続く予定もなんもないです。
モデラーあるあるいっぱいです。
あと模型メーカー等が伏字で出てきます(ただ出てくる回数が多いとあんまり意味ない気がする…)
(注)この世界は基本的に「ガルパンはないけど他の作品、ストパン、艦これ、WOWS、WOT、WT、アズレンなどが現実と同じく存在し同じかそれ以上に人気」という世界です。
後時系列は劇場版のエキシビジョンの数日前ぐらいです。
年の設定は2018年です。
「ふう…やっとできました!」
「小梅、あんたいっつもそんなの作ってよく飽きないわね。それこの間作ったのと一緒じゃない」
ある日、赤星小梅は自分の部屋で友人で戦車隊の副隊長逸見エリカとともにいた。
そして小梅の手には1/48のトムキャットがあった。
エリカはそれを見て前に作ったものと同じだと突っ込む。
そう、この部屋にはトムキャットをはじめ多くの飛行機の模型、そして海外製アクリル塗料をメインとした大量の塗料、エアブラシなど模型用具も多数あった。
小梅の趣味、それは模型、それも飛行機モデラ―だった。
「違いますよ。この前作ったのはバウンティ・ハンターズのF14A、こっちはイラン空軍のF14Aですよ。」
エリカの突っ込みに小梅は説明する。
よく見れば棚に置かれたトムキャットはよく見れば赤と青と白の特徴的なストライプが描かれたアメリカ海軍VF-2バウンティ・ハンターズのトムキャットだった。
そして完成したばかりのトムキャットはよく見ればイラン空軍のトムキャット、通称ペルシャ猫だった。
その知識と違いにエリカは呆れる
「あんたよくそんなこと知ってるわね…」
「小さいころから飛行機が好きでお父さんに見せてもらった映画でトムキャットに恋して以来いくら作っても飽きませんよ。
それにタ○ヤから出たトムキャットはすごいですよ。
ストレスゼロで簡単に作れるんですから」
小梅はこのタ○ヤのトムキャットを熱く語るがエリカは呆れていた。
それに気が付かない小梅はそれを部屋の反対側に置かれた撮影ブースに運び撮影、そのままSNS投稿していた。
「小梅、何やってるの?」
「エリカさん、作ったトムキャットをSNSに投稿してるんです。
あ、早速いいねとリツイート貰えました。」
「ちなみに聞くけど誰から?」
だれからいいねとRTを貰ったかをエリカが小梅に聞く。
「オータムマウンテンさんと紅茶海軍さんからですね。
前者は大洗の秋山さん、後者は聖グロのアッサムさんです」
「ちょっと待って!小梅あの二人と繋がってるの!?」
エリカは小梅の意外な繋がりに驚く。
いつの間にか知らないところでライバル校のアッサムや秋山と繋がっていたのだ。
「ええ。言ってませんでした?
私、あの二人と同じ模型サークル入っていて今年のホビーショーにも参加しましたよ?」
「まさかとは思うけど抽選会への参加を私に押し付けたのってそれが理由!?」
「まあそうですね。エリカさんが埼玉で色々起きてる間、私は静岡で充実した日々を送ってました」
エリカはこの少しばかりずる賢い友人を恨んだ。
「アッサム様!どこにいますんですの!」
「ローズヒップさん、迷惑になるんで声を張り上げないでください。
それと走らないでください」
聖グロの学園艦ではローズヒップという赤毛で落ち着きのない少女がオレンジペコという少女にある寮の廊下で止められていた。
この廊下の先にあるのは彼らの敬愛する先輩、アッサムの部屋だった。
「ん?何やってるの?」
すると先のドアが開き何故かモ○エナを持ってヘッドルーペをつけ赤と青の四角の中に白色の星が二つ描かれたTシャツを着たアッサムが出てきた。
「アッサム様!なんですかそのお姿は!」
その姿にローズヒップは自分の中の何かが崩れた。
「アッサム様、なんて格好をしているのですか…
おグレたのですか?」
ローズヒップは膝を突き絶望したように言う。
それにアッサムは頭を抱えながら答える。
「ローズヒップ、これは部屋着よ。
それに私だってモンエ○ぐらい飲むわよ。毎日紅茶を飲んでも根は日本人ですし」
それにアッサムが返す。
そりゃそうだ。常に優雅たれと教育される聖グロの生徒だって人間、日本人だ。
時にはトイレに行き、ファストフード店でハンバーガーを食ってコーラを飲み、ネットゲームで徹夜し、模型店で買うたやめた音頭を踊ってから意識を失い気が付いた時には手によくわかんない模型があるものである。
その返事にローズヒップは落ち込む。
「そうなんですの…アッサム様もお○ンエナをお飲みになられるのですね…」
「ところでアッサム様は何をなされていたんですか?」
ふとペコは何をやっていたのか気になり聞く。
「一晩中ナイアドとリージョンを作ってたわ。
徹夜したわ」
「ナイアド?リージョン?」
アッサムはナイアドとリージョンを作っていたと答えるがペコはそれが分からない。
「模型よ。次の展示会に向けて作ってるの。
見せてあげるわ。あがってらっしゃい」
アッサムは説明するため二人を部屋にあげる。
「お邪魔します」
「お邪魔しますわ」
ペコとローズヒップは挨拶をして部屋に上がる。
玄関には巨大なフルハルの戦艦と駆逐艦が飾られていた。
「ペコさん!戦艦ですわよ!」
「大きいです。もしかしてこれ…」
それを見てローズヒップが興奮する。
ペコもそれに興味を持ちアッサムに聞く。
「ええ。私が去年作った大作、1/350日本海軍戦艦大和とドイツ海軍駆逐艦Z-301940年よ。
大変だったわ。1/350はパーツも何もかもが巨大で」
その戦艦と駆逐艦は大和とZ‐30だった。
アッサムに連れられ二人は玄関を上がって部屋に入る。
部屋の中は片づけられテーブルの上などに艦船模型が飾られ本棚にはジョークの本に交じり艦船模型雑誌や海戦史や海軍史の本が置かれていた。
そして部屋の一角だけ何やら色々置かれたスペースがあった。
「アッサム様、あの一角は何ですの?」
ローズヒップが気になり聞く。
「作業スペースよ。いつもはあそこで作業するの。
作業の合間にそばのパソコンでゲームしたりもするわね」
そのスペースは作業スペースだった。
よく見ればそのスペースに置かれたテーブルにはニッパーやプラモデルの箱、接着剤や塗料、エアブラシ、リューター、カッティングマット、ルーペなどが置かれていた。
「へえそうなんですの」
「意外でした。アッサム様が模型が趣味だとは。
ところであのさっき言っていたナイアドとリージョンっていうのは?」
ローズヒップは感心しペコはふと最初の話題に戻る。
それにアッサムは二人を部屋の作業スペースに連れて行き作業スペースに置かれた小さな駆逐艦と巡洋艦を見せる。
「これがHMSリージョンとHMSナイアド。
リージョンはイギリス海軍のL級駆逐艦、ナイアドはダイドー級軽巡洋艦の一隻よ。
これ、フライホー○っていう中国のメーカーのキットなんだけどそれを集めた資料を基に第1次シルテ湾海戦時に改造して徹底的にディテールアップしてみたのがこれ。」
その駆逐艦と軽巡洋艦がリージョンとナイアドだった。
2隻とも1/700でありながら非常に細かい工作が施され甲板の手すりはもちろん窓、ラッタル、各種灯火類、張線なども再現されたものだった。
「すごく細かいです…」
「目がくらくらしそうですわ…」
ペコとローズヒップがそれぞれ見て感想を述べる。
「ありがとう、二人とも。
まあまだ完成はしていないのだけれど。」
「え?これで十分だと思いますけど」
アッサムがまだ未完成だと言いペコが驚く。
その言葉にアッサムは返す。
「まだまだよ。
二つとも兵士をまだ付けれてないし台座をまだ作ってないの。
それにこれ次の展示会に出す予定ですし」
まだこれはエッチングパーツで作るフィギュアと台座を作っていなかったからまだ未完成だった。
するとローズヒップが呟く。
「別にこれでも十分だと思いますけど…」
「確かに、このままでも十分といえるわよ。」
ローズヒップの呟きに反応してこのままでも十分だという。
だがまだ言葉を続ける。
「でもね、納得できないのよねこの仕上がりだと。
趣味なんだから誰にも邪魔されたくないの。
模型はね、自由に作るのが一番いいの。だから私はその通りに自由に作ってるだけよ」
アッサムは自らの模型の哲学を語った。
「ところでアッサム様、今日は大洗とのエキシビションの打ち合わせですが…」
「え?」
ペコにふと今日の予定を言われアッサムは壁に掛けられた時計を確認する。
時計は打ち合わせの40分ほど前を指していた。
「あ」
時間を確認せず没頭するという初歩的なミスを犯したようだ。
「ゆかりん、何この細かいの?」
「ラングですね。細かい…フィギュアもついてるってすごいですね」
「えへへへ、ありがとうございます、西住殿、武部殿。」
優花里は自分の部屋で同じチームの沙織、みほ、麻子、華に作った模型を見せていた。
作ったのは1/35Ⅳ号駆逐戦車(V)ラングだった。
地面を作りレジンフィギュアを組み合わせて簡単なアルデンヌ戦のヴィネットになっていた。
その見事な出来に全員が褒めていた。
「でもアッサム殿や部長殿に比べたらまだまだですよ。」
「「部長?」」
優花里は謙遜して部長という人物の名前を出す。
それに一同興味を持った。
「ねえねえその部長ってどんな人?男?」
最初に食いついたのが恋愛ジャンキーだった沙織だった。
それに優花里は少し引きながらも答える。
「えっと、男です沙織殿。
私が入ってる全国学園艦模型組合っていう模型サークルの会長で知波単学園模型部の部長の田村栄作殿のことです。」
「で、どんな男の子?カッコイイ?」
男だと聞くと恋に飢えている沙織はさらに聞く。
「カッコイイといいますか…
むしろ身長が私より少し小さいぐらいしかなくてファッションセンスも最低限レベル。
まだ身嗜みに気をつけてるだけいいですけどほとんどオタクですよ」
優花里は部長と呼ばれている田村栄作の事を説明する。
すると下から声がした。
「優花里!部長さんが遊びに来てるわよ!」
「え!部長殿来てるんですか?!」
母親の好子の声に優花里は驚いて返す。
すると足音がして優花里達のいた部屋のドアが開き母親と身長155センチほどの荷物を抱えた少年が立っていた。
「どうもありがとうございます。」
「いえいえ、優花里の友達たちと仲良くね」
その少年は好子に礼儀正しく感謝の言葉を述べる。
そして好子が降りて行くと優花里の部屋に入って優花里に声をかける。
「さてと、秋山!まずは優勝おめでとう!」
「ありがとうございます!部長殿の学校も健闘しましたよ」
入ってきた少年は優花里に優勝を果たしたことへの祝いの言葉を述べる。
それに優花里も少年の学校の活躍を讃える。だが
「あれでか?あんな脳味噌が突撃とその類義語と低知能な根性論で支配された能無しどもが健闘なんかするかボケ。
オペレーションリサーチもせず凝り固まった思想にへばりつき自浄作用がなく根拠不明の根性論に支配された日本の悪しき面を全て詰め込んだ不健全極まりない組織に勝てるわけねえだろ。
連中が今後10年一切公式戦では勝てんだろ。」
それに対して出て来たのは自校のチームへの罵詈雑言だった。
それに優花里は苦笑いする…
「あはは…部長殿は本当に知波単が嫌いですね…」
「ああ。あんな日本の負の側面の権化を応援するなら黒森峰を応援した方が百倍マシだ」
「えっとゆかりん、誰その人?」
優花里と少年は会話に夢中になるが沙織が割り込んで少年の事を聞く。
「その、さっき言っていた部長の田村栄作殿です。」
「ども、田村栄作です。よろしくあんこうチームの皆様方」
その少年こそが部長こと田村栄作だった。
栄作はあんこうチームのメンバーに挨拶する。
挨拶されたことに何故か沙織が興奮する。
「キャー!華!きっと彼私に気が…」
「秋山、あいつ頭大丈夫か?」
「部長殿はもうちょっと言葉遣いを気にしてください。
沙織殿は大丈夫ですよ。」
その様子を見てなかなかキツイ言葉で優花里に聞く。
それに言葉遣いを注意しながら大丈夫だという。
「あ、そうなの…」
それに栄作は引く。
すると優花里が話題を変える。
「ところで部長殿、何か持ってきたんでしょうか?」
優花里は持ってきた荷物に話題を変えた。
「ああ、完成したのを持ってきたよ。
1/35Ⅳ号戦車H型、あんこうチーム仕様だ。
まさか2年連続土壇場で作る奴を変えなきゃならんとはな」
栄作が荷物をほどいて中の段ボールから戦車模型を取り出しながら説明する。
出てきたのはあんこうチームのⅣ号戦車H型だった。
「これって私たちの戦車…」
「細かいですね…」
「すごいな」
それにみほ、華、麻子がそれぞれ反応する。
それに自慢げな表情をしながら栄作が言う。
「すごいだろ。
全く今年は黒森峰が優勝すると思ってドラゴ○のⅢ号戦車J型引っ張り出して作ってたら大洗が勝ったもんだから急遽積からタ○ヤのⅣ号戦車H型引っ張り出して作ったよ…
去年のティーガー作ってたらプラウダ優勝して急いでタミ○のJs‐2作ったのは大変だったよ。」
栄作は製作の内情を漏らした。
二年連続で黒森峰が優勝すると思っていたため優勝を逃した結果土壇場で製作品を変えたのだ。
「まあ作りかけたティーガーはそのまま市販デカール使って第503重戦車大隊にしてⅢ号も手持ちに第3次ハリコフ攻防戦時のトーテンコップ師団のデカールセットとフリウ○のヴィンターケッテがあったからそれ使って作ってるけどね」
「第3次ハリコフ攻防戦のⅢ号作ってるんですか?」
その作りかけた戦車も別のものにして作っているというと優花里は興味を持った。
さらに優花里と栄作のマニアックな会話は続く。
「ああ。一応アルパイ○のフィギュア使ってこじんまりとしたヴィネットにしようかな?とか考えてる。
あとできればお手つきのミニアー○のGAZ-AAAマキシム4連装機銃搭載型もやられ役で使いたいなとか考えてるけどそれしたら多分収集つかなくなって完成できないと思う。」
「無駄に風呂敷広げたら大変ですからね…」
「そっちのラングもいい出来じゃない。
キットはなに?○ラゴン?○ミヤ?」
「タミ○ですね。フィギュアは○ルパインのSS戦車兵を使ってます。
荷物はラインの守りなんでドイツ軍とアメリカ軍を3:2ぐらいで詰んでますね。」
「成る程。地面のシズル感や落ち葉の落ち方、それに泥のつき方が良いじゃない。
光と陰迷彩も良くできてる。
ダークイエローとか明るい色は泥汚れが映えるから良いんだよな。」
「そうですね。逆にシャーマンとかは暗いんで埃汚れや冬季迷彩が映えますよね。
一応今これと対になる形でイージーエイト作ってます」
「そうなのか?○ミヤ?○スカ?」
「アス○?ですね。いつの間にかタス○から変わってますけど」
このマニアックか同好の志でない限り全く分からない会話にみほたちは半分引いていた。
「みぽりん、この二人何の話してるの?」
「ご飯の話ではないようですね」
「訳が分からん」
「えーと…」
沙織はみほに聞き、華は飯の話ではないことだけを理解し麻子はもはや考えることを放棄しみほは困惑するだけだった。
そしてこの微妙な空気に流石の秋山も気が付いた。
「あ、その部長、西住殿たちが…」
「ん?ああ。完全にモデラーの模型談議に花咲かせてたな。
すまんな、模型談議に集中しちゃって」
秋山に言われて栄作も気が付きみほたちに謝る。
「い、いえ。好きなものにそこまで熱心に話されてるのはすごいと思いますよ」
「秋山、何この聖人」
「西住殿はこういう人なんです。」
「あっそうなの。去年の黒森峰と聖グロのあのプライドだけは高いバカとは大違いだな」
みほの話に栄作は黒森峰や聖グロのプライドだけは高い連中と比較していた。
その後夕方まで二人の模型談議は続いた。
その数日後
「西!おめえのところの乗員何人か貸せ!」
「田村殿!隊長に向かってその言い方は何でありますか!」
栄作は知波単の戦車隊にいた。
大洗の廃校にブチギレした彼は知波単の戦車の乗員を借りに来たのだ。
その荒い口調に一番小さい福田が注意する。
「福田は黙ってろ!4人、砲手と装填手、通信手と操縦手貸せ!
あのクソメガネを(放送禁止用語)してやらあ!」
「田村殿!その役目は我々知波単戦車隊が身命を賭して…」
「おめえらが役に立たねえから言ってんだろ!
ブリキのおもちゃでティーガーに万歳突撃するバカに賭けるなら実家のヤクパン持ってきて俺が指揮したほうが百倍マシだ!」
栄作は知波単の戦車隊を一ミリも信用してないどころか「ブリキのおもちゃでティーガーに突撃するバカ」と評していた。
この後大論争の末数人の「世間一般的にまともと評される」乗員が貸し出され大学選抜戦に殴りこんだとかどうとか。
<ヒコーキモデラー小梅編>
子供の頃に見た某デンジャーゾーンなトム猫映画見てトムキャットに恋しちゃった設定。
飛行機モデラーで飛行機なら何でも作るけどトムキャット愛だけはすごいって設定。
モデラーとしては海外製アクリル塗料をメインに使うタイプ。
多分本棚には世界の駄作○があると思う。
ストパンも見てるかも
<お船モデラーアッサム>
色々あってお船に目覚めた人。
緻密で細かい工作を得意とし徹底的に作りこんだ作風が特徴。
塗装は国産ラッカーなどを使用。
もしかしたら提督で艦長で指揮官かも。
<戦車モデラー秋山>
謎の大して変わってない人。
スタイルは戦車メインで塗装はタ○ヤアクリルがメイン。
フィギュアもちゃんと作る。
ヴィネット派。
多分本棚にはダイオラマパーフェクショ○とかタンクシンクタン○とかラスカ○があると思う。
<オリキャラ田村栄作>
モデルはタミヤの田宮俊作会長。
軍事と付けばなんでも食っちまう。
口が異常に悪い。昔はヤクパンに乗ってた。
スタイルのモデルは作者です。
役職は知波単高校模型部部長兼全国学園艦模型組合会長。
一応あの抽選会は5月の第2週の週末って設定です。
で、この時期はモデラーにとっては大事なホビーショーの時期です。