HITMAN『世界線を超えて』   作:ふもふも早苗

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イジツ編はこれにて終了です。

###注意###

原作に登場するキャラが死亡する描写があります。作品に思い入れが有る方はご注意ください。


HITMAN外伝『過ぎた力』

『アタザキへようこそ。47。』

 

『イジツ屈指の温泉街であるここアタザキに来てもらったのは、実は任務ではないの。前々回の任務の後、ブルー、シルバー、タバサがここアタザキにとどまっているのだけれど、それを迎えに行ってほしいのよ。どうやら通信機器が最近不調のようでうまく通信がつながらないの。』

 

『迎えが済んだらそのまま任務についてもらうわ。今回の任務はイケスカの湖上にそびえ立つビル、“イサオタワー”その最上階にいるマコトと呼ばれている老人よ。タワーの名前にもなったイサオという人物の執事をやっていた人物。イサオ氏亡き後、彼の権力の大部分を引き継いだ彼は、イサオ氏の理想とする世界を実現するべくいろいろな方面へ働きかけを行っていたみたい。前々回のコトブキ飛行隊への暗殺依頼を出したのも彼よ。』

 

『しかし、働きかけが急すぎたのか、彼、身動きが取れなくなりつつあるわね。現に急激な投資は自分自身の資金力の低下を招いており、回収の目処こそ立っているもののまだ回収する段階でない投資案件がほとんどで今現在彼はあまり資金を持ち合わせていないみたい。前々回の任務で1人しか暗殺依頼が出せなかったのもそれのせいね。』

 

『クライアントはオウニ商会のルゥルゥ社長。護衛としてコトブキ飛行隊も派遣してくれるらしいわ。一度戦った相手を護衛するのは向こうとしてもあまり気持ちのいいものじゃないはずだから、その辺りは配慮してね。あと今回の暗殺はできるだけ派手にしてほしいという依頼よ。ガドールとイケスカの議会にターゲットの息がかかっている人物が多いらしくて、その連中に見せつけるんですって。』

 

『兎にも角にもまずはシルバー達を見つけて頂戴。見つけたら滑走路へ向かって。』

 

『準備は一任するわ。』

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

ブゥゥゥゥゥン

 

私はアタザキの滑走路にアプローチする。ギアダウンし、観光地だからなのかよく整備された滑走路に降り立った。滑走路の端にはシルバーたちの機体3機が並んで駐機されている。いささか不用心ではある気がするが。

 

同じように横に並べて駐機し、私は諸手続きを済ませた後、街へ出発した。街はそれほど大きくはなく、あちこちで湯気が立ち上っている以外はラハマと対して変わらない。若干建造物が日本風だろうか。

 

しばらく宛もなくさまよったが一向に見当たらないため、しかたなく聞き込みをすることにした。

 

 

「すまないが少しいいだろうか。」

「はい?何でしょう。」

「赤毛の青年と栗毛の女性、もしくは青毛の少女を見かけなかっただろうか?」

「うーん・・・あ、もしかして三人一緒に行動してます?」

「かもしれない。」

「だったらそれっぽい人は見た気がします。確かこの先の食堂にいたと思います。青毛の子がすごい量食べてたので印象に残ってます。」

「おそらくそれだろう。ありがとう。」

「いえ、お役に立てたようですね。では。」

 

 

すごい量を食べている・・・タバサには暴食は控えさせなければならないが今回はそれが役に立ったか。私は食堂へ向かった。

 

 

 

 

「このステーキ、ソースが絶妙。」

「でしょう?ビールにも合うのよ~?」

「ちょっと!シルバー!それ私が取ったパイよ!」

「うぇえ!?ご、ごめん姉さん・・・。」

「まあまあ、まだパイはいっぱいありますから・・・。」

「わたしのカレーまだー?!」

「私のパンケーキもー!」

 

 

食堂の中央のテーブルで何故かブルー達がコトブキ飛行隊の面々と食事をしていた。いつの間に顔見知りになったのだろう。私はなんとなく気配を殺しつつ隣の席に座ってみた。

 

 

「そういえば君たちも飛行機乗りなのか?それは飛行用のゴーグルだろう?」

「え?ああ、まあそんなところね。」

「何に乗ってるの?」

「うーん・・・まあ珍しい機体よ。詳細は秘密!」

「えー?まあいいか。珍しい機体って言ったら最近すごいのと出くわしたんだよね。」

「私達6人と1人を手玉に取った4機編隊。」

「ふ、ふーん。どんな機体だったの?」

「えっとね・・・機体はもう見たこと無いものばかりで、そのうちの一機を落としたんだけど、それを回収して調べてみたらまあコレがすごいのなんのって!」

「13mmと20mmが全部エンジン周りに搭載されてるし、そのエンジン自体もパワーが私達が使ってる隼のとは段違い。あれは玄人が使ったら無双するね。」

「ナツオ・・・ああ、うちの整備班長なんだけどね、その人が言うには旋回性能にだいぶ難がある以外は隼をすべての面で上回っているって言ってたわね。」

「へえ・・・その落とされた1人ってのは玄人じゃなかったわけね!」

「うぐっ!ゴホッゴホッ!」

「ちょ、ちょっとどうしたの君。大丈夫?」

「な、なんでもない。気にしないでくれ・・・。」

 

 

そう言えばシルバーの乗っていたBf109 G-10はシルバーを回収するので手一杯で機体の回収は行われなかったな。我々としても第二次世界大戦の機体の技術程度いくら流出しようと問題はないからだが。

 

さて、時間も頃合いだ。そろそろ出発するべきだろう。丁度全員揃っていることだし。私が腰を浮かそうとしたのと気が付かれるのはほぼ同時だった。

 

 

「・・・そろそろ任務。」

「え?どういう事?」

「もう着ている。」ユビサシ

「・・・え?!47!いつの間にそこに!」

「言ってくれればいいのに。」

「・・・ここまで近づいて気がつくのがタバサだけか・・・再訓練の必要があるか?」

「!!い、いえ!気付いてたけど気付いてないふりをしていただけよ!ねえシルバー!」

「あ、ああ!そうとも!」

 

 

全くを持って白々しいが、まあその点は任務後にたっぷりとやることにしよう。

 

 

「失礼。あなたは?」

「私が今回の仕事の最後の一人だ。君たちの護衛対象だ。」

「え?じゃあ私達が護衛する4人ってあんたたちのことだったの?」

「てっきりこのあたりに住んでる自警団かなにかだとばっかり・・・。」

「あはは・・・自己紹介が遅れちゃったわね。私はブルー。で、こっちの大男が47。」

「僕はシルバー。で、こっちがタバサ。」

「・・・。」ペコリ

「自己紹介が済んだところで早速任務だ。滑走路に向かうぞ。」

「ちょ、ちょっと。私達の自己紹介がまだなんだけど!」

「大丈夫だ。君たちのことはよく把握している。チカ。」

「え?!私の名前・・・。どういうこと?」

「滑走路に行けばわかるだろう。」

「「???」」

 

 

 

「この機体!」

「まさか!この間の!」

「尾翼に47の番号。間違いない。あのときの。」

「そういうことだ。」

 

 

滑走路に駐機している我々の機体を見て、コトブキ飛行隊は皆一様に驚愕の表情をしている。当初予測されたアウローラを撃墜したことによる憎しみのような感情は今のところ見て取れないが・・・。

 

ちなみにシルバーの機体は撃墜されたため、Fw190 D-9に変更されている。レオナがこちらに近寄ってきた。

 

 

「2つ聞きたい。」

「なんだ?」

「アウローラ・・・あの時あなた方が最後に落とした機に乗っていた元同僚だ。彼女を殺したのは何故だ?」

「それが任務。仕事だったからだ。」

「そうか・・・。なら何故キリエは助けた?」

「それも任務だからだ。ターゲット以外は殺さないようにとの指示が出ていた。」

「・・・わかった。」

 

 

そういうと神妙な面持ちでコトブキ飛行隊に指示を飛ばし始めた。こちらも準備を始めるとしよう。

 

 

「こちら47。無事に合流した。」

『上々ね。じゃあまずはイケスカから東に400kmほど行った地点J6-2を目指して頂戴。』

「・・・そこには街も空の駅も無かったはずだ。」

『でも我々が作った“飛行船”があるわ。』

「飛行船?」

『羽衣丸を思い出して。あの飛行船の設計図をこの間入手したわ。それを元に技術部が急造したの。無論、我々独自技術による改造も豊富に投入したわ。』

「具体的には?」

『それはついてからのお楽しみよ。ともかくそこへ向かって。着艦が完了したらわかるわ。』

 

 

ともかく目的の場所へ向かうことにした。目的地までは約500kmと言ったところ。まずコトブキの3機、レオナ、ザラ、エンマが飛び立つ。続いて我々4機がそれぞれ順番に飛び立った。最後にケイト、チカ、キリエの3機が上がった。

 

道中は特に静かなものだった。レオナを先頭に両脇をザラとエンマが固め、中央に菱形陣形で我々4機。後ろは前との逆の形で最後尾はキリエだ。20分ほど気まずい沈黙が流れたあと、しびれを最初に切らしたのは案の定ブルーだった。

 

 

「あー!もうやめやめ!こんな辛気臭いの耐えられないわ!」

「ちょ!姉さん!どこいくの!」

 

ブルーは急激に高度を上げて縦横無尽に飛び始めた。

 

 

「あー、フラップの調子が悪いのよ。その調整?」

「姉さん・・・。」

「フフフ・・・。」

「ザラ?」

「いや、ごめんなさい。彼らも私達と変わらないんだなって思っちゃって。」

「あーたしかに。ロータの駅に行った時のキリエもあんな感じだったし。」

「それを言うならチカだって!」

「ははは・・・まあ燃料にも余裕はあるし、私も辛気臭いのは苦手だ。」

「47。」

「なんだタバサ。」

「私もエレベーターの調子が悪い。」

「・・・許可しよう。」

 

 

それからは皆陣形などを機にせず思い思いに飛んでいた。レオナとザラは私の機体の横に来て機体を観察しているようだ。ブルーはキリエとチカと一緒に高機動飛行をしている。シルバーはエンマと空戦機動の確認をしている。タバサはケイトと一緒にブルー達を高空から見下ろしている。

 

しばらくそのまま平和に飛んでいたが、目標地点まであと50kmというところで問題が発生した。

 

 

「こちらタバサ。8時の方向より機影多数。」

「こちらケイト。こちらでも確認した。距離8000。機数…少なくとも10以上。」

「空賊か!」

「こっちも10機なんだから蹴散らしちゃいましょ。」

「待って姉さん。47。どうする?」

 

目的地まではまだ45km以上ある。逃げ切ることもできるが・・・我々はできてもコトブキが逃げ切れない。護衛とは何だったのか疑問が浮かぶが、今はそんなことを考えている暇はない。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『47。上級委員会からの通達よ。コトブキ飛行隊はこれ以上喪失機を出してはいけない。逃げ切れるのならばそれでもいいけれどできれば応戦して蹴散らして頂戴。厳しいようなら避けつつ目標地点まで誘導して構わないわ。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「上からの許可が出た。応戦するぞ。必要ならば目的地まで誘い込む。」

「「了解!」」

「レオナ!あっちがやるならこっちもやらないと!」

「護衛対象はやる気満々よ。レオナ。」

「わかっている。コトブキ飛行隊、一機入魂!」

「「了解!」」

 

 

私達は共同で空賊と思われる集団を迎撃しに向かった。切り込み隊長はシルバーだ。シルバーの乗るFw190は発射レートの高い20mm機銃と13mm機銃で敵を一瞬にして切り刻むことができる。その武装に恥じぬ弾幕を先頭の敵機にお見舞いする。敵機は飛燕のようだ。

 

 

バララララ

ガガガバキン

 

 

敵機はものの見事に蜂の巣になった。圧倒的高火力で続けざまにもう2機落とした。そのすぐ後ろに追随していたタバサも37mm機関砲ですれ違いざまに2機の主翼をバラバラにしていた。

 

 

「はわー。改めて見るとすっごい火力!」

「呆けてる暇はないぞチカ!来るぞ!」

「わかってる!」

 

 

コトブキ飛行隊の方にも数機が襲いかかる。改めて敵機の機数を確認すると20機以上になっている。いつの間に増えたのか、それとも観測を誤ったのか。私の横のブルーは敵の攻撃を華麗に避けては、持ち前の高機動で敵を翻弄しつつ撃墜していっている。私はそれを横目で見ながら目の前の3機を順番にM2ブローニングで薙ぎ払っていった。あっという間に20機以上居た敵機はほぼ半分以下になり、敵部隊は壊滅状態と言っていいだろう。

 

 

「たいしたことないわね。イケスカ動乱の生き残りかしら?」

「かもしれないな。飛燕は空賊が持つには高価過ぎる。支援なしではろくに整備もできないはずだ。」

「だからなんか動きが鈍いんだね。」

「じゃあ何故私達を襲ってきたのかしら?」

「わからん・・・もしかしてまた・・・。」

 

 

レオナとザラが空賊について考察している。確かに飛燕は液冷エンジンであるがゆえ整備性が悪い。マトモな整備が受けられない空賊に扱える代物ではない。だとすると十中八九支援を受けて襲撃を依頼されているのだろう。

我々が次々と落としていき、考察する余裕も生まれていたが、そんな時はるか遠方からかなりの数の機影が見えた。

 

 

「北方より機影多数。数・・・100以上。」

「なんだって!?」

「ええ?!・・・うーわほんと!すっごい数いるわよ!」

「流石にあの数は弾薬が足りない。」

「同じく。今の戦闘でかなり弾薬を消費してしまった。」

「どうする?47。」

「ここは一旦撤退だ。目標地点まで全力で向かう。」

「まだ敵機残ってるよ!」

「残ってる敵機は我々4機でやる。コトブキ飛行隊は先に目的地へ向かえ。」

「我々の仕事は君達4機の護衛だ。それはできない!」

「速度では我々4機のほうが圧倒的に上だ。先に行ってくれないと君たちを置いていくことになる。」

「ぐっ・・・わかった。コトブキ飛行隊、全機目的地へ向かうぞ!」

「「了解!」」

「シルバー、ブルー、タバサ。5分だけ敵を撹乱、殲滅せよ。」

「「了解!」」

 

 

コトブキ飛行隊は目的地の方角へ飛行を始める。それを追って数少ない空賊が追いすがる。それを我々が粉々に粉砕して回っていく。5分が経過する前に最初の20機は全滅した。しかし100機以上の編隊はすでにかなりの近さまで着ていた。

 

 

「よし。全機、全力で目的地へ向かえ。」

「はーい!」

「言われなくても!」

「もう向かっている。」

 

 

それぞれの機体のトップスピードで目的地へ向かう。高度5000mほどなのでほぼ最高性能が出せている。各々600km/h以上で目的地へ向かった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『敵機を確認。空賊と断定され、我々に攻撃の意志があるのも確認済み。ICAが作り上げたこの飛行船“シャドウ・レディ”の力を見せるときのようね。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

すでにコトブキ飛行隊はICAの飛行船の近くまで到達していた。我々も全速力でここまで着たおかげでほぼ同時に目的地に到着した。

 

『全員来たわね。では空賊を追い払いましょうか。』

「どうするつもりだ?」

『あなた達が訓練した世界、あの世界にはただ訓練に派遣したわけじゃない。ちゃんとその世界の技術も取得してきたわ。』

「・・・まさか。」

 

『戦略AIです。1,2,3番サイロ展開。発射シーケンス開始。弾頭、超長距離空中炸裂型サーモバリック巡航ミサイル“ヘリオス”。カウントダウン開始、5,4,3,2,1,発射!』

 

 

バシュバシュバシュ

「うわ!何!?」

「何かが発射された?」

「47殿。説明を願う!」

「何のことはない。我々の対空兵器だ。心配するな。」

「でもたった3発じゃ・・・。」

「まあ、見ていろ。」

 

 

放たれた巡航ミサイルはそのまま拡散しつつ100機編隊に近づいていき、ちょうど重なる少し手前で炸裂した。弾頭の構造上の理由で青くなっている爆発が空を焼き尽くすのを見た。ヘリオスは100機編隊の大半を消滅させたようだ。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『着弾。効果確認。目標数120機。撃墜103、大破14、回避3。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

少なからず回避に成功した機体がいるようだ。それでも100機以上の機影が一瞬で消え去った影響でその3機も戦意を喪失したらしく、そそくさと反転して撤退していった。

 

 

「な、何だ今のは・・・。」

「空賊が消えた・・・?」

「かなりの威力。」

「たった3発であの大編隊が・・・。」

「恐ろしい威力ですわ・・・。」

「めっちゃやばいやつじゃん!」

 

 

「どうするのよ47。彼女たちみんな唖然としちゃったわよ?」

「何もヘリオスを使う必要はなかったのでは?」

「過剰。」

「私に言うな。バーンウッドに言え。」

 

 

私達4機はそのまま飛行船に着艦した。アレスティング・フックがないこの機体でもゆうゆう着艦できるほどに内部は広かった。

 

4機とも着艦した後、我々は目の前に置かれていた機体を見て今回の作戦概要を察した。

 

 

「ああ、暗殺ってそういう・・・。」

「まあ確かに暗殺かな。」

「アメリカ式。」

「・・・。」

 

 

我々はそれらに乗り換え、再び発艦する。飛行甲板前方にスチームカタパルトが装備されており、ICAの技術部の誘導に従ってカタパルトから2機が発艦した。

 

 

「お、出てきた・・・って何あの機体?」

「プロペラがない・・・噴進機?」

「って!すっごい早い!アレじゃ追いつけないよ!」

「47殿。どういうことか?!」

 

「コトブキ飛行隊、ここまでの護衛感謝する。後は我々だけで可能だ。」

「どういうことか!その機体は?!」

「この機体にはあなた方の隼では絶対に追いつくことはできない。この世界の誰にも。なので心配はいらない。」

「そういうことよ!後は私達だけでやれるから。また一緒に食事しましょう?じゃあね!」

「え?え?ちょっと!?」

「シャドウ・レディに着艦の許可が降りている。コトブキ飛行隊はその飛行船に着艦して待機していてくれ。」

 

 

私達はそれぞれ私とタバサ。ブルーとシルバーに分かれて“F/A-18F”に乗ってイケスカを目指した。イケスカまでは400キロほどあるが、この機体ならばものの15分足らずで到着できる。高度を9000まで上昇させる。

 

 

「タバサ。投下は任せたぞ。」

「わかってる。訓練済み。」

「ブルー、お前たちは援護だ。迎撃機が上がってきた場合、対処を頼む。」

「わかったわ!」

 

 

私の機体には2発のAIM-9Xサイドワインダーの他にGBU-44/Bが4発搭載されている。対してブルーの機体にはAIM-120 AMRAAMが8発搭載されている。我々を阻めるものはこの世界にはない。

 

イケスカの上空に差し掛かる。タバサは観測用のサーモグラフィーを使ってイサオタワーを見る。周囲を旋回し、ターゲットの場所を探る。

 

 

「発見した。最上階。」

「それは好都合だな。」

「しかも一人だけ。一番近い人間は2階下にいる。」

「それならば余計な被害も減らせそうだ。やれ。」

「わかった。・・・投下。」

 

 

何の感慨もなく誘導爆弾を1発投下した。私の方からでは見えないが、正確に誘導を行っているようだ。そのまま爆弾はレーザー誘導に従ってタワー最上階へ吸い込まれるように落ちていき、

 

 

ドカァァァン!

 

 

最上階の部屋に命中。部屋はほぼ粉微塵になったが、建物自体は非常に不安定な構造をしているにもかかわらず倒壊の兆候は全く見られない。爆発自体はタワーのてっぺんで起こったこともあり、依頼通りかなり派手に暗殺できたと思う。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『観測班からの報告で、ターゲットの死亡を確認したわ。ご苦労さま。他に被害も出ていないようで何よりよ。じゃあ“シャドウ・レディ”に帰還して頂戴。』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

結局最後まで迎撃機は上がってこなかった。もっともこの世界の機体では上がってくる間にすべてが終わって撤退まで完了してしまうが。ブルーも相手が来なくて暇そうにしている。釘を差しておかねばならない。

 

 

「ブルー。先に言っておくが降下して基礎部を通り抜けようなどと考えるなよ。」

「うげ!なんで・・・じゃなかった、そんな事しないわよ!」

「姉さん・・・隠せてないよ・・・。」

 

 

ブルーのトンネル抜け癖は矯正の必要がありそうだ。そんな事を考えながら反転、飛行船へ帰投した。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~2時間後~

 

 

「うん!美味しいわね!このパンケーキ!」

「でしょー!このふわふわ感がたまらないんだよねえ!」

「こっちのカレーも良いよ!試してみてよ!」

 

「アタザキで会ったときから言おうと思っていた。」

「・・・?」

「あなた。私とキャラがかぶっている。」

「・・・お互い様。」

 

「シルバー君。こっちも食べてみない?」

「え?!あ、いやその・・・。」

「ザラ、あまり彼をいじめるな・・・。」

「あら?いじめてなんか居ないわよ?ねえ?」ギュッ

「あ、あはは・・・。」

「十分虐めてると思いますわ・・・。」

 

 

「何故私もここに居るのだろうか。」

『あら、良いじゃない。飛行船の完成祝のようなものよ。』

「それに私もあなたに興味があったしね。47さん。」

『あら、譲ったりはできませんわよ?ルゥルゥ社長?』

「取りませんよ。ミス・バーンウッド。」

「・・・。こういう場は苦手だ。」

『早く慣れなさい。社交性の訓練だと思えばそれほど悪くもないでしょう?』

「任務で問題ない程度には社交性はある。」

『そうかしら?』

「そうは見えないわねえ・・・。」

「・・・。」

『まああなたにはちょっと頼みたいこともできそうでね。あちらに帰ったら話すわ。』

「それは任務か?」

『任務・・・とも言えなくはないわね。今ここでは話せないわ。』

「そうか・・・。」

 

 

 

 

 

 

ミッションコンプリート

・「酒場に耳あり?」 +1000 『談笑するブルー達に気が付かれずに隣に座る。』

・「先制撃破」    +1000 『最初の機銃掃射で敵機を撃墜する。』

・「インドラの矢」  +1000 『ヘリオスを発射させる。』

・「合衆国の常套手段」+3000 『高度5000m以上から爆弾でターゲットを暗殺する。』

 

 

 




米軍式暗殺術。中東などではよくあることです(白目)

ICAの飛行船は巡航ミサイル以外にもキンジャールとかゴールキーパーとかいろいろ付いてる設定でしたが全く登場しないまま終了という・・・ww


次回は闇に向かいます。

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