迂闊な拾い物   作:猫茶屋

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お待たせしました。今回から視点を変更した書き方をしてみます。サブタイトル何つければいいのやら・・・


いつから私が弱っていると錯覚していた?ん?錯覚?(ry

俺は迷っていた。今目の前で倒れている彼女を倒すべきか、ここで救助すべきか。

 

・・・以前の俺ならここで迷うことはなかった。俺がまだ提督だった時、彼女には散々と苦戦を強いられた。とある海域を解放しようと進軍し、あと少しで敵の本拠地にたどり着く前に彼女を旗艦とした敵戦隊と遭遇し、戦闘になった。

 

敵の空母は彼女一人だけだというのに、赤城、加賀が押されていた。その戦闘では彼女を取り逃がしてしまったが、なんとか勝利を掴むことができた。しかし、加賀、時雨、大井が大破。赤城、夕立、川内が中破となってしまいあえなく撤退となった。

 

それにしても彼女とはよく遭遇した。 俺が聞いている姫級や、鬼級は決まったポイントにいるという話だったが、彼女はその例外だった。

 

神出鬼没な彼女をどうにかして倒そうとしたが、彼女を撃沈させるまでには至らなかった。彼女が私の一番の悩みの種であるのが艦娘たちに知られていたのであろう。 空母棲姫との戦い方の勉強会を開いている様子が見られた。

 

 

「う・・・・・」

 

彼女が苦しそうに呻く。彼女が仰向けからうつ伏せに体勢を変えた際に見えた目元から流れる一筋の雫。

 

彼女の涙を見て、気付くと俺の体は彼女を背負い自宅に向かっていた。

「あー!クッソ!何で俺はこいつを助けてんだ!?」

 

自分でもなぜ彼女を助けようとしているのかわからない。だが、彼女を背負ってわかる彼女の軽さ、ほのかに香る甘い匂い、背中から感じる 胸部の柔らかさ。

 

「・・・おい、聞こえてるか!おい!」

 

そんな感覚をごまかすように、後ろの彼女に問いかける。

 

「 ・・・・ぁ」

 

返ってくるのは かすかに聞こえる彼女の呻き声。 思ったよりも彼女の容態が芳しくないことがわかり、帰路へと進める足を速める。

 

「うぅ・・・・」

 

 

「おっと、すまない。後少しの辛抱だから踏ん張れよ!!」

 

どうやら俺の歩きの振動が彼女には苦しかったようだ。俺は速度を変えず、極力彼女に振動がいかないように注意しながら急いだ。

 

「おーい、健坊!そんな急いでどうし・・・・」

 

 

「ごめん、おじさん至急医者を俺の家に呼んでくれ!」

 

 

おじさんが俺の慌ただしい様子を見て問いかけてくれたのだが、彼と会話する余裕がなく一方的に頼みごとを押し付けてしまった。

 

 

「おい!着いたぞ!しっかりしろ!!」

 

ようやく俺の家に着き、彼女を布団の上にゆっくりと寝かせ軽く頬を叩き気付かせる。

 

「ぁ・・・・・ここは?」

 

「気づいたか!ここは俺の家だ。お前砂浜に打ち上げられていたんだぞ?何があったか知らねえが、ここで体を休めてろ。」

 

「ぐっ・・人間の・・世話になん・・かになるつもりはない・・・わ」

 

 

「息も絶え絶えな女が何言ってんだ。なんもしねえから、ほら。医者が来るまで休んでろ。」

 

 

「・・・・っく」

 

彼女の両肩を布団に押し付ける。然程も力を入れていないのに、彼女にはそれに抗う力を持っていなかった。

 

「はぁ~。まったく何で空母棲姫を助けたのかねえ・・」

 

思わず呟いてしまった独り言。こんな弱弱しいナリをした彼女が、あの俺の頭を悩ましていた空母棲姫だとは。提督の頃の俺に見せても絶対に信じてくれねえよな。現に俺だって眉唾ものだもん。

 

「貴方・今、空母・・・棲姫って言った?」

 

気付くと目を瞑りっきりだった彼女が俺を見た。そしてはっきりと彼女の眼に俺の姿がハッキリと捉えたのだろう驚愕している。

 

「あ・・あぁ、それがどうかしたか?何で一般人であろう俺が姫級の固有名詞を知ってるのか?てのは無しだぜ?」

 

ちょ、こえぇ!?何?何であんなに驚いてんの?漸く奴さんのめんたま開いたと思ったら、詰問じみてるんですけど!咄嗟に何時ものポーカーフェイスで答えたけどどうなんの俺!?やっぱり助けなきゃよかったか!?

 

「・・・・貴方もしかして、数年前に行った作戦の指揮をとっていた・・・秋田健吾という名前ではなくて?」

 

・・・どうやら深海棲艦側にも情報網があるらしい。まさか俺の名前を当ててくるとは思わなかった。

 

「・・・だとしたら何だ?」

 

俺は床に臥せている彼女に警戒する。見ろ、俺が返答したっきり俯いてプルプル震えてる。用心に越した事はねえ。

 

「・・・っと」

 

 

「ん?なんだ?」

 

何かを呟く彼女の呟きを聞こうとして彼女に近づいた。いや、近づいてしまった。

 

「やっと・・・やっと貴方に会えた!!」

 

 

「な!ちょ、おわあ!!」

 

寝ていた彼女がいきなり俺に抱き着いてきた。

 

「漸く!漸く貴方に会えた!今までどこにいたの!?貴方の居た近海に行っても、貴方の姿は見えないばかりか、知らない男をずっと見かけるようになったし!」

 

何かこいつが言ってるが、それどころじゃねえ!こいつ俺の顔を胸に押し付けてきやがる!ええい!さっきまでの弱弱しいお前はどこに行った!良い匂い!柔らかい!良い匂い!すべすべ!

 

 

「ほら、早く答えなさいよ!ほら!ほら!ほら~」

 

こ、こいつテンション上がりすぎて自分が何してんのか分かってねえ!第一、喋ろうにも口が胸にあてがわれて喋れねえ!あっ、待て待て待てこいつの胸が口だけに飽き足らず、鼻にも当てて来やがった!

 

まずい!全然呼吸できねえぞ!このおさせ!?分かってやってんのか?それとも天然か?天然おさせなのか!?んな馬鹿なこと考えてたら意識が朦朧としてきやがった。も、もうだめだ振りほどけねえし。無、南無三。

 

「待たせたな!健坊!遅くなった!それでおめえの彼女さんはどこだ!」

 

薄れゆく景色の中で見えたのはここまで走ってきたのだろう。ぜひぜひと両手を両膝について呼吸を整える医者と。彼女呼ばわりされたのが嬉しかったのか両手を両頬に当て、いやんいやんと身悶えるアホ。

 

俺の酸欠中だった体は、彼女が身悶えたことにより両腕、あるいは胸の呪縛から解き放たれて、そのまま床に頭から叩き付けられた。俺は空母棲姫を助けたことに後悔しつつ意識を失った。

 




甲子園決勝凄かったですね。大阪桐蔭×金足農。生憎とテレビを見れる環境では無く、車のラジオで聞いてました。私が東北出身なので100回の記念に優勝旗を持ってきてくれたらとおもったんですが、流石は大阪桐蔭強かったです。史上初の春夏連覇おめでとうございます。お気に入り登録、栞等ありがとうございます。感想等もいただけたら励みになりますんで、よろしくおねがいします!
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