インフィニット・ストラトス ~何気ない騒がしい日常~ 作:ゲイツ幻夢アーマー
あの後生徒会の仕事を終わらせて、各々の用事に動き出す。
藍越学園は部活動にも力を入れているが、入部は強制ではない。しかし、帰宅部は意外にも少ないのである。
なぜなら部活動も種類が豊富で、生徒達に合った部活が多かれ少なかれ必ず存在しているからだ。そのため、部活を掛け持ちでやっている生徒も少なくない。
一夏、箒、裕斗の3人は生徒会と剣道部を掛け持ちしており、数馬は軽音部を掛け持ちしている。五反田兄妹は実家が“五反田食堂”という食事処なので、生徒会の用事が終わると食堂を手伝うために帰宅する。
三春は料理部と科学部を掛け持ちをしている。織斑家では、一夏と三春が料理をしなければ大惨事になりかねないのだが、三春が料理部を掛け持ちしている理由は
三春「お兄ちゃんに、三春の愛情たっぷりのお料理を食べてほしいです。そして科学部で研究している媚薬が完成すれば…へへっ♥️」
…科学部の掛け持ち理由は果てしなく邪な理由である。
帰宅途中に近所のスーパーに寄り、今日の夕食の買い物をして家に帰る。
一夏「ただいまぁ。」
家に帰ってくるのは大抵俺が一番早い。その後順番に三春、円夏、千冬姉である。まず台所に行って買ってきたものを冷蔵庫にしまい、部屋に戻って私服に着替える。
そして、家を出る前に干しておいた洗濯物を片付ける。
一夏「さて。夕飯の支度を始めるかな。」
俺自身の用事を粗方片付けて、台所に立って今日の夕食を作り始める。
夕食の支度がある程度終わり、居間でテレビを観ながらのんびりしていると
バタンッ
ドタドタドタドタドタ
もの凄い勢いで扉を開けて誰かが入ってきた。時刻は夕方の5時。この時間は、決まって“あの人”が来る。
???「いーーーーーーーっくーーーーーーーん‼️」
インターホンも押さずお構いなしに入ってきたのは、機械的なうさみみを付けた白衣を着たスタイル抜群の女性だ。
一夏「ほい。」ヒョイ
???「ぐへッ。」
ソファーに座ってた俺が避けると思っていなかったのか、女性はそのまま顔面からソファーにダイブした。
???「ひどいよいっくん、なんで避けるのさ⁉️そこはハグして受け止めるのが愛し合う者同士の決まりでしょ⁉️」
一夏「俺がいつ貴女と愛し合ったんですか“束さん”。」
嵐のように現れたこの女性は“篠ノ之束”。名字で分かる通り箒の姉さんで、千冬姉とは幼馴染である。
束さんは千冬姉同様文武両道の女性で、特に科学面においては世界的にも有名な人物である。発展途上国と言われている日本を“近未来科学の先進国”と変えたのが、他でもない束さんなのだ。
そんな凄い人がなぜここにいるかというと、束縛されるのが嫌いで着の身着のままに好きなところへ行く。
束さん曰く
束『何事も決められた事をやっていればいいという訳じゃないよ。科学においては自由な発想がなければ次に進めないのだよ♪』
ということらしい。
自由な発想はいいけど、色々ぶっ飛んでることが多いけど…
束「ところでいっくん、今日のご飯はなんなの?」
一夏「今日はハンバーグですよ。後は捏ねて焼くだけです。」
束「おぉ、いっくんの手作りハンバーグか。それは楽しみだねぇ‼️」
…だいたい束さんがこの時間に家に来るときは、夕食をご馳走になろうするときだ。
一夏「俺は構いませんけど、束さん家の方は大丈夫なんですか?」
束「今日はお父さんとお母さんは剣道連盟の食事会だからねぇ。」
篠ノ之道場は、日本でも数少ない剣術を取り入れている道場でそれなりに有名な選手が多い。
そのため、時折武術を指導している人達が集まって、近況報告をするために食事会を行っているらしい。
一夏「なら箒に連絡しときますね。そろそろ準備を始めるので束さんはのんびりしてて下さい。」
束「はーい。」
人数を2人分追加するために台所に向かい、夕食の準備を再び始める。
時刻は夜6時を少し過ぎた頃、連絡した箒がすぐに来て束さんを怒鳴りつけてから、夕食の支度を手伝ってくれている。
一夏「悪いな箒、お客さんなのに手伝ってもらって。」
箒「気にするな。私と姉さんはご馳走される立場だからな。これくらいはするさ。」
篠ノ之姉妹が家に来るときは、必ず箒が食事の支度を手伝ってくれる。お客なんだからいいと最初は断ったんだが、箒が頑なに譲らなかったので俺が折れた。
箒(一夏と台所に立てるというこんな美味しいシチュエーションを簡単に手離す訳にはいかんだろ‼️)
千冬「くっ、箒のやつ‼️」
円夏「ここぞとばかりに兄さんに近づきおって‼️」
三春「…完全に出遅れてしまいました。」
束「アハハハハハッ、いつ見ても飽きないねぇちーちゃん達は。」
千冬姉と円夏も手伝ってくれようとするが、最悪殺戮兵器を作りかねないので台所は出禁、束さんも料理は出来るが何か変な薬を入れられそうなので却下。必然的に箒か三春になるのだが、台所に3人も入ると狭いので先に来た人から台所に入る。
一夏「箒、味噌汁よそってくれるか?」
箒「わかった。盛り付けは任せるぞ。」
一夏「あいよ。おーいそろそろ座ってくれよぉ。」
俺の声に、千冬姉達が席に座る。盛り付けを終えた夕食を持っていき、俺と箒も席に座る。
一夏「そんじゃあ、いただきます。」
箒・円・千・三・束「「「「「いただきます。」」」」」
登場人物紹介
五反田弾(15)
五反田家長男。実家が五反田食堂という食事処を営んでいるため、家の手伝いをしている。初等部に入った頃、一夏に出会いそれから意気投合。家族ぐるみでの付き合いになっている。円夏のコンプレックスである貧乳に触れて三途の川を渡りかけたことがあるが、懲りずによく煽る。学習能力があるのようでない。妹の蘭には頭が上がらない。
五反田蘭(14)
五反田家長女。兄同様実家の五反田食堂を手伝っている。三春とは兄経由で知り合い仲良くなった。小学校の頃、家に遊びに来た一夏に一目惚れ。円夏同様貧乳がコンプレックスで、同い年の三春にサイズで圧倒的に負けていることが悔しいらしい。学園でも家でもしっかり者のため、兄の弾より立場は上。
御手洗数馬(15)
一夏の初等部の頃からの友人。軽音部所属。
“楽器弾ければなんかカッコいい”という浅はかな理由だが、楽器全般をマスターしている。