「世怜奈なら来ないぞ、遊利」
僕の背後からそう声をかけてきたのは赤馬零王だった。
「・・・何故貴方が此処に居る、赤馬零王?」
「呼び捨てとはな、何故そんなに敵対的なのか・・本当にそんなことが聞きたいのか、遊利?」
いや、アンタもだいぶ敵意高いぞ・・
「名前で呼ばないでほしいな・・ならこう聞き直すとしよう。何故世怜奈が来ないと貴方が知っている?」
「如月遊利、お前はもう分かっているのだろう?」
「世怜奈に何をした!?」
「何もしていないさ。まだな。」
コイツ!露骨に脅してきやがった!
「何が目的だ?」
「歳の割に話がはやいな、お前の持つ特殊な力の恩恵か?」
違います、前世の記憶があるからです。・・なんてふざけている場合ではない!
「答えろ!」
「・・ついてこい。」
結局何も答えてないぞこのハゲ!?このハゲの言葉を信じるならまだ世怜奈は無事なはずだ!・・・落ち着け・・落ち着くんだ如月遊利!
ここで下手を打てば世怜奈がどうなるか分からない、おとなしくついていくしかない。
・・・建物に入り、地下に降りた後しばらく歩いた時にその扉は見えた。金属製のいかにも頑丈そうな扉だ。扉の前に人が1人立っている。見たことがない、恐らく赤馬零王の部下だろう。
「この扉の先にお前の大好きな世怜奈もいるぞ。」
「・・・」
「応える余裕もないか、だいぶ必死だな。」
扉の前に立っていた部下が扉を開ける。中に入る赤馬零王に続いて僕も入り、最後に部下が入り扉を閉めて鍵をかけた。
部屋には何も置かれておらず、時計すらない。あるのは監視カメラが1台だけで窓すらない。
そして僕は部屋の奥で赤馬零王の部下2人に挟まれた状態で椅子に座っている世怜奈を見つけた。世怜奈は両手を後ろで縛られ、椅子にも縛りつけられているが見た感じ怪我はしていないように見える。
「世怜奈!!」
「遊利!!」
「世怜奈!無事か!怪我してないか!?」
「ああ!拘束されていること以外は問題ない!それよりすまない、私が捕まった所為でこんなことに・・」
「世怜奈の所為じゃないさ・・気にしたら駄目だよ。」
「そうだな、世怜奈の所為ではなくお前の所為だ!如月遊利!」
「なっ!遊利の所為とはどういうことだ!赤馬零王!」
「昨日デュエルアカデミアに帰還した後報告を受けた。最近の世怜奈の様子がおかしいとな。世怜奈の優秀な学習能力により予定より順調に進んでいた教育プログラムやデュエルアカデミアに不信感を抱いている。その原因を探るべく世怜奈を泳がしつつ監視しろと命令した結果、日中に部屋を抜け出しあの砂浜で如月遊利、貴様と会っていることが分かった。
そして世怜奈の様子がおかしくなったと同時に如月遊利の表情が豊かになり実験での出力も安定しているとの報告も受けた。そこに居る研究員からな。」
そう言われて僕は赤馬零王の部下3人の他に白衣を着た男を見つけた。部下に隠れるような場所に立っていたので気がつかなかった・・あの男はサイコパワーの実験の責任者のようで指示を色々出していた。あの男、実験中だけでなく普段の僕のこともある程度知っていたとは・・
他にもまだ見つけていない奴が居ないか気づかれないように見たがこの部屋にいるのは僕、世怜奈、赤馬零王、白衣の男、赤馬零王の部下3人の計7人らしい。
「2つの報告に加えて昨日の日中での貴様と世怜奈の会話の様子から世怜奈の様子がおかしくなったのは貴様が原因だと推測した。・・・今の様子を察するにどうやらこの推測は正しかったようだ。」
「・・・」
「困るのだよ。将来有望なデュエル戦士に余計なことをしてもらってはな。」
違う。それが建前なのはこの場で赤馬零王と僕だけが知っている。赤馬零王さえ僕が知っていることを知らないだろう。僕が前世の記憶(原作知識)という反則的なものを持っているとは予想すらできないであろう。
レイに再び会うため世怜奈が自分に忠実な兵士でいた方が都合が良い。僕のことはズァークのこともあり、計画の邪魔だが消すまでは自分の手の届く範囲に置いて利用していきたいと赤馬零王は思っているのだと僕は思っていた。
「如月遊利、今回の余計なことをしでかしてくれた貴様には厳しい罰を与えるとしよう。」
僕はデュエルアカデミアを赤馬零王を甘く見ていた、これからはお互いに監視がつき教育プログラムが厳しくなり世怜奈と会えないとかそんな程度(僕にとってはそんな程度ですませられない大事だが)で終わると思っていた。
赤馬零王の次の言葉を聞くまでは・・・
「貴様にはこれから世怜奈を洗脳してもらう。」
初めて2000文字変えなかったなぁ。
ソシャゲが忙しいからなぁ(言い訳)。