女体化提督と新設新設鎮守府での7日間の物語   作:風見けい

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前回のあらすじ。

川内と約束をして一勝負をすることになった優希は、一番得意の射撃勝負で川内に勝ちその後に兄の提案したことも難なくこなす。

勝負の後川内は少し泣き出したのを優希が抱きしめる形で終わる。


第9話「兄妹の距離感」

ー演習場→執務室ー

 

一度みんなと別れたあと優希は。

 

執務室に向かうことに、場所は聞いてあるので迷うことはない。「こっちだよね」と呟き、歩きながら今日起きたことを振り返っていた。

 

~優希side~

 

「最初にお兄ちゃんと久しぶりに電話で話したと思ったら……『提督にならない?』と言われ、妖精さんと話して持ってきてたドリンクを飲んで女の子に!」

 

まだ女の子になったって実感はないんだけど……。

 

あ、ここが執務室かな? ドアをノックしてから「失礼しますっ」といって部屋に入り、部屋を見回した僕は立派な椅子と机を見つけ「座っても大丈夫かな?」と呟く。

 

ほんとに座ってもいいのかなって考えつつも、誰も見てないから座ってみて時間を確認してこう呟いた。

 

「今は18時かぁ。僕が提督に……? これも信じられないけど、頑張らなくっちゃね」

 

って思ってると、あれ……? 兄さんもここに座ってたのかな?

 

「少しお兄ちゃんの匂いがする気がする」

 

小さい頃からよく知ってる匂いだから安心するんだよね。(安心すると同時に眠くなっちゃうな……)って思いながら匂いを嗅いでる。

 

「ん~嫌いじゃない匂い♪」

 

えへっーんぅ~んって……はっ!!

 

僕は何をしてるんだろっ! こ、これは違うんだよ?? 別に変な気持ちになったとかじゃなくって、落ち着く匂いだからちょっと嗅いでただけだよっ///。

 

「焦ってなんかいないからっ!! ってこれ誰に言ってるんだろう……」

 

そんなことをしていると突然。

 

(トントン)

 

ドアをノックされて、びっくりして裏声で返事をしてしまう。

 

「ひゃぃ!?」

 

落ち着け僕……何でこんなに焦ってるんだろっ。焦りながら返事をしたので兄さんは疑問に思いながらもドア越しにこう声をかけてきた。

 

「ん?? 優か? 入るぞ!」

「え、お兄ちゃん?? ちょ、ちょっとまってね」

 

なんでこのタイミングで来るの! 制服とかは乱れてないよね? ただ慌てて座り直したときに間に合わずドアが開いて目が合う。

 

「これは、提督のマニュアルだ、大体のことは書いてあるから、よく読むんだ――って変な格好だな? それに顔赤いけど大丈夫か??」

 

駆け寄られ額に手を当てられながら熱を計られる。僕は顔を真っ赤にしながらこう答える。

 

「マニュアルありがとうね、椅子の座り心地を確かめてたら崩れちゃって……。熱はないからだいじょうぶ///」

 

どんな言い訳だろぅ……。ただ匂いを嗅いでたなんて絶対に言えないっ! そして、兄さんの顔が近いから……『どきどき』するんだけどっ。

 

~桂side~

 

「ん~確かに熱はなさそうだな」

 

自分のと比べながら続けてこう言う。

 

「今日の執務は、俺が終わらせておいたから、今日はゆっくり休むんだぞ!」

 

気がつくと俺は弟の頭を撫でていた。

 

「う、うん! ありがとう///」

 

照れながらも真剣にマニュアルに目を通してるが、それ逆向きだって思わずつっこみ。

 

「それ本の向き逆向きだからな」

「えっ? あっ、こっちね!」

 

慌てて本の向きを変えてる弟に微笑みながら小さな声で言った。

 

「ふふっ、ドジっ子かよ」

「今、笑ったでしょ!? それにドジっ子違うしっ!!」

「いや、笑ってないぞ~!」

 

そう否定するやつほどドジっ子なんだよって思いながらも口には出さずに、以前より可愛くなっている弟を見て、俺どう接すればいいんだよ……と戸惑うことになってた。

 

「もぅ……ばかっ……///(小声)」

 

小さい声だったので聞き取れなかったが、気にせずマニュアルを見てる弟の姿を眺めてると。

 

「えっと『秘書艦』とは、身の回りのお世話にパートナーとしての仕事??」

 

気になる単語を見つけたのか声に出して読んでる弟に少しからかうように声をかける。

 

「ふふっ、それも悪くはないぞ!」

「えっ、それって!?///」

 

勘違いしてるようだったので一応答えておく。

 

「基本的には、朝起こしてくれたりとかご飯作ってくれたりだぞ? 優、一体何を想像したんだよ?」(ニヤニヤ)

 

~優希side~

 

「べ、べつに、そんなこと想像してないから!!」

 

ごめんなさい。ホントはしました……。でも『女の子同士』だとエッチなことは起きないと思うけど。

 

だ、大丈夫だよね? 動揺しながら答えたので兄さんが怪しむ感じで聞いてきた。

 

「ほ・ん・とか??」

「ほ、ほんとだし///ってかそんなに見ないで////」

 

じーと見つめられて恥ずかしくなった僕は目を逸らそうとしたけど更にこう言われる。

 

「可愛い弟を見るのは兄の特権だぞ!」

「っ///!?」

 

どや顔しながら、何言ってるんだよ、兄さん! 可愛いって言われるのは嬉しいけど、そんなに可愛いはずないから! って思ってると近寄ってきて耳元でこう言われる。

 

「それと、優? 綺麗になったな(囁き)」

 

耳元でそんなこと言うの禁止! それに綺麗とか……嬉しさと戸惑いの気持ちで小声で答える。

 

「ふぇ……そんなことないよぉ///」

「(ふぅ~)」

 

そんな中、突然耳に息を吹きかけられて変な声が漏れる。

 

「ひゃんっ///!」(ぴくっ)

 

「優、これ気持ちいいのか?」

 

いまのって何!? こんなの知らないんだけどっ! 僕どうしたら……って思ってると頬をツンツンとされたので思わずこう答えた。

 

「はぅーもぅ頬、ツンツンしないでっ! でも……少し気持ち良かったかな///」

 

ちょっと戸惑いながらも素直な気持ちを伝えた。

 

「それじゃ、もう一回やってやるよ! (ふぅ~~)」

「ふぁっ~///」

「さて……優、横になれ!」

 

「はぃ!? いやいや、兄妹でそれは駄目だよぉ!!」

 

兄さん!? 何する気なのさって思ってると。

 

「勘違いするなよ? 小さい頃、好きだったろ? 耳かき! だからしてやるから、横になれってことさ!」(天井を見てウインクする)

 

兄さんが天井を見て何かをしてたような気はしたけど、僕はそれを確認する余裕はなかった。

 

一方、天井裏に隠れてた川内たちは。

 

~川内side~ 

 

 ー天井裏ー

 

「(任せてっ!)(パシャ)」

「(青葉、仕事早い! あ、私も撮っておく!)(パシャ)」

 

私も迷わずスマホで写真を撮る。

 

提督さんの意図がわかった私は、それと間違いを起こしそうになったら、止めに来てってことよね!(私でも……誰も見てなかったら抑えきれないと思うし)

 

「(こら二人共!! 写真撮らないの!)」

「(それじゃ、夕張はいらないのね?)」

「(う……欲しいです)」

 

夕張から注意を受けた私と青葉だったけど、青葉の言葉に少し迷いながらも返事をした彼女に青葉がこう言う。

 

「(素直でいいですねっ。それにしても……弟くんの表情ってなんか乙女だよねっ?)」

「(二人が仲良しだったのは、前から知ってるけど……今の優ちゃんって女の子になってるなぁ)」

「(提督って、お兄さんの前だとすごく乙女ね……むぅ……)」

 

この気持ちってなんだろ……ヤキモチじゃないんだよ! 多分……。難しい顔してたのか夕張から声をかけられる。

 

「(ん? 川内どうしたのっ?)」

「(いや、な、なんでもないよっ! ただちょっと兄妹の仲って羨ましいかなって思っただけだよ)」

 

私も提督とこんなに仲良く過ごすこと、出来るかなって思うのだった。

 

~桂side~ 

 

ー執務室ー

 

「ああっ! 耳かきね! よかったぁ///」

「ほら、膝枕してやるから、まずは右からな」

 

俺は、一度床に座り綿棒を用意して、ポンポンと膝を叩いてここに頭乗せるように促した。

 

「う、うん/// それじゃ、お兄ちゃん、優しくお願いします」

「ふっふっふ~どうしようかな?」

 

イタズラな笑みを浮かべながらも、優しく耳かきをしていき、時折聞こえる甘い声に耐えつつ俺は耳かきを続けていた。

 

「んぅ~ん///」

 

……そんな声出すなよなって思っていたがなんとか理性は保っている。

 

「右が終わったから次は左な!」

「はぁ~い///」

 

いい返事だが。ったく……(天井裏の三人がいるから理性を保ているが、無防備すぎるからな?)って思いながらも、静かな時間が流れていた。

 

 ー天井裏ー

 

「(提督は耳は弱いのね……覚えておこう)」

「(あたしたちが見てなかったら……手出してるよね、この状況は……)」

「(こ、これは……甘い時間ですねっ!)」

 

兄妹の時間を邪魔しないように三人はニヤニヤ見守っていた。

 

 




兄妹の距離感としてはちょっと近かったかな?

次回の更新は水曜日を予定してます。
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