遊戯王ARC-Vのあいつに憑依転生   作:バ・シヨウ

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更新です。

前回の話でカードの効果の間違いを修正したためデュエル終了までの展開が少し変わっています。

今回の話には影響はないですが修正後を読んでない方は良かったら前回の話を読んで下さい。


第6話 世怜奈と過ごす日々 その2

 

世怜奈との出会いから1週間経ったあの日以降も僕と世怜奈はそれぞれデュエルアカデミアの教育プログラムを受けながら、秘密の砂浜で交流を続けていた。

 

流石に毎日会うことはなかった。僕は教育プログラムの他にもサイコパワーの実験もあったし、世怜奈も世怜奈で何かしら用事があったときは秘密の砂浜に来ていないらしい。交流していく中で世怜奈がそう言っていた。

 

お互い暇な時に秘密の砂浜に来て暇を潰していて、タイミング良く相手が来たら交流している感じだった。その割には良く会うけれどね・・

 

 

 

 

そんな日々の中僕と世怜奈はデュエルだけではなく、普通に話をして過ごす時もあった。

 

ある日は、

 

 

「このデュエルアカデミアがある島の外はどんな風になっているんだろうか?」

「どうしたんだい?藪からスティックに・・」

「藪からスティック?」

「ゴ、ゴホンゴホン!(しまった!つい前世のふざけた対応をしてしまった。)できれば気にしないでほしいな、今のは。」

「むっ、遊利がそういうのなら忘れてやろう。」

「ありがと。それでいきなりどうしたのさ?」

「あぁ、前に話したと思うが私にはデュエルアカデミアに来る前の記憶がないからな。遊利はあるのだろう?だから教えてもらいたくてな。」

「そういうことね。まあ、それくらいならお安い御用だね。だけど外の世界の何を知りたいの?」

「全部だ!!」

「全部って君ねぇ・・何を話せばいいのか分からないから聞いてるのにそれじゃあどうすればいいのさ?」

「なら遊利が好きだったことを教えてくれ!」

「好きなことねぇ・・(僕も自我がはっきりしたのはデュエルアカデミアに来てからだからなぁ。まぁ前世で好きだったことをぼかしながら言えば大丈夫か・・・)アニメとかかな。」

「アニメ?」

「どう説明すれば分かるかな?うーん世怜奈は絵本は見たことある?」

「ああ、あるぞ。桃太郎が好きだぞ、私は。」

 

 

どちらかというと男の子向けの絵本では?あるかは分からないけれども女の子はシンデレラとか白雪姫とかが好きなのでは?世怜奈らしいといえばらしいけれども・・

 

 

「簡単に言うと桃太郎の絵が動いて喋るのさ、アニメだと。」

「うーむイメージが・・」

「うーんあれだ!教育プログラムの赤馬零王の演説あるだろ?あれは赤馬零王が実際には目の前にいないのに動いて喋るだろ?赤馬零王の代わりに桃太郎の姿を思い浮かべてみてよ。僕が桃太郎のセリフを適当に言うからさ。」

「赤馬零王を桃太郎に・・」

「僕の名前は桃太郎。これから鬼退治に行くのさ。」

「おお、なんとなくアニメがどんなものかわかってきたぞ!」

「それは良かったよ。・・・」

「ほうほう、・・・」

 

 

 

 

またある日は、

 

 

「はぁ〜、美味しいご飯が食べたい・・」

「なんだ?遊利のご飯は美味しくないのか?」

「いや食べてる物は一緒だと思うよ。世怜奈は昨日の夕食は○○だったかい?」

「ああ、○○だったぞ。食べてる物は一緒か・・なのに遊利は美味しくないのか?何故だ?」

 

 

思わずポロっと愚痴をこぼしてしまった・・うーんこれは世怜奈に言っても大丈夫なのかな?いや、勝手に同情するのは良くないか・・・

 

 

「僕はデュエルアカデミアに来る前の記憶があるからね、まあ親の作ったご飯とかお店のご飯が美味しかったのを覚えているのさ。それに比べるとデュエルアカデミアのご飯はねちょっとね・・・」

「ほーうそうなのか!デュエルアカデミアの外には美味しいご飯が沢山あるのか!それは食べてみたいな!」

「ふふっ、世怜奈は可愛いなぁ・・」

「な、何だ!いきなりそういうことを言うなと言っているだろう!」

「別に良いじゃないか?褒めてるんだから。」

「そういう問題ではない!大体お前は・・・」

「はいはい、ごめんて・・・」

 

 

 

 

世怜奈と出会ってからおよそ1ヶ月経った今日はこんな話をしたな。

 

 

「むう・・」

「どうしたんだい?なんか悩みでもあるのかい?」

「別に悩みという程ではない。ただ髪が伸びてきたなと思ってな。」

「そうだね。肩にかかるぐらいに伸びてるね。嫌なのかい?長いのは?」

「嫌というわけでもない。ただ鬱陶しくないか、長いと?」

「ええー、鬱陶しいなんてそんな訳ないよ。可愛いだけだよ。」

「ッ、だからいきなりそういうことを言うなと言っているだろう!」

「だって世怜奈が可愛いからさぁ。」

「お前という奴は・・」

「ふふっごめんねぇ、世怜奈は打てば響くからさぁ。」

「それで謝っているつもりか、遊利?」

「いや、全然。」

「ッ、貴様ぁ!!」

「おっと少し揶揄い過ぎたようだね。」

「遊利!逃げるな!大人しく殴らせろ!!」

「ごめんて、流石に悪いと思ってるよ。だから許して欲しいなぁなんて。」

「許さんっ!!!」

 

 

それからしばらく追いかけっこが続いた。

 

 

「「はぁはぁ・・」」

 

 

僕達は疲れ果てて砂浜に寝転がった。

 

 

「いやー、疲れたねぇ。」

「誰のせいだと思ってる・・」

「うーん僕かな?」

「お前以外なわけないだろうが・・」

「いやー世怜奈が揶揄いやすいからやり過ぎちゃったよ。」

「お前、反省してないな?」

「いや反省はしてるよ、後悔はしてないけれど。」

「なお悪い!!」

「お詫びにプレゼントあげるからさ、許してほしいな。」

「それはプレゼントの内容によるな。」

「世怜奈の期待に応えられるようにするよ。じゃあ今日の夜にまたここに来れるかい?」

「今日の夜だな?楽しみに待ってるぞ。」

 

 

 

 

そんな訳で夜の秘密の砂浜に僕は訪れた。砂浜は月明かりに照らされて結構明るい、これなら世怜奈が来たらすぐ分かるかな?

周囲を見渡したけれどどうやら世怜奈はまだ来ていないようだ・・・と思っていたら丁度来たようだ。

 

 

「待たせたか?」

「いや、今来たとこさ。」

 

 

うーん5歳にしてこの男前な感じ・・これが原作通りに成長するとデュエル脳全開のポンコツになるのか・・何故だろう?洗脳じみた教育のせいか?

 

「夜になると星が凄いな・・」

「世怜奈は夜にここに来るのは初めてかい?」

「ああ、日がある時にしかここに来たことはなかった。こんな凄いなら教えて欲しかったぞ?」

「いやー世怜奈が夜に来たことが無いって知らなかったからさ、てっきり来たことがあるものだと思ってたよ。」

「それなら仕方ないか・・さて、星も凄いが遊利!プレゼントはちゃんと持って来たのだろうな!」

「楽しみにしてくれてたのは嬉しいけどさ・・もうちょっと星とか海とか夜景を楽しもうよ・・・」

「楽しんでるさ!でもプレゼントを貰えるなんて初めてだからな!!そっちの方が楽しみだ!!」

 

 

そうか・・世怜奈は物心ついた頃からデュエルアカデミアに居るからプレゼントを貰ったことが無いのか・・これは責任重大だな、喜んでくれるといいな。

 

 

「それなら早速だけどプレゼントを渡そうかな。」

「おお!開けていいか!?」

「いいよ。」

 

 

世怜奈が開けた箱から出したのは黄色いリボンだ。原作でのイメージがあったからかな?髪が長いのが鬱陶しいならまとめるものをあげようと思った時もう黄色いリボンしか思いつかなかった。

 

何故、僕がその日の内に黄色いリボンを用意出来たのかって?答えは簡単、母親の形見だからだ。どうやら母さんは父さんにリボンをプレゼントされてから色んな色のリボンをつけるようになったようだ。

 

僕は男だから使うことはほとんどないだろうから形見は重いかなとも思った。けれど使わないよりは使ってもらった方が母さんも嬉しいだろうと思う。

 

 

「どうだい?今日、髪が長くて鬱陶しいって言っていただろう?だから髪をまとめるものがいいかなと思ってね。」

「可愛いな!色んな色がある!本当に貰って良いのか!?」

「僕が持っていても使うことは無いと思うから、そのリボンも使ってもらった方が良いと思ってね。だから貰ってくれると嬉しいな。」

「ありがとう!遊利!・・でも使うことが無いなら何故こんなに持っているんだ?」

「あぁ、気にするなっていうのも無理かも知れないけれど母さんの形見なんだ・・そのリボンは。」

「むっ、そんな大事な物を本当に貰って良いのか?」

「ああ、繰り返しになるけれど使わないよりは母さんも使ってもらった方が喜ぶさ。」

「そうか・・大事に使わせてもらおう。」

「早速付けてみるかい?」

「ああ!じゃあこの黄色いリボンで頼む!」

 

 

見様見真似の上うろ覚えだけど上手く出来るかな?・・なんとかなったな・・

 

 

「こんな感じかな?ほら鏡。」

「おおー凄いな!スッキリした。どうだ遊利!可愛いだろう!!」

「うん、可愛いよ世怜奈。」

 

 

ドヤ顔で可愛いだろうって聞いてきたから素直に可愛いって言ったら顔真っ赤っかにして照れてしまった。可愛いなぁ。

 

 

「ッ、ッ、そ、そうだ!私も自分で結べるように教えてくれ!」

「もう感想は言わなくていいのかい?」

「感想はもういい!」

「ふふっ結び方ね。世怜奈なら直ぐに覚えられるさ。」

 

 

2、3回で世怜奈は結び方を覚えた。それから2人で隣同士で座って月や星や海などの夜景を見ていたら唐突に世怜奈が立ち上がって言った。

 

 

「良いことを思いついたぞ!大きくなったら2人で外の世界を旅しよう!」

「どうしたんだい?藪から「スティックに?」ぼ・・それは忘れてって言ったでしょ!それで本当にどうしたのさ?」

「遊利には本当に素敵なプレゼントを貰ったからな!私もお返しに何か出来ないかと思ってな!」

「それがどうして外の世界で2人旅に?」

「外の世界には楽しいものも美味しいものも沢山あるのだろう!?だから2人で旅して色んなものを私と一緒に見よう、食べよう!きっと楽しいぞ!!」

「僕の方が知ってるのにお返しになるのかい?」

「ああ、私との2人旅だと言っただろう!お返しは旅の途中でするさ!

だから、遊利!!私と一緒に旅しようじゃないか!!」

 

 

その笑顔は反則でしょ・・そんな笑顔で言われたら断れないじゃないか、断る理由もないけれどね。

 

 

「そうだね。それはとても楽しそうだね。」

「じゃあ、約束だ!私と遊利だけの秘密だぞ!!」

「分かったよ、2人だけの秘密ね。」

「「嘘ついたら針千本飲〜ます!指切った!」」

「約束だぞ!」

「約束だね。」

 

 

あぁもう認めるしかないかな・・僕はまだ小さい女の子にすっかりやられてしまったようだ・・まさか僕がロリコンだったとはね。

 

 

「もう寝る時間だね。詳しい話は明日かな?」

「そうだな!明日の午後から詳しい話をするからな!絶対に来るのだぞ遊利!」

「ふふっそんなに強く言わなくていいよ。じゃあお休み、世怜奈。」

「お休み、遊利!」

 

 

こんな日々が明日からもずっと続くと思っていた・・・そんな訳がないと分かっていたはずなのに・・・

 

 

 

 

次の日世怜奈は来ず、世怜奈を待っていた僕の背後からまさかの人物から声をかけられた。

 

 

「世怜奈なら来ないぞ、遊利」

 

 




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