三ヶ月ぐらい放置して申し訳ございませんでした!
レーティングフィールド 体育館跡
ライザーさんの女王の攻撃により、塔城ちゃんがダメージを受けてしまった。
「塔城ちゃん!!」
「コネコン!しっかりして!」
「…… すみません……お役に立てな…くて…」
そう言うと、塔城ちゃんは光になって消えた。
『リアス・グレモリー様の戦車1名リタイア』
グレイフィアさんの無慈悲なアナウンスが聞こえた。
「先ずは一人」
空から塔城ちゃんを攻撃した存在・ライザーさんの女王ユーベルーナがいた。
「あいつが犯人だ!」
「てめえ… よくも小猫ちゃんを…… !!」
「獲物を狩る時は狩り終えた直後が一番ですから」
そして杖を僕らに向けるライザーの女王。
空から魔法で塔城ちゃんを一撃で吹き飛ばすあの爆撃。
さながら爆弾を装備した戦闘機のようだ。
しかも空を飛んでいるから対空手段を持たない僕らは格好の的だ。
しかしここで援軍がやってきた。
「あらあら、では私が相手になりましょうか?」
「リアス・グレモリーの女王か」
魔法で体育館を吹っ飛ばした姫島先輩だ。
さっきの魔法で魔力が減ったことがネックだが彼女なら対抗できるだろう。
「イッセー君、皆さん、ここは私に任せて、祐斗君の所に行って下さい」
「わかりました!!」
「分かった。みんな、いくよ」
僕らとイッセーはライザーの女王を姫島先輩に任せて、木場と合流するために移動した。
暫く進んでいると
『ライザー・フェニックス様の兵士三名、リタイア』
グレイフィアさんのアナウンスが聞こえてきた。
「木場の奴、やったんだな!!」
「らしいね」
僕ら以外でライザーの兵士三人を倒せる人物は一人しかいない。
不意にひさぎが前から気配を感じとり、立ち止まる。
「誰?出てこないならその首かっ切って…」
「まって来栖崎さん。僕だよ」
そこから木場がやって来た。
「おおキバッチ!」
「驚かさないでくださいよ」
「ごめんごめん」
僕らは倉庫の中へ隠れる。
「アナウンスを聞いているから僕も知っているよ。無念だったろうね。いつも何を考えているか分からない子だけど、今回は張り切っていたよ。森にトラップを作る時も一生懸命にしていた」
「……勝とうぜ」
「もちろんだよ、イッセーくん」
イッセーと木場は拳を合わせた。
「うんうん。野獣と騎士。絆を深めた二人は互いに意識し始め…」
「おいこら待てアド!なんかわかんねーけどそれ以上言うな!」
何か意味深な頷きをしたアドに嫌な予感を感じたイッセーが止める。
ふと姫方を見ると、右足を触りまくる様子が窺える。
その隣にいるやちるちゃんが心配そうに見つめる。
「姫方、もしかして足が?」
「………爆発を避ける際にひねっちまってな」
バレてしまって仕方ないと言った感じで真実を語る姫方。
「わりぃがあたしはここで戦線離脱するわ」
「分かった。編成の見直しをしておく」
そんなことをしているとグラウンドから。
「我はライザー様の騎士カーラマイン!! グレモリーの眷属達よ、正々堂々勝負だ!!」
と言う叫びが聞こえてきた。
「罠だねこれは」
「そうかな?あれどっちかっていうと騎士道精神的な?」
挑発して僕らを誘き出そうとしていると思われる。
仮にアドの言う騎士道精神的な理由があったとしてもそう易々とのせられるわけには…
「…… ああ言われちゃ同じ騎士として隠れているわけにはいかないな」
いたわ騎士道精神的に忠実なのが。
「………行こうか」
「しょうがないわね」
僕らももそれに続いて出ていった。
足を怪我した姫方と付き添いを希望したやちるちゃんはここで戦線離脱だ。
「リアス・グレモリー様の騎士、木場祐斗」
「同じく!! 兵士の兵藤一誠!!」
「ポートラルが盟主、樽神名アド様だ!」
「…ポートラルの参謀、輝木太陽」
「ポートラルのエース、来栖崎ひさぎよ」
名乗り終わると全員構える。
「木場、君はあのカーラマインっていうライザーの騎士を相手して」
「了解だよ」
「イッセーは…… ってもう闘ってるし」
木場は相手の騎士カーラマインと、イッセーは戦車のイザベラと闘い始めた。
この二人を除けば残るライザーの眷属は女王、騎士一名、僧侶二名、兵士二名となっている。
「…で?あんたが相手してくれるのかしら?
紅茶を飲んでいる、いかにも令嬢という雰囲気の僧侶に刀型神器を突きつけるひさぎ。
「あら、私は闘いませんわ」
「………は?」
しかし返ってきた答えは意外にも戦闘不参加の言葉だった。
「え?こいつ今戦わないって言った?んじゃ何しにきたのよあんた」
「賑やかし的な?」
「どちらかというと数合わせ?」
「そ、それはお兄さまが妹をハーレムに入れていれば周りが羨ましがるとか何とか言って…」
は? お兄さま?
「お兄さまってもしかして…」
「ええ、私の名はレイヴェル・フェニックス、ライザー・フェニックスの実の妹ですわ」
実の妹を眷属にするって………
僕は若干誰かを連想してしまった。
「………あいつ最低レベルで気持ち悪いわ」
僕もそう思うよひさぎ。
「うわぁぁぁぁぁっ!!!!」
「俺の勝ちだぁぁぁぁっ!!!!」
『ライザー・フェニックス様の戦車一名、リタイア』
イッセーの叫びから察するに戦車を一名撃退できたようだ。
そして…
「受けとれ木場!! 赤龍帝からの贈り物(ブーステットギアキフト)!!!」
『Transfer!』
イッセーが赤龍帝の籠手から魔力を木場にぶつけ、木場の力が急激に上がった。
「あれって?」
『赤龍帝からの贈り物(ブーステットギアキフト)、赤龍帝の能力の一つで、倍加した力を譲渡するんだ。攻撃力100の味方を倍加させて200、もっと倍加させれば400叩き出せるぞ』
「チート性能キター!!」
赤龍帝の籠手の能力を聞いたアドは叫び出す。
前に聞いた最強の神器の一角だからこそ納得できる性能だ。
ただ使い手が残念なのがたまに傷。
「ありがたい!! 魔剣創造(ソードバース)!!!」
力を受け取った木場が地面に魔剣を刺した。
すると地面から無数の魔剣が出現、ライザーの眷属達を貫いた。
『ライザー・フェニックス様の兵士二名、騎士二名、僧侶一名、リタイア』
「やった!!」
「よし!」
この調子で有れば残るはライザーと女王のみだ。
その時だった。
『リアス・グレモリー様の女王一名、リタイア』
というグレイフィアさんのアナウンスが流れた。
「「「「「!?」」」」」
グレモリー先輩の女王といえば姫島先輩だ。
まさか彼女が負けるだなんて。
「ケツパ!!」
「!?」
ひさぎの声が聞こえた瞬間ひさぎによって僕ごと転がる。
すると避けた直後にそこは爆発した。
「うわぁぁぁぁぁっ!!!!」
『リアス・グレモリー様の騎士一名、リタイア』
木場は避けきれなかったのか爆発に当たり光になって消えた。
「フフフ…」
そして二人を倒したライザーの女王は蔑んだ目をしながらこちらを見ていた。
「また爆撃…!」
「朱乃さんと木場をやったのもてめぇか!降りてこい!朱乃さんの!小猫ちゃんの!木場の仇を取ってやる!降りてきやがれぇぇぇぇっ!」
イッセーが拳を向けて『女王(クイーン)』を挑発するが、相手はただ嘲笑するだけだった。
「サンちゃん!リーアちゃんがライザーと一騎打ちするってもぐっちが………」
「不味いな。イッセー、グレモリー先輩に援護に向かった方がいいと思う」
「そ、そりゃそうだけど大丈夫なのか!?」
相手はライザーの女王。
空爆のように攻撃するため僕らは対抗手段がない。
イッセーの心配はごもっともだ。
「いいからさっさといけって言ってんのよこのロリコンのくせに素っ裸にして鼻息を荒くするどうしょうもないクズ変態が!!」
「超絶レベルでヒデェ!!お、お前らも頑張れよ!」
ひさぎの毒舌にツッコミを入れつつライザーの元へ向かうイッセー。
ライザーの『女王』ユーベルーナはチラッとイッセーを見ただけで手を出す気はないようだ。
「この私に勝てるとでも思っているのかしら?」
「普通に考えれば空を飛ぶ相手には無理だろう。けど」
僕はひさぎに目配せし、彼女もそれに答えた。
「彼女にとってはそんなの関係ねぇってさ」
ドンっ!
地上からまるでロケットの如くユーベルーナへ『脚で跳んだ』ひさぎ。
ユーベルーナはギョッとした表情で無意識に後ろへ下がるが、
「遅い」
ひさぎの一太刀をもろに受けてしまった。
「おー、さっすがヒサギン。いいセンスだ」
アドがひさぎを見ていう。
ユーベルーナが………否、ライザー含む眷属たちが僕ら『人間』にたいして油断してくれたからこそできた芸当だ。
まさか人間が地上から高さ目測30メートルまで『足で跳ぶ』なんて誰が予想できようか。
これでライザーの『女王』を撃退できたと思ったら、ライザーの『僧侶』にして妹であるレイヴェル・フェニックスが何やら小瓶のようなものを出してユーベルーナに振りかける。
するとどうだろう。
ユーベルーナが何事もなかったかのように復活したのだ。
「全回復?………まさか姫島先輩を倒したのって…」
「ご明察ですわ。これはフェニックスの涙。我がフェニックスに伝わる秘薬でして、使用すれば体力といかなる傷も治るものですわ。そちらだって、『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を持つ者がいるでしょう?それにちゃんとルールにも記載されてますわ。『フェニックスの涙はゲームに参加する悪魔二名までしか所持できない』――――――と。あまりに強力なので規制されてしまいましたけどね。それに私達の一族の涙は高値で取り引きされますのよ。おかげでフェニックス家の財政はとっても潤ってますわ。そして今、あなた方が相手をしてるのは『不死鳥』。どんなに絶対の力を持っていても不死身が相手ではどうしようもありませんわ。不死身と涙、私達の自慢でしてよ」
自慢げにフェニックスの自信を披露するレイヴェル・フェニックス。
これこそがライザーにとっての強い自信となってているとのことだ。
「回復手段は流石にあるだろうなと思っていたけど………」
「ポーションではなくエリクサーだった件」
「それな。姫島先輩もフェニックスの涙を使われたことでやられてしまったってわけだ」
ゲームにおいて回復手段は貴重だ。
体力が減り、ピンチになってしまっても回復アイテムを使えば元気になり、再び戦えることができる。
一部では最高級のアイテムを使うのを惜しんでそのまま放置する人もいるが。
「でも勝てないわけじゃない。レイヴェルさんだっけ?このゲームではフェニックスの涙は悪魔二名、つまり1チーム二つまで所持が認められている。姫島先輩の戦いで一つ、そして来栖崎とで一つ。つまり貴重な回復手段は無くなってしまったってわけだ」
「………ええそうですわ。フェニックスの涙はもう手元にはありません。ですが私たちの優位性は変わることはありませんもの」
レイヴェルさんはムッとしたもののそれでも自信をあらわにする。
「その通りです。先程は驚きましたが、今度はそうはいきません」
復活したユーベルーナが一瞬にして高いところへ陣取った。
しかも前より高い位置に。
「私自身この名前は好きではないが、『爆裂女王(ボムクイーン)』と呼ばれた私の力を見せてあげましょう」
ユーベルーナの杖から魔力の高まりを感じる。
塔城ちゃんや木場のように僕らを吹っ飛ばすつもりだ。
けど僕は不適に笑って見せた。
「誰か一人を忘れていませんか?」
僕の一言に疑問符を浮かべるユーベルーナとレイヴェルさんだが、それを思い知るのはユーベルーナの胸にとんっと何かが刺さってからだ。
そう、魔力で作られた弓矢だ。
「塔城くん、姫島君、木場君の仇さ」
そしてその弓矢を放ったのは礼音さんだ。
「不覚…!無念…」
『ライザー・フェニックス様の女王一名、リタイア』
こうしてライザー陣営は王であるライザーとその妹レイヴェルさんのみ。
というよりレイヴェルさんは実質形だけ眷属という戦力外の立ち位置なため残るはライザー一人なのだ。
「ナイスアシストです」
「気にするな。アシストは得意分野なのだ」
「よし、先に向かったイッセーと合流しよう」
と僕らがライザーと戦おうとしたその時、
「あー、サンちゃん。どうも言いづらいんだけどさ………」
アドが困惑したような表情でこっちを見ている。
通信機を耳に当てていることはきっと百喰からの通信だ。
しかしアドのその表情………嫌な予感がした。
「リーアちゃん、降参するってさ」
『リアス・グレモリーさまの投了(リザイン)を確認。ライザー・フェニックスさまの勝利です』
それはグレモリーチームのみならず、ポートラルチームの敗北でもあった。