何回目かわからない人理修復   作:妄想の産物

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プロローグ −前日譚?

プロローグ

 

いつも通りのありふれた日常の風景、そう形容する以外に特徴のない十字路でそれは起きた。端的に言えば、ただの交通事故である。

 事故にあい、追突された軽自動車は横転、左側面は大きく凹み、電柱にぶつかることでようやく動きを止める。中の状況はフロントガラスにこべりつく血の量と、むせかえるような臭いから車の中の人間の状態がどんなものか想像できるだろう。

しばらくして、信号を無視し、追突してきた車は運転手の焦りからか慌てるようにその場から去っていった。

 

横転する車の中で唯一意識があった男は朦朧とする意識のなか、笑う。

「成人式など行くべきではなかった」

 男はそう誰にも聞かれることのない独り言をぼそりと呟く。割れたガラスの一部が運悪く首を切ったのかとめどなく血が流れ、視界は赤に染まる。

 

 男は嫌な予感のようなものが、この日の外出をやめるべきだと告げていた。男の感は良く当たることは友人達にとって周知の事実であった。例をあげるなら地震を一ヶ月前から起きることを察知する、ガチャが爆死するかしないか引く前から知ることができる、殺人鬼の居場所を特定できるなどが例としてあげられる。

 友人曰く、男の悪い予感は外れたためしがないのだが、男の両親はそれに耳を貸さず、一生に一度しかない祝いの日だから、など適当にあしらいつつ、泣きながら外出を全力で拒否する男を家から追い出し、友人達に成人式の会場に連行させた。

 

 最近になって免許をとった友人の車に乗せられ、その成人式の帰り道、二次会を無視して直帰した時に追突された結果がこの事態である。男の視界に映るのは自分と同じく頭を打ち付けたのか流血し、腕があらぬ方向に曲がっている友人たち、幸い脈があり呼吸している、一応生きていることは確認できた男は自身の友人の安否を確認した後、ホッとため息をひとつ吐いた。

 

男は救急車に運ばれる中で、ゆっくりと息を引き取った。

 

死ぬ間際、耳障りな男とも女とも区別がつかない嘲笑が男の耳にしっかりと届いていた。

 

 

しばらくして、男は赤ん坊の肉体を得て二度目の生を得た。

 転生などと特殊な境遇に慣れ5歳になった男はニュースの情報の中から「冬木」という地名が存在していることを知る、彼はゆっくりと絶望の淵に立たされる。死の恐怖からか絶えず自己主張する腹痛に彼は生涯付き合うことになった。

 

…どうしてこうなってしまったのだろう

 

 気がつけば赤ん坊になっていて、一度死を経験した結果からか危険を察知する能力が強化されてしまったようで、どんな小さな危険でも察知できるようになった。他にも脳内に自分の直近の出来事ならどんな被害を負うのか未来の映像が見れるようになり、遠い未来の自分の不利益を痛みとして理解できるようにも。

 

 そして、自分は2016年にすごい、ものすごい嫌な予感がする。そしてその影響で身体中に激痛が走っていて、特に腹部に痛みが走るようになっていってしまった。結果、トイレから出られなくなってしまった。1日の生活のほとんどをトイレで過ごす毎日である。

無論、今も現在進行形でトイレに閉じこもっている。

 

……なんでこうなってしまったんだろう

 

 数分後、フローリングを一定の感覚で音を立てながら誰かがゆっくりとこちらに向かってくる。音の大きさからして、大人、何かスリッパのようなものを履いているためか音が鈍い。音の発生源はゆっくりと階段を上がりトイレの扉に立ち止まり、3回扉をノックする。

 

「お隣さんがご挨拶にきたから顔を出しにトイレからでてきなさい」

 

それは母親の声であった、なぜかこの母親が怖い。理由がわからないけれどなぜだか自分は生みの親であるはずの母親に恐怖を感じてしまっている。それは自分にとって二人目の母親というなかなか受け入れがたいという感情を抜きにしての話である。しかし、声の主、母親には愛されているというのは自覚はしている。無下にはできない、なので腹痛を我慢しながら素直にトイレから出る。

だがしかし、デジャブを感じる、なんか嫌な予感がするのだ、自分が生きるか死ぬかの大きなそれは大きな分岐点に立たされているようなそんな気がする。

 

「お母さん、またお腹痛くなってきたからトイレ行って来ていい?」

「いいからついてきなさい」

母親は我が子を慈しむような顔で優しく自分の手を握る、それは決して離れないような力加減で。母親の手に引かれながら自分は前へ前へと進んでいく、それに抗うことができず歩みを進めてしまう。

 

 自分の人生がなぜあそこで終えてしまったのか、その理由を理解していながらも前回と同じ行動をとってしまったのか、なぜ学習しないのかと自分に説教をしたくなる。このとき、母親を困らせるのを承知の上でトイレに引きこもっていればよかったのに…いや、どうあがいてもそのお隣さんに会うことになることは直感で理解はしている。けれど会いたくないという気持ちの方が強いのだ。

 

 玄関のドアを開けたその先には10歳になるかならないかの少年少女二人とその母親が立っている。黒髪、碧眼、整った容姿をもった少年と同様に整った顔をしている容姿、橙色の赤みがかった髪を左に結っている活発そうな少女。幼い頃から髪型とか変わらないらしい。少年と少女の姿を見て確信する、Fate/Grand Orderの世界だと

 

…とりあえず挨拶をした方がいいだろうか?

「…えっと、初めまして桐枝士門って言います…これからよろしく?」

「っ…初めまして!俺は藤丸立香、でこっちが藤丸双葉」

 自身を藤丸立香と名乗った少年が手招きして少女を近くに連れてくると双葉と呼ばれた女の子が士門に向かってお辞儀をする。

 

「士門はあの子達と仲良くするのよ」 

そう言って母親は藤丸の母親と会話を始める、どうやら子供の相手は子供にさせるらしく、そっちのけで大人同士の会話を楽しんでいるようだ。ぐだ男とぐだ子は興味深かそうにこちらを見ている。

 

 彼らの会話に適当に相槌を打って会話?をしながらも、今後の自分の身の振り方について考える。

とりあえず目の前の子供二人には極力かかわらない方針で動くべきだ。人理修復をぐだ男たちができたの敵の慢心故のものでかなり危険な綱渡りの連続で自分が関わっていいものではない。原作を改変することの危険性を考慮してそう結論づける。

そんなことを思考しながら初めてあったぐだ男になぜか抱きつかれている。初対面の少年にハグをする、さすが英霊たちと仲良くなれるコミュ力の持ち主、パーソナルスペースが狭い。だが、自分そっちの趣味はないです、抱きつかれるならぐだ子に抱きつかれたかった。前世の自分の親友も似たような人物だったことをうっすらと思い出す、といっても思い出したところでもう会うことはできないのだが。

 そんな無駄な思考をしながら視線を移動しぐだ子を見る。ぐだ子はぐだ子でなぜかこちらを見て目を凝らしている、俗にいうジト目というものをしている。どうしてだろうか?

 

 …というかこの世界には両方いるんですねぐだ男とぐだ子。人理修復を果たすのはどっちだろうか名前てきにぐだ男の方だろうか。

 

「…ねぇ」

ぐだ子がこちらを見てゆっくりと口を開く。

「カルデアって知ってる?」

 

人理修復に関わらないように生きようと決めた男、桐枝士門の人生はここから面倒事に巻き込まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




初投稿なので、勝手がよくわかりませんがのんびりやっていこうと思います。
主人公(オリ主)の扱いですが、基本炭鉱夫のカナリアみたいなポジションに落ち着くと思います。
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