乃木園子と上里海は恋人同士である   作:水甲

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07 雨降る中で……

銀が死んでから数日が経った。神樹館のみんなは銀が死んだことに悲しんでくれていた。

 

銀の葬式が始まっている中、僕は一人雨の中傘をささず、ある二人を待っていた。

 

「……戻ってきたみたいだな」

 

傷だらけになりながら樹海から戻ってきたそのっちと須美の二人……戦いに勝利できたみたいだけど今まで以上疲弊している

 

「カイくん……傘ささないと風邪引くよ……」

 

「今日は濡れていたい気分なんだ」

 

「もしかしてずっと待っていたの?」

 

「あぁ」

 

僕は二人を抱えながら、安芸先生の車に乗るのであった。安芸先生は二人を励ましていく中、僕は葬式の際に大人たちの言葉を思い出していた。

 

(何が誇らしいんだ。何がお役目で死ねたから本望だ……僕もいつかそんな大人になるのかな……)

 

車の窓から僕は景色を眺めながら、そう思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日もまた雨だった。僕は雨降る中ひたすら鍛錬を続けていた。

 

「ハァッ!!」

 

必死に木刀を振る。今、自分の心の中にある後悔を無くすために必死に振り続けていった。

 

だけど未だに後悔の気持ちが強くなっていった。

 

「どうして……どうして僕は勇者になれないんだよ!勇者だったら……銀が死ぬことも……銀を失ったそのっちたちの気持ちだって分かるのに……どうしてなんだよ!?」

 

叫び続けるが神樹様も答えてくれない。神様っていうのは困った人の声を聞いてくれないのか……

 

「……カイくん」

 

気がつくとそのっちが悲しそうにしながら僕に傘をさしていた。

 

「そのっち……」

 

「風邪引いちゃうよ~」

 

「ごめん……まだ僕は……」

 

僕は素振りをしようとした瞬間、そのっちが思いっきり僕の頬をひっぱたいた。

 

「お願いだから……これ以上自分を責めないで……」

 

「そのっち、だけど僕は……もう力がない僕が嫌なんだ……」

 

「違うよ。カイくん……カイくんは力を持っているよ」

 

そのっちはそう言いながら僕にそっと抱きついてきた。

 

「カイくんがいてくれるだけで私は頑張れる。私が楽しいと思うときはいつもカイくんが、わっしーがいてくれる。私が悲しいときは……」

 

抱きついているそのっちは体を震わせていた。ごめん、気がついてなかった。こういう時そのっちにしてやることは……

僕はそのっちの頭に触れ……

 

「泣いていいよ。僕が受け止めるから……」

 

「カイくん……」

 

そのっちは泣きじゃくる。そうだよな。僕は後悔するんじゃない。大切な人の悲しみを受け止めてあげないとな……

 

 

 

 

 

 

 

そのっちが泣き止むと同時に雨も上がってきた。

 

「そのっち、もう大丈夫か?」

 

「えへへ~大好きな人の胸で思いっきり泣いちゃった~でもびしょ濡れだから涙の跡見えないね」

 

「そうだな……そのっち」

 

「何?」

 

「ありがとうな」

 

「うん、カイくん、ありがとうね」

 

お互いお礼を言い合い、笑顔になるのであった。僕は勇者になれない。だけどそれでも出来ることはある。まずはそれを見つけることを探してみよう……

 




短めですみません

海が探す出来ること……それは何なのかはお楽しみに
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