(迷宮都市に)アブノーマリティ、全員集合! 作:オートスコアラー
次の日、朝食を作ろうとメインルームに降りてくれば見慣れた鉄の箱が鎮座していた。しかも大中小と3つ。舌切り雀かな?いや、アレは2つだったっけ。
まあ閉じ込めておくのもかわいそうなので順に小さい方から開けていく。小さい鉄箱に入ってたのは小鳥だった。胸元に赤いシミ?が付いてる小鳥で鉄箱から自分の頭の上に止まった。重たくはないし動く気配もなさそうだから今は放置。
次の鉄箱からも鳥?が出て来た。全身真っ黒の鳥で自分と同じくらいの高さ。首になぜか天秤をぶら下げていた。しかも頭にはぐるぐる巻きになったボロ布。さっきの小鳥よりは個性的だし、大きいから中鳥で。
最後の大きい鉄箱を開けるとまたもや鳥……?が出て来た。と、同時に部屋の中が暗くなった。まだ夜じゃないはずだし停電かな?すると突如目の前にたくさんの黄色く光る目玉が浮かび上がった。まん丸の黒い胴体に嘴、細い手足に片手にはランタンを持っていた。
まあ、ギリギリ鳥っぽい見た目だし大きいから、大鳥でいいかな。大鳥は何回かパチパチとこっちを見た後、ランタンをこちらに手渡して来た、貸してくれるのか?
受け取ると、なんとなくあったかい感じがした。しかしその瞬間フット明るさが戻って来た。どうやら停電も治ったらしい。大鳥たちは奥の部屋に戻っていっていた。……ランタンは持ってていいの?
☆
それからしばらく過ぎたが、三羽が来た後はしばらく例の鉄箱は来なかった。まあ一気に3人来たからお休み中なのかな。
小鳥は相変わらず頭の上、中鳥は自分の横で天秤をふらふらさせてる。大鳥はたまにこっちに来ては後ろをついてくる。その度に停電になるがランタンで照らせば見えるし、魔法少女ちゃんがいるときは魔法で照らしてくれた。
というか、小鳥がすっごい食べる。犬もどきと張り合うぐらいに食べるのだ。その身体のどこに入ってるんだよ。魔法少女ちゃんはアイス中毒者になり、中鳥大鳥は特に食べることはなさそうだった。
そんなある日、街である噂を聞いた。
なんでも、ここ最近盗賊が減っているとか。まあそれだけならいいんだけど、悪いことをすると何処からともなく鳥が現れ突かれるらしい。しかも赤いシミのついた小さい小鳥だとか。
中には天秤をぶら下げた鳥が喧嘩の仲裁をしたり、迷子の子供を大きな黒い塊が道案内していたとも。
お前ら普通に外出てるんかい。全然気がつかなかったぞ。流石に管理人としてどうかと思うので玄関口に名簿表を作っておいた。よくある名前の付いた札をひっくり返すタイプの奴。これなら誰が出かけてるかもわかる。
これで一安心、いい仕事をしたのでひとっ風呂浴びて来た。が、また箱が来ていた。今名簿作ったばっかりなのに。もう少し早く来てくれよ。
仕方ないので開封すると全身真っ黒焦げの女の子?が立ってた。胸にはでかいマッチ棒が刺さっていて燃えている、というかだんだん部屋が暑くなって来てるんだが。
女の子はじっとこっちを見たまま動かない。仕方ないので魔法少女ちゃんに相手を頼んでデザートを作って来た。二人とも無言でパクつきそのまま部屋に帰っていった、まあ暑さに目を瞑れば無口な女の子なんだろう。クッソ暑かったけど。
次の日、いつものようにみんなと朝ごはんを食べてるとドアがノックされた。どうやら他のファミリアの方らしい。とりあえず対応するためにドアを開けた。途端視界が暗くなった。
何事!?と驚く暇もなく何やら運ばれてる感覚がしばらく続きやがて乱暴に降ろされた。
「よーし、お前ら誰にも見られてねえな?」
「勿論ですよ。何せ主神様を拉致するなんて見られでもしたら大変だ!」
「けどこれで大金が手に入るってもんよ、こいつのところにいる水色の髪の女は結構な冒険者らしいしな。たんまり大金を稼いでるだろうさ!」
「さて、それじゃあさっさと交代してファミリアに戻るぞ。そんでもって身代金を要求しちまえば……」
「「「
どうやらお酒飲みたさに拉致されてしまったらしい。まあ俺はなんの力もないわけだし。地上じゃ神様見習いの力も使っちゃダメらしいのでどうしようもない。魔法少女ちゃんか犬もどき辺りに頼むしか無さそう。多分ギルドの人に報告してくれるでしょ、気長に待つとするかなあ。
玄関口名簿表
・魔法少女ちゃん『外出中』
・犬もどき『外出中』
・小鳥『外出中』
・中鳥『外出中』
・大鳥『外出中』
・マッチちゃん『外出中』