兄のことを怒り部屋を飛び出してた優希は、暗い裏路地に迷い込んでしまい、悪人二人組に襲われそうになったところ、川内の助けがあってピンチを脱する。その時に歩けなかったこともあり優希はお姫様抱っこされて移動することになる。
それから10分後
裏路地から鎮守府広場まで優希をお姫様抱っこをして歩いてた川内は。
~川内side~
「だいぶ落ち着きました……川内さん、ありがとうございます///」
「もぅ、ヒヤヒヤしたんだからね!?」
私は、彼女が落ち着いてきたので一旦降ろしてから、少し怒った口調でいい寄りこう伝える。
「今度から出かけるときはちゃんと武器は持つこと、もしくは付き添いをつけること。
私との約束だよ! いいね?」
それにこんなに怒ったのはいつ以来だろう……。なんか妹たちを見てるみたいで、ほっとけないんだよね。
「は、はい」
彼女の返事を聞くと同時に私は手を差し出して約束をする。
「それじゃ、指切りね」
「うんっ、指切りだね」
指切りげんまん~嘘ついたら〜針千本〜やーせんする。指切った~♪
「ぇっ!?」
「ちょっと私らしいかもしれないけど、約束破っちゃ駄目だからね!」
そう言ったけど、ちょっと恥ずかしかったり。でも私らしい約束かなって! それに驚いてる彼女の顔も見れたし満足かな。
「う……約束は守ります///」
「提督? もう一つお願いがあるんだけど、手を繋いで歩こう?」
可愛らしいお願いでしょ? でもこうすれば、はぐれることもないだろうから良い提案だとは思うんだけどね。
「そ、そのくらいなら///」
「ふ~ふん♪」
ちょっと上機嫌に鼻歌交じりに彼女の手をつないで、(神通、那珂、今度は素敵で可愛い提督さんと一緒に過ごせるかな?)ってことを考えていると彼女からお願いごとをされることに。
「僕からも、ちょっとお願いが」
「なぁ~に?」
首を傾げながら、私ばっかりお願いするのも悪いから、聞いてあげないとねって思っていると。驚きの内容だった。
「僕に海上での戦い方教えてくれませんか?」
「なんだぁ~そんなことならおやす……ってはぁい!?」
いま、戦い方って言った? 言ったよねっ? 私の聞き間違いじゃないよねっ!? 提督が戦いに出るなんて。あぁ、彼女のお兄さんは、自ら戦いに出てたっけな……。
(兄妹は争えないものなのかな)って思いながら、なんでそんな危険な道を選ぶのかな? もう少し話を聞いてから判断しようと思った。
「えっ? 戦い方を?」
「うん、戦い方! 守られるだけは僕もイヤだから、それに以前は魔物ハンターやってたから、僕にだって出来るはず!」
「自惚れないで!」
「っ!?(びく!?)」
「その気持は嬉しいけど、戦いに出るってことは、死ぬかもしれないんだよ!!」
また私怒ってるね、その気持は嬉しいけど目の前で大事な人がいなくなるのはもっと辛いんだよ……。
「深海棲艦との戦闘は
「それは戦いが起こったら、どこにいても同じじゃないかな? 僕はまだ
少し前まで守られるだけの女の子かなって思ったけど……それは勘違いだったみたいだね。彼女の覚悟と想いを聞いて、私は認識を変えてこう答える。(提督も女の子じゃんっ!)て心の中でつっこみ。
「そこまでの覚悟があるなら、教えてあげなくもないけど……」
「けど……?」
『(これからの姉さんなら変えていけるはずだよ!)』
「!?」
ん?(今の声って誰の声……? 不思議な声が聞こえた気がしたけど……うん、見守っていてね!)不思議そうに見つめる彼女に改めて答えることにした。
「戦いたい気持ちは、分かったけど。やっぱりダメッ! 提督を危険な目にあわせたくないからね!」
あぁ……私、やっちゃったかな……こんなに感情を出すなんて……でも、私は気がついていた。ただの兵器じゃなく、人としての感情が残ってることに。彼女も引く気はないみたいでこう言ってきた。
~優希side~
「だったら、僕が危険な目に合わないように強くなればいいんだよね?」
未知なる敵と戦うのはちょっと怖いけど、僕なりの覚悟を見せないとね!
体は『女の子』になってるけど。心はまだ男としての部分が強いし、逃げちゃいけないと思うから。
「え!? その考え方は間違ってはないと思うけど、戦うことは怖くないの? 前任の提督とは大違いだね」
「戦うのが怖くないっていったら嘘になるけど、仲間と戦うのなら怖くないと思うし! ん? 前任の人?」
首を傾げながら。兄さんに聞いてた前任の提督のことを思い出していると。彼女からも説明を受けることに。
「そう、前任の提督は、初めは皆と仲良くしてくれるいい提督だったんだよ……。ある日から人が変わったかのように、来る日も来る日も。出撃の繰り返しをして、傷ついていく子達が増えていって……数多くいた艦娘たちもだんだん減っていき、秘書艦だった私は、そこまで被害は受けずにすんだけど、姉妹が……」
姉妹の話をしだす彼女は辛そうな表情を見せながらも、更に話を続けてくれたので僕は真剣な表情で聞くことにした。
「ほんとに、辛かったから……人である感情を捨てて兵器として、生きてく覚悟決めるしかなかったんだ」
「川内さん」
思わず彼女の名前を口に出してしまい。冷たい感情のない返事をくれたあとに、僕はこう伝える。
「なぁに?」
「それなら、川内さんはちゃんと人としての感情があると思います! 川内さんが感情を捨ててるっていうのなら……あの状況で、僕を助けないでしょ? 命令もなかったし、見捨てることだって出来たでしょ? それにこんな話もしなかったと思うし。前任の提督に恨みあるなら、なおさらね」
「あ……」
「それに……こんな状況も見てきてるよね」
僕も一応知識は持っているので、さっきの状況で捕まっていれば、どうなるかは知っている……。
『艦娘』さんたちだって例外じゃないはずだと思うし。
「……まぁ見てきてるよ……それが続くのがいやで暗号メールを送ったのも事実だから」
「そのメールを送った相手が僕の兄さんだったんだね」
兄さんなら、その暗号解いてすぐ行動するだろうなぁ(ちょっと調子に乗るとこもあるけど僕の誇りの兄さんだよ!)
「うん、そうなるのかな? ふぅ……なんか話ししてたらスッキリしたよ、提督、ありがとねっ!」
「それならよかった(にこっ)」
先程までの険悪なムードから一転して二人はいい表情を浮かべながら歩きだした。
一方その頃。あとから追いかけてたメンバーは。
ー物陰ー
部屋の改装を終えた桂は、先に追いかけていた『夕張』『青葉』と合流し、後を追ってここまで来ていた。見つからないように三人は隠れ、最初に夕張が言葉を発し、次に青葉で最後に桂がいい。
「優ちゃん無事だったけど、桂、この状況どうしよう?」
「いますぐ出ていきますっ??」
「いや、まだ様子見しておこうか?」
「?」
不思議そうに見つめる青葉をみながら桂は心の中でこう思う「(これは、優には大切な経験になるだろうな。だから今は口出しせずに見守るさ)」
「もしものときは、俺が止めに行く」
「もしもって……決闘になるときってこと!?」
「そうだ! 決闘だろうけど、あの二人ならそんな心配しなくて大丈夫だとは思うがな」
夕張が不安そうな言葉を言ってきたが、桂は二人が向かってる先を確信していたのか、止めに行くことはしなかった。
川内と優希の二人は演習場まで来ていた。
ー演習場ー
沈黙のときが続き、その沈黙を破ったのは優希の方だった。
~優希side~
「それじゃ川内さん、勝負しましょう! 僕が勝ったら海上での戦闘を教えてください! もし川内さんが勝ったら、僕はなんでもいうこと聞きます」
なんで『なんでも』って言ったんだろ……でも、そのくらい強い覚悟じゃないと勝負しても駄目な気がしたからだね。
「なんでもって言ったね? それはエッチなお願いも含めてだよね! 受けて立つよ!」(練度85)
「それも含めてのなんでも……です///」
えっと……そっちがメインじゃないよね!? そっちだったとしても、うんっ覚悟しておく。(僕の練度に関しては、体の変化もあって練度1だよ)
「それで、勝敗の決め方はどうするの?」
勢いで勝負しようとか言ったけど、勝負の仕方どうしよか……初めての経験だから迷っていると演習場の的が目に止まり『これだ!』って思って提案することにした。
「一発勝負の100m先の的の中心に近いほうが勝ちってルールでどうかな、武器は得意な武器でってことで」
「わかったよ! それなら私はクナイだね!」
「スフレ、アサルトライフル(89式5.56mm小銃)をお願いね」
僕が名前を呼ぶと使い魔の『スフレ』が現れて。手には『アサルトライフル』が握られていた。
通称は『ハチキュウ』とも呼ばれてるよ。僕専用にカスタムされてるので、射程と命中精度は一般的な銃よりは高いはず。
「アサルトライフルね、手入れは済ませてるからいつでも使えるよ!」
物陰で見守っている三人、桂は納得したような表情を浮かべながらこう言う。
「そんなことだとは思ったが、得意分野を持っていくあたりは流石だな!」
「え?? 得意分野って? 優ちゃんって射撃得意だったの?」
「あぁ、すごく得意だぞ! 俺も勝ったことないくらいだからな! ははは!」
桂は笑いながら、夕張にどや顔していたが……ただの弟自慢してるだけじゃないか……っと頭を抱えることにそれを見た夕張が声を発して。
「そういえば、桂も勝ったことないって言ってたことあったよねっ! それじゃ、この勝負は……?」
「きっと優が勝つとは思うがな……見守るとしよう」
「あの……止めなくてよかったんですか?」
「止めても無駄だと思うが? あの二人の真剣な目を見る限り、止めに入らないほうがいいぞ?」
桂の言葉を聞いた二人は頷き、そのまま三人は静かに見守ることにした。
深呼吸をしスフレを見つめていると優希はこう声をかけられる。
「ほら、肩の力抜いていつも通りにね?」
「スフレ、ありがとね!」
優希はスフレから受け取った『アサルトライフル』のセットをしてない。弾倉にある弾数を確認して、銃弾が一発なのを確認してセットしてコッキングしていつでも撃てる準備をして構える。
もちろん切り替えレバーは安全装置から単射モードに切り替えをしている。
優希の準備が終わるまで待ってた川内から声をかけられ。
「準備は出来たみたいね」
「はい、いつでも大丈夫です」
真剣な眼差しでスコープ越しに覗き。立った状態で銃を構え狙いをつけてる優希とその様子を静かに見守る物陰の三人。
『……(ゴクリ)』
「私から! さあ、仕掛けるよっ!!」(的に向かってクナイを投げる)
「ふぅ……狙い撃つよ!」
静寂な空間に「シュッ!」とクナイが空気を裂く音と「パンッ!」と一発の銃声と「カラン」と一個の薬莢が落ちる音がしていた。
先に投げてたのはクナイだったが、弾速が早いのか的に命中したときはほぼ同時だった。その時に優希はスフレの声が聞こえたような気がしていた。
「(だから大丈夫って言ったでしょ)」
結果を待っている優希と川内は、ただ的を見つめていた。
『……』
二人と演習場に沈黙の間が続き先に言葉を発してたのは物陰にいる三人の方で、最初に夕張で続くように青葉が声を出している。
~桂side~
「この勝負どっちが……?」
「普通に考えたら、川内さんのほうが有利だよね? いくら得意分野が射撃っていっても」
「まぁ普通に考えたらな。だけどよく見てみろよ!」
指をさしながら的を見つめ(100m先って優にとっては余裕過ぎたんじゃないか)って思っていた。
「ちょっと、桂!! あんたの目どうなってるの!?」
「青葉の目でもようやく見えますが、ひぇ……弟さんのはど真ん中ですか」
結果は、ライフル側の優希はど真ん中で、クナイ側の川内は中心から1cmのズレで計測を終えていた。
(ガサッ)「さっきは悪かった。ごめんな! 優、もう一度、この距離で撃ってみてもらえるか?」
俺は謝りながらも、一つ提案することにした。その提案は、400mの目標をセットする。
「いいけどっ……って兄さん、見てたの!? ん~400mって遠いね……もぅ(慣れた様子で弾倉を抜いて、銃弾を1発装填し「カチャ」とセットしてコッキング動作を入れて、膝をつき構え直している)」
そう言いながらも準備している優を見つめる。俺はその動作に思わず見とれていた。
「一応この武器の最大射程は500mだったはずだから、大丈夫だとは思うけど……」
これは流石に自信なさそうか? 完璧な精度じゃなくても、当てるだけでも褒めてやるべきだな。先程勝負してた彼女は、的を狙ってる優を隣から真剣な眼差しで見ていた。
(今の立ち位置は、こんな感じだな)
図:(左)桂 優 川 (右)
(少し後方に)夕 青
「……(無言で見つめ)」
「(400mかぁ……ちょっと、風までは、読みきれないけど、スコープで見る目標の位置よりちょっと高めに向けて、このくらいかな?)」
ん? 気にしてるのは風向きか? 今回は風は無いみたいだな。
「パンッ!」と銃声の後に空の薬莢が「カラン」と地面に落ちる音がしていた。
「(流石だな! ここまでの精度は俺でも無理だが……)」
声には出さず、結果を見ていた。その結果はというと、中心から誤差2cmの結果を指していたという。
正直なところ俺もびっくりしたが、紫苑と青葉はさらに驚いた様子でこう言う。
『あの距離を当てるだけでも凄いと思うんだけど!? それも誤差2cm!?』
「動かない目標だから出来たけど、兄さんこれでよかった?」
「ちょっと! 優ちゃん、簡単に言ってるけどいくら動かない目標でも普通無理だからねっ!」
「(パシャ)素敵な一枚撮らせてもらったよ!」
「えっ?? 写真撮ったの/// こ、今回はたまたまだからっ///(ライフルを置き、髪をかきあげている)」
照れた様子で髪をかきあげながら話しかけられて少し『ドキっ』としたのは秘密な……。
「あぁ、上出来だ! 川内さんも挑戦するか?」
「流石にあの距離はクナイじゃ無理だからっ!」
それもそうだよな……。「(でも川内さんのクナイで100mを、あの正確に当てるのは結構凄いと思うがな)」伝えようと思ったが心で止めておこう。
このあと優に借りたアサルトライフルで、俺と紫苑で試し撃ちしてみたんだが……結果は散々だったと言っておく。
~川内side~
「うぅ……私は勝てなかったってことか……」
あれ? 私泣いてる? 泣くつもりなんてなかったんだけど……涙が止まらない。
「川内さん、勝負ありがとうね」
「こちらこそ……ありがとぅ……ぐすぅ……ごめんなさい」
私は差し出された手を握っていた。負けたのは悔しいんだけど泣いてる理由はそこだけじゃないんだよねって思っていると彼女から声をかけられる。
「誰かのために、泣けるのはちゃんと感情があるって証拠だよ。それに今回、私が勝てたのは想いの力だと思います。勝てれば、川内さんの心を救えるかなって! そんな思いを込めて戦いましたから(ニコッ)」
(なにそれ!? ちょっとカッコつけ過ぎじゃない!?)って心の中で思いながら、彼女が持っていたハンカチで涙を拭かれることに少し恥ずかしさを覚えながらこう言った。
「あっ、ありがとっ。もしも私が勝ってたら、提督に酷いことしたかもしれないのに、それでもまだ……優しくしてくれるの?」
「負けたときは、僕もそれに答えるつもりだったよ/// 酷いことされることも覚悟できてたし」
「う……提督ってば、ズルい! ホントは私がそこまで出来ないことわかってたでしょ……?」
ちょっと心読まれてたみたいで恥ずかしかったけど同時に嬉しかった。向き合うってこういうことなのかな?
「確かにしないかなっては思ってたけど。(僕は受けても良かったかな、なんてっ心の中で秘めて)川内さん、今度は一緒に新しい鎮守府作っていこうね? みんなが笑って暮らせるような平和な場所目指してさ」
「……ぐすっ、はぃ……提督ぅ」
「川内さん」(ぎゅっ)
このときだけは、私は二人の時間をとっても優越な気持ちで過ごしていたのは秘密で……。
取り残されてた三人がこう叫んでいたのは聞こえてたんだけどね。
『俺(あたし)【青葉】たちって空気かぁ!!』
「あらあら♪(私のマスターって『フラグ』立てるの好きなのかしらね?)」
彼女の使い魔も満足そうな表情を見せて姿を消していた。
ちょっと大きな方向転換になってます。
そしてこのお話は前半を約束で、後半に一発勝負で分けるべきだったなと今になって後悔してます……。