ガゼフ「貴族が変に協力的で気味が悪い」
???「なんでガゼフの装備剥がれてないの? 工作員仕事しろ」
その後「「村のところに変なドームが……」」
「ほぉ、対象の数が多いとこうなるのか。中々面白い光景じゃないか」
崩壊したカルネ村の敷地を覆う巨大な闇色のドーム。それを眺めながらひとり呟く
首から下の鎧に見える部分も同様だ。男は蟲系モンスター等が持つ物と同じ外皮装甲を備えた異形種なのだ。それ以外で身に着けている物は、全身に巻き付いた、先端に刃物のついた鎖、右手に持った、外皮装甲と同じ色の足腰の悪い老人がついて歩くような杖、そして左手に持った、村を覆うドームと同じ色のオーラを纏う禍々しい銀の懐中時計。
「そういえば、さっき俺に気づいたのが一人いたな……こいつらの飼い主か?」
異形種の男の足元には焼け焦げ、切り裂かれ、凍り付いた無残な肉塊が転がっている。
「ここいらの連中は弱すぎて、これほどのモンスターはそうそう見かけねえんだが……やはり
プレイヤーにしてはずいぶん弱そうだったが……と続けようとして、思いとどまる。
「いや、俺が知ってるプレイヤーなんてボス達くらいだ。あの程度の奴がいても別に変じゃねえ。少なくともここいらの連中に比べればずっと強い。それに一人ってことは無いだろう。仲間の数と強さ次第では……油断したらこっちが殺られるかもな」
「うわぁ、一人でぶつぶつ言っちゃって。やだやだ、老人は独り言が多くって」
背後から聞こえた、甘ったるい高い声に男が振り向くと、薄っぺらだがしかしどこまでも続いていそうな深い闇が扉のような形を描いていた。〈
人間の幼い少女のように見えるその顔は辛辣な言葉とは裏腹に友好的な笑みを浮かべている。それを見た男は軽くため息を吐きながら村の方へ視線を戻した。
「アーフィか。ったく、お前の方が年上だろうがよ……」
「やっほー、ドラーグ。ボスに言われて様子見に来たよ~」
異形種の男、ドラーグの年齢に関する台詞は華麗にスルーして、アーフィと呼ばれた少女は手をひらひらと振りながら全身を〈
「あん? 様子見るだけなら〈
「それが、情報系に対して防壁張ってるやつがいるみたいでさ~」
「なるほど。無理に探ろうとすれば拠点がドカン、ってこともあるのか」
「そうそう、最悪なのはモンスター放ってくる系ね。
あー恐ろしい、とオーバーに自分の肩を抱いて震え始めるアーフィからまた視線を外し、ドラーグは村を覆うドームを観察する。早くも相手するのが面倒になったな~? と口を尖らせながらアーフィも隣に移動して観察を始めた。
そうしているうちにドームは徐々に膨張を始め、やがて限界を迎えたかのように破裂した。
そのあとに現れた光景を見て、アーフィは尖らせていた口を綻ばせ、そして満足そうに嗤う。ドラーグもその顔の構造上表情は変わらないが、もし表情があるならアーフィと同じ顔をしていることだろう。
「さっすが
「まあ、俺たち
「あれ、もう? あたしが様子見に来た意味は?」
「無い。まぁ、間が悪かったな」
「むぅ、せめて何かしたい」
「……なら帰りの〈
「おお、それだ! ではドラーグおじさま、お帰りはこちらになりま~す」
アーフィは再び〈
「だから、お前の方が年上だろうがよ……」
「悪魔だから永遠の少女だもん」
「そうかい……あ、プレイヤーはお前みたいなのをロリババアとか言うらしいぞ」
「ババっ……もしボスに言われたら立ち直れないわ」
「……ボスなら大丈夫だろ」
「だよね!? ははっ、あはははは……」
背後の村跡地に広がる、自分たちの引き起こした惨状に対してあまりにも緊張感のない会話をしながら、二体の異形は〈
余所のギルド登場!(やばいのは帰ったけど) グの時みたいにはいかないぞサボテンよ……
サボテン「正体バレたら死ぬ」
ガイコツ「何やったんだろう……いや聞くまでもないか」