Persona 4-マニアクス-   作:ソルニゲル

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第x7話 Diving In

僕は決して、気概も知性も、ましてやカリスマ性もない。平凡な従属会社員。

でも、変人だって良く言われる。

 

 

 

「僕は明智。聞いてたでしょ?キミはどう思った?」

 

 

 

 

 

 

 

『“我々は常に、子供たちの未来を管理する必要がある”

…香西氏はこう述べました。

集まった保護者達からは拍手が上がりましたが、一方で、選挙に向けた人気取りとの評もあり、また香西氏は政治献金問題の疑惑もあった為、今後の動向が注目されます。』

 

テレビのニュースが終わると、グラスがテーブルに叩きつけられる音がした。

 

「けっ!何が、『“現代は、些細な環境の変化にも目を配り、政治に反映させていかなければならない”』だよ!!そんなこと、できんだったら、その些細な環境の変化でも感じ取って、もっと労働者の賃金を上げてくれってんだ」

 

そう言って、ビールを飲み干す。

こいつは原田という。沖名の方で配達の仕事をやっている。

その枯れた声が特徴的だ。

 

「そう怒りなすんな、原田。こいつらは、自分の利権にしか興味はないのさ。目を配るのはさしずめ、賄賂や政治資金を不正にくれるやつだろうよ。」

 

そう相槌を打ったのは、会社員の柴原。

沖名で証券会社の社員をやっている。

 

「全く、今の政治は腐ってんな!!」

「政治というより、政治家個人だと思うよ…」

 

僕がそう指摘すると、バツが悪そうに原田は言った。

 

「…け!だったら、一層のこと専制政治とかのほうがいいかもな!」

そんな原田の言葉に柴原は少し笑いながら言った。

 

「何れにせよ、香西の言う未来ってやつには、ちと金がかかりすぎるようだがな」

そんな柴原の言葉に俺は肩をすくめた。

 

「仕方ないさ。お金が全てとは言わないけれど、何をするにもお金ってやつがかかる時代で、ましてや、民主的に選ばれたら、それはどんなやつでも"民主的に選ばれた代表の1人"ってことだろうしね。」

「違いないな」

 

「…最悪な民主政治なのかもしれないな」

「戦争してないぶん、まだ、ましか…」

 

愛屋で僕たちはいつも通りに呑んでいた。

今日も週末の集まりで、愛屋の奥にある部屋でテレビをつけて呑んでいた。

 

僕は明智という。この八十稲羽の地元紙の記者だ。

小さいものだから、ページ数も少ない。

内容はこの町でのイベントの情報や、この町での小さな事件。それくらいだ。

 

この平凡な町での事件といえば、さしずめ、迷子猫が見つかったであるとか、野生動物へと警戒情報、または訃報なども事件といえば事件なわけだ。

 

のんびりとした内容が案外にも好評で発行部数が多くてなんとか、やっていけてる。

 

 

 

「それよりもだ。この霧。どうもおかしいぜ?こりゃ」

 

原田が天気の話をするのは珍しい。

僕と柴原はそう思った。

 

いつも、テレビのニュースに文句を言って、天気予報など見ていた試しがない。

自宅では知らないが、少なくとも俺たちとこうして、飲んでいる時は天気予報になるとチャンネルを変える程であった。

 

「明日は槍が降るかもな」

「けっ!抜かせよ。俺だって流石にこの状況は不審に感じんだよ。」

 

「僕もそれは思う」

僕の言葉に2人とも顔を見合わせて笑った。

 

「ほう?あの鈍感明智もか。あれだけ熱視線を浴びていたのに、頭を掻きその視線に耐えきれないで、謝ったお前が気付くとはな」

 

僕は思わず、癖で左の小指で頭を掻いた。

 

「はは。僕は朴念仁と呼ばれたっけね…」

 

僕は高校生時代を思い出す。

 

「その次の日には、柴原の寺の捨てられるはずだった木魚が机に置いてあった。僕はそれをポクポクと鳴らしたもんだ」

そんな僕の皮肉に原田が付け足す。

 

「朴念仁と聞いて、俺が何故か木魚を思い出してな。柴原に頼み込んだ。」

「どこがどう転がれば、朴念仁が木魚になるのやら」

 

そう呆れた声で柴原は言い少し笑ったが、すぐにいつもの真剣な顔に戻った。

 

 

「だが、俺も疑問はある。」

「だろう?」

柴原の言葉に原田はうんうんと頷きながら同意を示した。

 

「そうだね。実は定期的に霧が起きているっていうのが引っかかるね。天候以外の関係があるようにも思えてならない。確かにここは盆地で霧の発生条件としては整いやすい地形ではあるけど、去年の2倍ほど霧が発生してるなんて、おかしいんだ。」

 

「…それに、奇妙な事件があったからな」

柴原は餃子をパクリと食べた。

 

 

 

 

この八十稲羽は山に囲まれた盆地なわけで、霧の発生条件としてはさほど不思議ではない。

しかし、皆が問題に感じているのはそこまで急激に温度が下がっていないというところに起因する。

些か、どうも違和感を禁じ得ない

 

 

「…?」

 

僕は次の日、たまたま自分のメモを見ていた。

何てことはない、あまりにも積み上げられた資料が崩れ、課長に怒られたのだ。

僕は些か、整頓というやつが苦手らしい。

 

それはぼくの机の上には無数のメモの束で、僕と隣の席の神田さんという女性社員と片付けをしているところだった。

 

ふと、捜索願のメモに『白鐘直斗』という名前を見つけた。

 

記憶が正しければ、少年探偵と言われている少女だ。

外見が少年だが、実のところ戸籍は女だった。大衆向けの週刊誌が下衆な話題で盛り上がっていたのを覚えている。

まったく、いつになっても快楽原則は最低なモノだと思うね。

 

「ちょっと。明智さん?読んでないで、片付けて下さ

い!」

「ん?ああ。そうだね。うん」

 

僕はいつもの癖で左手の小指で頭を掻き、崩れた下の部分から少し古いメモが出てきた。目がついたのは、『天城雪子』の同じ捜索願だった。

 

通常、一般捜索願は非公開。

しかし、僕は記者だし、それなりの信頼ってやつを受けていると自負している。

言い方は悪いけど、市民と警察との距離を縮めるような記事を書いたこともあるし、何より所長と知り合いっていうのが、あるかもしれない。

 

「…あー…神田さん?」

「はい?」

「悪いけど、僕は警察署に行ってくるよ。」

 

僕は本格的に頭を掻きながら、部屋を後にした。

後輩の怒号を背にしながら。

 

 

 

 

 

 

「…ありがとう。西沢」

「また、先輩のアンテナに引っかかったんですか?」

「…別に、僕はそんな優良アンテナじゃないさ。受信するのは、法外電波くらいじゃないかな」

「謙遜ですよ。それ」

 

 

僕はこの警察署に友人が多くて助かってる。

記事を書く上でも。僕は地元育ちで、高校は八十神高校だった。だから、というわけでもないけど、後輩や先輩が多かったりする。

 

さて、結果的に言えば、他の捜索願もあった。

関連性で適当に調べてもらったところ、小西早紀、天城雪子、巽完二、久慈川りせ、白鐘直斗。

 

奇妙だ。

 

マヨナカテレビというやつの数日前に失踪している。

大量の情報がそれを証明している。

 

そして、彼、彼女らは不本意な形でテレビに出ている。

 

 

『報道されていたって?』

「天城雪子は第一被害者のいた旅館ってことで、インタビューされていたみたいです。」

『久慈川りせは休業会見、白鐘直斗はニュース番組への出演か…』

僕は携帯電話越しに、頭を掻く動作をして、手帳を閉じた。

 

相手は課長である。

 

「まぁ、僕としては単なる興味なんですがね。ですが、記事になるかどうか…」

『そうだな…』

そう溜めると、課長は閃いたように言った。

 

『八十神高校に影を落とす、連続家出騒動!なんてタイトルはどうだ?』

「別に記事にしようとか、そういうのでは無いんですよ。給料泥棒ですかね?」

僕は課長にそういうと、いやと否定すると、課長は言った。

 

『構わんよ。君は良くやってくれている。』

「そう言って貰えると、幸いですよ。」

『しかし、だ。あまり、神田くんを怒らせんでくれ…オフィースが荒れるのだ』

「それは、失礼しました。」

そういうと、明智は笑いながら電話を切った。

 

(課長には悪いことしたなぁ…)

そんな事を思いながら、明智は頭を掻いた。

 

 

明智はまず、白鐘直斗の居る家へと向かった。

 

凄い家だと小学生並みの感想を抱いた。

それもそうだ。明智は建築などには詳しくない。洋風の屋敷だということぐらいしか、分かることもなかった。

明智はハンチング帽子を脱ぐと、丸め上着のポケットに入れた。

 

少し寝癖のある髪の毛を直すと明智はインターフォンを押す。

 

『はい。』

「私、八十稲羽新聞の明智といいます。すみませんが、白鐘直斗さんはいらっしゃいますか?」

『…どのような、用件でしょうか』

 

そう言われてしまうと、困ってしまう。実直に言ったところで会える可能性は皆無。

明智は腕を組み、ふむと少し考え、言った。

 

 

 

「事件について少々、お話があります。」

 

 

 

 

 

「…おお、まさにお屋敷という感じだなあ」

明智は辺りをキョロキョロと見渡すと頭を小指で掻いた。

彼は頭が痒いから掻いているのではなく、思考しているのだ。

 

 

(ゲストルームというものかな?やはり、こういった部屋は体裁を気にするものか。ともなると、ここら辺にある美術品はさぞ、高級なんだろうか…

僕は絵なんかわかりゃしない…それに、ひどくむず痒くなる。僕に絵の価値をいくら言われてもわからないからね。例えるなら、かたつむりに塩の価値を説明するようなものだ。馬の耳に念仏さ。)

 

明智はそう考えていると、ドアが開いた。

「お待たせしました。白鐘直斗です。」

「いいえ。こちらこそ。僕は明智波留(あけちはる)といいます」

 

直斗がソファに着き、座るように促すと、明智も席についた。

 

 

「それで、事件についてということですが、既に警察の方で公式発表を行いましたが…高校生という形で」

(そうじゃないと、可能性を話したのは紛れもなく君なんだけどな…)

 

明智は少しだけムスっとながら、言った。

「いえ、そうは言ったんですがね、実のところそれについてではないんですよね…いや?あるいみそうなのかもしれませんが。」

 

明智は申し訳なさそうに直斗に言った。

 

「では、僕に用事という事でしょうか」

「ええ。まぁ。少し前にあなたに対して捜索願が出されていましたね。」

「…ええ。まぁ」

「それが少し引っかかりましてね、お聞きしたいと考えている訳なんですよ。」

「…」

 

直斗は困惑した表情で腕を組む。

その様子に明智は慌てた。

 

「いや!そこまで、深く考えて頂かなくても結構です。雑談程度で僕の経緯でも話しますが、よろしいですか?」

 

そんな明智の言葉に直斗は頷いた。

 

「結果から言えば、僕としましては、不審な点があるわけです。白鐘直斗の前にも同じ高校生で捜索願が出されているんですよね。小西早紀に始まり、天城屋旅館の次期女将。暴走族を潰した染物屋の息子。アイドル…」

 

「一見、高校生という以外の共通点が見当たりません。

ですが、何事も見えない事実というやつが隠れているもので、歴史上も様々な見えない事実というモノがありました。」

 

「今回も何かしらの共通点があるのではないかと調べました。となったとき、あなた方は皆さん揃いも揃って、いなくなる前に『テレビにご出演していらっしゃった』」

「…」

 

「ですが、それが失踪する原因とは少しばかり考えにくいわけです。確かに皆さん、良い形でのテレビ出演とはいい難いわけで、言い方は悪いですが下衆な、といいますか…その…不本意な形だと考えられます。」

明智は頂いた紅茶を飲む。

 

「だからと言って、失踪するという事には繋がらないと思うわけです。それに、失踪は数日だけで、こうして地元紙の記者のくだらない妄想を聞いていらっしゃる」

「…なるほど」

そんな明智の言葉に直斗は少しだけ笑みを浮かべる。

 

明智は紅茶のカップを持ち、中を見ながら話す。

 

「ともなれば、あくまで推測なのですが、失踪せざるを得ない何かがあったと捉えるべきだと思った訳です」

「…」

直斗は深く椅子に体を預けた。

 

「…その…なんというか、あながちあのインターフォン越しの事は嘘ではないということなんです。」

「?」

 

「一連の殺人事件とこの失踪が繋がっているように考えた訳です」

「…その理由は」

「山野 真由美に端を発したこの殺人事件と失踪事件が当人たちが、この八十稲羽に居り、尚且つ、その数日前にテレビ出演している…

この点が似ているというだけの、実に適当な理由ですが」

 

そう言って、紅茶を飲むと苦笑いをした。

 

「ですがね?仮に失踪ではなく…誘拐だったらと思いまして。そうなると、どうも、高校生がすべての犯人とは考えにくい訳ですよ。山野真由美との関係性も見えてこないですし、実に巧妙な手口で誘拐している辺り、高校生にしては、精密さが際立ちすぎているような気がしてならないのです。」

 

直斗は彼の鋭い推察力に感服せざるを得なかった。

それと、同時に自分の人を見る目の無さに嫌悪した。

外見が冴えない。足立と似たような雰囲気がある。

目はタレ目で優しそうな雰囲気はあるものの、どうも冴えない感じだが。

 

その実、策士らしい。

 

入念に調べられ、尚且つ、真っ先に情報が得られるであろう、直斗のところに一番初めに来た。

記憶の鮮明さからしても、直斗が正確である。

 

そして、直斗自身がテレビで発言した内容も知っている。

 

外見に騙されてはいけなかった。

 

 

 

「…小説家にでもなられた方がよろしいのでは?」

直斗の言葉に明智は頭を掻いた。

 

「残念ながら、先程の通り。僕は文章構成力がなくて、助手替わりの神田君が解読にいつも、悲鳴を上げながら読めるような形の記事に仕上げてくれるので。」

 

明智は肩をすくめて言った。

 

「適材適所と言う言葉がありますから。最善を尽くしてもダメなモノはダメなわけであります。」

 

「…なるほど。ですが、それだと僕や他の人達はどうしてこうしていられるのでしょうか」

「だから、こうして聞きに来た訳ですよ。警察にも届けていないですしね」

「…」

 

直斗と明智はお互いに目を合わせた。

 

 

「…残念ながら、答えることはできません。」

 

それが直斗の出した答えだった。

しかし、直斗は食いついてくると思った。真実を聞くまで。

何せ、これほどまでに調べ、当人の家まで来るくらいだ

が予想外の回答だった。

 

「そうですか。分かりました。」

「え?」

呆然とする直斗に明智はハンチング帽子を被りながら言った。

 

「おや?意外でしたか?僕が執拗に聞かないこと」

「ええ。まぁ」

「正直な所…知りたいですが、別に仕事ではないので。無理して聞くものでもないかと。

こりゃ、本当に給料泥棒かな……」

 

直斗は明智に尋ねる。

 

「では、なぜお調べに」

 

「僕の想像じゃ、人知を超えたような気がしてならないからね。『マヨナカテレビ』や、『霧』のことも含めて。それは、僕の専門外だ。カルト雑誌の管轄だから。ですが、隣の芝は青く見えるというもので、100%興味がないというのは嘘になりますね」

 

「先程もいいましたが、最善を尽くしてもダメなものはダメなわけですよ。手の届かない場所のことをいくら考えてもそれで腕が伸びるわけじゃない。事件を解決する方法を持っている"君たち"がやればいい。」

 

直斗はこの記者は恐ろしいと思った。

自分たちがやっていることを見抜かれている。

 

頭の中にいくつもの情報がデータベースの様に集約されているような気さえした。

パターンを解析し、共通点を見つける。それらの関係性を先入観なく選別できる能力がある。

 

その後、彼が帰ったあとに明智という男について調べた。

彼の記事は八十稲羽の牧場で馬が生まれたことや、ちょっとしたイベントの取材など多岐に渡っていた。

しかし、その内容は濃密で、インタビューされた側の情報が克明に書かれており、理解しやすかった。

 

だが、直斗はその裏にあることまでは想像がつかなかった。

そ彼はこの町のことを知っており、人とのつながりも多く持っていること。それは、ありとあらゆる情報が、彼のところに来るところも。

 

 

 

 

 

『マヨナカテレビ』という噂。

そして、それに映った事件被害者と捜索願を出された人物たち。

 

「…関わったことが間違いだったかな…」

明智はそう口に出すと、いつもより、激しく頭を掻いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で!?結局、真実分からずじまいか!!」

原田はそんな、明智の話のオチに思わず怒りかけていた。

 

「誰にも分からないよ真実なんて。自分が納得できれば、その人にとっては真実なんだ。宗教に似たようなものかもね」

明智は持参のブランデーを飲む。

 

「ほかのやつには聞いたのか?久慈川りせなんかは」

「聞いたけど、同じような回答だったさ。」

 

明智は溜息を吐いた。

 

「僕はね、別に暴露記事を書こうとか、そんな事には興味無いんだ。それが例え、発行部数を増やす手段であって、真実でないとしたら…一体全体、ジャーナリズムって何だろうって思ってしまうんだ」

「それが、お前の信念か」

 

その柴原の言葉に明智は肩をすくめる。

 

「信念ってほどのモノじゃないよ…それに、彼らは被害者だよ。僕達、一般人が政治家に期待していないように、彼ら彼は、マスメディアによって、作り上げられた偶像、偽物の彼らを先入観として埋め込ませられただけに過ぎない。」

 

「マスメディアを扱うお前がいうか…こりゃ、世も末か?」

 

 

 

 

 

 

 

シンは腕を組みながら、壁に寄りかかった。

これほどの、怪奇現象が起きているのに、当たり前と受容していることにシンは首を傾げたのを覚えている。

 

『慣れ』とは恐ろしいものだと、改めて実感する。

 

彼らの話を聞いているとそれを実感する。

だが、手前に座るだらしなそうな、男は不思議な雰囲気がある。

 

シンはそんなことを考えながら、本のページを捲る。

そんなシンの横に誰かが座った。

 

 

 

 

 

「僕は明智。聞いてたでしょ?キミはどう思った?キミは"彼ら"と何かをしているひとだからね。」

「…その探究心と行動力、何より推察力は素晴らしい。が、世界には知ったところで何もできない真実がある。」

「…」

「事実はいつも残酷で、現実はそれ以上に残酷なのかもしれない」

 

「…そうだね…キミは聡明だ。だから、記事にする気はないよ。何より、こんな現実的でない話を誰が信じるんだか…」

 

「それが、お互いの為ではないですかね?」

シンはテーブルに肘をついた。

 

 

 

「…何れ、真相が明らかになった時に、話してくれれば、僕としては嬉しいかな」

 

明智はそういうと、頭を掻いた。

 

「事実は小説よりも奇なり」

シンは本を見せて言った。

 

「…そうでなきゃ、こんな世界やってられないよ。」

 

明智は珍しくニッコリと笑った




今後もこの明智という人は出てきます。
閑話内だけですが。

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