「いやぁ……僕が提督としてここに着任してからもう三年ぐらい?色々あったねー」
「そうですね、色々あったのです」
大本営から命による鎮守府の大規模な改修のため一時引っ越しが必要になり、そのための作業を進めながら、この鎮守府の提督とその初期艦は話す。
「最初の頃は、取り敢えず艦娘を増やそうとして建造ばかり、それで資材が無くなる……なんてありましたね」
「いやーその節はどうも。電が居なきゃうちの鎮守府は設立してすぐ崩壊するとこだったよ」
「まぁ、最初のうちは大本営から資材は融通してもらえるのでそのことはいいのです。ただ、特別作戦海域攻略前に貯めた資材を使って、大型建造するのはやめてもらいたいのです……」
「大鳳さんが出てきてくれればやめるんだけどねぇ……出てくれないからね。しょうがないね」
「というか、この忙しい時にまた明石さんに大型建造頼んでましたよね? 全く、司令官さんは……」
「今なら、来てくれるんじゃないかと思ったんだ。自分の直感を大事にしたい。」
二人は話しをしながら作業を進めていく。三年間の艦隊活動を記した書類は多いが、朝からやっているお陰で終わりも見えてきた。
『現在時刻、ヒトキュウマルマルっぽい! 夕ご飯の時間っぽーい!』
最近時報を初めた夕立の声が鎮守府内に響き渡る。それを聞き提督と電は作業を中止し、顔を見合わせた。
「あれ、もうこんな時間か……」
「そうですね。もう少しで準備も終わりますし、一旦ご飯しましょう」
背伸びをして長時間の作業で固まった体をほぐし、電に頭を下げる。
「申し訳ないね。ここまで付き合わせちゃって。」
「いえ、これもお仕事なのです」
「ここまで付き合わせておいてあれだけどさ、自分の部屋の方は大丈夫なのかい?」
「雷ちゃんに任せてあるので、大丈夫ですよ」
二人は食堂に向かおうとするとき、執務室に明石が現れた。
「提督、居ますか!?」
「明石さん? どうかしたのですか?」
「あぁ電ちゃん。なんとですね、提督お待ちかねの娘が来たんです! すぐに知らせないとと思って急いできたんですよ!」
明石のその言葉に二人は、特に提督は――大きく反応した。
「えっ、まさか来てくれたの!?」
「まさかあの娘が来てくれたのですか!?」
二人の反応に満足そうに明石は頷く。
「そう、あの娘を狙って大型建造すること149回。やっと来てくれたんですよ! さあ、速く会いに行きましょう!」
明石にそう言われ、三人は足早に工廠に向かう。特に提督は二年近く待ち望んだ娘に会えるとなって、嬉しそうだ。
――司令官さん、ずっと待ってましたからね……しかし、本当に来るとは……司令官さんの直感ってやっぱり凄いのです。
電は二人の後をついていきながら、自身の司令官のことを思う。最初は右も左もわからない状態であったが、今では上位の提督に名を連ねる立派な提督だ。
――まぁ、今でも貯めた資材を使い込んだりすることはありますが……これでもう唐突に大型建造するようにならないはずです。
電がそんなことを思っているといつの間にか工廠の近くまで来ていた。
提督は待ち望んだ娘に遂に会えるとなって、少しばかり緊張している。電は新しい仲間に会えると嬉しそうで、そんな二人を見て明石は微笑んでいる。
「――よし」
意を決したように提督は工廠の扉を開ける。そこにはまだこの鎮守府には居なかった娘が居た。
「君が大鳳、でいいよね? 僕がこの鎮守府の提督だ。これからよろしく」
「そう……私が大鳳。出迎え、ありがとうございます。提督……貴方と機動部隊に勝利を!」
嬉しそうな提督とまだ緊張気味な大鳳が話してるのを見て、電は思った。
――明日の12時前までには大鳳さんの着任届けを出さないといけないのですが……司令官さん、大丈夫なのでしょうか?
艦これ一期終了記念に大型建造したら大鳳が来てくれました。ちなみに148回回しても来なかったのはリアルです。