どうやら赤馬零王は今日帰還したらしい。
正確な日付までは知らされていないのだが僕にはすぐにわかった。何故か?
僕の眼下、デュエルアカデミアの中庭で世怜奈がデュエルしているのをまた脱走したのかと思いながら見ていたらそこにメガネをかけた銀髪の少年が現れたからだ。
「あれが赤馬零児かな?・・へぇ赤馬零王と魂の波長が似ているって?じゃあ赤馬零児で間違いなさそうだね。」
実体化しているルビーがそう教えてくれた。・・その後ルビーと戯れていたらいつのまにか中庭には誰も居なくなっていた。
「原作通りの展開になったということはスタンダード次元も原作通りかそれに近い展開を期待しても良いかな。」
赤馬零児が原作通りかそれに近いのを確認出来たのは大きな収穫だ。そもそも赤馬零児が赤馬零王を止めようしなければ主人公達は融合次元に対して抵抗出来ないだろう。
これで僕もある程度安心できる・・本当に赤馬零児が原作とそんなに変わらなさそうで良かった。
最悪悪役の奴らを片っ端からカード化するしかないと思っていたから。そうなった場合悪役の派閥にずっと狙われて殺伐とした人生をおくるしかなくなる。
「そうなる可能性が低そうで良かった・・」
〜〜〜時は過ぎ約2年後〜〜〜
「僕が先遣隊ですかぁ?」
「そうだ。しかし貴様だけではなくもう1人いる。」
あれから約2年、原作改変に向けて様々な対策を講じていた日々の中赤馬零王に呼び出された。
「まあ僕だけに任せる訳がないですからそれは別にどうでもいいですけれどぉ・・先遣隊って何の先遣隊なのですかねぇ?」
「エクシーズ次元侵略だ。」
「! へぇ、いよいよアークエリア計画が始動する訳ですかぁ?」
「そうだ。そして貴様ともう1人には侵略開始の合図ともう1つ、ある人物を探し出してもらう。」
ブォン
「! 世怜奈?」
「フッ・・そうだ、彼女と同じ顔の少女だ。」
映し出されたのは世怜奈の写真だった。
まだ黒咲瑠璃の写真はないのか?そもそも見つけられていない?
「僕に世怜奈と同じ顔の少女を探せとはずいぶんといい趣味してますねぇ?」
「貴様なら見つけやすいだろう?」
「ちっ・・名前や場所はわかっているんでしょうねぇ?」
「不明だ。ハートランドの何処かに居るだろう。」
「そこまでしかわかってないんですかぁ?調査し直したらどうですぅ?」
「まだことを荒だてる訳にはいかん。それ以上は先遣隊に任せることにした。」
任せるってただの嫌がらせじゃねーか!計画に問題ない程度にちょくちょく嫌がらせしてきやがって!どんだけ僕のこと嫌いなんだよ!僕も舐め腐った丁寧語使うぐらいにはあんたのこと嫌いだよ!
「ふぅん・・調査の際に注意することは何かありますかぁ?」
「世怜奈と同じ顔の少女の近くには貴様と同じ顔の少年がいる可能性が高い。貴様は顔を見られると騒ぎが起きるかも知れんな?」
「へぇ・・僕と同じ顔とはぁ、大層イケメンな少年がエクシーズ次元にも居るんですねぇ。それでは僕は表立って動く訳ではなくもう1人の補佐をしろということでよろしいですかぁ?」
「・・そうだ。少女を探し出した後、侵略開始の準備が整うまでの期間は少女周辺の調査を貴様にはしてもらう。もう1人は少女に接触してもらう予定だ。」
「僕の任務に関しては問題ないからいいですけれどぉ、接触なんてして大丈夫なんですかねぇ?」
「問題ない、そういう人材を選んだ。もう1人には既に任務内容を伝え、別室で貴様が来るのを待機させている。貴様はもう1人と合流後アカデミアで3日間を共に過ごしてもらう。」
「その後エクシーズ次元に跳ぶということですかぁ。3日間共に過ごすってぇ、寝泊まりは勿論別でいいんですよねぇ?」
「ああ、勿論貴様の部屋で寝泊まりしてもらう。もう1人はこの任務のためにアカデミアに戻ってきたのでな、部屋がない。だから既に3日間貴様の部屋で過ごせと命令してある、安心しろ。」
「・・・承知しましたぁ。ではぁ、別室で待機している奴と合流しますぅ。失礼しましたぁ。」
安心できるかぁ!!!?
コンコンコン
「!今開けま・・」
ガチャ
「君がもう1人の先遣隊?僕は如月遊利、君の名前は?」
スタスタスタ、ボフッ
「ワオ、君がデュエルアカデミア最強と名高い如月遊利かい?僕はデニス・マックフィールド、デニスって呼んでよ!君のことは遊利って呼んでいいかい?」
「好きにしなよ。」
デニス強えぇ、返事も聞かずに部屋に押し入りソファに座った僕と平然と会話しやがった。マウント取りにいったのに取れなかったんですけれど!
「この後のことは聞いてるよね?」
「アア、勿論さ!3日間遊利の部屋にお邪魔するってね!」
「なら一先ずその邪魔な荷物を置きに行こうか。付いてきなよ。」
「オーケー!」
部屋に着くまで暇だったので話を振ってみる。
「君「デニス」・・デニスは任務のためにアカデミアに戻ってきたって聞いたけれどそれまで何してたのさ?」
「オウ!僕に興味津々かい?「殴るぞ」痛っ・・殴ってから言わないでよ、冗談だよ冗談、スタンダード次元に潜入中なのさ。」
「・・確かにデニスは潜入任務が得意そうだ、身をもって体感したよ。僕にここまで馴れ馴れしい奴は初めてだよ。」
「馴れ馴れしいって酷いなぁ。〜〜〜」
「〜〜〜」
「〜〜〜」
そうこうしていると部屋に着く。
「ここが僕の部屋。荷物は適当に好きな場所に置いていいよ。」
「オーケー!・・いつもあの量の階段を登っているなんて大変だね、でもその甲斐あって部屋は広いし景色も最高だ!」
「慣れれば問題ないよ、別に。」
「遊利これから予定は何かあるかい?」
「何もないけれど?」
「ならデュエルしようよ!アカデミア最強と名高い遊利と任務だって聞いてから楽しみにしてたんだ!」
「別にいいけれどもさっきも言ってたそのアカデミア最強っての僕初めて聞いたんだけれど、なにそれ?君、スタンダード次元に潜入中なのに何故そんなこと知ってるのさ?」
そんな噂聞いたことないけれど。
「何回か直接報告のためにデュエルアカデミアに帰還してるからね、その時に噂になってたのさ!プロフェッサー直属の部下の如月遊利が負けたところを見たことが無い、あいつはデュエルアカデミア最強なんじゃないかってね!」
「ふーん、そんな噂が流れてるとはね。そいつらが弱いだけでしょ。・・デニスもそうなのかな?」
「ワオ!それは心外だなぁ。なら僕のエンタメデュエルを見せてあげるよ!」
「エンタメ?なんだい、それは?」
「潜入先で見て感動してね。どんなものかはデュエルしてからのお楽しみさ!」
榊遊勝のデュエルかな?実際にエンタメデュエルを見るのは初めてだから期待しておこう。
「じゃあ1階下の倉庫に行こうか。そこはあまり物がないから自由に使えるよ。・・生活スペースにするには汚いけれどね。」
「ワッツ?もしかして遊利はそこで僕に寝泊まりしろっていうのかい!?」
「冗談だよ、ここに来るまでの仕返しさ。・・でもあまり僕をからかい過ぎるとそうなるかもね。」
「オウ!それは勘弁してよ、遊利。謝るからさ!」
こんな騒がしくもどこか心地よい3日間はあっという間に過ぎ、僕達はエクシーズ次元に跳んだのだった。
ここの遊利とデニスは3日間でお互いに気の許せる友人になりました。原作だとどうだったんだろう?