銀が死んでから数日が経った。神樹館のみんなは銀が死んだことに悲しんでくれていた。
銀の葬式が始まっている中、僕は一人雨の中傘をささず、ある二人を待っていた。
「……戻ってきたみたいだな」
傷だらけになりながら樹海から戻ってきたそのっちと須美の二人……戦いに勝利できたみたいだけど今まで以上疲弊している
「カイくん……傘ささないと風邪引くよ……」
「今日は濡れていたい気分なんだ」
「もしかしてずっと待っていたの?」
「あぁ」
僕は二人を抱えながら、安芸先生の車に乗るのであった。安芸先生は二人を励ましていく中、僕は葬式の際に大人たちの言葉を思い出していた。
(何が誇らしいんだ。何がお役目で死ねたから本望だ……僕もいつかそんな大人になるのかな……)
車の窓から僕は景色を眺めながら、そう思うのであった。
次の日もまた雨だった。僕は雨降る中ひたすら鍛錬を続けていた。
「ハァッ!!」
必死に木刀を振る。今、自分の心の中にある後悔を無くすために必死に振り続けていった。
だけど未だに後悔の気持ちが強くなっていった。
「どうして……どうして僕は勇者になれないんだよ!勇者だったら……銀が死ぬことも……銀を失ったそのっちたちの気持ちだって分かるのに……どうしてなんだよ!?」
叫び続けるが神樹様も答えてくれない。神様っていうのは困った人の声を聞いてくれないのか……
「……カイくん」
気がつくとそのっちが悲しそうにしながら僕に傘をさしていた。
「そのっち……」
「風邪引いちゃうよ~」
「ごめん……まだ僕は……」
僕は素振りをしようとした瞬間、そのっちが思いっきり僕の頬をひっぱたいた。
「お願いだから……これ以上自分を責めないで……」
「そのっち、だけど僕は……もう力がない僕が嫌なんだ……」
「違うよ。カイくん……カイくんは力を持っているよ」
そのっちはそう言いながら僕にそっと抱きついてきた。
「カイくんがいてくれるだけで私は頑張れる。私が楽しいと思うときはいつもカイくんが、わっしーがいてくれる。私が悲しいときは……」
抱きついているそのっちは体を震わせていた。ごめん、気がついてなかった。こういう時そのっちにしてやることは……
僕はそのっちの頭に触れ……
「泣いていいよ。僕が受け止めるから……」
「カイくん……」
そのっちは泣きじゃくる。そうだよな。僕は後悔するんじゃない。大切な人の悲しみを受け止めてあげないとな……
そのっちが泣き止むと同時に雨も上がってきた。
「そのっち、もう大丈夫か?」
「えへへ~大好きな人の胸で思いっきり泣いちゃった~でもびしょ濡れだから涙の跡見えないね」
「そうだな……そのっち」
「何?」
「ありがとうな」
「うん、カイくん、ありがとうね」
お互いお礼を言い合い、笑顔になるのであった。僕は勇者になれない。だけどそれでも出来ることはある。まずはそれを見つけることを探してみよう……
短めですみません
海が探す出来ること……それは何なのかはお楽しみに