駿河鎮守府のつかさ提督   作:楠富 つかさ

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9/14 連合艦隊、西へ(3)

 九月十三日、ヒトフタマルマル。西方での快進撃をうけ、いよいよ鎮守府から主力部隊の投入が決まった。日本国内から西方の拠点であるパラオまでもそれなりに距離がある。移動すらある種の作戦行動だった。まず航空支援艦隊に回るべく、呉鎮守府から軽空母、千歳と千代田。彼女らと共に主に対潜及び先制雷撃によって道を切り開く雷巡、大井と北上。そして彼女らの護衛を務める第十六駆逐隊の小隊、雪風と天津風。そしてその後方に、駿河から二航戦に加えて伊勢、大湊から第七戦隊の鈴谷と熊野。また佐世保から翔鶴を向かわせる手はずになっている。他にも第一戦隊や第三水雷戦隊など国内戦力を損ねない程度に艦娘を派遣する目処が立っている。特にイタリア艦やドイツ艦は先行して向かっていることだろう。ローマに全権を託してあるから、無茶なことはしないだろうが。

 

「ふぅ……」

 

そんな思案をため息一つとコーヒーの一杯で押し流し、手元に一つ黒い小箱を置く。そろそろ時間だろう。規則正しいノックの音が響く。

 

「入ってくれ」

「蒼龍、入ります」

 

 駿河鎮守府の提督執務室に、蒼龍が姿を現す。いよいよ主力として出撃してもらう彼女に、渡したいものがあるからだ。

 

「蒼龍、これを受け取ってほしい」

「こ、これは……?」

「堅く言えば艦娘能力制限緩和装置……ざっくり言えば指輪だ。私からの、信頼の証だと受け取って欲しい」

 

 嵌める場所は左手第四指。ずっと、そうしたいと思っていたから。

 

「提督……私、提督に認められたってこと? 私、頑張ってるよね? 役に立ってる? ねぇ、提督は私のこと、どう思っているの?」

 

 嬉しそうに、少し不安そうに、確かめるように訊ねる蒼龍。彼女は初めて逢った頃から少しだけ精神的に弱い一面があった。一航戦ほどの誇りもなければ、飛龍にとっての多聞丸のような心の支えがなかったからだろうか。だからこそ、彼女を支えてあげたいと思ってきた。

 

「私は、君を凄く大切に思っている。本当なら激戦区なんかに出撃させず、ずっと手元に残しておきたい。でも、きっと君はそれを許してはくれないだろう。だから、それを贈るんだ」

 

 時間と場所をわきまえる性格だと思っていた。けれど、今回ばかりは彼女を抱きしめずにはいられなかった。

 

「蒼龍、必ず帰ってきて……でないと私は……」

「えぇ。必ず、全員で帰ってきますから。待っていてくださいね」

 

 

 

翌、ヒトヨンマルマル

 

「提督、入電です」

 

 鎮守府に残った香取から、報告を受ける。海峡を抜けた連合艦隊はとうとう西方の敵前線泊地を撃滅。轟沈者なし。いよいよ欧州海域へ進軍。拠点も前進させるという内容だった。

 

「まだ、ここからだ。欧州海域はかなり強力な深海棲艦が跋扈しているらしいからな」

「戦力や備蓄状況について、詳しい報告を待つとしましょう」




E3(丙)突破メンバー
第一艦隊
蒼龍改二lv103
羽黒改二lv89
翔鶴改二lv84
熊野改二lv84
鈴谷改二lv88
飛龍改二lv88
第二艦隊
北上改二 lv74
大井改二 lv65
瑞鳳改二 lv92
雪風改  lv67
陽炎改二 lv82
阿武隈改二lv84

蒼龍とケッコンしました。E3きつかった。でもE4はもっとしんどい。ボスマス出現させるの面倒!! でも、もう少しで攻略できそうです。ラストは丁かなぁ。きつそうだし。

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