二度目の高校生活はIS学園で   作:Tokaz

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今回は少し短いです。


第6話 クラス代表

 

 

~志狼side

 

 

 いつもの習慣で午前5時に目を覚ました俺は、洗面と着替えをすませ部屋を出る。

 外に出てストレッチをしていると、ジャージ姿の織斑先生が近づいて来た。

 

「おはよう。早いな、結城」

 

「おはようございます織斑先生。先生も朝のトレーニングですか?」

 

「ああ、毎日の日課でな」

 

「流石ですね、ロードワークならご一緒してもいいですか? まだコースが分からないので」

 

「構わんよ。もう行けるか?」

 

「はい、お願いします」

 

 俺は織斑先生と並んで走り出した。

 

 

 

 

 IS学園の外周は約10㎞。俺には手頃なランニングコースだが、結構アップダウンがあるので女子にはきつそうだ。そんなコースをものともせず織斑先生はかなりのスピードで走る。流石ブリュンヒルデの称号は伊達じゃないな。

 

 

 コースを1周して寮の前まで戻って来ると、呼吸を整えながら織斑先生が言う。

 

「ふふ、流石だな結城。引き離してやろうといつもよりスピードを上げたんだがな」

 

「ふう、変な所で生徒と張り合おうとしないで下さい」

 

「ふむ。さて、この後はどうする?」

 

「俺は軽くシャドーをして上がるつもりですが」

 

「ふむ、折角だ。どうせなら軽く模擬戦をしよう・・・・いくぞ?」

 

 ちょっ! この教師いきなり襲いかかって来やがった! 仕方なく俺も迎撃する為に拳を握った。

 

 

 

 

「ふう、久しぶりに有意義なトレーニングになった。礼を言うぞ、結城」

 

「・・・・それは良かったですね」

 

 織斑先生に打ち負かされ、地面に大の字になったまま俺は答える。

 

「ふむ。結城、これから毎朝トレーニングに付き合え。手頃なパートナーがいなくて物足りなかったんだ。お前にもメリットがある事だし構わんだろう?」

 

「・・・・ちくしょう、今に見てろよ」

 

「ハハハ、楽しみにしてるよ。それじゃあ遅れるなよ」

 

 織斑先生は明日からの約束を勝手に取り付けると、実にイイ笑顔で去って行った。

 時刻は午前6時30分、丁度いい時間だな。取り敢えず部屋に戻ってシャワーを浴びてから朝食にしようか。俺は立ち上がり、寮に向かった。

 

 

 

 部屋に戻るとシャワーで汗を流して制服に着替える。訳あって同居人の入居が遅れている為、今は1人で部屋を使えるのがありがたい。

 IS学園入学の条件の一つとして1人部屋を要求したのだが、入学直後で混乱している為、調整に時間がかかるらしく、しばらく我慢して欲しいと山田先生に涙目で懇願されてしまった(因みに1年生寮の寮長が織斑先生、副寮長が山田先生で部屋割りは副寮長の仕事だそうだ)。

 テレビを点けてニュースを見ると昨日の入学式が取り上げられていた。俺と織斑もアップで抜かれていて、男性操縦者の注目度が未だ高い事を思い知った。

 

 

 

 7時30分になり食堂へ向かう。

 

「おはようございます志狼さま。よろしければ朝食をご一緒しませんか?」

 

「おはようセシリア。勿論、喜んで」

 

 途中でセシリアに声をかけられたので一緒に食堂へ。朝食はバイキング方式になっていて、各々好きな物を取り席を探すと、清香達3人が手招いてくれたのでありがたく同席させて貰う。

 俺の食事量に驚かれるも皆で朝食を摂り、時間になったので登校する。

 

 朝のSHRではISの貸し出しについての質問が生徒から出た。残念ながら今の時期は上級生が優先されるらしく、俺達新入生が借りるのは難しいらしい。山田先生が申し訳なさそうに説明していたが、困ったな。後で先生に相談してみるか。

 それを最後にSHRが終わり、授業が始まる。

 

 

 

 

 昨日のようなトラブルもなく、授業が終わり、昨日のメンバーで昼食を摂ると、俺は用事があると皆に断り席を立つ。

 

 向かったのは職員室。俺はノックをして入室する。

 

「失礼します。1年1組、結城入ります。山田先生はいらっしゃいますか?」

 

「結城君? どうしました?」

 

「昼休み中にすいません。先生にご相談したい事がありまして。今、平気ですか?」

 

「いいですよ。それで何でしょうか?」

 

 俺は今は授業についていけてるが将来的に不安な事。自分の立場上、戦闘技術を磨かねばならないが、現状ISの貸出しが受けられない事を相談した。

 

「成る程。・・・・結城君、良ければ放課後、私の補習を受けてみませんか?」

 

「俺としては助かりますが、いいんですか?」

 

「ええ、流石に毎日という訳にはいきませんが、私と一緒なら教員用のアリーナとISが使えますし。それに私は貴方の先生ですから」

 

 朗らかに笑う先生。やばい、この人天使だ。

 

「ありがとうございます。喜んで先生の補習を受けさせて貰います」

 

「はい。でも、なぜ私に相談を? 担任の織斑先生の方が良かったのでは?」

 

「ここだけの話にして欲しいんですが、人にものを教えるのは織斑先生より山田先生の方が上手いと思ったので。それに誰だって鞭より飴の方が好きでしょう?」

 

「クスッ あら、私の指導が飴とは限りませんよ?」

 

「フ、覚悟しておきます」

 

 山田先生と顔を見合せ笑った後、早速今日の放課後から補習をして貰う約束をして、職員室を後にした。

 

 

 

 

「この時間を利用してクラス代表を決めたいと思う」

 

 帰りのSHRで織斑先生が言った。

 クラス代表とは所謂学級委員長のようなもので、クラスの代表として生徒会との会議に出席したり、クラスマッチに出場してISで戦ったりと文字通りクラスの代表として色々と活動するらしい。だがこれはマズイ。

 

「自薦、他薦は問わない。誰でもいい。正・副1名ずつ選出しろ」

 

「はい、私は織斑君を推薦します!」

 

「ええっ!」

 

「先生、私は結城さんを推薦します!」

 

「・・・・・・」

 

 案の定、男の俺達に白羽の矢が立つ。大事な事なんだからちゃんと考えようよ君達。

 

「ちふっ、織斑先生! 代表なんて俺は嫌です!」

 

「他薦の拒否は受け付けん。推薦した者はお前が代表に相応しいと思って推薦したんだ。その者の思いを無下にするつもりか?」

 

「ううううぅ~~」

 

 いや、彼女らはそんなに深く考えてない。絶対ノリで推薦しただけだろう。とは言え俺もやりたくないしなあ。・・・・仕方がない。

 

「先生、俺も拒否したいんですが受け付けて貰えないなら仕方ありません。ですが俺達ではクラスマッチなどで勝てる確率は限りなく低い。そんな俺達にクラス代表は務まらないでしょう。俺は入試首席でイギリス代表候補生でもあるセシリア・オルコットを推薦します」

 

「まあ、光栄ですわ」

 

 俺は真に相応しいであろうセシリアを推薦する。決して自分がやりたくないからではない。

 

「ふむ、推薦されたのは織斑、結城、オルコットの3名か・・・・。よし、それでは三つ巴の模擬戦で決着をつけよう。次にアリーナ使えるのは・・・・1週間後、第3アリーナで代表決定戦を行う。巴戦で一番勝率の高い者が代表を決める権利を得るものとする。いいな」

 

 織斑先生の鶴の一声で、否応なしにクラス代表決定戦への参加が決まった。

 

 

 

 

 

「なあ、しろ、じゃない、結城! どうするんだよ!」

 

 懲りずに俺を志狼と呼び捨てにしようとする織斑を睨み付けて訂正させる。しかし、こいつは昨日の今日だというのに案の定話しかけて来やがった・・・・頼むぞ、防波堤()

 

「どうする、とは?」

 

「だから1週間後の代表戦だよ!」

 

「さあな。でも自分の近くにいる、ISについて詳しい人に教えて貰えばいいんじゃないか?」

 

 俺はそう言いながらチラッと箒を見る。箒はそれに気付いたようで、

 

「い、いいいい一夏! ISの事ならわ、私が教えてやるぞ!」

 

「箒? お前ISについて詳しいのか?」

 

「う、うむ?」

 

 ・・・・箒の奴、嘘でもいいから自信満々に答えればいいものを。妙な所で素直な奴だ。仕方ない、少しフォローしておくか。

 

「彼女の姉が誰か忘れたのか? ISの生みの親だぞ」

 

「あ、そうか!」

 

「し、志狼!?」

 

 本当はISについて詳しくないだろう箒が慌てて俺に食ってかかる。俺はそんな彼女の肩を抱き寄せ、織斑に背を向けると小声で、

 

「大丈夫だ。少なくとも俺や織斑よりは詳しいだろ?」

 

「だからって姉さんの名を使うなんて」

 

「使えるものは何でも使え。それとも何か? 織斑が他の誰かに教わって、その娘と仲良くなってもいいっていうのか?」

 

「そ、それは嫌だ!」

 

「だろう? 今お前がすべきなのはハッタリでいいから自分に任せろと言い切る事だ。何、不安なら最初は竹刀でも握らせて今の実力を確めてやれ。ISは所謂パワードスーツだ。本人の体を鍛えて無駄な事はないだろうからな」

 

「そうか。よし、分かった!」

 

 箒を解放する。解き放たれた箒は自信満々に織斑に向かって言う。

 

「私に任せろ一夏、しっかりと鍛え直してやる!」

 

「あ、ああ、よろしく頼む?」

 

 ISの事を教えて欲しかったのに、自分を鍛え直すという箒に違和感を感じながらも何も言わない織斑は、やる気になった箒に引っ張られて教室を出て行く。

 よし、これで織斑はしばらく寄って来れまい。

 

 

 

「もう、厄介払いの為とはいえ少し可哀想では?」

 

 セシリアが苦笑しつつ近付いて来た。

 

「構わないさ。箒は幸せだし、何も言わず流されるだけの織斑が悪い」

 

「クスッ 悪い人ですわね。所で志狼さまはどうしますの? よろしければ(わたくし)と訓練致しませんか?」

 

「魅力的なお誘いだが今は断るよ。少なくとも代表決定戦が終わるまでは敵同士だからね」

 

「成る程。では楽しみにしてますわね」

 

 優雅に一礼するとセシリアは教室を出て行った。さて、俺も山田先生の所へ行くか。

 

 

~side end

 

 

 

 




読んでくれてありがとうございました。
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