Fateのはなし   作:カキツバタ

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小説並行して書きすぎて、書ききれるかちょっと不安なので

最初以外地の文ないです


天才と医師
ダヴィンチちゃんとロマニ


───システムの起動を確認。

 

バイタル:異常無し

心拍数・血圧:異常無し

神経系:異常無し

接続:確認出来ず。霊基リソース確保の為、強制接続開始……完了。プログラムにより記録接続を棄却。

動作:良好。言語機能、正常。接続と照合完了。

 

 

個体、識別完了。これより稼動を開始する。

 

 

 

 

#

 

 

────まぶしい。

 

私の角膜から入り、虹彩を通り水晶体で屈折し、網膜にて結ばれたその実像を眺め、私の脳はそう判断した。

 

稼動を始めたばかりの脳はよく働かない。

頭を駆け抜けるのは、与えられた知識のみ。

判ることは、ただ己の存在意義のみ。

私には『何か』が欠けているのだろう。しかしそれも回らない頭によぎったただの推測であり、その『何か』の正体も判断できない。

だから、私は目の前のヒトが何者なのか判断する術を持たない。

 

でも、そのヒトの背中はどこか暖かいから。きっと悪いヒトなんかじゃなくて、

 

 

 

────私は、小さなその手を伸ばしていた。

 

 

 

#

 

 

 

「おはようございます!先輩……とフォウさんも」

 

「おはよ~マシュ」

 

「フォウフォウ!」

 

「先輩は本日は何をされるんですか?」

 

「今日は清姫とエリちゃんとロビンの三人とローマで素材集めしてから、戻ってランサーの方の兄貴とフェルグスの模擬戦闘に付き合う……って感じかな」

 

「私もお付き合いします……と言いたいところですが、今日はメディカルチェックもあるのでカルデアで待機しています。先輩も休める時にはしっかり休んでください」

 

「うん、ありがとう。あとそれロマンにも言ってあげて」

 

「ドクターもここ最近は休んでいる姿を見掛けませんからね」

 

「……っと噂をすれば────」

 

「いやいやいやいやいや…………現実的に考えて有り得ないよなぁ。あのレオナルドだし。まさかあのときにうっかり変なボタンとか押しちゃったかな……」

 

「ドクター?」

 

「えっ……?あ、りり立香君!?」

 

「……何かあった?」

 

「えっ、あ、いや~なんでもないよ!!」

 

「……うわぁ、すごい怪しい」

 

「そっそれより!レオナルド知らないかなぁ!!」

 

「確かダヴィンチちゃんなら工房に……」

 

「ありがとう!!!」

 

「フォウフォーウ?」

 

「……まぁ、ドクターは何か必要があればちゃんと話してくれるしいっか」

 

「そうですね……」

 

「マシュはやっぱり気になる?」

 

「いえ……ただ謎があると気になってしまって」

 

「そっか、マシュってシャーロック・ホームズとか好きだもんね」

 

「はい!私もさまざまな文献や物語を読みましたがその中でもやはりシャーロック・ホームズシリーズは推理小説の傑作かと」

 

「俺もライヘンバッハの戦いとか好きだな~モリアーティとホームズの戦いは熱かった……と、まあとにかく放っておいてあげよう。ドクターならきっと大丈夫だよ」

 

「そうですね」

 

「ま・す・た・ぁ(はぁと)」

 

「清姫?」

 

「本日はますたぁと私が一日中、二人きりのでぇと(はぁと)」

 

「いや、一日じゃなくて半日だよ?あと二人きりじゃなくてエリちゃんとロビンもね」

 

「なっ……!?嘘……ではないのですね…えぇ。私にはわかりますとも。…嘘であったならば私が許しませんが。

けれど……いいえ、構いませんわ!むしろ私とますたぁとの愛を皆さんに見せつけるチャンスと考えれば……!さて、いきましょう!ますたぁ」

 

「わかったわかった。……じゃあねマシュ!そっちも頑張って!」

 

「はい!頑張ってください、先輩!」

 

 

#

 

「レオナルドォォォォォォ!!!!!!!!!」

 

「うわ、何だい。そんなに慌てて」

 

「生きてる!?生きてるよね!良かったぁ~……でもそしたらやっぱり……」

 

「あー、落ち着くんだロマニ。……で、何があったんだい?」

 

「……『彼女』が起動してた」

 

「…………そうか。それで『彼女』は?」

 

「今は大人しく『あそこ』で待ってもらってる」

 

「オッケー、今から向かうよ。くれぐれも誰にも見つからないように、ね?」

 

#

 

「────貴方は……」

 

「あぁ、そこは判るみたいだね。じゃあ早速だけど自己紹介だ。私はレオナルド・ダ・ヴィンチ。今はこのカルデアで英霊として彼らを手伝っている。よろしくね、()()()()()()()()()()()()

 

「……うん。よろしく頼むよ、『私』。そしてドクターロマン」

 

「おや、君はもう自己紹介してたのかい?」

 

「あぁ、一応ね。物凄く慌ててたからちゃんとは出来なかったけど」

 

「全く……私より先にベラ・リザに自己紹介するなんて酷いじゃないか!彼女の親は私なんだぞ!」

 

「ベ、ベラ・リザ?」

 

「そう!このクリックリで澄んだ瞳!あどけなさのある丸みを帯びた顔!微笑むときにわずかに下がる眉!スラッとした鼻!細身ながらも程よい肉付きの手足!そしてサラサラなのにゆるふわウェーブのしなる髪!どれを取っても美しい……!

私による私のため私の理想の美少女!!!

完璧だ……!!!その微笑みはまさにベラ・リザ!!まさかこうして動いている様を眺められるとは思いもしなかったが、このモナ・リザと並び対を成す美しさ……我が事ながら素晴らしいよ……!」

 

「うん。レオナルド、君が重度の親バカなのはわかった」

 

「ドクターロマンならわかるだろうけど『私』はこういうやつらしいからね。かくいう私もモナ・リザがごとき『私』の美貌に我ながら興奮を隠せない」

 

「うんうん。……とまあ、とりあえず本題に入ろう。君は何故起動したのか、わかっているのかな?」

 

「いいや、本来私は『レオナルド・ダ・ヴィンチに万が一のことがあった時』に起動する筈存在だ。『来たるべき戦い』に備えての戦力ともいえる」

 

「しかし、いざ起動してみればカルデアのレオナルド・ダ・ヴィンチは五体満足、地に足を着けて呑気にピンピンしているし、おまけに来たるべき戦いの最中でもない、と。ちなみに記録の方はどんな感じだい?」

 

「記録の引き継ぎはされていないみたいだね」

 

「だろうね。君への記録の引き継ぎは『私の霊核に致命的な損傷があった場合』か『私が引き継ぎが必要であると判断した場合』にしか行われないようになってるからね。となると、ふむ………」

 

 

「レオナルド、ダヴィンチちゃんについて何か分かったのかい?」

 

「むむ……私のことはレオナルドなのに、小さい私はダヴィンチちゃんなのかい?酷いなぁ、私には一度もそう呼んでくれないじゃないか」

 

「だって二人ともレオナルドじゃあわかりづらいじゃないか。それに彼女の方がダヴィンチちゃんって名前が合ってるさ、見た目的に」

 

「やはりロマニはロリコン……」

 

「な……!?断じて認めないぞ!!僕はロリコンじゃない!!!え、ちょっと待って!ダヴィンチちゃんはお願いだからそんな目で見つめないでぇ!!」

 

 

#

 

 

「……はぁ、はぁ……レオナルド、もうそんな誤解を生むようなことは言わないでくれ……」

 

「誤解じゃないよぅ。なんだったら君の大好きな『マギ☆マリ』について彼女に教えてあげようじゃないか!ついでにあのサイトを運営してる中の……」

 

「あー!あー!聞こえない聞こえない。マギ☆マリに中の人なんて概念は無いから!……じゃなくて、ダヴィンチちゃんについてだよ。何か思い当たることがあったんだろ?」

 

「んー、わかんない」

 

「へ?」

 

「わ・か・ら・な・い☆」

 

「…………」

 

「いやー、天才な私でも流石にこれは想定外。ビックリだよ。真面目な話、システムは完璧だった。万が一の時の奥の手の一つだったからね、ちゃんと念には念を入れて生み出してたんだぜ?」

 

「しかし……じゃあどうしようか?このままカルデアでみんなと過ごしてもらうとか?レオナルド・ダ・ヴィンチ・リリィってことで」

 

「おいおいロマニ。流石にその選択肢は無いだろう」

 

「へ?」

 

「彼女はこのシャドウボーダーにいてもらわないといけない。わかるだろ?」

 

「あ…………いや、でもだからって」

 

「……大丈夫だよ、ドクターロマン。『私』も。私は此処で大人しくしているさ」

 

 

#

 

 

「……レオナルド、本当に良かったのかい?」

 

「それこそ愚問だよロマニ。『そうしたい』んじゃなくて『そうしないといけない』のさ。……『レオナルド・ダ・ヴィンチに万が一のことがあった場合』。それがどんな意味を持つか分かっているだろ?」

 

「敵にこのカルデアが襲われた場合、だろ?」

 

「あぁ、けどね。このカルデアにいる多くのサーヴァントはマスターだけでなく私の重要さも理解しているのさ。智識に長けたキャスターのサーヴァントの中でも万能かつカルデアのシステムのほとんどを把握出来ているのは私だけだからね。それを私自身が理解しているからこそ、彼女は生み出された。要は沢山の英霊が私を守ってくれている。並大抵の敵では私は死なないさ。そんな私が死ぬということは」

 

「サーヴァントが全員退去しているか、消滅しているか。敵にカルデアの情報が筒抜けか……」

 

「ご名答。一つは消滅の防止。私や他のサーヴァントでも太刀打ちできない敵を前に彼女が勝てるとは到底思えない。残念ながらそういう想定では作られてはいないからね。

それに他のサーヴァントが退去や消滅したときに最後の英霊となるであろう彼女がシャドウボーダー外に出て一緒に消滅してました、とか敵に見つかって捕まりましたでは話にならないからね。

シャドウボーダーは特別製だ。彼女はあの中にいればおそらく生存出来るだろう。

 

第二に情報が筒抜け……つまり『思わぬ人物』の不意打ちや裏切りが考えられるから。

カルデアで召喚された英霊がカルデアでの記録を持ったまま敵に召喚または使役された場合はまず間違いなく情報は筒抜けになるだろう。無理矢理吐かしたり告げた方が明らかに良い。それほどに価値のある情報だからね。

それに、そうでなくとも裏切りの可能性は十分に考えられる。召喚して間もないサーヴァントはマスターとの信頼関係も築けておらず、サーヴァントによっては裏切りかねない。

マスターとの信頼関係が出来ているサーヴァントでも事情があって裏切ったり、マスターが好きだからこそ裏切るということも考えられるんだよ」

 

「それは……」

 

「彼は人類最後のマスターという重荷を無理矢理背負わされてあそこに立っている。彼自身は否定するだろうけどその事実は変わらない。本来は一般人であった筈なのにこんな苦痛を味わうマスターを助けたい。そう思うサーヴァントの思いも理解出来なくはない。そうなるとまず邪魔なのは私だ。それに、マスターを信頼する=私を信頼するではないからね」

 

「…………」

 

「……そんな顔をするな、ロマニ。君がそんな顔じゃあ立香君とマシュに要らぬ心配をかけさせるだけだぜ?」

 

「……そうだね、悪いなレオナルド」

 

「……じゃあ話を戻すと、このような事態に陥った際、他のサーヴァントや立香君、マシュについての情報は諦めよう。()()()()()()()()()()。彼女の存在が、シャドウボーダーの存在が知られれば間違いなくカルデアは終わる。だから誰にも伝えてはいけない。

 

……ここまで話せば流石にわかるだろ?私が彼女をシャドウボーダーから外に出せない理由が」

 

「あぁ、そうだね……」

 

「カルデアの中で、彼女のことやシャドウボーダーのことを知っているのは私とロマニだけだ。だからこそ君にボーダーのメンテナンスをたまに頼んでいる訳だが。……ちなみに、彼女を伝えるときにきつ~く言っておいたけど、誰にも言ってないよね?マスターやマシュに伝えるのは論外。カルデアの職員やサーヴァントも駄目だ。千里眼持ちは……勝手に知っていそうだけどそういう輩は無闇に話さないし話せないし、正直どうしようもないから気にしないでおこう。千里眼フィルターとか発明しないとね」

 

「大丈夫さ。僕が言うわけないだろう?」

 

「疑われることも?」

 

「そんなことは…………あ」

 

「────ほぅ?覚えでもあるのかい、ロマニ?」

 

「い、いや………さっき僕が慌ててたら立香君とマシュにばったり出くわして疑いの目を向けられたなんてことは決して……」

 

「……はぁ、全く君ってやつは……。けどまぁ、彼らなら下手に詮索はしてこないんじゃないかな?随分と君のことを信頼してるみたいだし」

 

「ははは、照れるなぁ」

 

「あ、もし次にこんなことが起こったらマギ☆マリの……」

 

「やめてぇ!!!それだけはやめてください!!」

 

「割と本気だからね。実は私、結構怒ってるからね?」

 

「うぅ……すみませんでした」

 

「────そこでだロマニ。一つ、頼みたいことがあるんだが」

 

「?」

 

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