sognando   作:ricca

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abmarsch.2

 

 

 

大歓声と紙吹雪が舞う中、進むのはJ1の優勝パレードの車。

其れを見に来た小学生5人と初老の男は人だかりから離れ遠くから眺めていた。

「こんなんじゃあ全然見られないですねー、せっかくビデオカメラ持ってきたのに…」

「だから言ったろ、あのままTVで見てりゃよかったんだよ」

「まあまあ、録画して来たから後でゆっくりみんなで見ればよかろう…」

残念がる元太、光彦、歩美にコナンはつっかかるも阿笠博士に宥められていた。

「あ、あそこにいいもんあるぞ!」

「待ってー!元太くん!」

元太が駆け寄って行ったのは郵便ポストだった。そしてそれをよじ上り、光彦に上に乗るように言う。

光彦と歩美は顔を見合わせ嬉しそうな顔をすると、さっそく光彦は元太の上に乗りビデオカメラを回し始めた。

「これでどうだ?」

「わあー!ヒデが手を振ってます!それに後ろにナオキも!」

「いいないいな!歩美にも見せてー!」

 

 

「こら!君たちそこに上っちゃ危ないぞ!」

後ろから声を掛けてきたのは、ミニパトに乗った由美だった。

「はーい…」

渋々郵便ポストから下りる元太と光彦。隣で博士は平謝りしていた。

「由美さんこんなところで何してるんですかー?」

「どうせ仕事サボってパレード見に来たんだろ?」

ポストから下りた2人は嫌みったらしい口調で言った。

「違うわよ、駐禁のパトロールの応援中!」

 

「あれ、由美さんじゃないですか」

ひょこひょこと現れたのは現場に着いた高木刑事だった。

「…高木刑事もサボってんのか?」元太は呆れたように言う。

「違うよ、違う違う。僕らは捜査だよ」

「何の捜査なの?」事件のにおいを嗅ぎつけたのかコナンが勢いよく尋ねた。

「ええっと…本庁にさっきFAXが送られて来てね…“このパレードで面白いことが起きる”って。たぶん優勝を妬んだ犯人の質の悪いイタズラだと思うけど…」

「ふーん…」

 

「それより高木刑事、後ろにいるのは彼女?」歩美は首を傾げた。

「えーっ!高木刑事は佐藤刑事のことが好きじゃなかったんですか!」光彦は驚いたように言う。

「それも違うって!あと好きとかそういうのじゃなくて…」

「なあに高木くん?そんなの私聞いてないわよ?」

「もう由美さんまで…。違いますよ、今日から配属になった僕の後輩です」

北条聖刑事です、と高木は簡単に紹介する。

「女刑事さんかー!高木刑事、美人の後輩が出来てよかったね!」と歩美。

「ほんとですね、高木刑事にはもったいないくらい!」と光彦。

「お前仕事教えられるのかー?」と元太。

子どもたちの発言にタジタジになる高木を見て、コナンと灰原は呆れた顔をする。

 

「高木さん、子どもたちと仲がいいんですね」

「仲がいいというか…振り回されてるってのに近いわね」由美はけらりと笑う。

「へへへ…」高木は力なく笑った。

「それで…そのFAXってどういうものなの?」

コナンが再び事件の話を尋ねた時、わっと歓声が上がった。

「ヒデが近くを通ってるみたいだよ!」

「なら無理やりでも前に行ってビデオ撮ろうぜ!」

「で、でもさっきからビデオ撮りっぱなしで…テープが…」

「予備のテープは持ってきてないの?」灰原は光彦に尋ねる。

「あ、あああります!」

「…じゃ、それを入れて撮りに行こ!コナンくんも!」

歩美はコナンの腕を引っ張り、子どもたち5人はパレードの人だかりの中へ入っていった。

 

 

 

 

「……しかし大丈夫かのぉ…そのFAX、今日のパレードで何かが起こるって書いてあったんじゃろ?」

「まあこの感じなら大丈夫だと思いますよ」高木はへらりと笑う。

「……そうでしょうか」北条は高木をじっと見つめた。

「送られてきたFAX、3年前の事件とよく似ていると聞きました」

「…えっ」

「私たち、狙われているかもしれないってことですよね?」

北条は高木の目を見つめながら問いかける。

思わず高木は自分の顔が熱くなるのを感じ、視線を逸らした。

 

何なんだろう、彼女は。

 

考えていることをすべて見透かしてしまうような、そんな視線。

 

 

 

 

「…あれ、美和子じゃない?」

暫く黙っていた由美がのんびりとした口調で言う。

「あ、佐藤さん…!佐藤さんも捜査です…か…」

彼女の隣には一人の男がいた。

由美は驚いたような表情を浮かべ、ぽつりと呟いた。

 

「………松田、くん?」

 

 

 

 

 

 

 

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