インフィニット・ストラトス ~何気ない騒がしい日常~ 作:ゲイツ幻夢アーマー
遅すぎて申し訳ないです。
藍越学園中等部生徒会、学園からの仕事はもちろんの事だが、色々な悩みを抱える生徒達のお悩み相談も兼ねている。初等部からだけでなく何故か高等部や大学部、果てには教師からもお悩み相談を受けることがある。
初等部はまだまだ幼さが残るため歳上の存在に悩みを相談するのは当然なのだが、何故歳下に相談に行くのか。
それは高等部の生徒会長が所謂
“ポンコツ”
だからなのである。
???「毎度毎度申し訳ありません一夏さん。」
一夏「まぁ、慣れてますから気にしないで下さい“虚”さん。」
眼鏡をかけた女性、“布仏虚(のほとけうつほ)”は一夏に頭を下げている。
布仏虚
藍越学園高等部2年で生徒会に所属している。性格も生真面目で大人な女性の雰囲気を醸し出しているため、学園男子生徒に人気があり、女子生徒達からも慕われている。実家は代々とある家に使えており、歴史も深い。
彼女が生徒会に所属しているのはこれが要因である。
が、高等部生徒会室に生徒会長は今不在である。
一夏「それで…、“刀奈”さんはどこに逃げたんですか?」
一夏の言った人物、刀奈こそが高等部生徒会長である。
更識刀奈
藍越学園高等部1年で生徒会長を努めている。更識家は代々槍術を伝承している武家であり、剣術を教えている篠ノ之家とも交流がある。布仏家が仕えているのがこの更識家である。そのため、刀奈と虚は幼馴染みであり、2人とも一夏の同級生に妹がいて篠ノ之家とも交流があることから、友好も非常に深い。
が、生真面目で大人な女性を醸し出している虚と違い、刀奈はスタイルのいい“いたずらっ子”な節がある。更に言えば、サボり癖があり生徒会の仕事を全くやらずにどこかへ遊び(逃げ)に行くというのが、高等部の生徒達にはほとんど知られている。
中等部生徒会が高等部生徒会より頼られるのはこれが原因である。
今日こそ溜まりに溜まった生徒会の仕事をやってもらおうと生徒会室に来た虚の目に飛び込んできたのは、天井まで届くほどの書類の山と刀奈の書き置きだった。
『遊んでくるから書類よろしくね☆。』
読んだ瞬間大声を上げて幼馴染みを呼んだ虚は悪くない。
いくらなんでも多すぎる書類をどうしようかと思い、藁にもすがる思いで一夏に連絡し今に至る状況である。
虚「刀奈お嬢様のことですから、おそらく“簪”お嬢様のところへ行っているのではないかと…」
一夏「あー、あの人シスコンだからなぁ。」
更識簪
藍越学園中等部に通っており、刀奈の妹であり一夏達の同級生である。頭脳明晰であるが、運動はあまり得意ではなく円夏と鈴の同士。
趣味はお菓子作りとヒーロー番組を観ること。引っ込みがちな性格だが、それぞれの趣味により男女間に友達が多い。
最近悩みがあるようだが、それはまた次に
一夏「しかし、これだけの仕事よくここまで溜め込んだなぁ。」
虚「やれば出来る人なのですが、飽きるとすぐにどこかへ行ってしまうので…、次からは首に鎖着けて仕事が終わるまで生徒会室に缶詰めにしてやります…。」
一夏「…落ち着いて。口調と思考が黒くなってきてるよ“うつほ姉”。」
虚「ハッ‼️…コホン、ふふっ久しぶりにそう呼んでくれましたね“一夏君”。」
交流が深いため一夏は虚や刀奈のことを“うつほ姉”、“刀奈姉”と呼んでいた。中等部にあがってから思春期特有の恥ずかしさがあり、最近ではほとんど『さん』付けに変わってしまったので、虚は少し寂しさを感じていた。
コンコン
虚「どうぞ。」
???「失礼しま~す。」
生徒会室に入ってきたのは学園の制服を改造し、袖をだぶだぶにしたのほほーんとした女子だった。
虚「“本音”、またあなたはそんなやる気のない顔をして。もっとしゃっきりなさい。それにどうしてあなたがここに?」
箒「失礼します。」
簪「虚さん、お姉ちゃん連れてきました…」
???「ちょっとぉー、箒ちゃん簪ちゃん縄ほどいてよぉ~(泣)」シクシク
続いて生徒会室に入ってきたのは箒と簪、それと縛られた刀奈であった。
虚「箒さん、それに簪お嬢様も。いったいどうして?」
箒「一夏にだいたいのことを連絡で受けまして、ちょうど簪達と一緒にいたものですから近くに刀奈さんを見つけたので逃亡する前に」
簪「こうして縛り上げて連れてきたと言うわけです。」
本音「イッチーから連絡もらってぇ、周り見渡したら刀奈お嬢様がいたから直ぐだったよぉ~。」
布仏本音
藍越学園中等部に通っており、更識家に仕えているため同い年の簪とは、幼馴染み兼メイドの関係。
しかし、本人がのほほーんとしているほどマイペースなためメイドとしての仕事は全く成り立っていない。
しかしマイペースな性格なため、藍越のマスコットのような存在でもある。
一夏「わざわざありがとな、3人とも。」
箒「気にするな。私はお前から連絡を受けたときにたまたま簪達と一緒にいただけだからな。」
簪「家のダメ姉のせいで一夏が仕事してるから、せめてこれくらいはしないと。」
刀奈「ちょっと簪ちゃん⁉️実の姉に対してダメ姉ってひどい‼️お姉ちゃんそんな風に育てた覚えないよ⁉️」
簪「…家にいるときも学園にいるときもぐーたらしてるんだからこれくらい言われてもしょうがないよ。それに生徒会長になった理由が“なんか面白そう”だっけ?そんな姉に対しての妥当な評価だと思うけど?」
刀奈「うぐっ‼️」
姉に対しての言いように言い返した簪だが、正論をぶつけて刀奈を黙らせた。
虚「皆様ありがとうございました。残りの仕事は刀奈お嬢様にきっっっっっっっっっっっっっっちりやっていただきますので。」
刀奈「…あれ?虚ちゃんもしかして怒ってる?」
虚「さぁ仕事をしましょうか“更識生徒会長”。」ニコッ
虚が怒るときと機嫌が悪い時は大抵刀奈が絡んでいる。
虚の顔に怒気が含まれているだけで、高等部の気温がやや下がるのだ。
虚を鎮めるには、刀奈を差し出せば落ち着くというのが藍越学園における暗黙の了解とされている。
一夏「それじゃぁ俺達は帰りますね。」
箒「それでは失礼します。」
簪「虚さん、後はよろしくお願いします。お姉ちゃん、仕事終わるまで帰ってこないでね。」
本音「刀奈さんファイト~。」
刀奈「ちょっと待って‼️まだ山のようにあるんだけど⁉️これ私1人でやらなきゃいけないの⁉️」
虚「やらなきゃいけないもなにも貴女が貯めに貯めた仕事です。しっかりこなして下さい。それと、お嬢様の右側にある書類の山は期限明日までですからね。」
刀奈「嘘っ⁉️終わるわけないじゃない‼️一夏君、箒ちゃん‼️同じ生徒会でしょ⁉️これ手伝ってぇ~‼️簪ちゃ~ん、本音ちゃ~ん‼️」
虚「早く始めないと一週間は缶詰めですよ?」
刀奈「えぇー⁉️」
虚「大丈夫です。西村先生からご許可はいただいていますので、泊まり込みで仕事して下さいね?」ニコッ
刀奈「誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼️」
藍越学園高等部生徒会長、更識刀奈の悲鳴をBGMに一夏達中等部組はそれぞれの帰路についた。
刀奈さんは、ポンコツです