駿河鎮守府のつかさ提督   作:楠富 つかさ

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8/27 北方の日常

 キス島から第一水雷戦隊が撤退したその日のこと。大湊警備府は現在、鳥海を司令塔に運営されている。所属艦は第一水雷戦隊の阿武隈以下駆逐艦5名および、航空巡洋艦鈴谷そして熊野だ。二人は3-4攻略の要として航巡が派遣された。利根筑摩は舞鶴、最上三隈は佐世保にいる。もとより少ない航巡だが、一番の戦力はやはり第七戦隊であった。

 さらに、3-5攻略を念頭に空母3名、蒼龍、飛龍、翔鶴も大湊に移動していた。駿河を赤城、加賀、瑞鶴、呉を雲龍型、佐世保に大鳳、グラーフ、アクィラが、舞鶴にはイントレピッド、サラトガ、アークロイヤルが配置されている。これは正規空母の話であり、当然軽空母も要所要所に配されている。

 警備府にもそれなりの数の艦娘がいるとなると生活にもなかなか困惑がある。鎮守府ほどの大規模施設ならば食事の仕度などは分担して行うほか、専門のスタッフもしばしば入っている。だが、この人数では自分たちだけで行わねばならない。艦娘にも経済活動の自由があるため、大本営からの給金を使って買い物もできるし、この大湊の移動に際して提督から一定の資金も託されている。

 

「ちょっとー。熊野も手伝ってよね。あーし、20.3cm砲より重いもの持ちたくないしぃ」

「……いや、こっちの方がよっぽど軽いと思うんですけど」

 

 お昼時。艦娘も人の姿をしている以上、食事が必要になってくる。警備府の厨房を使って蒼龍がチャーハンを作る。完成したそれを翔鶴や鈴谷が運ぶ。手伝わない熊野にぶーたれる鈴谷のぼやきに、霞がぽつりとツッコミを入れる。一水戦の面々は食器を並べ後片付けしやすいようキッチンを整えて食卓につく。

 

「はい、全員揃いましたね。では、いただきます」

 

 提督代理として鳥海が音頭を取って食事を始める。鳥海が着任した頃にはそんなことはなかったが、吹雪や蒼龍がいた頃、鎮守府が出来て間もない頃はこうして艦娘たちは提督とともに士官室(ガンルーム)で食事をとっていた。鎮守府に艦娘が増えるにつれて、艦種ごとに寮を構えるようになり、食事などの日常的行為は寮で済まされるようになった。駿河鎮守府に移ってからは菊の間を使って全員で食事が取れるようになったことから、何名かの艦娘は非常に喜んでいた。もちろん、他鎮守府に異動になったメンバーの中にも、また提督と食事をとりたいと思っている艦娘もいたのだが。

 

「明日はいよいよ北方海域艦隊決戦です。空母や戦艦が数多くいる海域を航巡、軽巡、駆逐で挑まねばなりません」

 

 食後、鳥海が重々しく口を開いた。

 

「敵主力艦隊を押しやるだけで十分です。決して無理をしすぎないように。明日に向けて、ゆっくりと休んでくださいね」




実際に3-4は非常にギリギリ。戦術的勝利Bで海域突破と相成りました。
その時の編成
阿武隈改二lv82 小破
陽炎改二 lv79 中破
吹雪改二 lv71 大破
夕立改二 lv73 大破
鈴谷改二 lv86 大破
熊野改  lv76 中破

よくBがもらえたなぁと思うわ。二式水戦も強風改もあったんだけどね。

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