感想をくれた人達ありがとうございます。
皆さんの意見は今後の話作りの参考にさせて貰います。
それでは第5話をお楽しみ下さい。
~志狼side
本音に付き添われて医務室に来たが、生憎先生は留守だった。自分で手当てをしようとしたが、本音がやってくれるというのでお願いする。
「・・・・ねえ、しろりん」
「うん?」
「・・・・しののんの竹刀、わざと当たったでしょ?」
血の止まった傷口に消毒用のアルコールを塗りながら本音が言う。正直気付かれるとは思わなかった。
「正解。よく分かったな」
「分かるよ。しろりんならしののんの竹刀くらい余裕でかわせるって」
「随分高評価だな。という事はその理由も分かってる?」
「今後の牽制の為、でしょ?」
「またまた正解。血を流すっていうのは加害者の罪悪感にダイレクトに訴えるものだからな。その経験が次から行動する前にブレーキをかけるんだ、普通はね」
「普通は?」
「そう、普通は。しかし、今回の篠ノ之の行動は明らかに異常だ。いくら惚れてる男が無視されたとしても、それくらいで武器を持ち出して暴行を加えるというのはどう考てもやりすぎだ。彼女は篠ノ之博士の妹らしいから昔から織斑とは親交がある所謂幼なじみなんだろう。だが、今の篠ノ之は織斑に惚れてるという以外にも・・・・そう、依存しているように見えるんだ」
「う~ん、分かる気がする」
「あれはまるで主君に忠誠を誓う武士だよ。15の女の子がする思考じゃない」
彼女が何故ああなったのかは分からないが、まともな育ち方をしたとは思えない。興味がない訳じゃないが、深入りするのもお門違いだろう。だが、
「彼女はあのままなら同じ過ちを繰り返すかも知れないな」
「う~ん、そこまでするかなあ。・・・・って、はい終わり」
会話をしながらも意外と慣れた手つきで手当てを終える本音。
「ん、ありがとう。まあ今日会ったばかりだし何とも言えないんだけどな。だからわざと打たれて牽制しとこうと思った訳だ」
「うん、分かった。・・・・でもね、しろりん」
「うん?」
「こう言う事はもうしないで」
「・・・・・・」
俺と向かい合って座った本音が俺の目を真っ直ぐ見つめながら言った。
「しろりんの考え方は分かるよ。でもね、心配した。すごく心配したんだからね」
「本音・・・・」
「しろりんがボクシングをやってたのは聞いてたし、多少傷付いたり、血を流すのも慣れてるかも知れないけど、それでもやっぱり嫌だよ・・・・」
俺の袖口をキュッとつまんで本音は言う。
何という事だろう。この心優しい少女はただ、俺を心配して心を痛めているのだ。今日会ったばかりの俺に対して。
不意に本音に対して愛しさが湧き上がる。
「・・・・ごめん。今後は出来るだけしないようにする」
「むう~、絶対!」
「クスッ 絶対は無理かなあ。でも、出来るだけ自分を大切にする、約束する」
「むう~~、はあ、仕方ないなあ。でも、出来るだけ、ね」
「ああ、出来るだけ。・・・・さて、教室に戻ろうか」
「うん」
本音を先頭に医務室を出る。先を行くその小さな背中に、
「本音」
「ん~?」
「ありがとう」
俺は万感の想いを込めて言う。
「うん!」
振り返った彼女の見せた笑顔を、俺は一生忘れないだろう。
~side end
~千冬side
問題発生と聞いて急いで教室へ来た私は早速真耶に尋ねる。
「山田先生、何があった?」
「織斑先生、実は・・・・」
真耶の報告を聞き、私は頭を抱えた。入学初日で暴行・傷害事件の発生。加害者の箒は束の妹。被害者の結城は2人目の男性操縦者ととても公には出来ない組み合わせだ。
こいつら初日から一体何をやってるんだ!
「・・・・それで篠ノ之、何故こんな事をした」
「待ってくれ千冬姉! 箒は決して──」
「お前には聞いとらん! それと織斑先生だ!!」
バシンッ
余計な横槍を入れようとする一夏を出席簿の一撃で黙らせると、私は再度箒に尋ねる。
「篠ノ之、さっさと答えろ」
「・・・・結城の一夏への態度があまりにも無礼だったので、つい」
はあ、予想はしてたがやっぱり一夏絡みか。しかし、無礼って結城は何をしたんだ?
「結城──はまだ戻らんか。誰か最初から説明出来る者はいないか!」
周りに残っていた生徒達に声をかけるとその中の1人が手を挙げた。
「先生、でしたら
「オルコットか。よし説明しろ」
「はい。きっかけは織斑さんが志狼さまに話しかけた事です。ただ、その時の織斑さんの態度があまりにも馴れ馴れしかった事に気分を害した志狼さまが礼儀を勉強して出直せ、と」
「馴れ馴れしい? 織斑は何をやった?」
「まず、初めて言葉を交わすのに挨拶もなく、いきなり下の名前で呼び出して、それを咎めると細かい奴だな、と」
は? 何だそれは。確かに馴れ馴れしい。私がやられたら殴ってるぞ。
「いや、ちょっと待ってくれ! 俺は別にそんなつもりじゃ──」
「お前は黙ってろ」
口を挟もうとする一夏を黙らせ、オルコットに続きを促す。
「それに呆れた志狼さまが無視して教室を出ようとしたら篠ノ之さんに糾弾されて、逆上した篠ノ之さんがパァン、と」
成る程。つまり元凶は一夏だ、と。
「織斑、篠ノ之、今のオルコットの証言に間違いはあるか?」
「いや、さっきも言ったけど、俺はそんなつもりなかったんだよ」
「・・・・ほう。ではどんなつもりだったか言ってみろ」
「2人しかいない男だから早く親しくなろうとしたんだよ。大体男同士なんだから名前で呼び合うなんて普通だろ! それに結城だって自己紹介で気軽に話しかけろって言ってたじゃないか! お前らが良くて俺が駄目ってのはおかしいだろ!?」
「───まず
確かにオルコットの言う通り、結城は礼には礼で、無礼には無礼で返す奴だ。初めて会った時のあいつが正にそんな感じだったな。
ほん1ヶ月前の事を思い出していると、
「遅くなりました。おや、織斑先生、お疲れ様です」
手当てを終えた結城が布仏と共に戻って来た。
~side end
~志狼side
「で、事情聴取は終わりましたか?」
俺は教室にいる面々を見ながら言う。
「一応な。お前の状況はオルコットに説明して貰った」
俺はセシリアに近付き、どんな事を話したか聞く。うん、大体合ってる。
「ありがとな、セシリア」
「いえ、どう致しまして」
俺はセシリアに礼を言うと織斑先生に向き直った。
「俺の方はセシリアが代弁してくれましたが、どうなります?」
「ちょっと待ってくれ! 箒だけが悪いように言うけど、それはおかしいだろう!?」
「おかしいのはお前だ。何があろうと無抵抗な人に怪我をさせた時点で篠ノ之が一番悪いに決まってるだろう」
「で、でも元はといえばお前が俺の話を聞こうとしないのが悪いんだろ!」
「・・・・そういうのを責任転嫁と言うんだ。お前の話を聞くも聞かぬも俺の自由、お前につべこべ言われる筋合いはない。そもそも俺は出直せと言ったし、お前があそこで引いていれば何の問題もなかったんだが?」
「くっ・・・・千冬姉!」
おいおい、口では敵わないからって姉を頼るのか。こいつは今の自分がどれだけみっともない事をしてるか分かっているのだろうか?
クラスメイト達の織斑を見る目がどんどん冷たくなっているぞ。さて、姉である織斑先生はどう出るかな。
「・・・・はあ。所で織斑、お前結城に何を頼もうとした?」
「え、ああ、勉強を教えてくれって頼もうとしたんだけど」
「勉強? ふむ・・・・結城、どうだ?」
「当然断ります。俺は自ら努力しようとしない嘘つき野郎に貸す手はありません」
「ちょっと待て! 俺がいつ嘘をついたっていうんだよ!」
「お前参考書を電話帳と間違えて捨てたと言ったな」
「ああ、あんなブ厚い本間違えたって仕方ないだろう?」
「日本の電話帳はタウンページと言ってな、50年以上前から変わらず黄色い表紙が目印なんだ。比べて参考書の表紙は白で赤字で大きく必読、と印刷されている。更にタウンページのサイズはB4だが参考書はA4だ。いくらお前が間抜けだとしても色もサイズも違う物を間違って捨てるなんてあり得ない。それがお前を嘘つき呼ばわりする根拠、つまり俺はお前がわざと参考書を捨てたと疑っている、という訳だ」
俺の証言を聞いた皆が一斉に織斑を見る。織斑はうろたえながら、
「ち、違う! 俺はわざと捨てたんじゃなくて、そ、そもそも証拠がないだろう!?」
「そうだな。確かに証拠なんてない。だが、お前は参考書をわざと捨てた。いや、もしくはどこかに仕舞ったまま開いてもいない、とか?」
「!! な、何で・・・・」
どうやら当たりみたいだ。こいつ捨てた事も嘘で本当は仕舞ったまま開いてもいないのか。
織斑の反応に皆も真相が分かったようで、織斑を見る目が更に冷たくなった。ただ、怒りに燃えてるのが1人、
「一夏、貴様ァーーー!」
「ひい!」
織斑先生のアイアンクローが決まって織斑の体が宙吊りにされる。スゲエな、あの細腕のどこにあれほどのパワーがあるのか。
「本当の事を言え! 参考書をどうした!?」
「アアーーーーッ ごめんなさいごめんなさい、家にあります!」
「ちゃんと読んだのか!」
「イデデデデ! 読んでません、ビニールも開けてません!」
「この大バカ者がァーーー!!」
「アアーー! 割れる割れる、ご、ごめんなさーーい!」
何というか、教室内の誰もが呆れていた。織斑の味方であるはずの篠ノ之ですら呆けたように口を開けて固まっていた。
織斑への制裁を終え、肩で息する織斑先生の背中は初めて見た時より小さく見えた。まあ無理もない。身内の馬鹿さ加減を目の当たりにしたんだからな。
「・・・・・・結城」
「はい?」
「・・・・愚弟が迷惑をかけた。すまない」
「ああ、いえ、先生もどうか気を落とさずに・・・・」
流石に何も言えん。と、山田先生が空気を変えるように、
「コホン、それで篠ノ之さんの処分はどうしましょうか?」
そう言えば、織斑の馬鹿さ加減に忘れていたが、本来は篠ノ之が主犯だった。
「・・・・結城、お前はどうしたい?」
織斑先生が俺に尋ねる。
「・・・・少し篠ノ之と話をしてもいいですか?」
織斑先生の許可を貰うと、俺は篠ノ之を連れて皆から離れた教室の隅へ移動する。
「さて篠ノ之。お前が織斑に惚れているのは分かるが、惚れた男の前で暴力を振るうのは逆効果だぞ」
「──な、何を言ってるんだ、お前は!」
「落ち着け、顔が真っ赤だぞ。いいか、逆に考えて見ろ。織斑がいきなり暴力を振るうような奴だったらお前、好きになったか?」
「そ、それは・・・・」
「俺だったら恐ろしいから距離を置くぞ。つまり、織斑先生のようにすぐ殴る人より山田先生のような優しい人の方が好かれやすいって事だ」
「! 成る程。とても分かりやすいぞ!」
ブルッ 何だ? 急に悪寒が・・・・
「解ったか。応援してやるからお前は優しくする事を心がけて織斑を落とせ。何、あいつは今弱ってる。そんな時、お前みたいな美人で胸の大きい娘に優しくされたら織斑だってコロッと落ちるさ」
「! バ、バカ者! い、いきなり何を言うんだ!?」
「? もしかして自覚がないのか? 自信を持て。お前は間違いなく美人だ。保証してやる」
「~~もういい! コホン、それで、お前が応援してくれるのはありがたいが、お前に何のメリットがある?」
「何、俺は織斑と関わりたくないからお前には防波堤になって欲しいんだ」
「防波堤?」
「そう。あいつは妙に馴れ馴れしいから今日の事をコロッと忘れて明日にはまた話しかけて来るかも知れない。そんな時お前が織斑を誘導してこちらに来ないようにして欲しいんだ。お前は織斑と一緒にいられる。俺は織斑が来なくて平穏が得られる。win-winな関係という訳だ。どうだ?」
「・・・・分かった。お前の申し出を受けよう」
「よし、話は決まったな。それじゃ──」
「結城」
「うん?」
「ありがとう。それと、怪我をさせてすまなかった」
篠ノ之は深く頭を下げる。俺は皆に聞こえるように、
「謝罪を受け入れるよ、篠ノ之」
「箒、と呼んでくれ。篠ノ之という名字はあまり好きではないんだ」
「そうか・・・・分かった箒。俺の事も志狼でいいぞ」
「分かった志狼。改めてよろしく頼む」
そう言って浮かべた彼女の笑顔は、とても美しかった。
「結城、さっき変な事を言ってなかったか?」
さっきの例え話が聞こえたのか。何という地獄耳! 俺は何食わぬ顔で、
「いえ、何も」
「・・・・そうか。まあいい、そっちは話がついたようだな」
「はい、謝罪を受け入れ、箒とは和解しました」
「フ、箒か。・・・・まあいい、和解したなら篠ノ之、お前は反省文10枚で許してやる。明日までに提出しろ」
「はい」
「織斑、お前は反省文20枚だ。それと参考書を読んでレポートを提出しろ。来週の月曜までだ」
「! そんな、来週の月曜ってあと5日しかないじゃないか!」
あまりの理不尽な課題にダウンしていた織斑が跳び起きた。
「死ぬ気でやれ。それが嘘をついて皆に迷惑をかけた罰だ」
「ううううぅ~~」
織斑がチラチラと助けて欲しそうにこっちを見てるが助ける訳ないだろうが。自分でやれ。
「ああ、反省文は明日中だぞ」
織斑先生の止めの一撃に織斑は再び倒れ伏した。
「よし、ではこれにて解散!」
織斑先生の号令に教室の空気が弛緩する。クラスの皆にも迷惑をかけたな。一声かけておくか。
「皆、初日から迷惑かけたね。騒がせてすまない」
「いいえ、結城さんが悪い訳ではありませんから」
「そうですよー、カッコよかったし」
「面白かったから無問題」
クラスメイトからは概ね悪い印象を感じなかった。これなら大丈夫かな。
遅くなってしまったから見学は明日だな。帰り支度をしていると、山田先生が駆け込んで来た。
「ハア、ハア、よかった。2人共まだいてくれました」
「山田先生、どうしました?」
「本来の用事を忘れる所でした。急ですが結城君と織斑君の2人には今日から寮に入って貰う事になりました」
本当に急だな。当初は部屋割りの調整に時間がかかるらしく、しばらくは自宅から通う事になっていた筈なんだが。
「何かありましたか?」
「・・・・はい。実は政府から警備上の観点から、2人を早急に寮に入れるよう指示が出まして」
「成る程、それじゃあ仕方ないか。では先生、荷物を取りに一旦帰宅したいんですが」
「いや、その必要はない」
織斑先生がバッグを二つ持って入って来た。一つは見覚えがある。俺のだ。
「荷物は用意しておいた。着替えと洗面道具、携帯の充電器があれば充分だろう。結城のは妹さんが用意してくれたぞ」
いや、年頃の男がそれだけって、流石に織斑が哀れだ。俺の方は雪菜が用意してくれたみたいだが大丈夫だろうか?
「ム、いつまで寝ている。とっとと起きんか!」
未だに倒れたままだった織斑を足でグリグリして起こそうとしている織斑先生。その角度は危険だぞ。
「これが結城君の部屋の鍵になっています。失くさないよう気をつけて下さいね」
「はい、では失礼します。行こうか皆」
山田先生からカードキーを受け取り、待っててくれたセシリア達と教室を出る。
その間際に「黒・・・」という織斑のつぶやきの後、打撃音と断末魔の叫びが聞こえて来た。そうか、黒か・・・・
「しろりん、部屋は何号室?」
校舎を出る玄関口で本音が尋ねる。俺達は校舎から徒歩5分の1年生寮へ向かっている所だ。寮は各学年に一棟割り当てられていて、皆は昨日までに入寮を済ませているので案内して貰っているのだ。
本音の問いにカードキーの番号を答える。
「1210号室だ」
「え、私1209号室、またお隣りだ~!」
何と部屋は本音の隣りだそうだ。席も隣りだしこの娘とは何かと縁があるようだ。
「そうか、またお隣りさんか。よろしくな本音」
「うん、よろしく~。しろりんなら大歓迎だよ~」
彼女が本音で言ってくれてるのが素直に嬉しい。
「ありがとう。同室の娘は1組の娘かい?」
「ううん、かんちゃんは4組だよ。しろりんは?」
「俺は今の所1人だな」
本音の同室の娘は俺の知らない娘らしい。その内挨拶に行くとしよう。
校舎を出るとすっかり暗くなっていた。随分と濃い1日だった今日を思い返し、苦笑する。
本音達との出会いから初めて見たISの生飛翔。セシリアとの再会や箒の事件と和解。織斑のバカさと盛り沢山な1日だった。
「志狼さま、どうかしまして?」
セシリアに声をかけられ、初めて足を止めていた事に気付く。
「いや、何でもない。行こうか」
「はい」
俺は明日が今日ほど濃い1日じゃないよう祈りつつ、歩き出した。
~side end
~雪菜side
時刻は午後9時。ようやく兄さまから電話が来ました。今日は帰って来たら入学のお祝いをしようと思ってたのに学園の職員が来て、今日から寮に入るので荷物をまとめて欲しいといわれて予定がメチャクチャです。さて、どう弁明してくれるのでしょう。
『すまないな雪菜。いきなり予定が変わってしまって。あと荷物ありがとな』
「全くです。折角2人の入学祝いをするつもりだったのに2人共いないなんて」
『明日奈はまだ戻ってないのか? 随分遅いな』
「専用機の調整が難航しているらしくて今日は研究所にお泊まりだそうです」
『予定では入学までには完成する筈だったのにな。って事は今日雪菜1人かよ。大丈夫か?』
「大丈夫ですよ。元々2人が寮に入れば1人暮らしになる予定だったんです。少し早くなっただけですから」
『・・・・分かった。でも何かあったらすぐ知らせろよ』
「はい、分かりました、兄さま」
それから兄さまは今日学園であった事を話してくれました。ISの生飛翔やもう一人の男性が馬鹿だというのはいいんですが、クラスの女子と仲良くなった事は仕方がないとはいえ少し嫉妬してしまいました。
気付けばもう30分以上話しています。兄さまも今日は初日で疲れているでしょうからそろそろ切り上げなくては。
「次に会えるのはいつになるでしょうか?」
『周りが落ち着いてからだろうし、ゴールデンウィーク辺りになると思う。寂しい思いをさせてごめんな』
「クスッ いいえ、わがまま言ってごめんなさい。大丈夫ですよ、私は」
『そうか。・・・それじゃ明日もまた電話するから。お休み、雪菜』
「はい。お休みなさい、兄さま」
兄さまとの電話を終えると私は決意を新たに勉強する事にします。目標は八月の代表候補生試験。兄さまのお力になる為にも、必ず合格してみせます!
~side end
他作品ヒロインより「ストライク・ザ・ブラッド」の姫柊雪菜が志狼の妹として登場。
ただ、本格的な出番は当分先になります。
名前だけ出たもう1人の妹は10話位で登場予定。
因みに2人共義妹です。