「未確認反応を検知!……この反応、まさかロストロギア!?」
第97管理外世界、地球。
その軌道上に浮かぶ次元航行艦、アースラ。その中に男性職員の声が響いた。
だが、そんな中でも小さな執務官は冷静さを保ち、事態の把握に努める。
「アレックス、落ち着いてくれ。誤反応の可能性もある。エイミィ、反応はどこから出てる?」
小さな執務官、クロノ・ハラオウンに問われたオペレーターの女性、エイミィ・リミエッタはキーボードを忙しなく叩きながら答える。
「第97管理外世界、地球。その中の……『ミタキハラ』っていう街!」
「ミタキハラ……日本、か?」
「そうみたい。なのはちゃんたちの魔力反応も近くにあるよ」
エイミィの報告を聞き、クロノは少しばかり安堵したが、表には出さずに続ける。
「なのはたちの手はあまり借りたくない。ついこの間闇の書事件で手伝って貰ったばかりだしな」
「あー…確かにそうだねぇ。でもそんな事言ったらクロノくんだって…」
「僕は本局執務官だ。仕事を疎かにするつもりは無い。それに彼女たちはあくまで一般協力者。手を借り無いことに越したことはないさ」
クロノはそう言い、『ミタキハラ』への転送の準備を始めた。
「まずは僕が単独で調査してくる。構いませんね?リンディ提督」
艦長席に座す緑髪の美女、リンディ・ハラオウンがクロノの問いに答える。
「ええ。頼むわ。クロノ執務官」
「よし、転送を……」
「ち、ちょっと待ってください!!」
転送装置の起動直前、エイミィの大きな声がアースラ内に
「どうしたの?」
リンディがエイミィに問う。
「消失しました……!」
「え?」
「高町なのは、フェイト・テスタロッサ両名の魔力反応が……突然消失しました!」
リンディ、クロノを含む全員が驚きの声をあげる。
クロノは転送装置を飛び出し、エイミィの目前のモニターに顔を寄せた。
「な……!どういう、ことだ……!?」
確かに、つい数秒前まではモニターに表示されていた2人の少女の魔力反応が消失していたのだ。
更に、モニターには信じられないものが映る。
ミッドチルダ式でも、ベルカ式でもない魔力反応による結界反応が現れたのだ。
「何これ……結界……?コレとなのはちゃんたちに何か関係が……?」
「提督、これは……」
「私にも分かりません。先程アレックスが感知した反応と関係しているのかもしれませんし、違う事件の可能性もあります。………原因が分からない以上、執務官を単独で向かわせるわけにはいきません。武装隊を整え、魔力消失地点と『ミタキハラ』の両地点へ向かわせましょう」
リンディは冷静に指示を出す。だが、その内心ではとある事件を考えていた。
(状況が酷似しすぎてる…………でも、まさか…ね……)
リンディは思い至ったとある事件を胸の内に秘め、準備の整いつつある武装隊に告げた。
「では、A班はなのはさんたちの消失地点と結界の発生地点の調査を。B班は『ミタキハラ』に発生した未確認反応の調査を、それぞれお願いします」
A班に属するクロノは力強く頷く。
「ここからの両班の指揮はクロノ執務官に任せます。では、出撃!」
「了解!!!」
アースラから地球へ、述べ30名の空戦魔導師が向かう。その先陣を切るのはクロノ。
「なのは、フェイト……待っててくれ…!」
まだ、誰も知る由はなかった。
この3つの異変が、とある5人の少女の運命を変えてしまうことを。