やはり俺の現実逃避はまちがっている。   作:ソロ

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r-14くらい??
戦闘は水着で行われます。

次回の本編も水着回な件。
これは春の水着回。




間話5 girl's operations part3

ミカヅキさんから与えられたのは抽象的なヒントで、しばらくわたしたちは動かなかったけど、ルクスさんが1人の泣いている女の子に気づく。

 

「おねぇちゃんがいないの~」

 

どうやらお姉さんとはぐれたらしい。コンテスト開催中のビーチには大人から子どもまでたくさん集まっているし。

 

「こんな小さな子1人じゃログインしていないと思います。」

 

「はぐれちゃったってわけか。」

 

「じゃあお姉ちゃんたちが探してあげるね。お名前は?」

 

「エメリ!」

 

元気な返事とともに表示されたのはウインドウ。

クエスト《夏の浜辺の姉妹》

 

 

「えっ、この子NPC?」

 

「今ビーチは『イベント』エリアになってる。単発のクエストが起きるとすれば何か関係が?」

 

「可能性はあるわね。」

 

「でっ、でも、ただの思い付きで何の保証もないし、―――選択は間違えたら取り返しのつかないことだって……」

 

きっとまだルクスさんは過去に囚われているのだろう。彼女が『過去』を話してくれるそのときまでわたしたちは彼女を支える。

 

だって、友達だから!

 

 

「大丈夫です。もしまちがっていても、みんながいます。」

 

「そうそう。ここは目的が1つだったSAOじゃない。ゴールもルートも無数にあるALOなんだよ。」

 

「無駄なことなんてないよ。それにエメリちゃんが泣いているのを見過ごせないって、お兄ちゃん……キリト君も言うと思うよ。」

 

「いつも通りALOを楽しめって言ってましたよね!」

 

 

「そうだったね。ここはもうSAOじゃないんだね。」

 

「もしものときは、ミカヅキさんやお兄ちゃんに頼めばなんとかなりますし!それに秘策もありますしねー。」

 

たくさんの女子が彼をちらちらと見ています。彼氏がカッコいいと彼女としては鼻が高いよね。もちろんわたしは常に視界に入れています。

 

 

 

***

 

向かった先は海岸にある洞窟。

エメリちゃんのお姉さんは囚われていたのだ!クラゲに!

 

「ひゃああん!もうくすぐるのやめてぇー」

 

「と、とにかくあいつをなんとかするわよ!」

 

HPバーは3本。わたしたちの腕の太さくらいの、何本もの触手を持っている。リズさんの打撃は効きづらくて、有効なのは斬撃や雷魔法。

 

わたしは杖を構え魔法を放つ。

 

《エレクトリカルファズ》

継続ダメージを与える雷属性攻撃魔法。雷の球体がまとわりつく。

 

そしてマーカーとしても役立ち、薄暗い洞窟で相手の場所を見失わないようにする。

 

「リズさんは隙を見て怯ませて!リーファちゃんは雷魔法の準備。ルクスさん、シリカちゃんは敵を引きつけて!」

 

「「「「了解!」」」」

 

リズさんの《片手棍》の打撃はダメージは少ないものの、クラゲを軽く吹っ飛ばす。

 

リーファちゃんが両手を上げて雷魔法の打つ瞬間に壁から生えてきた触手に掴まれる。おそらく海の底を通して伸ばしたもの。魔法が霧散した様子から、MPドレイン持ちなのだろう。

 

ルクスさんが《片手剣》で斬ってくれて、助けられた。

 

《マナリジェネレイト》

MPを回復させる補助魔法をリーファちゃんにかける。

 

 

「討伐が目的じゃないので、飛んで逃げましょう!」

 

「でももし外に出てきたら…」

 

「そうね。ビーチには魔力たっぷりの水着の女の子がたくさん…」

 

 

リズさんの失言を聞いたクラゲは水路を通って全力でビーチに向かっていってしまう。さらに、クラゲの幼生がわたしたちを襲ってくる。大した強さではないけど数が多い。

 

「ルクス!あなたは先にこの盾に乗って追いかけて!」

 

「わたしが引っ張っていきます!」

 

「うん、わかった。」

 

エメリちゃんたちのほうをちらりと見た彼女は腰のパレオを取る。盾と組み合わせて作られたものは小さな帆船。

 

まるで過去に立ち向かうような目だった。

―――大切なのは『今』!

 

 

「シリカ、リーファ、風魔法を頼む。」

 

「「オッケー!」」

 

 

 

 

わたしたちが向かった先では、すでにクラゲが女の子を襲っていた。

ルクスさんは盾を勢いよく踏み、掛け声とともに触手を斬って、助ける。

 

わたしも海から飛び出し、杖を向ける。

 

《ソーンバインドホステージ》

斬りつけると連動してダメージを与える設置型魔法。透明な紫の茨が動きを制限する。

 

 

翅を広げ2本の《片手剣》で斬りつけていくが、敵の手数が多いため苦戦している。さらに、片方の剣が折れてしまう。

 

 

「ルクスさん!」

 

わたしはできる限りのスピードでルクスさんを押し飛ばす。最も太い触手に囚われていて、徐々にMPを吸われていく。

 

 

一陣の風。

一瞬の浮遊感の後、わたしは彼の両腕の中にいた。

 

「あ、ありがとう。」

 

「無事で何よりだ。」

 

わたしをゆっくり降ろすと、上から振ってくる聖剣をキャッチして肩に担ぐ。女の子がキャーキャー言ってるなぁ……

 

「なんだあの卑猥なクラゲ。再生し始めてるし。」

 

「え、えっと、討伐クエストなんだけどね。」

 

ルクスさんがシリカちゃんたちと合流してこちらに近づいてくる。

 

「マチ、大丈夫!?」

 

「うん、平気。ごめんね、突き飛ばして。」

 

「いや、こちらこそありがとう。」

 

 

 

 

「さてと、オーダーをくれ。」

 

ミカヅキさんや彼女たちはわたしのほうを見てくるから、頷きを返す。

 

弱点は触手の中のコア。

まず、太い触手2本をすれ違いざまに2連撃で斬る。クラゲは彼にヘイトを向ける。

残った触手を《短剣》で数を減らし、頭部への打撃と雷魔法で怯ませる。

 

再生する前にとどめを刺すのは、彼女の二刀流。

 

《エンハンス・サンダー》

雷属性を武器に付与する補助魔法。

 

 

 

リーファの魔法の援護。

リズの鍛えた片手剣。

シリカの短剣。

マチの戦術と補助魔法。

 

ミカヅキさんの頼もしさ。

剣を肩に担いだまま、敵に背を向け微動にしない。わたしを信じていてくれていて、英雄は勇気をくれる。

 

そして、わたしの剣技。

 

これがわたしの二刀流!

 

左の短剣が阻まれても、一瞬遅れて右の剣が敵内部へ襲いかかる。

 

 

「《ダブルサーキュラー》に似て非なるものだな。」

 

すれ違ったミカヅキさんがそう呟いた。

 

 

「おねぇちゃんすごい!」「なにあれかっけぇ!」「すげぇ!」

 

「ありがとー、おねぇちゃんたち!」

 

歓声と、最高の笑顔を私はもらえた。

それは優勝よりも、英雄になることよりも、ずっと嬉しいものだった。

 

 

 

 

 

 

***

 

月明りの下のビーチ、海風が心地よくて、2人きり。

冒険も楽しいけど、こういう時間も好きなんだよなー。

 

修繕してもらった水色の巫女服と胸当て。

変わったのは動きやすいようにミニスカートとハイソックスになっていることかな。

 

「に、似合ってる。」

 

ミカヅキさんにとって、どストライクだったみたい。

 

 

「今日は、いろいろありがとうね。」

 

「いや、俺も楽しめたしよかったよ。男性プレイヤーのブーイングがなくてよかった……」

 

「アハハ…ホントごめんなさい。」

 

女子限定じゃないからね、こっそり彼をエントリーさせておきましたー!

 

コンテストで競っていたのはNPCの子どもたちの注目を集めること。一番の手としてはクエストクリアだったというわけ。ルクスさんは最後の巻き返しで1位に輝いた。そして彼は水着女子をさしおいて2位だったわけで、たぶんクエスト以外にも人助けのために走り回っていたんだろうな。それは彼にとっては自然な行いであって。

 

ますます好きになっちゃった。

 

 

「それに、ルクスとも会うことができたしな。」

 

「むむ、浮気?」

 

「なんでさって言いたい。……それで、彼女は『過去』を話してくれた?」

 

「いや、まだだよ、待つことにしてる。それまで彼女はわたしたちが支えるし!」

 

「なら、止めないけど。なにかあったら俺か八幡をすぐに呼べよ。」

―――あのギルドに関わった人かもしれないから。

 

彼の真剣な表情に、私は無言でうなずいた。

 

 

 

「そういえば、なんで名前を変えたんですか?」

 

オーガスから、ミカヅキへ。

 

「……『生まれ落ちた時に与えられた名は、振り返って人生を表すモノ』、好きな名言の1つだ。オーガスっていう名も、そして葉月っていう名も、今でも俺が進んできた軌跡を残してくれている。でもいつまでも縛られているわけにはいかない。SAOを通して、本当の意味で小町のいる世界に転生できたんだと思う。ともかく、心機一転してみたってこと。」

 

「そっか。答えを見つけたんだね。」

 

「でもって、ALOを通して、小町に出会えた。」

 

―――大切な女性に

 

 

 

言葉を交わさなくても、彼のしてくれることがわかる。

 

差し出したわたしの左手を、そっと支える。

 

「ずっと一緒にいよう。」

 

 

友達で交換し合った右手の中指の指輪も、

そして大切な男性がくれた左手の薬指の指輪も、

 

月に照らされて輝いていた。

 

 

 

 

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