二度目の高校生活はIS学園で   作:Tokaz

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第42話を投稿します。

今回から学年別トーナメントを何回かに分けてお送りします。誰と誰がペアになったのか、原作とはちょっと違う展開を楽しんで貰えたら幸いです。

今回はトーナメントの1日目、2日目の模様を御覧下さい。



第42話 学年別トーナメント①~開幕

 

 

~all side

 

 

 6月の最終週、IS学園では毎年恒例の『学年別トーナメント』が開催される。このイベントには各国の政府関係者や研究所員、企業スカウトらが多数来賓として招かれており、彼らの目に止まれば自分の望む未来が得られる可能性もある。よって3年生は自らの進路を勝ち取る為。1、2年生は来年、再来年の為に自分を覚えて貰おうと奮起するのだ。

 

 今年の来賓者数は例年以上で、生徒会を始め各委員会やクラス代表、その他の有志が雑務や会場の整理、来賓の誘導などを行っていた。

 それらから解放された生徒達は着替える為、更衣室へと急ぐ。間もなく始まる開会式はISスーツで出るのが通例だからだ。

 仕事を終え、開会式の行われる中央アリーナに続々と生徒達が集まって来る。色とりどりのISスーツに身を包んだ美少女達の登場に観客席から歓声が上がる。生徒達は観客席の人の多さに意気を上げる者、緊張で顔を青くする者、にこやかに手を振りアピールする者などそれぞれであった。

 例年通りクラス毎に整列して開会式が始まるのを待つ。全員が整列し、最後に生徒会長更識楯無が入場すると歓声が上がった。それに手を振り笑顔で応える楯無。彼女が檀上に上がるとやがて歓声が止み、アリーナが静寂に包まれる。それを確認すると彼女は高らかに声を上げた。

 

「これより、第6回学年別トーナメントの開会を宣言します!」

 

 沢山の拍手と歓声に包まれ、学年別トーナメントが幕を開けた。

 

 

 

 

 

 その後は、学園長や来賓の挨拶、試合上の諸注意を経て、いよいよ組み合わせの発表となった。この時ばかりは皆息を殺して発表を待つ。

 最も人数の多い1年生の参加人数は総勢108人中、怪我による出場禁止が3名(鈴含む)、3組で長期欠席している者が1名の計4名が欠場し、計104名52組のペアが参加する。52組を4つのブロックに分けて、Aブロックのみ16組、B、C、Dブロックを12組に振り分けて行われる。

 そして今、アリーナの電光掲示板に組み合わせが発表された。

 

 

 

 

「Aブロック第1試合か・・・・」

 

 組み合わせを見て志狼は呟く。Aブロックは最も多い16組。唯一シードの無いブロックで、ブロック優勝するには4回勝たねばならない。いずれにしてもすぐ出番となるので、早目にパートナーと合流しなければ。

 

「志狼さん」

 

 そんな志狼にここ数日、いつも側にいた少女が声を掛けた。

 

「すぐに出番だ。緊張なんてしてないだろうな?───乱」

 

「勿論です」

 

 そこには志狼のパートナーである凰乱音が自信に満ちた笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 中央アリーナでは1年生の部Aブロックの第1試合が始まろうとしていた。

 観客の視線は結城志狼&凰乱音ペアに向けられていた。2人目の男性操縦者と台湾代表候補生序列4位のペア。2人は既に自らの専用機を纏い、試合開始の合図を待っていた。対戦相手は4組の一般生徒ペア。2人は可哀想にすっかり畏縮していた。

 

「分かってるな、乱?」

 

「はい。私達の標的、ラウラ・ボーデヴィッヒはBブロック。戦うにはまずAブロックで優勝しなくちゃなりません」

 

「そうだ。相手が誰だろうと倒す。いいな?」

 

「はい!」

 

 そう。俺達の目的はラウラ・ボーデヴィッヒを倒す事。理不尽に暴れ回るあいつをこれ以上野放しに出来ない。それにボーデヴィッヒと決着を付けたいと願うのは俺の我が儘だ。そんな私事に明日奈やシャルロットを巻き込む訳にはいかない。その点で鈴の仇を討ちたいと願う乱とは目的が合致したので、彼女をパートナーに選んだのだ。

 肝心のボーデヴィッヒは残念ながら別ブロック。彼女と戦う為にもひとつも取り零す訳にはいかない。相手には悪いが速攻で決めさせて貰う。

 

 

 そして試合開始のブザーが鳴る。それと同時に孤狼と甲龍・紫煙が対戦相手に襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 第3アリーナでは1年生の部Bブロックの試合が行われていた。試合を観客席から眺めていたラウラ・ボーデヴィッヒは、これ以上は時間の無駄と踵を返し、アリーナから去ろうとする。

 

「おい。どこへ行くんだ?」

 

 その小さな背中に声が掛けられる。ラウラは軽く舌打ちすると、自分のパートナーである彼に振り返らず答える。

 

「こんな試合観る価値は無い。私は休ませて貰うぞ」

 

「勝手な事言うなよ。この大会では俺達はペアなんだ。お前に勝手な事されると俺にも迷惑が掛かるんだよ!」

 

「ふん。所詮は抽選で決まったペアだ。そんな物私の知った事か!」

 

「おい、ボーデヴィッヒ!」

 

「黙れ、織斑一夏。言っておくが私は1人で戦う。大会のルール故、仕方なくお前の存在を許しているが、本来ならお前なぞ真っ先にぶちのめしているのを忘れるな」

 

「なっ!?」

 

 言うだけ言ってラウラは去って行った。その小さな背中を見送りながら、一夏は悪態を吐いた。

 

「くそっ、よりにもよってなんでアイツがパートナーなんだよ!」

 

 鈴がラウラによって出場禁止になる程の大怪我を負わされた事を知った一夏は、当然の如く激怒した。

 姉である千冬に何故ラウラが罰せられないのか食って掛かると、「どのような経緯であれ模擬戦上の出来事だから厳重注意しか出来ない」と言われてしまった。ならば試合で当たったら必ず自分が倒すと訓練に励んでいると、ペア申請の締め切りが過ぎた。

 元々ペアを組んでくれる程親しい相手が鈴くらいしかいない一夏は、最初から抽選で決まった者とペアを組めばいいと思っていた。だが、1年生でペア申請しなかったのは一夏とラウラだけで、自動的に2人でペアを組む事になってしまった。

 

「ちくしょう・・・・どうしてこうなるんだ」

 

 最も倒したい相手とペアを組まされて、怒りのぶつけ所を無くした一夏の心は千々に乱れていた。幸い専用機持ち故にシードされ、一夏達の出番は明日からだ。今日中に気持ちの整理をつけなければと、一夏は深くため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 代表候補生や専用機持ちなどの有力選手はシードされている為、ほとんどの者は明日からの出場となる。そんな中で一般生徒達が頑張っている。

 

 1組の生徒ではAブロック第3試合で四十院神楽&鷹月静寐組が出場。神楽が前衛、静寐が後衛となり安定した戦い振りで勝利し、明日の2回戦に駒を進めた。元々神楽は剣道では全中3位の実力者。静寐もまた射撃、格闘共に秀でた成績を誇る才女だ。その2人が組んだのだからある意味順当な結果だろう。

 因みにAブロックは第1試合で結城志狼&凰乱音組が。第8試合で篠ノ之箒&セシリア・オルコット組がそれぞれ2回戦に駒を進めていて、順当に勝ち進めば明後日の準決勝で志狼&乱組と神楽&静寐組が当たる事になる。

 

 Bブロック第2試合では布仏本音&谷本癒子組が出場。クラスではいつもぽややんとしたペアなだけに不安がられていたが、意外や意外、本音が見事な動きを見せた。普段ののほほんとした見かけに騙されがちだが、本音は実は運動神経が良く、IS適性は驚きのA。彼女が素早く1人を倒すと、残る1人を2人掛かりで攻撃して見事に勝利を収めた。

 順当に勝ち進めば明後日の準決勝で織斑一夏&ラウラ・ボーデヴィッヒ組と当たる事になる。

 

 Cブロック第1試合では相川清香&鏡ナギ組が出場。清香のハンドボール部で培ったコントロールとナギの陸上部で鍛えたダッシュ力を武器に勝利し、2回戦に駒を進めた。明日の2回戦ではシードの結城明日奈&シャルロット・デュノア組と当たる。1組同士の対決に2人は「勝てる訳ないじゃん!」と荒れていた。

 

 Dブロックでは第2試合と第3試合に1組のペアが出場したが、2組共惜敗している。

 

 

 2年生の部、3年生の部も順調に進み、初日は滞りなく終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 大会2日目。今日から各学年のシード選手が出場する。代表候補生や専用機持ち、それ以外の学園が認めた実力者達がこぞって出場するとあって、来賓の、特に企業スカウトの注目が否応にも増していた。

 

 とは言え、2、3年生に関しては試合内容はともかく、どのペアが優勝するかはほぼ確実視されていた。

 

 3年生では3年1組クラス代表兼アメリカ代表候補生序列1位ダリル・ケイシーと同クラスのイレーネ・ウルサイスのペアが本命であった。

 アメリカ代表候補生のダリルは勿論、イレーネは一般生徒でありながら近接戦闘に関してはダリルに匹敵する実力の持ち主で、お互いに性格が合ったのか、2年生で同じクラスになってから親しい間柄であった。

 

 2年生では2年1組クラス代表兼日本代表候補生序列1位高町なのはと、同クラス副代表兼イタリア代表候補生序列1位フェイト・T・ハラオウンのペアが大本命であった。

 IS学園入学前からの大親友同士に加え、2人共代表候補生の序列1位。更に機体は二次移行機なのだから負ける要素はひとつも無い。因みに模擬戦で2人が組んだ時の勝率は9割を超えると言う。

 生徒会長更識楯無が出場すればまだ分からなかったが、楯無は既にロシアの国家代表。大会ルールにより、参加出来ないのだ。今大会、楯無は生徒会長として来賓の相手を勤めていた。

 結果、なのは・フェイト組に勝てるペアはまず現れないと思われている。

 

 そうなると、必然として結果の予想がつかない1年生に注目が行き、1年生の部は大いに盛り上がっていた。

 

 

 

 

第1アリーナで行われている1年生の部Aブロック。2回戦第1試合で結城志狼&凰乱音組が出場。危なげ無い試合運びで勝利を収め、明日の準決勝に駒を進めた。

 続く第2試合では四十院神楽&鷹月静寐組が出場。2組のペアに苦戦するも、辛くも勝利を収め、明日の準決勝で志狼&乱組との対戦が決まった。試合後のコメントで「胸を借りるつもりで頑張ります」と2人は答えていた。

 第4試合では篠ノ之箒&セシリア・オルコット組が出場。セシリアの狙撃で弱った所を箒が突撃を決めて、こちらも準決勝へ駒を進めた。

 

 第4アリーナで行われた1年生の部Bブロック。2回戦第1試合、この試合を見た誰もが戦慄した。シードにより今日から出場したラウラ・ボーデヴィッヒ。その戦い振りは凄まじいの一言だった。

 相手の攻撃を悉く防ぐ停止結界と6本のワイヤーブレードを自在に操り、相手に何もさせずに勝利を収めた。その戦い振りは苛烈の一言。観る者に彼女に対する恐怖を刻み込んだ。パートナーの織斑一夏を温存し、明日の準決勝へ駒を進めた。 

 続く2回戦第2試合では布仏本音&谷本癒子組が出場。シードされていた4組のペアを相手に苦戦を強いられる。しかし、4組のペアが教科書通りの動きしかしない事に気付いた本音がトリッキーな動きで翻弄すると、形勢は逆転。癒子との連携で確実に1人ずつ墜として逆転勝利を収めた。明日の準決勝では織斑一夏&ラウラ・ボーデヴィッヒ組との対戦が決まり、「怖いけど頑張る」と試合後のコメントで語っていた。

 第3試合ではヴィシュヌ・イサ・ギャラクシー&ティナ・ハミルトン組が出場。2組のクラスメイトで入学以来同室の2人は息の合ったコンビネーションを見せて快勝。明日の準決勝へ駒を進めた。

 

 第5アリーナで行われた1年生の部Cブロック。2回戦第1試合では結城明日奈&シャルロット・デュノア組が出場し、同じクラスの相川清香&鏡ナギ組と対戦した。清香とナギも頑張ったが、明日奈の閃光のスピードに翻弄され、シャルロットのラファールカスタムの正確な射撃に撃ち抜かれて敗北した。試合後のコメントで「やっぱ無理だった」と残念そうに語っていた。ともあれ明日奈&シャルロット組は明日の準決勝へ駒を進めた。

 第4試合では更識簪&沙々宮紗夜組が出場。遠距離からの砲撃で相手を圧倒し、勝利を収めた。

 

 第6アリーナで行われた1年生の部Dブロック。2回戦第2試合でティアナ・ランスター&中嶋昴組が出場。抜群のコンビネーションを見せて快勝、準決勝へ駒を進めた。2人は最近あの高町なのはに師事しており、グングンと実力を伸ばしている。1対1ならともかく、2人1組の今大会ではかなりいい所まで行くのでは、と期待されている。

 

 

 2年生の部、3年生の部でも予想通りなのは&フェイト組やダリル&イレーネ組が勝ち進み、大会2日目が終了した。

 

 

 

 

 

 

「あ~ん、悔しいよう!」

 

「・・・・まだ言ってるの? いい加減諦めなって」

 

「だって悔しいものは悔しいんだもん!」

 

 1年生寮の食堂にナギの悔しそうな声が木霊する。いつものメンバーにシャルロットと乱を加えた12名で夕食を摂っていると、この中で唯一今日敗退したナギが思い出したかのように声を上げていた。パートナーの清香は既に敗北を受け入れたのかサッパリしたもので、ナギを嗜めている。

 

「今回は相手が悪かったと思いなさい。明日奈とシャルロット相手に負けても恥にはならないわよ」 

 

 夕食を食べながら静寐が言う。それでもナギが何か言おうとしたが、

 

「それに私達も明日は他人事ではありませんしね」

 

 神楽にそう言われ、組み合わせを思い出して口を閉ざした。明日の準決勝で神楽&静寐組は志狼&乱組と当たるのだ。

 

「・・・・それは私達も一緒だよ~~」

 

 本音が不安げに呟く。本音&癒子組は明日の準決勝でラウラ&一夏組と当たるのだ。ラウラの戦い振りを思い出し、意気消沈しているようだ。

 

「本音さん、ゆっこさん。明日の試合、ヤバいと思ったら迷わず降参して下さい。ボーデヴィッヒは危険な奴です。お姉ちゃんみたいに怪我をしてからじゃ遅いですから」

 

「うん・・・・らんらんの言う事も分かるんだけどね」

 

「最初から諦めるのも嫌かなあって・・・・」

 

 乱の意見に本音と癒子が諦め切れないように呟く。

 

「ここまで勝ち進んだんだから諦めたくないのも分かるけど、いざと言う時には変な意地を張らずに降参して欲しいって事だよ。乱の皆が鈴のようになって欲しくないって気持ちは解るだろ?」

 

「しろりん・・・・それは、うん、解るよ」

 

「そうだね。ありがとう乱ちゃん、心配してくれて」

 

「いえ、その、私は別に・・・・」

 

 癒子にお礼を言われて、照れてるのかどもる乱。そんな乱を微笑ましく思ったのか志狼がパートナーの頭を撫でる。顔を真っ赤にして縮こまる乱を皆が微笑ましそうに見つめていた。 

 

「あ~あ。何か兄さんと乱ちゃん、すっかりいいペアになっちゃったなあ」

 

「そうだね。私達もパートナーになりたいって言ったのに、妬けちゃうよねえ?」

 

 明日奈とシャルロットが揶揄うように言うと、

 

「うう、完全に出遅れてしまいましたわ・・・・」

 

「全くだ。くっ!」

 

 セシリアと箒が悔しそうに呟いた。あの日、訓練に来るだろうとアリーナで志狼を待っていた2人だったが、ラウラの件で志狼はアリーナには来なかった。ならばと部屋に押し掛け、自分と組んで欲しいと言うと、もう乱と組んだと言われてしまった。

 

「何だか最近、志狼とはすれ違ってばかりのような気がする・・・・」

 

「私もですわ。こうなったら明日のブロック決勝にはその悔しさを全てぶつけてやりましょう、箒さん!」

 

「うむ! 同感だ。明日はやるぞ、セシリア!」

 

 明日はブロックの準決勝と決勝が行われる。準決勝で勝てば箒&セシリア組はブロック決勝で志狼&乱組と当たる可能性が大きいのだ。最近構ってくれない志狼への憤りをぶつけるべく、動機が不純ではあるが箒とセシリアは燃えていた。

 

 

 

(何してんだ、あいつらは?)

 

 異様に盛り上がる箒とセシリアに若干呆れつつ、志狼は明日の試合に思いを馳せる。

 明日は準決勝で神楽&静寐組と。そして恐らく決勝では箒&セシリア組と戦う事になるだろう。両ペア共前衛と後衛を完全に分けている良く似たタイプだ。箒と神楽の剣の腕は全国区の上、オールラウンダーの静寐、特にセシリアの狙撃は学園でもトップクラスだ。油断しているとこちらがやられかねない。それでも───

 

「勝つのは俺達だ。そうだろう、乱?」

 

「はい!」

 

 志狼の問い掛けに乱は自信に満ちた笑顔で答えた。

 

 

 

 

 

 

『少佐。今日の試合は実に見事だった。会場の誰もが君の、延いては我がドイツの強さに度肝を抜かれた事だろう』

 

「ハッ!ありがとうございます、閣下」

 

 ラウラは自室でドイツの上官からの連絡を受けていた。2年前、隊の落ちこぼれであった自分を処分しようとしていたくせに、千冬の教えを受け、再び隊のトップに返り咲いた途端、手のひらを返したように接して来た嫌な奴ではあるが、軍内部では強い発言力を持ち、結果さえ出せば色々と便宜を図ってくれる扱い安い男だ。

 

『貴官の試合はテレビで見せて貰ったが、他の方々もご満足頂けたようだ。明日には私も日本へ行くから楽しみだよ』

 

「閣下自らですか?・・・・失礼ながら観戦の為にわざわざいらっしゃるとは思えませんが?」

 

『まあ、観戦はついでだ。イギリスやイタリアとイグニッションプランについて話があってな。後はドクターが行きたいと言うのでその付き添いと言った所だ』

 

「! ドクターが?」

 

『貴官にとっては親も同然の男だ。旧交を温めるとよかろう』

 

「は、はあ・・・・」

 

 確かに上官の言う通りなのだが、何年も会ってない男だ。そう言われても困惑が先に立ってしまう。

 

『では明日。迎えはいらんぞ。貴官は試合に勝つ事だけを考えろ。以上だ』

 

「ハッ! 失礼いたします!」

 

 ラウラはモニターに向かって敬礼をすると、画面が暗くなった。

 

 

 

(ドクターか・・・・)

 

 ラウラは眼帯の上からそっと左目に触れる。この目を自分に与え、使いこなせないと知ると途端に自分から興味を失ったあの男。あのいらないモノを見るような無機質な瞳がとても恐ろしかったのを今でも覚えている。

 

(今更私に何の用だ、ドクター、Dr.スカリエッティ・・・・)

 

 

 

 

 

 

 今、IS学園に新たなる暗雲が立ち込めようとしていた。

 

 

 

~side end

 

 

 




読んで頂きありがとうございます。

各ペアはご覧のようになりました。果たしてどのペアが勝ち残るでしょうか?(笑)

学年別トーナメントも2日目が終了して、あの男が姿を現します。彼には本作の悪役として活躍して貰おうと思っています。

次回はトーナメント3日目の模様をお送りしたいと思います。
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