みんなが勇者になってから色んなことがあった。
大赦から派遣された三好夏凜。彼女は最初は勇者部に馴染めていなかったけど、友奈たちのおかげというべきかすぐに馴染んでいた。
そしてバーテックスの総攻撃、皆が満開をしたこと……話を聞く中、心が締め付けられていく。
そんな中友奈と東郷の二人はそのっちと出会い、満開の後遺症について話を聞かされた。
友奈と東郷は先輩に相談し、これからどうするかは考えることになった。
そんなある日、僕は東郷に家に呼び出された。
「海くん、ごめんね。急に呼び出して……」
「別に……僕もお前に確認したいことがあってな……」
「確認したいこと?」
「乃木園子から満開について聞いたんだろ。そしてお前のことだ。気がついたんだろ」
「………確証に至ってないけど、私は讃州中学に入学する前よりずっと、海くんと……彼女と出会っていた。そして勇者になっていた」
やっぱり気がついていたのか……
「そのとおりだ。お前は先代勇者だった。お前の足、記憶がないのも満開の影響だ」
「………海くんは知っていたの?満開の後遺症について……」
「ずっと言えなかった。お前たちに言おうとしていたけど……」
「海くん、気にしないで……海くんもずっと辛かったんだよね。真実を話すべきかどうか……でも大赦から止められていた」
「………東郷。お前はこれからどうする?」
「私は……」
「すべてを知った今ならお前に話すべきだな。壁の外について……」
「壁の外?」
「僕も大人たちから聞かされただけだけど……」
僕は東郷に壁の外の事を話した。大人たち……大赦は壁の外に事について皆には話していないけど、僕は聞いていた。壁の外は全て炎の世界に包まれていることを……そしてそこには無数のバーテックスが存在することを……戦いが終わらないことを……
「そんな……そんなのただの地獄でしか無いじゃない。私達は死ぬこともなく、戦わされるだけ……」
東郷は立ち上がり、どこかへ行こうとしていたが、僕は東郷の手を掴み止めた。
「……止めないで」
「お前のことだ。きっとこの世界を壊せばいいって思ってるんだろ……」
「!?」
「僕とお前はそのっちと同じように昔からの知り合いだからな。お前の考えくらいそれなりに分かってる」
「……だとしてもどうすればいいの?」
「戦いを終わらせることはできないけど、みんなの……そのっちの散華をどうにかする方法はある」
「散華を……」
「そのために東郷、お前にやってもらいたいことがあるんだ」
僕は東郷にやってもらうことを話した。そして僕がやるべきことを……
「そ、それは……待って……それだと海くんは……」
「もうこれしか無いと思ってる」
「ど、どうして……私達のためにどうしてそこまでできるの?」
「……だって僕も勇者だから」
笑顔でそう答え、東郷は迷っている。ごめんな。こんな役目を押し付けて……
「わかったわ……でも貴方の計画だと樹海に乃木園子を呼び出さないといけない……きっと彼女は何もせず私達の意思に任せると思う」
「お前、記憶が戻ってるのか?」
「戻ってないわ。ただそう思っただけ……」
「そっか……」
記憶を失っても心に残ってるのかもしれないな。
「それは僕に任せてもらっていいか」
「わかったわ」
東郷は勇者に変身し、早速計画を始めようとするが……
「海くん、ごめんね」
「気にするな……できれば僕の代わりにみんなのことを頼んだぞ。東郷」
「うん……」
東郷を見送り、僕は一枚の紙にある手紙をかくのであった。
「さて……始めるとするか」