一方の桂は、慌てた様子で近郊の海域に出撃していた。
『(時刻は、ヒトヨンマルマルになりました)』
僕たちは部屋を移動して食堂に来ていた。
ー食堂ー
「(ぐぅー)つっ!?///」
お腹のなる音に恥ずかしさを感じ手で顔を隠す。
「ふふ、大きな音だね、優ちゃんお腹空いた?」
「はぅ……朝からご飯食べてなくて」
いつもはお昼過ぎまで寝ていることが多かったけど、今日は少しだけ早く起きてゲームして過ごそうかなって思ってたら、兄さんからの電話もあって旅支度をしていて、ご飯食べる時間なかったんだよね。
そのことを思い出してると、お姉ちゃんから提案され、それと同時に青葉さんが買い物から戻って来ていた。
「それじゃなにか食べようか」
「それなら、『ドーン!』お弁当買ってきましたよ、五人分」
お弁当の種類はこちら! 「カツ丼」「海鮮天丼」「唐揚げ弁当」「チーズハンバーグ弁当」「焼肉弁当」
「さすが青葉、お仕事早いなぁ!」
「えへへ、準備は万端ですよ!」
「それじゃ、私は焼肉弁当もらうね!」
僕たちが選ぼうとしてた時に、いち早く川内さんは「焼肉弁当」を手にしてた。
「ぇ!? 川内さんいつの間に?」
「美味しそうな匂いにひかれちゃってさっ」
「あっ!? それ青葉が狙ってたやつ!」
「早いもの勝ちだよ! にしし♪」
勝ち誇ったような笑みを浮かべる川内さん、それを少し悔しそうにしながらもすぐにお弁当を選ぶ青葉さん、続けてお姉ちゃんが選んでこう言われる。
「むむ……。それじゃ青葉は、海鮮天丼にしますよ」
「あたしは唐揚げ弁当にするけど、優ちゃんは?」
「えっと、チーズハンバーグ弁当で」
残り物になっちゃったけど(お兄ちゃんは、カツ丼で良かったよね?)と心の中で呟く。
「冷めないうちに、みんなで食べようか? 兄さんにはあとから温めて出しますので」
『はぁ~い!』
僕の言葉の後に三人が続いて答えその後に川内さんが。
「それじゃ、いただきます!」
「あっ! 川内さん、僕が言おうと思ってたのにっ! むぅ~」
少し拗ねたけど、川内さんの合図で僕たち三人揃ってこう言った。
『いただきま~す!』
ー鎮守府海域ー
一方その頃。先程連絡を受けて海に出ていた桂は。
~桂side~
「まさか優が女の子になって、空から落ちてくるとはな。どんな顔して再会すればいいんだろうな……」
俺が行動する前に紫苑が先に助けに行ったからな。
「優にどんな顔して合えばいい? 素直に謝るべきだよな」
敵影見ゆ! 数は6。『姫級×1』『鬼級×1』『ヲ級elite×1』『ヘ級elite×2』『ロ級elite×1』
あれは……『泊地棲姫』と『泊地棲鬼』に「ヲ級elite」か相手にとっては不足はないな。
「オ? カモガカカッタヨウネ」
「コノキンコウッテコトハ、マタシズメテアゲマショ!」
「ヲ、ヲ……!」
敵が『艦載機』を飛ばしてくるのを確認した俺はクロスボウに矢をセットする。
『提督? 敵来てますよ!』
佐世保に戻った『大淀』から通信が入り、今の鎮守府に攻め込まれても困るしな、ここで止めることを決め返事をする。
「ああ。既に確認してる! これより戦闘態勢に入る。大淀通信ありがとな。お前ら! 弟の鎮守府に攻めてくる気なら、ここで戦ってやるよ!」
『提督なら、大丈夫でしょうがご武運を!』
『大淀』との通信を切った俺は、相手に向かって軽い威圧を掛ける。
『!?』
「ナニモノダコイツ」
「ショセンコケオドシ……」
「相棒、制空権確保は任せた! 余裕があったら敵艦に打撃与えくれ!」
左手でクロスボウを構え、空に向かって放ち、『艦載機』が飛び出すと同時に右手で剣を構える。
相棒と呼ばれる妖精さんは、俺にとっての戦闘中の良き話し相手。それに男前だな!
『艦載機』は『烈風改(オリジナル仕様)』に搭乗していて、編隊は五機で構成されている。武装はこんな感じだ『20mm機銃×4 16連装ロケットランチャー×4』
『任せとき!』
敵機を次々と機銃で倒していき、アクロバット飛行を見せ決め台詞を吐く。
『天使とダンスでもしてな!』
「アッ……カンサイキチャンガァー」
『艦載機』をすべて倒されたヲ級は戦意を失ったようで戦線を離れて行く。
離脱した敵を追う気もないので、そのまま見逃すことにした。相棒にも「追わなくていいぞっ」と伝えるのも忘れてない。
『制空権確保! 引き続き哨戒任務行うぜ』
「サンキュー! 燃料と弾が無くなる前に戻ってくるようにな」
「シズミナサイ!」
その中で棲姫からの砲撃が来ていたので、これは避けるべきか? いや、少し判断遅れたし斬るか!
「ここだっ! それとこいつはお釣りなっ!」
飛んできていた砲弾の真ん中を剣で斬り(爆風)と同時に二つの斬撃を棲姫と棲鬼に向けて飛ばしていた。
「アァ! アンナノハンソクダ……」(中破)
「ヒメサマ、テッタイシマショ……」(大破)
『相変わらず桂は無茶をするっ! それじゃコッチは任せなっ!』
敵の対空砲を避けるため『烈風改』が低空で飛行しながらロケット弾を斉射し、敵『艦船』三隻に大打撃を与えていた。
『!?』(大破)
「いてっ……さっきの爆風のせいか、俺もまだまだツメが甘いな」
傷ついた腕を軽く手当をしてから、相手を見て俺はこう言った。
「っと、逃がすとでも?」
「ッ……」
棲姫に剣を振り下ろそうとしてるときに思いとどまり(キーンっ)っと剣を鞘に収めこう言う。
「戦意ない相手に剣を向けてるのは、八つ当たりにも程があるな……」
「ン……?? マダイキテル……?」
「ヒメサマ……」
「ドウイウツモリ? シンカイセイカンヲ、タスケルナンテ」
「確かにお前らは、俺たち人類の敵だが、戦意がない奴の命を奪うほど、俺は落ちぶれてはいないさ」
「ソノカンガエハアマイガ、オマエハイイヤツダナ……」
「アノトキノ、シレイカントハ……チガウミタイネ」
「そうでもないぞ? 優を虐めるやつがいたら残らず倒すさ!」
表情では笑ってはいるが殺意は隠せずにいた。「一人娘を嫁に出す時の親の気持ちってこんな感じか……?」
(ふっ、親になってない俺が言うのはおかしいがな)と心の中にしまう。
その頃鎮守府での優希は。
『(な、なんだろう……。ちょっと寒気がしたんだけど気のせいかな?)』
俺の殺意に『深海棲艦』の二人は驚いてる様子だった。
『!?』
「そういえば、あの時ってどういう事だ?」
少し前の話で気になることが出てたので思わず聞いてみる。
「ソレハ――」
棲姫の話を聞いてやはり噂通りだと思い話を続けた。
「ふむ、捨て艦か……やってたのはここの提督のことか」
「ナンニンカハ……シズメテ、スクイダシテハイルガ……ココロマデハ、スクエテナイ」
「は? 沈めることが救うだと……?」
棲鬼は一体何を言ってるんだ……? 腕を組み考え事してたら棲姫がこう話しかけてきた。
「フツウニモドシタラ……オナジコトヲクリカエス。ナラカイホウノタメニ、シズメルコトニシタ」
なるほどな。棲姫の言うことも一理ある。ブラックな場所だと同じことが何度も繰り返されてるのが今の現状だしな。
「そういう考えもできるのか。ところで……このヲ級をどうにかしてくれないか? 抱きつかれてて、離れないんだが?」
俺に抱きついてるこの子は、さっきまで戦ってた『深海棲艦』の空母型の子、見た目は肌の白い女の子。帽子取るときっと可愛い気がする。なぜ懐かれたのかは謎なんだけどな。
この子だけは離脱してたから無傷の『深海棲艦』だな。
「ヲっ~♪(ぎゅっ)」
「コラコラ、ヲキュウハナレナサイ……メイワクカケナイノ」
「ヲキュウガ……ワタシタチイガイニナツクナンテ、アナタナニモノ?」
「何者だろうな……一つ言うなら悪は許さないって事くらいかな」
「ヲ……?」
不思議そうにしてるヲ級の顔を見つめていると哨戒に出していた相棒から通信が入る。
『そろそろ妨害電波が切れるぞ、それと燃料も切れそうだ』
妨害電波を使っていたのも念の為な。戦果をごまかすのも一つだが『深海棲艦』との会話を聞かせない為にもな。ホントに頼りになる相棒さ。
「哨戒任務おつかれ。そろそろ戻って来い!」
『了解だ!』
「アタシタチモカエルワヨ」
「コンドハ、ライバルトシテマケナイ」
「あぁ、楽しみにしてるよ! 他の悪い奴らには捕まるなよ?」
『キヲツケル(ワ)』
「ハナレタクナイヨ……(ぎゅっ)」
「ヲ級ちゃん、今度会うときは友達として会おうな?」
俺は気がつくとヲ級の頭を撫でていた。
「ヤレヤレ……ヲキュウカエルワヨ!」
「ウゥ……マタネ」
「ヲ級ちゃんに、お前らもまたな~」
棲姫に抱っこされたヲ級ちゃんが名残惜しそうにしていたが、俺が手を振ると同時に相棒から通信が入る。
『報告はどうするよ?』
「普通に上げて大丈夫だと思うが? ん、まてよ……」
っといつもの癖で普通にあげようとしてた……誤魔化すために妨害電波も使ってたんだったなと思い出し。
『新米提督の海域で姫級1、鬼級1なんて戦果上げたら注目されるぞ』
「それもそうだな。誤魔化しておこうか。それじゃ俺たちも帰るか」
『了解』
「今は注目されるわけにもいけないからな」そう呟きながら、相棒が帰還したのを確認し「おつかれ! 相棒。補給と整備としっかり休憩も取るんだぞ」と忘れず伝え、優希達のいる鎮守府に戻ることにした。
それにしても……たどたどしかったが普通に会話できるものなんだな……『深海棲艦』とは、あの三人が特別なのかもしれないが……。
メインキャラじゃないので戦闘のところは簡単に書いてます。完成までこの作品を続けていきたいなって思ってますが……できるか不安です
ここまで読んでいただき、ありがとうございましたっ。