HITMAN『世界線を超えて』   作:ふもふも早苗

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###注意###

原作に登場するキャラが死亡する描写があります。作品に思い入れが有る方はご注意ください。


HITMAN『エージェントたちの決戦』

『硫黄島へようこそ。47。』

 

『いよいよあの実験体を叩き落とす作戦が実行に移されるわ。決戦の地はここ硫黄島。第二次世界大戦でも最大級の激戦地になり、アメリカ海兵隊が史上最も損害を受けた作戦が実行された所。』

 

『作戦を説明するわ。レミリア・スカーレットとフランドール・スカーレットが共同で実験体をここへ誘導するわ。やってきたら貴方とスネークがそれを予定地点にはたき落とす。タイミングが重要だから上手くやってね。地面に落としたら間髪入れずに姫様たちが攻撃を敢行。羽と足を重点的に攻撃して実験体を動けなくするわ。動けなくなったところにカテゴリLOGの試作機“トール”による飽和攻撃が行われるわ。島が無くなってしまう可能性もあるけれど、世界が無くなるよりはだいぶマシでしょう。』

 

『この作戦はスピードが命よ。どこかでもたつけばそれだけ実験体に反撃のチャンスを与えることになる。反撃されれば甚大な被害が出ることは想像に難くない。更に、トールの砲撃はかなり広範囲に被害が及ぶわ。脱出用のヘリに乗り遅れたら巻き込まれてしまうわよ。』

 

『世界の命運がかかる一戦になるわ。そこで日本の横須賀鎮守府と呉鎮守府から応援の連合艦隊が派遣されることになっているわ。大和型、長門型、金剛型、一航戦、五航戦、出向中のNATO艦隊なんかも含まれてるわよ。期待して頂戴。』

 

『準備は一任するわ。』

 

 

 

 

 

 

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『こちら戦略AI。対地攻撃衛星“トール”、アップデート完了。対重魔力障壁弾頭、装填開始。装填数 10。発射シーケンス準備開始。安全制御プロトコル1から8まで解除完了。目標地点を設定してください。』

『バーンウッドよ。現在実験体はカザフスタンから中華人民共和国領内に入ったわ。そのまま直進してくると思うから、接敵まで後3時間くらいよ。』

 

 

 

「まさかこんなことになるとはな。47。お前もなかなかに苦労人のようだな。」

「貴方ほどではない。が、生まれたときから戦いに身を投じてきたのは同じだろう?」

「ハハッ、違いない。」

 

 

現在時刻は午後8時を少し過ぎた。予定なら実験体との戦闘は日付をまたぐことになりそうだ。私は今、硫黄島の西端、かの有名な摺鉢山の山頂に来ている。横にいるスネークはあの後まとめて呼んだ内の一人だ。元が傭兵ということもあり、案外すんなりと協力してくれている。

 

私は今回Jaeger7を持参している。スネークの方はSVDだろうか。どちらも実験体に致命弾を与えることは難しい。なので今回はその実験体が背負う飛行ユニットを狙う。

 

情報によれば、実験体はそのままの素体でもある程度の飛行能力を有するらしいが、ジェット機並の速度と複葉機並みの旋回性能を持つには背中に取り付けられている飛行ユニットの存在が不可欠らしい。我々が狙うのはここになる。不確定要素としては実験体の素体状態での飛行能力がどの程度なのかが定かではないという点だ。飛行ユニットを装着せずに解き放ったことがないためデータがないのだ。

 

レミリアとフランはこの島から西北西に400キロほど行った海上に居る艦娘部隊に連れられている。伊勢と日向の肩に乗せてもらっているらしい。彼女らの助力を得られたことで、この大海原でも比較的自由に行動できている。ちなみに艦娘たちの助力を得ようと進言したのは灰原哀だった。

 

 

「47、聞こえる?」

「ブルーか。そっちはどうだ。」

 

 

ブルーとシルバーは座標指定要員だ。島の反対側である東山の山頂にいる。彼女らが私達が叩き落とした実験体にレーザーサイトを照射する役目だ。護衛としてあの強面プロデューサー、武内Pが付いている。彼は非常に体力があり、ブルーとシルバーを抱えた状態でも全力疾走することが可能だ。脱出のときには役に立ってくれるだろう。

 

 

「こっちは準備完了よ。試しに中央の滑走路に照射してみていいかしら?」

「予定地点は滑走路より若干こちら側になる。滑走路の西の端に照射してみろ。」

「わかったわ!シルバー!」

「わかった。・・・準備完了!」

「よーし!照射!」

 

 

別段赤い光線が見えるというわけではない。米軍などでもよく使うタイプを改良したものだ。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『戦略AIです。座標設定が完了しました。発射シーケンス開始。・・・オペレーター権限によって発射シーケンスは中止されました。再度目標座標を設定し直してください。』

 

『バーンウッドよ。ブルー、演習モードにしていないわね?危うくあなた達粉微塵になるところだったわよ?気をつけなさい。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「あ、やっば。」

「姉さん・・・。」

「ハッハッハッ、これ以上無い練習だな。」

 

 

・・・大丈夫だろうか。機器の扱い方は教えたはずなのだが、今更ながら不安になる。ともあれ機器は正常、発射シーケンスまでの流れも把握できただろう。ああ、そうだ一応念を押しておかねば。

 

 

「ブルー、今演習モードに切り替えると本番で使えない可能性があるぞ。」

「・・・だ、大丈夫よ!演習モードは切ってるわ!」

「すみません。僭越ながら。ブルーさん。それは電源スイッチかと・・・。」

「・・・。テヘッ♪」

「姉さん、素人同然の武内さんにまで指摘されるのはちょっと・・・。」

 

「おい、お前ん所の組織は案外ポンコツが多いのか?」

「今日は特別だ。緊張しているのだろう。」

 

 

スネークが茶化してくるが軽く受け流し、準備に集中する。今度はもう一つの部隊、今回初顔合わせになる異国の武闘派姫君。アリーナ王女とその付き人の僧侶クリフトと魔法使いブライだ。

 

 

「こちら47、アリーナ姫。そちらは準備できましたか?」

「こっちは準備万端よ!それよりその他人行儀な話し方やめない?堅苦しいわよ?」

「姫様!言葉遣いには気をつけるようにとアレほど!」

「あーもう、クリフトは堅いわねー。そんなんじゃ駄目よ?」

「姫様がフランクすぎるだけですじゃ。クリフトもそう熱くなるな。」

 

 

どうやら向こうは向こうで気楽にやっているらしい。呼び出された直後は何が起こったのか分からず呆然としていたが、事情を説明して世界を滅ぼさんとする実験体を倒すことを伝えると俄然やる気になってくれていた。

 

今回の作戦では、彼女たちがどれだけ時間を稼がせられるかにかかっている。倒すことができれば万々歳だが、できなければせめて足や羽を、それも厳しいようなら魔法で氷漬けにして一時的でもその場に留まらせる作戦だ。

 

 

「では普通に話させてもらう。そろそろターゲットがやってくる。相手はかなり強大だ。十分に気をつけろ。」

「OK!」

「我が命に変えましても姫様だけはお守りします!」

「やれやれ、とんでもないことになったのう・・・。」

 

 

我々はそれぞれが各々の役割を全うするために入念に準備を行った。

 

 

 

 

 

 

~呉鎮守府艦娘連合艦隊side~

 

 

 

「空母大鳳、艦載機、発艦します!優秀な子たち。あなた達の力を見せてあげて!」

「空母瑞鶴、艦載機発艦!まずは敵を見つけるのよ!」

「CV-3サラトガ、艦載機隊、上空哨戒任務中。未だ敵影ありません。そろそろ一旦帰還させます。」

「航空母艦加賀。了解。哨戒任務を引き継ぐわ。」

 

 

私達呉鎮守府連合艦隊はICAという謎の組織を支援するために、大本営からの勅令に基づいて太平洋を南下しています。大鳳瑞鶴加賀サラトガを基軸とし、戦艦金剛と榛名、第二艦隊に鈴谷、熊野、木曽、秋月、初月。そして第二艦隊旗艦の私、由良。皆歴戦の艦娘たち。正真正銘の全力出撃。正直、相手がどんな相手だろうとこのメンバーならイケルと思う。それだけの自負と経験と実績があった。そう。今このときまでは。

 

 

「!こちら瑞鶴!うちの子が敵を補足したわ!ここから11時の方向!距離150!」

「了解。加賀、哨戒任務中止、戦闘機隊全機発艦。」

「サラトガもそれに続きます!」

「夜で視界が悪いわ。各機十分に警戒して。」

「第二艦隊前へ!空母隊を守るのよ!」

「了解!秋月、防空警戒任務を開始します!」

「同じく初月、了解!」

 

 

距離は150km。この距離なら戦艦の砲弾も届かない。射程圏内に入るのも5分から10分ほど余裕があるはず。陣形を整える余裕もある・・・。

 

 

「・・・!ちょ、マジ?!前衛の伊勢艦隊から入電!伊勢、日向大破!要人の発艦は済んだものの大破艦多数!継戦不能、撤退開始したって!」

「なんですって!?」

「そんナ!イセもヒューガも練度170は行ってるヨ!?それがそんな簡単ニ!」

「お姉さま!なにか来ます!」

 

バリバリバリバリ!!

ボォーン!

 

「きゃあ!」

「敵の砲撃です!」

「初月!初月中破!」

「掠っただけで中破って直撃もらったらマジヤバでしょ!?」

「鈴谷!次が来ますわよ!目をそらさないで!」

 

 

遠方。それも100km以上離れた所からの砲撃に掠っただけで、練度150を超えた初月が中破した。これは・・・一体何?何の攻撃なの!?

何発か近くを謎の光線が通過する。そのどれも威力が尋常ではなく、今まで戦った深海棲艦、姫級をも軽く凌駕する威力の光線が次々に放たれる。でもよく見ると明後日の方向にも何本か放たれているのが確認できる。もしかして、これは流れ弾なの!?

 

 

「くっ!こちら加賀。烈風隊被害甚大。損耗率76%。敵はこちらの要人と戦闘中。烈風隊も攻撃を敢行したけれどまともに被害を与えられてないわ。それに・・・。」

「こちら大鳳。こっちの艦攻隊も同じく有効なダメージを与えられず。被害甚大。損耗率70%を超えたわ!」

「うちのコルセア隊もです!損耗率69%!瑞鶴さん!援護を!」

「わかってる!でも・・・早すぎる!」

「瑞鶴!アレを出しなさい!出し惜しみしては駄目よ!」

「加賀さん!わかりました!橘花隊!発艦!」

 

 

水平線に光が見えてきた。かなり近くに来ている。私は号令をかけた。

 

 

「第二艦隊!対空戦闘用意!近いわよ!熊野さん!初月を援護してください!」

「わかりましたわ!」

「三式弾装填完了!いっくよ~!」

「秋月!防空戦闘開始します!」

「空を飛んでる相手じゃ魚雷は使えねえ・・・だが!防空もできるところを見せてやる!」

 

「来たヨ!榛名!」

「はい!三式弾装填済みです!」

「いくヨー!バァァァニング、ラァァヴ!!!」

 

ドドドドォン!

ボォーン!

 

 

三式弾は敵の近くで確かに炸裂した。しかしあの敵はとんでもない機動で垂直に上昇し、それをすべて回避しきった。そして、こちらへ向かってきた。

敵はその手に赤く光り輝く槍のようなものを出し、それをこちらに向けて投げつけてきた。私は思った。この攻撃は、今までにない攻撃だと。

 

 

ドォォォン!!

キャアアアア!

 

 

「ぐっ・・・。」

「加賀さん!空母加賀大破!戦闘不能!私…瑞鶴も小破!」

「空母サラトガ大破!戦艦榛名大破!航巡熊野大破!」

「クッ・・・旗艦金剛、中破ネ。でもまだ!」

「駄目です金剛さん!第二艦隊も被害甚大です!司令部からも撤退命令が出ました!」

 

 

たった1撃で呉鎮守府連合艦隊の大半が戦闘不能?まさか・・・こんなことが・・・!

 

 

「・・・わかったヨ。撤退・・・!!由良!」

「えっ・・・?」

 

 

 

ボォォォン!

 

 

 

 

 

~レミリア・フランside~

 

 

 

「チィ!ちょこまかと!」

「なかなかやるね!」

 

 

私達は艦娘とやらに連れられて海の上で戦闘中だ。移動中にフランから「もしかしたら実験体っていうの、私に似てるかもしれないよ」とは聞いていたけれど、色以外ほとんど同じじゃないの。それにフランよりも力が強い。幸い能力までは完全にコピーできてないみたいだけど。

 

私達を連れてきてくれた艦娘たちは、実験体の攻撃2発でほぼ瓦解。謝罪の言葉と共に西へ撤退していった。それからというもの、フランと一緒にこの実験体を海に叩き落としてやろうと何回も攻撃を行っているが、確実に命中したのはほんの数発。それも殆ど効いてないようだった。こいつには最大火力をぶつけないといけないようね。

 

そのうち北からちっこい飛行機を飛ばしている別の艦娘部隊とかち合った。しかし私達の攻撃を避けつつ、彼女たちの砲撃も避け、その際にできた一瞬のスキであいつは艦娘部隊にどでかい攻撃を浴びせた。1発目は艦隊の中央に。2発目はボーッとしてたピンク髪の艦娘に。水煙でよく見えないが、直撃をもらったらしく、おそらく消し飛んだわね。

 

ともかく、この方向は目的の方向とは違う。もっと東へ誘導しなければ。この実験体は生かしておけない。こいつはここで叩かなければ私達の世界まで殴り込んでくる。そんな運命が垣間見えたからだ。それは絶対に阻止しなくてはならない。

 

 

「これでも喰らいなさい!紅符“スカーレットマイスタ”!」

バチン!

「フンッ!貴方の相手はこっちよ!」

「私も!禁弾“スターボウブレイク”!」

バジジ!

「やった!鬼さんこっちへおいで!」

 

 

艦娘部隊に気を取られていたのか、連続して私達のスペルカードがあたったことで奴のターゲットがこちらに移った。超高速の実機狙い弾が飛んでくる。私達は低空を飛び、それを回避しながら目的地まで誘導を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

~47side~

 

 

「来たぞ。」

「やれやれやっとお出ましか。」

 

 

水平線上に光が見える。どうやらかなりの猛攻を受けているようだが、攻撃が行われているということは少なくとも一人は生きているだろう。私とスネークは各々岩陰に隠れつつライフルを構えた。

 

肉眼でも人影を視認できるくらいまで近づいてきた。流れ弾が島に着弾している。さながら支援砲撃のようだ。先頭を行くレミリアとフランは揃って島の端に到達した瞬間にほぼ垂直に急上昇した。ターゲットもそれを追うように急上昇する。急上昇するときにターゲットの体が回転する。そして一瞬見える背中の羽根の根元にある銀色のボックス。そこをめがけて私とスネークは弾丸を放った。

 

ダァーン!

ガチン!

 

「お、当たったぞ。」

「・・・よし。」

 

 

2発の徹甲弾は正確に背中の箱に命中し、遠目からでもわかるくらいの火花をちらした。ターゲットは急速に速度を落とし、やがて反転し落下し始めた。

 

それを見た私達は、山の麓に注記しておいたヘリに急いで移動する。ターゲットは速度を上げて落下し、目標地点のそばに落ちようとしていた。しかし地上まで後10mほどのところで身を翻し、砂埃を舞い散らせながら着地した。気のせいか急に飛べなくなったことに対して困惑しているふうにも見て取れた。しかしそんなことを確認する間もなく物陰から3人が飛びかかる。

 

 

「はぁっ!」

「“スクルト”!“マホトーン”!」

「“バイキルト”!“ピオリム”」

ドガガガ!

 

山を駆け下りる過程で見える戦闘はなかなか凄まじいものだ。どうやら実験体の放つあの光線は至近距離では使用できないらしく、全く撃っていない。アリーナ姫の方は、付き人の二人に能力強化の呪文を掛けられ、目にも留まらぬ速さで蹴りや突きを次々に繰り出している。あの世界の姫君はアレくらい武術に堪能でなくてはならないのだろうか?

 

攻撃もやたらめったらというわけではなく、的確にターゲットの足の関節部分を重点的に攻撃している。足を攻撃できない時は羽の根元を攻撃しているようだ。

 

 

「くっ!なかなかタフねこいつ!」

「姫様!“ベホマ”!」

「ありがと、クリフト!下がってなさい!」

「ふむ・・・“ルカニ”。」

「お?ちょっとやわっこくなったかも!さすがねじい!」

「ほっほっほ。」

 

 

私とスネークはヘリに飛び乗り、エンジンを始動させた。すぐに出力全開で飛び立つ。まずはブルーとシルバーのところへ向かう。ブルーたちは山の上で戦況を見守っていた。いつでも照準を照射できるように照準器は覗いたままで。私はその後方へヘリを着地させる。それとほぼ同時に下の戦況に変化があったようだ。

 

ゴシャ

「やった!膝を変な方向へへし折ってやったわ!」

「姫様。お下がりください。締めはわたくし、ブライが。」

「ええ!頼んだわよ!っと!」ゴシャ

「よし!“マヌーサ”!」

「良いぞ、クリフト。ではちょっくら出力全開で参りますぞ!“マヒャド”!」

パキィィィィィン…

 

「姉さん!」

「今ですブルーさん!」

「照準セット!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『戦略AIです。座標設定が完了しました。発射シーケンス開始。弾頭:対重魔法障壁弾頭。炸薬タイプ:なし、通常モード。発射弾数 10。安全制御プロトコル、9から16まで解除完了。全安全装置解除完了。カウントダウン開始、発射まで10,9,8,7・・・』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「照準完了!仕事終わり!」

「では逃げましょう。」

「姉さんはやく・・・うわ!」

「きゃあ!」

「失礼ながらこちらのほうが早いので。」

 

 

屈強な大男に両脇に抱えられてブルーとシルバーがものすごいスピードで戻ってきた。武内Pがジャンプでヘリに飛び乗った瞬間に私はヘリを離陸させ、アリーナ姫たちを回収に向かった。

滑走路に低空侵入し、そこへ走り込んできた3人がこれまたジャンプで飛び乗ってきた。結構まだ高度があったと思ったがさすがと言ったところだ。そのまま高度を上げつつ南へ離脱する。

 

 

シュルルルル…

「来たわよ!急いで!」

「わかっている。ドアを閉めろ!」

 

 

ボォォン!ボォォン!ボォォン!

 

 

真後ろで連続して弾頭が着弾する。合計10発の弾頭による飽和攻撃だ。凄まじい衝撃波と爆風によってヘリがバランスを崩しかけるが、なんとか持ちこたえ、爆風に乗ってさらに高度を上げる。

10発も撃ち込むとなるとそれなりに時間がかかり、1分ほど爆発音が断続的に聞こえた。5発目あたりで既に島は崩壊しかかっており、山の一部だったと思われる土の塊などが四方八方の海へ飛び散っていた。私達は高度3000mほどで滞空して様子を見る。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『発射完了。効果確認。・・・・ターゲットの健在を確認。』

『艦娘部隊に支援砲撃を要請するわ。そのまま待機していて頂戴。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

中央付近は大きくえぐられており、全体がクレーターとなった島に海水が流れ込んでいる。その中心部分にターゲットはいた。流石に大打撃を被ったようでかなり動きが鈍っている。

 

直後に遠方から砲弾が降り注ぐ。戦艦大和を旗艦とした横須賀鎮守府主力連合艦隊の砲撃だ。大和、武蔵、長門、陸奥、ザラ、観測員として鳳翔が当てられている。まだ、第二艦隊にはビスマルクとアイオワも居るようだ。彼女らが放つ各種砲弾が雨あられとなって降り注いでいる。

おそらくこの世界の基準で言えば仕留めたも同然だろう。しかし・・・。

 

 

『・・・!対象は健在よ!気をつけて!』

「やはりか。」

「あの砲撃に耐えきるとかどういうことよ!」

「本当に倒せるのかあんなバケモノ・・・。」

 

 

思わずブルーとシルバーが文句と弱音を吐くくらいには動揺が広がっている。しかしかなり追い詰めているのは事実なのでもうひと押しというところだろう。私が再度砲撃支援を要請しようとしたときだった。

 

 

 

 

バチチチバシュウウン…

 

 

 

「え?」

「へ?」

「何?!」

「・・・?」

 

 

ターゲットが光りに包まれたかと思いきや忽然と姿を消した。クレーターの中心部分にはもう何もなく、海水が流れ込むばかりだ。

 

 

『こちら戦略AIです。ターゲットの座標が取得できません。ターゲットロスト。』

「ロストしただと?」

『バーンウッドよ。とりあえず全員一旦基地に帰還して頂戴。今の光・・・まさか・・・。』

「了解。」

 

 

道中、横須賀鎮守府の艦娘に拾われていたレミリアとフランを回収し、なんとも煮え切らない形で基地に帰還することになった。

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

『調査結果が出たわ。』

「それで。実験体はどこへ行った?」

『その前に今回の作戦の報告をさせてもらうわ。今回の被害は“硫黄島の全壊”“呉鎮守府所属の艦娘1名の轟沈”この2つよ。』

「まとめてみるとあんなの相手にした割には被害は少ないほうじゃないかな?」

『そうね。でも艦娘をロストしたことに大本営は結構ご立腹でね。いつか埋め合わせが必要ね。あと作戦とは別だけれど、あの実験体が暴れまわって消滅した都市は、カルガリー、カンザスシティ、サラゴサ、ミラノ、クラクフ、ヴォロネジの6つ。』

「むしろソッチのほうが被害甚大ね。」

『更に大西洋、地中海、東シナ海、合わせて11箇所で深海棲艦に対する攻撃と思われる痕跡があったわ。深海棲艦の最上位クラスである“姫級”や悪名名高い戦艦レ級もいともたやすく葬ってるみたい。』

「あっちこっちにちょっかい掛けまくってるわね・・・。」

「被害報告はそのくらいでいいだろう。問題は“どこへ行ったか”だ。」

『それなんだけれど・・・あの時消失する直前の光。アレは渡界機の光にそっくりだった。この世界では既にどこにも実験体の反応を見ることができないでいる。とすれば・・・。』

「“他の世界線へ向かった”か。」

『それが意思によるものなのか、それとも事故なのかは調査しないとわからないわ。でも少なくともこの世界を脱出するための時間は稼げた。』

「じゃあ渡界機直るの?」

『ええ。資材も十分にある。予定なら2週間後くらいには送信機も機能するはずよ。』

「やった!」

「ちょっと待ちなさい!もしかして元の世界に帰す手立て無いのに呼んでたの!?」

『レミリア。帰す手立てはあったわ。時間がなかっただけ。』

「そんなの聞いてなかったわよ!」

『聞かれなかったからね。』

「(小学生かな・・・?)」

『ともかく。今は送信機を修理すると同時に、実験体が向かった世界線を特定する作業に入るわ。もうしばらく待機していて頂戴。』

 

 

 

 

ミッションコンプリート

・「信頼の警護」      +1000 『タバサを基地に残す。』

・「豆鉄砲を食らった悪魔」 +5000 『ターゲットの飛行ユニットを一発で破壊する。』

・「魔封じの氷柱」     +3000 『ターゲットを凍らせて動きを封じる。』 

・「十柱戯」        +3000 『トールの弾頭を一発も迎撃させない。』

 

 

 




呼ばれたのに出てきていない人は次回出てくる予定です。
ちなみに今回は基地でお留守番兼警護していました。


次回、決着?
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