女体化提督と新設新設鎮守府での7日間の物語   作:風見けい

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女体化した主人公の優希がお姉ちゃん(夕張)や艦娘たちとの出会いのお話。


第4話「艦娘との出会い」

~優希side~

 

 ー優希自宅ー

 

女の子になりたいって思ってた時期ありましたよ……。

男なら一度は、そう思うことあるんじゃないかな?

 

「はぁ……これ、誰にいってるんだろ……僕は」

「どうしたのぉ?」

 

不思議そうに見てくる妖精さんに苦笑いしながら、僕はこう答える。

 

「あはは……。ちょっとした、独り言ですよ」

「はい、それじゃ聞かなかったことにしておきますね! もう、準備は大丈夫ですか?」

「あ、すみません、準備は出来ましたよ。バイバイ(過去の思い出に向かって)」

 

荷物に『夜桜』も持ったし、帰ってくることはないけど戸締まりもしたから、うん。忘れ物はないよね。

 

「それじゃ、私の手を掴んでてくださいね」

 

妖精さんの手って小さくて可愛いなって思いながら返事をした。

 

「はい」

「ふふっ! 手は絶対離しちゃダメですからね」

「えっ? なんか怖いんだけど……大丈夫かな?」

 

不敵な笑みと絶対に離しちゃダメとか言われると不安になるよね。

 

「少し飛ぶだけですから、大丈夫ですよぉ」

「ん、少し飛ぶってなに?(目は閉じておこうっと)」

 

「それじゃ、いくよぉ!」

 

一瞬で飛び上がるこれって……どこかで見た事ある気がする。う~ん、どこでだろぅ。そんな事を思いながら本日2度目の悲鳴をあげる僕、今日はあと何回悲鳴をあげるのかな……?

 

「きゃぁぁぁ!」

 

 ー名無し鎮守府上空ー

 

『(午後の部です! ヒトサンマルマルヨ)』

 

「こういう反応見れるのも悪くないよねっ。こうして飛ぶのも。アッ……」

「今!『アッ』っていったよね? 聞き間違いじゃないよね!?」

 

「気のせいですよっ、それよりも落ちるからしっかり捕まっててくださいね」

「ぇ!? 落ちるって……え?」(手をぎゅっと握り)

  

「アッ、モウムリ……ササエキレナイヨォ!」(棒読みしながら手を離し)

「これは今日は厄日だよね絶対。もぅ! ばかぁぁぁ!!」(落下中)

 

ついてないときって、ほんとについてないよねっ。たしか、泣きっ面に蜂とかそんなことわざがあったよねっ?

 

『いやぁ~っぁぁ、こんなところで――』

 

こんな状況じゃなかったら対処できないこともないとは思うんだけど……。今の焦ってる状態じゃ、対処できないってばっ!!

 

時は少し戻って。

 

~桂side~

 

港に居た三人は、会話をしながら二人の到着を待っている。

 

「そろそろ来る頃だとは、思うんだが、まだかな?」

「桂ってば楽しみそうだね?」

「ほんと、司令官さん、楽しみそうですねっ!」

 

あたりまえだろ? 2年ぶりの再会だし、それにどう成長してるのかも楽しみにしている。

 

『いやぁ~っぁぁ、こんなところで――』

 

「ん? なんか悲鳴が聞こえたが、上か?」

 

声が聞こえた方を見上げると空から人が落ちてきてる状況を見て、紫苑が先にこう言うと青葉は医療班を呼ぶために医務室に向かって走り出していた。

 

「人が落ちてくる? ってこの高さ。いくら海とはいえ危険だよ……」

「青葉はとりあえず、医療班呼んでくるよっ!」

 

「あたしが行くっ!」

「まてっ! 夕張!」

 

俺が止める前に港に向かって走り出していた紫苑。普段より速い速度で落下地点まで海を駆けていたのが印象に残ってる。

 

「間に合ってね……。いや、絶対に間に合わせるんだからっ!」

 

『っと、私の出番は、今じゃないみたいね』

 

「短かったなぁ……。女の子になれた時間。兄さんとの約束守れそうにないや……」

 

(ぽちゃん)

 

ん? いま落ちたのって……優の荷物と刀か……? 「どうにか回収してやりたいところだが。どすっかなぁ……」と呟く。

 

「んしょ……間に合ったみたいね(ごめんねっ! 荷物までは持てないかもっ。優ちゃんを助けるのがやっとだからね)」

 

優(?)に紫苑も無事みたいだし、一安心だなって思いながらもこう言った。

 

「間に合ったみたいでよかったが……あれは誰だろう? まさか……優?」

「ゴメンナサイ、ちょっと失敗しました……」

 

「妖精さんおかえり。失敗は誰にでもあるさ。そして一つ疑問なんだが……夕張の抱っこしてる子はまさか!?」

「タダイマです。はぃ、弟さんですよ? あの薬を飲ませたから、妹さんになるのかなぁ?」

「はっあぁ!? あの可愛い子が弟?」

 

驚きの声を上げながらも、たしかに落ちてきてる時の声は、高かった気がするけど……。目を細めながら、見つめる。(遠目から見ても別人じゃん……)と心の中で呟く。

 

あの薬の効果ほんとにあったのか……電話では話してたけど、俺のこと覚えてるかな?

 

「提督、優ちゃん無事だよ~」(ニコッ)

 

「お、おぅ……ありがとうな、夕張」

 

微笑みながら港に戻ってくる紫苑に動揺しながらお礼をいい(やべっ……これは嫌われるパターンのやつだな)と考えてると、一本の連絡が入る。それは先に帰還させていた明石たちからの連絡だった。

 

「っと……なになに……了解だ!」

 

やはり『護衛艦隊』を随伴させて正解だったようだな。連絡の内容は『敵艦』を見つけたらしい。こちらに攻めて来る前に対処に行くかと、相棒にも伝えるのであった。

 

~夕張side~

 

「すぅすぅ……」

「(無防備な寝顔晒しちゃって、狼には気をつけないといけないぞ?)」

 

あたしは思ったより軽い彼女を抱っこしたまま、頬をツンツンしてみる。

 

「はふっ……ん///」

「……なんかエッチな声/// ってダメダメ(落ち着けあたし)」

 

抱きかかえたまま港に戻る。その時には医務室に向かってた青葉と一緒に話していた桂の姿は見えていた。

 

「無事で良かった。なんか百合の花が咲きそうな展開ですね、司令官さん?」

 

「ん~間宮のアイスを奢ってやるべきか、素直に謝るべきか。う~ん……」

 

「おーい、司令官さん、そろそろ戻ってきますよ?」

「そっか! 教えてくれてありがとな、青葉。それと夕張には、優を医務室まで頼むと伝えておいてくれ、ちょっと俺は海に出てくる! 最低でも2時間後くらいには戻るから! よし、抜錨する!」

 

「ちょっと、司令官さーーん?」

 

今すれ違いで海に出て行ったのって……桂? 彼女を抱えたままだったのでよく確認は取れなかったんだけど。青葉に向かってこう言った。

 

「ただいまぁ! あれ? 提督は?」

「なんか、焦った様子で海に出ていきましたよ! それと伝言でその子を医務室まで頼むって仰ってましたよ」

「ん、了解。それじゃいってくるね」

 

なんだろ? 桂が焦るって珍しいことだけど……「(無理はしないでね)」とあたしは心の中で呟き、彼女を医務室に運ぶことを優先することにした。

 

「(なるほど……この子がここに着任予定の新しい司令官さんね。うん可愛らしい子だね)」

 

「(すやぁ……)」

「う~この寝顔見てると眠くなってきますね」

「そうだねって青葉は医務室までついてこなくっても大丈夫ですよ?」

 

「む〜ケチぃ、わかりましたよ。青葉は飲み物買って来ますね」

「青葉、ありがとね。ん~お姫様抱っこって意外と大変だね」

 

青葉には悪いとは思いながらも、感謝の言葉を伝えて。こう思うのであった。

 

お姫様抱っこは思ったより大変、決して重いとかじゃないんだけど、ドアが開けられないから。それとあたしの体力の無さ……。ちょっとは体力鍛えなきゃね。(優ちゃんと一緒に特訓するのもわるくないかもねっ)っと心に秘めて。

 

そういう事を思いながら医務室の前につくと、白衣を着た妖精さんがドアを開けてくれたのであたし達は医務室に入った。

 

「連絡は受けてるさかい、どうぞ!」

 

既に連絡済みで、あたしたちが来ることや両手が塞がってる状況まで伝えてたってこと? これは、桂と青葉にも感謝だよねっ。「ありがとねっ二人とも」と心の中でお礼を言って。

 

ー医務室ー

 

「ありがとね、よいしょっと」

 

そう言ってあたしは彼女をベットに寝かせる。

 

「ん……」

「今日は災難だったね。いきなり提督の話やら、女の子になっちゃったり。おまけには空から落ちてきちゃう始末……疲れたよね? あたしのこと昔みたいにお姉ちゃんって呼んでくれる?」

 

彼女の頭をなでながら起こさないように呟く。

 

「うぅ……お姉ちゃん……行っちゃ……やだよぉ」

「ん? 寝言かな? 大丈夫。もうどこにも行かないよ?」

 

寝言かな? 彼女を安心させるようにあたしは抱きしめる。(10年前にもこんなことあったけな)と心の中で呟く。

 

「うん、あたし決めた。優ちゃんが安心できるまで守ってあげる!」

「差し入れに飲み物買ってきましたけど、出直しますね!」

 

「青葉、出直さなくても大丈夫だよ!」って言おうとしたらもう居なかったんだけどね。引き止めたかった理由は、医務室だから間違いは起こさないと思うけど、青葉が居たほうがさらに安心だったからね。

 

「ふぅ~(落ち着けあたし。ノーマルのはず! 別に女の子が好きって訳じゃないよ?)」

 

でもこれって。はたから見たらそういう展開……寝込みを襲ってるような……?

 

「そ、そう。これはあの薬の効果を確かめるためのもの。それと傷がないかの確認も含めてなんだから」

 

少し焦りながら、彼女の服をはだけさせようとする。

 

「んぅ……ん///」

「そこでそういう声出しちゃ……。ほんとに襲っちゃうぞ?///」

 

いやいや、あたしなに言っちゃってるの! うん……別のことを考えよう。こういう時って素数とか数えるとか? 新しい装備開発、案を考えてもいいかもしれない! って思ってると可愛い声が聞こえた。

 

「にゃんか心地いい……」

「その無防備な唇、お姉ちゃんが奪っちゃうよ? なんてーね」

「それになんか甘い匂いがするけど、夢にしてはリアルな……」

 

さらに顔を近づけ息がかかった瞬間、目と目があう。

 

「あっ、おはよう。お姫様ご気分はいかがですか?///」(慌てて離れる)

「おはよーです(目をこすりながら)大丈夫ですよ/// あれ……ここは?」

 

~優希side~

 

実は少しは、覚えてますよ。お姫様抱っことキスされそうになった事……。でも恥ずかしいので秘密です///。

 

「ここは鎮守府の医務室だよ、あたしは……」

「えっと……。紫苑お姉ちゃんだよね?」

 

僕が小さい頃の記憶で面影が重なったから思わずこう言っちゃったけど、彼女は驚きながらも少し嬉しそうな声でこう言ってきて。

 

「えっ? 今なんって言ったのぉ~!? もう一回言ってっ」

「紫苑お姉ちゃんって」

「えへへ、その名前で呼ばれるのは久しぶりだよ。今は夕張って名前だけどね」

「紫苑お姉ちゃん!」

 

久々の再会に名前を呼び抱きついた僕。

 

「甘えん坊さんなのは、昔と変わらないかな?」

「そ、そんなことないよ/// むー……子供扱いしないでよ! 少しは大きくなったんだからっ!」

 

うっ……甘えん坊なのは変わってないのかな? でも頭を撫でられて恥ずかしくなった僕は少し距離をとる。

 

「ごめんごめん、それにしても優ちゃん……」

「ん?」

 

首を傾げながら、彼女がどこを見てるのかなって視線を追ってみたら……胸に視線を感じてとっさに手で胸を隠す。

 

今まで視線とか気にしてなかったけど、女の子になったら妙に気になるんだよね。

 

「見事なくらいに女の子の体つきになってるよねっ」

「えっ、なんでそれを……?///」

 

疑問を感じながらも、照れた表情で、お姉ちゃんを見る。

 

「あの妖精さんが持って来た、ドリンクを飲んじゃったんでしょ?」

「うん、飲んだよ! 美味しかったけど……でも、体変化するって一言も聞いてないよっ!」

 

驚きはしたけど体が変化する薬って、冒険してる時に聞いたことはあったけど、まさかそれを自分が体感するなんて思わなかったなぁ。

 

「実はあれ、あたしが作った薬だからね」

「え? お姉ちゃんが!? ってことは兄さんも関わってきてる?」

「ごめんね……優ちゃん、そうだよ。桂に相談されて、作った薬だからね」

「そっか……兄さん! なんでそんなこと言ったの!? (……でも、ありがとうね……夢をかなえてくれて///)」

 

っと微かな声で囁く(一応女の子になることは夢だったから。嬉しさもあるけど不安なこともね)

 

「え、今なんって言ったの?」

「だから……えっと……ありがとうねって言ったの///」

 

恥ずかしくなって布団に潜る。

 

「その反応可愛い」

「むぅ……もう、お姉ちゃんなんて知りません///」

 

僕は少しむくれた表情をしながら顔を背ける。

 

「ごめんごめんって、でもそんな反応しちゃうとお姉ちゃん、襲っちゃうよ?」

 

お姉ちゃんの手が怪しい動きをしてる……。でも助けてくれたお礼もあるし……。

 

「お姉ちゃんになら……///(小声)」

 

少し大胆なこと言った気がするけど聞こえてないよね?

 

「お姉ちゃんになら何かな?」

 

あぁ、聞こえてたぁぁ///!? 迫ってくるお姉ちゃんに対して僕は焦りながらこう言う。

 

「と、とにかく! 今は、だめぇー!」

 

『今は』って、だから何を言ってるんだろぅ……。言葉には気をつけないとね。

 

「今は? 今じゃなきゃいいのかな?」(ニヤニヤ)

 

『なになに、夜戦!?』

 

天井裏から1人の女性が現れる。

 

「夜戦忍者さんは、呼んでないですよ!」

 

『えぇ! お呼びじゃないの!? それじゃ夜戦が必要になったらいつでも呼んでね! もちろんあっちの夜戦でもいいけどねっ』

 

「えっと……か、考えておきます」

 

元気な、黒髪のツーサイドアップでオレンジの制服を着た美人のお姉さんは、続けてこう言う。

 

『っと、私は川内型軽巡1番艦の川内だよ、よろしくねっ! 次期提督さん』(さっ)

 

「あっ、消えた!? あはは……。相変わらず忍者みたいな人ですね」

「あっちの意味の夜戦って……? えっ///えっ!?」

 

やっぱり『あれ』だよね? 薄い本とかで見た事あるやつの事だよね///

 

「優ちゃんの想像してる夜戦で間違いないと思うよ?」(ニヤニヤ)

「べ、別にそんなこと想像してないからね! 想像なんて……」

 

嘘をつきました、ホントはしました……。元男の子だからね。そんな想像しちゃうこともあると思うから。

 

「焦ると逆効果なんだよっ〜? 知ってた?」(優しく押し倒し)

「ふぇ!?」

これって、僕押し倒されてる!? 襲われちゃう? でもお姉ちゃんになら……。そう思って待ってみる……。

 

(どきどき)

 

「ちゅっ」

「っ///」

 

押し倒されたまま僕の頬にお姉ちゃんがキスしてきた。

 

「今は頬で我慢するよっ」

「お姉ちゃん……今度、一緒にお風呂入ろう?///」

 

上目遣いで出た言葉がお風呂入ろうって……。とんでもないことをいった気がする……って何考えてるんだろう僕(これは汗かいてたから!)と心の中で言い訳する。

 

「もちろん、いいよっ! 一緒に入ろうか?/// でも、その上目遣いで頼むのは反則だからね!」

「えっ……。いいのっ!?」

 

承諾されると思ってなくって顔が赤くなる。

 

「だって昔は一緒に入ってたじゃない? それに今の体、見てみたいし」

「あ、あの頃はまだ物心ついてない、子供だったし……こ、この状態じゃ恥ずかしいよっ! だから今のはナシでっ」

「だからこそだよっ! 薬の効果も見たいからねっ」

「う……たしかに、それを言われると……でもやっぱり恥ずかしいからだめっ!」

 

「元気になったようやな! でも病室やさかい、静かにな!」

 

ここが病室なのをすっかり忘れて、騒いでた僕たちは医務妖精さんに、素直に謝ることに。

 

『すみません(でしたっ)』

 




次回は少し遅めのお昼ごはんと時々戦闘?をお送りしますっ。

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