読んでくれた方達、ありがとうございました。
本編始まります。
───IS学園
正式名称、日本国立インフィニットストラトス操縦者養成専門学園高等学校。世界唯一のIS関係者養成校。
設立当初は操縦者だけだったが、現在では操縦者だけではなく開発者、整備士などのIS関係者の育成を目的とした教育機関だ。その為世界中から入学希望者が後を立たず、今年の倍率はとうとう3000倍を越えたそうだ。
基本1クラス30人×4クラスで1学年120人だが、現在の全校生徒数は288人。計算が合わないのは学年が上がるにつれ、退学者が出るからだそうだ。特に2年から3年の進級試験では規定の水準に達していなければ容赦無く退学になるらしい。(因みにこの学園には留年制度はないそうだ)
四方を海に囲まれた陸の孤島で、出入りは直通のモノレールとその路線上の橋道一本のみ。出入りは厳しく管理され、敷地内はあらゆる国家や企業も簡単には手が出せない治外法権とされている。
男はごく一部の教職員しかいない女の園に、今日から俺は通う事になる。
「結城志狼です」
「に、入学おめでとうございます。結城さんは1組です」
校舎前に設置された受付で名前を言うと、所属するクラスを教えて貰う。パンフレットと本日のタイムスケジュールを受け取ると、胸に花を付けて貰った。
「ありがとう」
俺は軽く礼を言うと受付から離れる。入学式は9時から講堂で行うらしい。早目に行って座ってる事にしよう。
講堂に足を踏み入れた途端、ザワめきがピタッと止まり、代わりにヒソヒソと囁く声と無遠慮な視線が俺を迎える。正直嫌な気分だが仕方がないのだろう。彼女らにとって俺は異物、あるいは動物園の珍獣のようなものなのだろうから。
俺は新入生用と表示されている区画に移動すると、まだ周りに誰もいない一番後ろの端に腰を下ろした。
周りを見渡すと半分以上は日本人だが、その他にも白人や黒人、東洋人などがいて実に国際色豊かだ。加えて皆が皆、美少女と呼ぶに相応しい容姿の持ち主で、合格基準に容姿の項目があるというのは案外本当なのかもしれない。
「あの、隣に座ってもいいですか?」
その声に目を向けると、3人の美少女がいた。声をかけて来た活発そうな娘、物静かそうな娘、のほほんとした娘の3人だ。
「どうぞ」
俺は席を薦める。彼女らが座ると互いに自己紹介をした。
彼女らは
「これより、入学式を始めます」
司会進行役のメガネ美少女の先輩の声を皮切りに、入学式が始まった。
入学式なんてのはどこも対して変わらないらしく、校長や理事長、来賓の挨拶など無駄に長い話が続く。来賓の中に官房長官がいたのは流石IS学園だなあと驚いたが、長話のおかげで本音が寝てしまった。
次は生徒会長の祝辞。生徒会長
そんな事を考えている内に会長の祝辞は終わってしまった。ほとんど聞いてなかったな・・・・
次は新入生代表の挨拶。新入生代表は毎年入試首席の者がなるそうで、今年の首席はイギリス人のセシリア・オルコット。絵に描いたような金髪碧眼の美少女なのだが、実は俺、彼女とは知り合いなのだ。
3年前イギリスに行った時、トラブルに巻き込まれた彼女を助けたのが切っ掛けで知り合い、以来、電話やメールでのやり取りを続けていたので彼女が代表として挨拶する事も知っていたのだ。
それにしても、以前から可愛らしい娘だったが、ここ最近でまた一段と美しくなった。同姓ながら見蕩れている娘も大勢いるようだ。
彼女の挨拶が終わると拍手が鳴り響いた。はにかみながら壇上を去る彼女は俺に一瞬、目を向けるとウインクを飛ばす。どうやら俺に気付いていたらしい。
式はこれで終わりかと思いきや、上級生によるデモンストレーションが行われるようだ。
講堂の屋根が開き、青空が見えると、その中を白と黒の2機のISが翔んで来る。2機はダンスを踊るようにクルクルと旋回すると、空に複雑な軌道を描く。まるで青空に絵を描くようなその動きから、素人目に見てもこの2人が卓越した技量の持ち主であり、かつ息がピッタリと合っている事が良く解る。
アナウンスによると2人は2年生の
2人が去ると、今度は12機のISが編隊を組んで翔んで来た。ISはコアの数が限られている為、1ヶ所に配備されるのは多くて3機程度。10機以上のISが編隊を組んで飛行する光景なぞ教育機関の為、実機を多数確保しているここIS学園以外では滅多に見れないのだ。
先の2機とは違い複雑ではないが、12機のISが息を合わせ揃って翔ぶ光景は何だか神々しくもあり、俺を含む新入生や来賓の目を釘付けにしていた。
───これがインフィニットストラトス、
これがISか!
望んで入った学園ではないが、その事すら忘れて今の俺はISの飛翔する姿に魅せられていた。
なのはとフェイトがちょっとだけ登場。
オリ主と絡むのはまだ先になります。