僕が目覚めた時、次元戦争終結から一ヶ月経っていた。
一連の騒動をそう呼称することは僕が目覚めた時丁度見舞いに来ていた遊矢に聞いた。
僕が目覚めない間に起きた出来事は見舞いに来た面々に聞いたところ、以下の通りとなる。
・赤馬零王以下教官達は逮捕された。
赤馬零の説得が成功したらしく、赤馬零王は特に抵抗することなく警察の連行されていったという。なお、教官達は抵抗したらしい。
・アカデミア生徒の処遇について。
アカデミア生徒の次元戦争における罪状は全て赤馬零王が自ら申し出て背負ったため、生徒の中で逮捕者は出なかったらしい。
「僕は赤馬零王達と同じく教官側の立場だから早く体調を整えて留置所で罪を償わないとね。」
「遊利も別に逮捕されないよ?」
「は?」
「だからさっき言っただろうが。あのハゲが生徒の罪は全部背負ったって。」
「お前もアカデミア生徒だろう。赤馬零王の側近の立場であってもだ。」
「・・あんなに僕を疎ましく思っていた赤馬零王が僕の罪まで?」
「それだけ零の説得がきいたんじゃないの?」
あの赤馬零王がねぇ。。
僕以外のアカデミア生徒は既にカウンセリングを受け、酷い状態のもの(主にオシリスレッド、ラーイエローの一部)は入院、軽い状態のものは自ら奉仕活動を申し出てハートランド住民の許可を取ったうえでハートランド復興作業に取り掛かっているらしい。
僕も体調が良くなればカウンセリングを受け、ハートランド復興の奉仕活動の許可をもらわないといけないな。
・デニスに託したことについて。
封印の黄金櫃に収めていた怪我人のカード達は順々にカード化を解かれて現在は全ての人が治療を受けていて既に退院した人もいるらしい。治療費は赤馬零児が全て支払い、僕の金には手を付けなかったという。
それを聞いた僕は取り敢えずデニスに電話で頼んで全額、ハートランド復興のための募金とかそういうところに突っ込んでもらった(デニスも便乗して全額突っ込んだらしい)。
その場にいた遊矢達は微妙な顔していたが・・・考えてみれば遊斗や瑠璃がいる前ですることでは無かったな、ハートランド侵略の実行犯が金で許されようとしているようにしか見えないものな。
(遊矢達は世怜奈が言っていた通りの行動をしたことにどう反応すれば良いか分からなかった為、微妙な顔をしていた。誰も微塵も遊利が考えている金で許されようと云々は思い浮かべていない。)
以上が僕が呑気に寝ていた時に起きた大きい出来事らしい。
一通り会話した後に医者が診察に来て僕は色々検査を受けないといけなくなった為、その迷惑にならないように遊矢達は帰っていった。その夜ベットでおとなしく横になっていたら、赤馬零児が訪ねてきた。
二人で話す為わざわざこの時間に来たそうだ。内容は世界を無理矢理統合した影響で今は比較的安定しているが今後世界各地に次元の綻びが出来る可能性が高く、その予兆が確認されたら僕に連絡を寄越すので現地に赴きサイコパワーで完全にふさいでほしいらしい。
特に断る理由も無く、むしろ僕がやらかした後始末を手伝わせるのに申し訳なく感じてしまう。取り敢えず退院後は連絡が来るまではハートランド復興作業の手伝いを(許可が出れば)することを伝えておいた。
取り急ぎ話したかったことは終了したので赤馬零児は帰っていった。
~~~時は経ち~~~
今日も今日とてハートランド復興作業に取り組んでいた僕に連絡が来た。
ついに次元の綻び、その予兆を感知したと。僕は他のアカデミア生徒に急用が出来たことを告げて急いでデュエルアカデミアの自室に戻ってきた。事前に準備した旅装備一式の最終確認をして問題ないことを確認して背負い部屋を出た。
「しばらく戻っては来れないだろうな。」
次元の綻びは次々と発生するだろうというのが研究者達の結論だそうだ。曰く、ズァークの強大なエネルギーで強引に安定させていたものがそのエネルギーが弱まり、以前の四つの世界に戻ろうとしていると。世界が統合された形で安定するようになるまで次元の綻びは発生し続けるが、その度に一つ一つ綻びを直していけばいずれ安定し、綻びも発生しなくなるらしい。
その日まで僕の贖罪の旅は続く。早々戻っては来れないが、特に問題はないだろう。
そんな風に考え事に集中しすぎた為だろうか、今一番会いたくない人に見つかったようだ。
「そんな恰好で何処に行こうというのだ、遊利?」
「やあ。こんなところで奇遇だね。」
「質問に答えろ!」
「君には関係のないことだよ。」
「だから質問に答えろ!何処へ行く気だ!」
「ちょっと遠出するだけさ。」
「なら私も連れていけ。」
「何で?」
「あの約束を忘れたのか、秘密の砂浜で約束しただろう?」
「さあ?五歳の時の約束なんて覚えていないなぁ。」
「覚えているじゃないか!?」
「・・君を連れて行くわけにはいかない。」
「理由を教えろ。」
「・・これは僕の贖罪の旅だ、だから君には関係ないよ。」
「贖罪というのなら、私もアカデミアだ!連れて行け!」
「・・はぁ。じゃあ僕にデュエルで勝てたらいいよ。」
「言ったな!」
「デュエルするのは一回だけ、君が負けてもう一回といってもしない。その時は適当にその辺に縛り付けるから。」
「私が勝つから問題ないな。」
「君、僕に勝ったことないでしょ。なんでそんなに自信満々なわけ?」
「今日は私が勝つからだ!!」
「・・全く昔と何も変わらないねぇそういうところは。」
「遊利もそういうめんどくさいところは変わらないな!さあ、構えろ!」
「「デュエル!!」」
これで完結となります。
ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました!