能性が高いため、足元に気をつけながら慎重に進むことにした。

 

2階分ほど降りた後に少し広い場所へ出た。廊下のように見えるが面している部屋は1つだけのようだ。妖精メイド達は重厚な扉を前に1~2度深呼吸をすると意を決したようにノックした。

 

 

「フランドール様。お部屋の掃除にまいりました。」

「はーい!どうぞー!」

 

 

フランドール様。たしかにそう言っていた。ということはここがターゲットの私室であることは間違いなさそうだ。妖精メイドが中に入っていく、扉は開け放したりはせず、後ろ手に閉めていってしまった。私は物音を立てないように静かに扉の近くに寄った。

 

中では妖精メイドが掃除を開始しているようで、バケツに水を入れる音、その水に何かを漬ける音、それを床に押し付けてこする音等が聞こえる。音の反響の仕方からして内部はそれほど広くはなく、廊下の長さとほぼ同等の幅と奥行のようだ。そのような部屋で扉を開けようものなら気が付かれる可能性が非常に高いだろう。私は周囲を見回した。

 

廊下は燭台で一定の明るさが保たれており、床は御影石だろうか。壁は赤茶色と白と黒で塗り分けられている。柱なども装飾が施されており、まさに中世ヨーロッパ風というべきものだ。当然突起物も多く、柱は壁からはみ出る形で設置されているため、柱の裏に隠れることは容易に見えた。問題は妖精メイドがこの部屋に入る際にも鍵を使用していたことだ。つまり普段はこの部屋には鍵がかけられている。どうやって侵入するか・・・。

 

あれこれ考えていると、部屋の中の物音が静かになった。中から会話が聞こえる。

 

 

「フランドール様。お掃除は終了しました。」

「はーい!ご苦労さまー!」

「ではこれで・・・ああ、忘れていました。これ、パチュリー様からお預かりしました。クッキーだそうです。」

「わあ!さっき咲夜が持ってくれた分じゃ足りなかったの!ありがとうって伝えておいて!」

「かしこまりました。それでは失礼します。」

 

 

妖精メイドたちが出てきた。柱の陰から一瞬部屋の中が見える。部屋の端に置かれたベッドの上になんとも特徴的な羽を持った金髪の少女が見えた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『アレが、フランドール・スカーレット。目的の人物を発見したわね。よくやったわ。作戦の第一段階は完了よ。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

『47、聞こえるかしら?』

「聞こえている。次の作戦は?」

『あなたに渡した装備品の中に小さな金属ケースがあるでしょう?まだ持ってるわよね?』

「作戦が更新されるまで開けるなと言われたこれのことか。」

『そうよ。そのなかには簡単な採血キットが入っているわ。』

「採血キット?」

『そう。採血のやり方自体は訓練施設で習ったわよね?』

「医者に変装するときに必要な知識の一つとして習得した。」

『次の作戦目標を通達するわね。次の作戦目標は「フランドール・スカーレットの血液を採取して帰還せよ。」よ。』

「・・・。」

『どう採取するかは任せるわ。腕に自身があるなら、吸血鬼の中でも特に戦闘力が高いと言われているターゲットとやり合う過程で採取しても良いわ。』

「・・・了解した。」

『やりように寄っては相応の抵抗が予想されるわ。更に彼女はこの幻想郷の中でも1位2位を争う戦闘力の高さを持ち、なおかつ情緒不安定という報告が入っているわ。』

「かなり厄介そうだ。」

『慎重にお願いね。プロジェクト23265には彼女の血液は必要不可欠なのよ。採取する量は多くなくていいわ。採血管1本分、2mlもアレば十分よ。』

「了解。」

 

 

戦闘力についてはブリーフィングで散々情報が提供されている。過去には戦闘力調査の名目で、単独行動中に戦闘ヘリ4機による遠距離攻撃を試みたらしい。しかし、機銃弾一発すらも命中させられず、為す術なく撃墜されたらしい。その後も何度か戦闘力調査が行われ、情報部によると彼女を戦闘不能に陥らせるためには、5発以上の飽和核攻撃が必要だという結論に至ったらしい。

 

核兵器を使わないと倒せないような相手に戦闘を行うのは無謀も良いところだろう。選択肢は必然的に2つに絞られた。

 

一つは麻酔銃だ。聞くところによると、バサラブはこの任務のために研究開発されたと聞かされた。魔物も眠らせられる麻酔薬ならば吸血鬼も眠らせることができよう。さすれば採血も穏便かつ簡単に済ませられる。バサラブ自体も使用は簡単であり、これが一番効率的かつ最善の策に思える。しかし、私はあえてもう一つの策を選択することにした。

 

 

コンコン

「はーい?」

「・・・。」

「・・・あれ?入ってきていいよー?」

「・・・。」

「???」

 

ガチャ 

「んー?誰もいない・・・?気の所為だったのかな・・・?まあいいや。」スッ

パタン

「失礼。お嬢様。」

「うわ!?いつの間に!?」

「申し訳ない。他人に見られる訳にはいかないためこのような無礼な形になった。」

「いつの間に入ってきてたの?あなたはだあれ?」

「君がドアを開けるときにすり抜けた。私は君にある頼みがあってきた者だ。」

「頼み?お願いってこと?なに?」

「君の血液を少しだけ分けてほしいのだ。」

「血液?血ってこと?」

「そうだ。」

「え~・・・なんで?」

「残念ながらそれは言えないんだ。申し訳ない。」

「ふーん・・・まあ別にいいけど・・・そのかわり!」

「そのかわり?」

「私と遊んで!」

「戦闘以外なら。」

「え~・・・。ケチ。」

「君の強さは重々承知しているのでね。」

「じゃあじゃあ、あなたの血を頂戴!」

「私の?」

「私は吸血鬼よ!あなたは今まで見たことのない人種ね。どんな味がするか興味があるわ!」

 

 

私は少し迷った。吸血鬼の吸血方法といえば直接相手の体を噛んで吸血することだ。そして、吸血された人間は自身も吸血鬼になるという。吸血鬼になる事自体はそれほど問題ではないが、吸血鬼になることによって今後の作戦行動に支障が出るような事態になるのは避けたいところだ。

 

「あら。もしかして噛まれたら吸血鬼になっちゃうとか思ってる?大丈夫よ!私は相手を同族にするかどうかを選ぶことができるから。」

「そうなのか?」

「ええ!だからあなたの血を吸ってもあなたは吸血鬼にはしないわ。」

「そうか・・・それならば良いだろう。」

「やった!」

「だが味は保証しかねる。私は血の味の良し悪しはよくわからない。」

「じゃあ私が判定してあげるね!」

 

 

血を吸われる程度で目的が達成できるなら安いものだ。私は袖をまくり、腕を出そうとする。

 

 

「あ、そのままでいいわよ?ここから吸うから!」

 

 

いつの間にか彼女は私の背後に回っていた。何という素早さだ。そのまま首筋に噛みつかれる。驚いた状態の直立不動状態での吸血なので若干態勢が窮屈そうだが、本人は特に問題はないようだ。

 

噛みつかれる瞬間に若干の痛みがあったがすぐに無くなった。少しの間、そのままの態勢で待っていると、十分に味わえたのか口を首筋から離した。

 

 

「うーん・・・65点ってとこね。」

「それは評価としては高いのか?」

「微妙。まずいわけじゃないけど、とりわけ美味しいわけでもないわ。」

「そうか。」

「でも他の人間にはない特殊な味もあったわ!あなた一体何者なの?」

「ただの人間だ。」

 

 

“人造の”や“量産型の”という但書がつくが。

 

 

「ふーん。まあいいや!ありがとう!」

「ではこちらの頼みも聞いてくれるか?」

「いいよ!どうするの?」

 

 

そこからは簡単だった。私は懐から採血キットを取り出し、一般的な採血の要領で彼女の血を取るだけだ。採血針を見た時は流石に若干萎縮していたが、持参していたバサラブを少量彼女の皮膚につけると、その部分だけ感覚がなくなったようだった。この薬品は表面麻酔にも使えるようだ。

 

採血の手順は先程も言ったように訓練施設で一通り学習済みであるため、特に障害もなく滞りなく終了した。採血針を抜いた直後に傷が治ったのはさすが吸血鬼と言ったところだろうか。

 

 

「ありがとう。コレで私の目的は達せられた。」

「どういたしましてー。もう帰っちゃうの?」

「ああ。あまり長居して君のお姉さんに怒られたら嫌だからな。」

「怒るどころじゃないかもしれないね!そっか、じゃあバイバイ!」

「ああ。バイバイ。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『無事血液は採取できたようね。47。吸血鬼に吸血されたのだから一応帰還したら検査を受けてもらうわよ。任務完了。帰還して頂戴。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

私は彼女に別れを告げると扉を出た。また慎重に階段を登り、閉められていた扉を内側から鍵を解錠し、少しだけ開けて外をうかがう。

 

廊下には誰もいなかった。私はすばやく扉から出て発覚が遅れるように再び施錠した。鍵は古風な見た目どおり簡単な錠前で、ロックピックでどうとでもなった。

 

・・・何かおかしい。館に人の気配がない。元々人がほとんどいない館ではあるが、それ以前に妖精や妖怪の気配、もっと言えば動くものの気配がまるでない。まるで館の住人全員が外へ出払ったかのような。

 

何にしても警備が更に薄くなったのは好都合である。私は手近な窓を開けて外へ出た。門番をどうやり過ごすかを考えながら正門に近づく。・・・門番すらもいない。一体どうしたというのだろうか・・・?ともかく門番がいない今のうちに外へ出た。森のなかに隠れ、しばらく身を潜め周囲の安全を確認した。

 

 

「47。」

「!・・・っと、タバサか。」

「どういうこと?」

「この状況のことか?」

「(コクン)」

「私にもわからない。任務目標を達成したあとから気配が消えた。」

「・・・ともかく脱出ポイントに向かう。」

「それが良いだろう。」

 

 

タバサと合流し、脱出ポイントである人里のセーフハウスを目指し移動を開始した。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「あと1リー・・・1km。」

「まだ単位には慣れないか?」

「そうでもない。不思議な緊張感が原因。」

「確かに追手は無いはずだが何故か嫌な予感がする。」

「・・・急ぐ。」

「それが良い。ところでその杖はまだ持ってたんだな?」

「父の形見。そして私の形見でもある。」

「私の形見か。確かにそうだな。」

「戦術的にデメリットが大きいのはわかっている。それでも使いたい。」

「止めはしないが、その杖のせいで任務が失敗になるようなことはないようにするんだな。」

「わかってる。・・・そろそろ人里に入る・・・!」

「どうし・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

「またあったわね。暗殺者さん。」

「あなたが暗殺者・・・ってどっちが?」

「霊夢。どう考えてもでかいほうだろ。そばのちっこいのは護衛って感じがするぜ。」

「お嬢様。ここは私にお任せを。」

「私もいますよ咲夜さん。忘れてません?」

「あら、美鈴いたの?」

「ヒドイ!」

 

 

 

 

「レミリア・スカーレット。博麗霊夢。霧雨魔理沙。十六夜咲夜。紅美鈴。」

「幻想郷の主力級が揃い踏みだ。まずいな。」

 

 

 

 

ミッションコンプリート

・「朝食はしっかりと」     +1000 『パン籠を使って正門を通る。』

・「暮らしのリズムを整えよう」 +1000 『メイドを尾行してターゲットを発見する。』

・「知識の苗床」        +1000 『大図書館に入る。』

・「おしゃべり好き」      +5000 『ターゲットと交渉して目的を達成する。』

 






次回は別働隊sideです。
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