辺境の黒髪艦隊 活動日誌   作:柔時雨

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どうも、初めましての方は初めまして!
『お前の名を知っているぞ!』という方は御無沙汰しております。
柔時雨と申します。……姉妹艦に時雨は居ませんよ?

この度、以前利用させていただいていたサイトに入れなくなり、途方に暮れていたところ、このハーメルンさんを見つけ

新たに艦これのSSを作り始めよう!と思い、綴らせていただきました。

……はい、これが最初じゃないんです。それなのに、未だに専門用語というか、戦闘描写が上手く書けないわ
残酷でシリアスな展開は苦手なので、そういうのを求められる方には合わない作品だろうなぁ……と思いつつ

私のこの拙い作品を覘きに来てくださった方が少しでもクスッと笑っていただけるような物語を
これから綴っていければなぁ……と思っております。

それでは、どうぞ。生温かい眼差しで、ゆっくりなさっていってください。


prologue 艦隊の基礎作り

海軍学校で何やかんやあり、無事に卒業して提督として鎮守府への着任も決まり、後は初期艦とやらを決めるだけとなったのだが……

 

「え?初期艦が居ない?」

 

学生時代お世話になり、現在は元帥として活動している爺さんから、そう告げられた。

 

「うむ。偶然君と同じ時に提督になった5人に1人ずつ就いてのぅ……次に候補の艦娘達が揃うのは来月になるな。」

「じゃあ、俺は来月まで書類と睨めっこしておくしかねぇってことですか?」

「そうも言ってられんからのぅ……資源・資材を通常よりも多めに搬入しておくから、鎮守府に着いたら自分で建造してくれんか?」

「まぁ……そういうことなら……」

「すまんな。手間をかけるが、それで頑張ってくれ。」

「了解しました。では、失礼します!」

 

某スーパーマサラ人のような始まりになった時はどうしようかと思ったが、まぁ……資源と資材を多めにくれるって言うんだし、それで良しとするか。

 

 

◇◇◇

 

 

翌朝

 

最寄りとなるであろう駅と町から片道3時間……俺は車を運転し続け、『訳あって口外できない』と、元帥に言われた鎮守府に到着した。

カーナビがどうしても途中までしか案内してくれず、日本地図と海図を頼りに何とか到達できたのだが……果たして此処はまだ、日本国内という認識で良いのだろうか?

 

「まぁ、場所はどうでもいいや……それより、資源はもう搬入されているんだろうか?とりあえず、工廠に行ってみるか。」

 

鎮守府・工廠

 

「さてと……まずは此処の責任者さんに挨拶しないと……」

「ん?にんげんさんです?」

「はじめてみるかおなのです。」

「もしかして、ていとくさんなのです?」

 

人間よりも先に、何か珍妙な……ちんちくりんな生物を3体見つけた。

何だ、これは?

からくり人形ってヤツか?凄く精密に作られてるな……ん?いや、この物体はもしかして……

 

「はい、提督さんですよ~。えっと……君達が妖精さんで良いのかな?」

「なのです!」

「ここはぼくたちようせいのしごとばなのです!」

「妖精の仕事場?え……?他に整備班っていうか……人間は居ないのか?」

「はいなのです!」

「ていとくさんがさいしょでさいごのにんげんなのです!」

「……最初で最後の人間!?おい、ちょっと待て。それって、つまり憲兵の詰め所も無いのか!?」

「そんなもん、さいしょからねぇのです!」

「なにゆえしんせつしたばかりですしおすし。」

「けんぺいさんは、ていとくさんがわるいことをしたらでんわでよんで、きてもらうのです!」

「マジかぁ……そういうことなら、憲兵さんに御足労願うような事態は避けねぇとな……」

「それより、ていとくさん!きょうはなにしにここへきたです?」

「あ……忘れるところだった。実はな、妖精さんには建造をお願いしたいんだ。」

「けんぞうキタ――(゚∀゚)――!!」

「それで?とうにゅうするしげんはどうするんです?」

「そうだな……とにかく、戦艦クラスの艦娘が来て欲しいからな……ここは、資源全投入で!」

「ふおぉぉぉぉ!テンション上がってきたぁぁぁぁぁ!!」

「はわぁ……ごうきなおかただ。」

「それじゃあ、さっそくやってやるのです!」

 

建造時間:01:20:00

 

「へぇ……戦艦って思ってたより早く建造できるんだな。」

「あぁ~……これはぁ……」

「もうだめかと。」

「駄目?駄目って何だよ?……まぁ、いいや。それで、報酬は……」

「おかし!おかしがいいのです!!」

「あまいものならなんでもいいのです!」

「おかし?そんなモンでいいのか?わかった、後で酒保で何か買って持ってくるよ。」

「ありがとなのです!」

「さてと……それじゃあ、俺は執務室に居るから、建造が終わったら呼びに来てくれないか?」

「りょうかいなのです!(o≧∇≦)ゞ」

 

***

 

鎮守府・執務室

 

着任初日だから雑務は何も無いだろうなぁ……と思っていた数分前の自分を殴り飛ばしてやりたい。

それなりの広さの部屋の中央に置かれた段ボールの上に置かれた小さな書類の山……

椅子も無いので、俺は硬い床の上に直に座り、徐々に冷える尻の痛みと戦いながら書類に目を通し始めた。

 

~ 数時間後 ~

 

「ていとくさん。けんぞうオワタ~。」

「おっ!終わったのか。それじゃあ、酒保でおかしを買ってから工廠に向かうよ。」

「はいなのです!」

 

✝✝✝

 

鎮守府・工廠

 

「さてと……どんな()が来たのか、御対面といきますか。」

 

「貴様が司令官か。私は那智。よろしくお願いする。」

 

「おぉ!よく来てくれた。へぇ……重巡洋艦って艦種なのか。」

「妖精さんから話は聞いた。すまんな、軍艦ではあるが戦艦ではなくて……」

「ん?あぁ、いや……そんなの、全然気にしてねぇよ。どんな艦種の娘でも、こうして着任してくれただけで嬉しいよ。これからよろしくな、那智。」

「そうか。そう言ってもらえるのは嬉しい……が!資源が枯渇しているこの現状について2、3問いたいことがあるのだが?」

「……若気の至りってやつで許してもらえませんか?」

「まぁ、それを除いてもいろいろ話したいことはあるからな。今夜ばかりは飲ませてもらうぞ!貴様も付き合え!」

「え?あっ、いや……すまん。俺、下戸だから……」

「そうなのか?だが構うものか!とにかく酒保に行くぞ!」

「(まぁ……さっき、ゆっくり見なかったけど、机や椅子もあったらいいなぁ……早めの購入を検討せねば。)」

 

 

*****

 

 

翌日

 

鎮守府・執務室。

 

「那智……すまんが、鎮守府正面海域へ出撃してくれないか?」

「ん?それは構わないが……何か遭ったのか?」

「何か遭ってからじゃ遅いから、パトロール……って感じかな。この鎮守府周辺をちょっと調査してきて欲しいんだ。」

「なるほど。承知した!すぐに出撃しよう。」ニコッ

「助かる。でも、今は那智1人しか居ないんだから、仮にもし深海棲艦と戦闘になっても無理はするな。中破・大破したら必ず動けるうちに戻って来ること!これだけは約束してくれ。」

「ふふっ……あぁ、心掛けよう。私だって、生きて帰投したいからな。」

 

~ 数時間後 ~

 

執務室で書類と睨めっこをしていた時、出撃中の那智から通信が入った。

 

「もしもし?」

『司令官……すまない。油断したつもりはないのだが、敵が複数現れてな……全部沈めてやったが、被弾した。これから帰投したいのだが、許可を頂けるだろうか?』

「そうか。うん、連絡(れん)相談(そう)報告(ほう)は確かに大事だよな。那智、ご苦労様。無理しないでいいから、ゆっくり確実に戻って来るんだぞ。」

『承知した。それでは、これより帰投する。』

 

― 通話終了 —

 

「ふぅ……敵は殲滅してくれたけど、やっぱり那智1人だけじゃ厳しいよな……よし、ここはやっぱり……」

 

◇◇◇

 

鎮守府・工廠

 

「ちわっす、妖精さん。」

「あっ!ていとくさんなのです!」

「きょうのごようはなんなのです?」

「ん?あぁ、今日も建造をお願いしたくってな。」

「きょうもけんぞうですか?きのう、なちさんをけんぞうしたばかりなのです。」

「その那智に今日、出撃してもらったんだが……やっぱり1人は厳しいみたいでな。新しく仲間を増やしておこうと思ったんだよ。」

「なるほど!そういうことなら、りょうかいなのです!それで?こんかいはしげんをいくつつかうです?」

「ちなみに、今……どれくらい貯まってる?」

「ねんりょうが400、だんやくが200、こうざいが500、ボーキサイトが700なのです!」

「じゃあ、それ全部投入で!」

「ラジャー!!」

 

建造時間:02:40:00

 

「おっ……約3時間か……結構いい時間だな……」

「ていとく、このあとどうするです?」

「ん~……まぁ、待っている間に那智が帰ってくるだろうから、後でまた一緒に来るよ。」

「りょうかいなのです!」

 

✝✝✝

 

数十分後

 

鎮守府・執務室

 

「司令官。重巡・那智、只今帰投した。」中破!

「うわっ……思ってた以上にダメージがデカそうだな。入渠ドックの準備はしておくから、先に補給を済ませてくるといい。」

「その件について、司令官に問いたいことがある……」

「ん?あぁ、入渠ドックって艦娘の風呂みたいなモンだから、野郎の俺が足を踏み入れるのはマズいか。じゃあ、妖精さんに頼んで……」

「違う!そうではない!」

 

そう言いながら那智は腕を伸ばし、対面していた俺の顔面を鷲掴みにしてきた。

 

「ぁいででででで!」

「鎮守府に戻って、貴様に報告する前に補給を済ませておこうと工廠に立ち寄ってみたら……どういうわけか、貯まってきていたはずの資源が、また枯渇していたのだが?おかげさまで私の補給もままならない状況だ。」

「あっ、あぁぁー!すまん、調子に乗ったわけじゃねぇんだが、必要経費で使ってしまって……別に、那智の補給のことを忘れていたわけじゃぁあああ!?ちょっ、那智さん!?くっ……首……そっちには回らね……ぇ……ぎゃあぁぁぁ!!」

「まったく……これが妙高姉さんだったら、貴様の命は無かったぞ。猛省しろっ!」

「はいっ!すんませんっしたぁ!!」

 

那智の掌から解放された俺は、すぐさまその場で土下座した。

 

「それで……?工廠へ足を運んだ時に妖精さん達が慌ただしく動いていたのだが……何を依頼したんだ?」

「さっきお前が通信機の向こう側で『被弾した』ってのを聞いてな。那智の実力を信じていないわけじゃないんだが……やっぱり1人じゃ大変だと思って、もう1人の建造をお願いした。」

「そうだったのか。」

「…………ちょうどいい。酒保でお菓子を買って、工廠へ向かうか。もう、補給や入渠分の資源も貯まっているだろうしな。」

 

◇◇◇

 

鎮守府・工廠

 

「妖精さん、進行状況はどんなもん?」

「あっ!ていとくさん。だいじょうぶ、なんのもんだいもないのです!」

「そっか……あと、ちょっと貯まった資源があるのなら、那智に補給と入渠をさせてやりてぇんだけど。」

「りょうかいなのです!なちさん、こっちにきてくださいなのです。」

「建造が終わるまでまだ1時間以上ある。ゆっくりしてくるといい。」

「では、両方とも済ませてこよう。終わったら、また此処へ戻って来ればいいのだな?」

「おう。俺は此処で妖精さん達の仕事がどういうもんなのか、見学しながら待ってるよ。」

 

~ 数十分後 ~

 

「……!司令官、新しい艦が進水したようだ。」

「おっ、やっとか。さてさて、今回はどんな娘が来てくれるか……楽しみだな。」

 

「軽空母、祥鳳です。はい、ちょっと小柄ですけど、ぜひ提督の機動部隊に加えてくださいね!」

 

「……小柄?」

「……司令官、何故そこで私の胸を見る?」

「いや、大丈夫だぞ、祥鳳。胸の大きさなら、那智よりお前の方がデカ……ごふっ!」

「おっと、すまない。手が滑ったようだ。」

「まっ……前が見えねぇ……( ;゚*゚)」

「あ……あのっ!大丈夫ですか!?」

「ん?あぁ、大丈夫。えっと……こんな醜態を晒してしまって申し訳ねぇが、一応……俺が此処の提督だ。それで……どうする?俺が紹介しようか?」

「いや、こういうことは自分でしないとな。私は重巡洋艦、妙高型2番艦の那智だ。これからよろしく頼むぞ、祥鳳。」ニコッ

「はい!こちらこそ、宜しくお願いします!」

「さてと……それじゃあ、那智。祥鳳に鎮守府を案内してやってくれ。俺は執務室に戻ってるから、何か遭ったら、そっちに。」

「承知した。行くぞ、祥鳳。」

「はい。それでは、提督。また後程。」

「おう、また後でな。」

 

***

 

数日後。

 

この日、那智と祥鳳の2人に出撃をお願いし、数時間が経過していた。

 

「那智だけじゃなく、祥鳳も居るから先日の初出撃みたいなことにはならねぇと思うが……さて……」

『司令官、聞こえるか?』

「おっ、那智からの通信か……はいはい、ちゃんと聞こえてるぞ。どうした?またお前か祥鳳が被弾したのか?」

『いや、逆だ。今回の戦闘、祥鳳の艦載機がことごとく制空権を確保してくれてな。』

『やったぁーっ!やりましたっ!私っ、嬉しい!これからも頑張りますね!』

『とりあえず、私も祥鳳も無傷で戦闘を終了することができた。ただ、進軍しようにも燃料が心許なくてな、これより帰投する。』

「そっか。うん、了解。ご苦労様、詳しい報告は戻ってから聞かせてもらうよ。」

『あぁ、承知した。』

 

― 通話終了 —

 

「ふぅ……2人共、無傷みたいで良かった。それにしても……那智と話してる後ろで、祥鳳の奴、めっちゃ喜んでたなぁ……まぁ、初陣を完全勝利で終えられたんだ。無理もないか。」

 

~ 数十分後 ~

 

鎮守府・執務室

 

「司令官。那智、祥鳳、只今帰投した。」

「お疲れ様。それで……MVPは祥鳳か。」

「はい!頑張りました!」

「制空権を確保してくれた後は、艦載機による攻撃で……私は今回、祥鳳が仕留め損ねた相手の始末が殆どだったよ。」

「そんな!那智さんが居なければ、私は艦載機を発艦することすら、ままならなかったです!やっぱり、助け合える味方が居るというのは、心強いですね。」

「そっか。その調子ならまだ2人で頑張れそうだな。今後、戦況が一変するようなことがあった時は、すぐに教えてくれ。」

「あぁ、わかった。」

「とりあえず、今日はお疲れ様。2人共、今日は被弾してねぇけど、汗は掻いただろ?ドックでゆっくり休んでから補給をするといい。あと……これを。」

「提督……これは?」

「甘味処のチケット……世間様では間宮券とでもいうのか?とにかく、これで甘い物でも食ってくるといい。」

「あっ、ありがとうございます!提督!」ニコッ

「すまないな、司令官。では、失礼する。」

 

― 那智・祥鳳 退室 -

 

「ふぅ……やっぱり、空母が着任してくれたのは大きいな。ただ……やっぱり、もう少し安心して戦える配慮ってのは、考えておく必要があるよな……」

 

✝✝✝

 

翌日

 

鎮守府・執務室

 

「………先生、建造が……したいです……」

「先生って誰だ?まったく……司令官のそれはもう、中毒の域に達しているのではないか?」

「まだそこまではいってない……と、思いたい。」

「ですが、仲間が増えることはやはり嬉しいですし、私は良いと思いますよ。」

「うぅ……祥鳳の優しさが身に染みる……」

「あまり甘やかすな……と、言いたいが、祥鳳の言うことも解るからな。資源全投入!みたいな馬鹿な真似をしなければ、良いのではないか?」

「ありがとうございます!俺も『このやり方は何か違うのでは?』と思って、いろいろ調べたから。きっと、おそらく!たぶん大丈夫だ。」

 

◇◇◇

 

鎮守府・工廠

 

「ちぃす、妖精さん。今日、やってる?」

「あっ!ていとくさん!それに、なちさんとしょうほうさんも!」

「はわぁ~!みなさん、おそろいなのです。」

「きょうはどうされたのです?」

「今日も建造をお願いしたい。ウチの戦力をより屈強にしたくってな。」

「りょうかいなのです!それでは、とうにゅうするしげんをおしえてくださいなのです!」

「そうだな……今回は燃料を400、弾薬を100、鋼材を600、ボーキサイトを30投入してくれ。」

「りょうかいなのです!!(o゚∇゚)ゞ」

 

建造時間:04:20:00

 

「おっ……おぉ……4時間か……」

「今が一三〇〇だから、丁度艦隊運用が終わる頃合いだな。」

「そっか。それじゃあ、日の入りの頃合いに此処に集合、それまでは各々自由行動ということで。」

「わかりました。では、私は演習場の方へ行っていますね。」

「では、私は此処で少し、艤装の手入れをしておくとしよう。それが済んだら、執務室に顔を出すよ。」

「ん、了解。じゃあ、妖精さん。引き続き、よろしく頼む。」

「はい!おまかせなのです!」

 

~ 数時間後 ~

 

鎮守府・執務室

 

「……んっ……ふぅ……新しい娘の着任より先に書類仕事の方が終わっちまうとは……残りの時間、どうやって過ごすか……」

「司令官。仕事の方はどうだ?終わっていないのであれば、手伝うが……」

「あぁ、那智……すまん。たった今、終わったところだ。それで、新しい娘が着任するまでの残り時間、どうやって過ごしたものかと思ってな……」

「そうか。ふむ……ならば、祥鳳の居る演習場に一緒に行くか?」

「演習場か……そういえば、まだちゃんと見てなかったような気がする。わかった、それじゃあ施設の見学ついでに祥鳳の特訓を見に行くか。」

「ふふっ、承知した。私も同行させてもらうぞ。」

 

*✝*

 

鎮守府・演習場

この鎮守府には艦娘達が演習するための海上設備を初め、空母達ように用意された弓道場や、陸上戦闘を考慮してかスタジアムやジムのような施設が一括りに『 演習場 』と呼ばれて存在しており、艦娘達が各々の用途に合った場所を自由に使用している。

( かくいう俺も、自主トレのためにスタジアムをよく利用していたりする。 )

 

「えっと……祥鳳は……弓道場だよな?」

「おそらく……あっ、ほら、居たぞ。」

 

那智が指差した方を見ると、祥鳳が丁度弓から矢を放った場面が時間を停止したかのように映り込んできた。

そして、祥鳳の弓から放たれた矢は、まるでそこが最初から自分の居場所なんだと言わんばかりに、吸い込まれるように遠方の的のド真ん中に命中した。

 

「ふぅ……」

「おぉ!すげぇ……見事な腕前だな、祥鳳。」

「あっ、提督。それに那智さんも……いつ、いらしてたのですか?」

「つい先程、司令官の付き添いでな。お疲れ様、祥鳳。」

「それにしても弓か……ちょっと興味あるな。」

「本当ですか!?では、提督、少しやってみますか?……と言いたいのですが、今日はもう日が西に傾きかけてきたので、また後日ということで。」

「ん?あぁ、もうそんな時間か。」

「司令官。良い時間だし、建造の様子を確認しに行ってみてはどうだ?」

「おっ、そうだな。祥鳳も一緒に行くか?」

「はい。後片づけをしますので、少し待っていてください。」

 

◇◇◇

 

鎮守府・工廠

 

「妖精さん。調子はどうだい?」

「あっ!ていとくさん!ちょうど今、終わったところなのです!」

「そうか。ふふっ、新しい仲間か……楽しみだな。」

「はい!どんな方が来られるのか、楽しみです!」

「さて……それじゃあ、御対面といきますか。」

 

「扶桑型超弩級戦艦、姉の扶桑です。妹の山城ともども、よろしくお願いいたします。」

 

「うおぉぉぉ!!戦艦、キタ――(゚∀゚)――!!しかも、超弩級とかいうパワーワード……たまんねぇなぁ!」

「あらあら。そんなに喜んでもらえて、私も嬉しいです。これから宜しくお願いしますね。」

「あぁ、こちらこそ。超弩級戦艦の火力、期待させてもらうぞ。彼女達と一緒に俺を支えてくれ。」

「あっ……申し訳ありません。戦艦・扶桑です。改めて宜しくお願いしますね。」ニコッ

「重巡洋艦妙高型2番艦の那智だ。こらから共に戦う仲間として、扶桑の着任を心から歓迎する。これからよろしく頼む。」ニコッ

「軽空母祥鳳型1番艦の祥鳳です。貴方と一緒に戦えること、嬉しく思います!これからよろしくお願いしますね、扶桑さん。」ニコッ

「さて、それじゃあ……良い時間だし、今日は祥鳳と扶桑の歓迎も兼ねて、外に飯を食いに行くか。もちろん、俺の奢りだ。」

「えっ……宜しいのですか?」

「扶桑さんは解りますが、私までそんな……」

「何を遠慮してんだ?仲間の着任を祝うのも一種の礼儀だろ。なぁ、那智。」

「あぁ。私と司令官は以前サシで飲んだが……祥鳳とはまだだったからな。扶桑が着任したこの機に4人で親睦を深めようではないか。」

「提督……那智さん……ありがとうございます!扶桑さんも、ほら!」

「そうですね……わかりました。では、御言葉に甘えさせていただきます。皆さん、ありがとうございます。」

 

こうして……俺が提督になってから数日が経過し、重巡洋艦・軽空母・超弩級戦艦が来てくれた。

俺と同期で早い奴なら、もう第1艦隊6名を集めて編成しているのかもしれないが……焦ったところで仕方がない。

艦隊はおいおい完成させるとして、今はとりあえず彼女達3人と親睦を深めることに専念したいと思う。

これから先、長い付き合いになっていくであろうから……

 

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