ソードアート・オンライン~K・A・Y~ 作:piroyuki
前回はアスナのユニークスキル【流星剣】に触れましたがもちろんオリジナルスキルの設定です。
それはそうと沢山のお気に入り登録ありがとうございます。
50層攻略前日、キリト、アスナ、ユイ、マヤ、エギル、リズベット、ユージーン、ベルクーリ、アルゴのKAY全メンバー9人がギルドホームのブリーフィングルームに集まっていた。
今回のギルド会議の目的は、まずは50層ボスの攻略についての作戦、そして一連のある事についての対策会議だった。
「まず聖竜連合とある組織が結託しているって話ダ。」
「ある組織?」
「あぁ、キー坊も聞いたことあるよナ?【笑う棺桶】《ラフィンコフィン》ダ。」
俺達が前回を知る限りだとDDAのラフコフとの関連性はゼロに等しかった。
ディアベル生存で恐らくなにかが変わったのかもしれない。
「いいカ。DDAはここンとこ各層のLAボーナスが34層以来取れていなイ。」
「確かにそうですね。」
「ほぼウチがもっていってるのを面白くなイんだヨ。奴らは。」
「そんなこといってもなぁ・・・アスナが早すぎるんだよな。」
「ちょっと!何?私のせい!?」
「・・・まぁ。だなw」
「キーリートーくーん?」
「・・・・いや・・・ナンデモナイデス」
「とにかくダ。DDAはここんとこ偵察隊をこの22層に何度も放ってるのも知っているナ?」
「毎日のように索敵に引っかかりますもんね。」
「そうだな。俺もリズも店に行くときはよく引っかかるな。」
「イヤラシイ目線なんだよねーーあいつら」
DDAの偵察メンバーなら現段階のKAYなら対処しようもある。しかしラフコフが出てくるとなれば話は別だ。
ラフコフは平気で人を殺せてしまう殺人集団。任務の依頼であれば完遂するが、失敗となれば即座に撤退する、というのが前回の彼らだったが・・・
「恐らく50層攻略後にラフコフが出張ってくるだろうナ。」
そう、そこが問題だ。50層のボス攻略後のメンバーは体力はよくても精神はかなりすり減らした状態になる。疲れていなくても疲れている状態といってもいい。
「そこで提案だ。」
キリトには考えがあった。
「KAYの50層攻略は俺とアスナ、マヤのみで行う。」
「「え!?」」
「わからないか?KAYからは俺とアスナとマヤのみを出すんだ。」
「それだと主力がかなり削られるよ!?」
わかっていた。キリトはLV71、アスナのLV71と他主力を平均してもLV60後半のメンバーが4人削られることになる。
「俺達は絶対に死んではならないんだ。」
「そう・・・だけど・・・」
「50層のボスは危険だが、それ以上に危険なのはラフコフなんだ。」
「キリト、ラフコフはそんなに手ごわいのか?」
手ごわい・・・そういってもいいのだろうか?わかりやすくいえば自分たちは人を殺すことを考えたことがない。そんな自分達が殺しにくる相手と対峙した際にどう対処できるんだろうか?武器を破壊する?そんなことは難しいし、出来る限り殺さないようにするというのは相当に難しいことなのだ。特に麻痺毒を受ければ一巻の終わりだ。
「なぁ鼠、PKプレイヤーってのは基本麻痺毒を得意とするはずだよな?」
「そうだナ。」
「麻痺毒を受けたら確実に殺されると思ってくれ。」
「なっ・・・・」
覚悟が必要だった。
ほんの少しでも傷を負えば終わりという認識をもたなければきっとラフコフの部隊を相手にできない。
「対処メンバーは俺とアスナ、そしてマヤ、ユージーン、ベルクーリの5人だ。」
「5人!?」
「おい!なぜ俺を省いた!?」
リズとエギルを省いた理由はあった。
「リズ、君は多分こういう仕事は向かない」
「え・・・!?そんなことないわよ!!!」
「エギル・・アンタは絶対死なせらんない」
「おい!お前らも一緒だろうが!!」
「奥さん・・・泣くぞ?」
「くっ・・・・おまえなぁ・・・」
リズとエギルは中層プレイヤーの支援をしている。これが途絶えたとき、どれだけ犠牲者が増えるか・・・想像しただけでも恐ろしいのだ。
「なあ、キリトよ。」
「ん?」
「お前らは絶対死なせねぇからな!」
「ユイ、こいつらがギルドホームから出られないように・・・頼むぞ。」
「はい。パパとママ、皆さんを信じています。」
「ユ・・・ユイちゃんまで・・くそっ・・・」
「ね・・・ねぇ?ユイは怖くないの?パパとママがいなくなるの・・・」
「怖いですよ。でも信じてますから。」
絆の力というのは時にものすごい力を与えてくれる。ユイのその一言はキリトとアスナに何倍もの力を与えてくれた。
「ユージーン、君の武器の特殊効果は今回の戦いでかなり有効になる。頼んだぞ。」
「あぁ、任せておけ」
ユージーンの武器は魔剣グラムというレジェンダリーウェポンだ。入手条件は39層のたった一度しか現れないフィールドボスをソロで倒すという危険なものだったらしいが、彼は一人でそのボスを倒し、手に入れたそうだ。この武器の特殊効果はエセリアルシフトというエクストラスキルで、武器や盾でその剣の攻撃を防ごうとすると霞み、それをすり抜けて攻撃出来るというものだ。
「よし!50層ボスの段取りだ!」
「俺とアスナは前衛の後ろから攻撃。マヤは今回出来る限りの回復結晶を持って前衛の回復、俺達二人の回復に徹してくれ。それだけだ。」
「え??それだけ???」
「あぁ、それだけだ。」
「はい。シンプルでわかりやすいですね。」
「あとアスナ、君はアレを使ってくれ。」
「アレ?まだ熟練低いよ?」
「構わない。今回使っておく必要がある。」
「うん・・・わかった!」
「よし!解散!」
このギルドホームとログハウスはそこまで離れていない。
しかしこのフィールドは圏外であることとユイのこともあり、以前からホームとログハウスと繋ぐ地下道を作っていた。
キリトとアスナとユイの三人はその地下道を通ってログハウスに向かっていた。
「キリト君、流星剣を使うのって本当に必要なの?」
「あぁ。俺も二刀流を使う。」
「っ・・?本当に?」
「特にディアベルには俺達の実力を知らしめておく必要があるんだ。」
「うーん・・・」
「大丈夫ですよ!ママ。」
「でもねぇ・・・ユイちゃん」
「もしかしたら・・もしかするかもです!」
「ユイちゃん・・・なんか変な影響受けてない?誰かから・・・」
「そんなことないですよ?」
「本心を隠すだーれかさんにーーーー」ジトー
「・・・おい・・・俺を見るな俺を・・・。」
ログハウスに着くと、すでに夕日が落ちかけていた。このログハウスからは湖に落ちていく夕日が最高の眺めなのだ。
「じゃあ私夕飯つくるねー」
「あぁ、たのむよ。」
キリトはソファーに座り、新聞を読みながら紅茶を飲む。
そしてキリトの膝にユイは座り、KAY攻略本に情報を書き足している。今の攻略本はユイが執筆しているようなものだった。ちなみに現在は55層の攻略MAPだ。
「パパー、クリスタライトインゴットって・・・」
「あぁ、ドラゴンの排泄物な。」
「あ!そうでしたね!ンコですね!」
「こら!ユイちゃんそんな言葉口にだしちゃだめ!」
「エヘヘ・・怒られちゃいました。」
「ほらーママこわいぞー」
「キリト君!!あんまり言うとおかずの一品がポリゴンになるわよ!」
「ひぃぃ・・・」
「それは困りますぅ・・・」
ママの機嫌を損ねると、料理の質が段階的に下がるという設定になっている。
最終段階になると黒パンのみという地獄が待っているのだ。
と、アスナはいっていたが実際のところそんなことはしないのがアスナのいいところだ。
「パパ・・・ママ・・・明日は早く帰ってきてくださいね?」
「あぁ。もちろんだ。」
「ちゃちゃっと片付けちゃうね!」
ユイを挟んで川の字に寝ているキリトとアスナは両側からユイの頭を撫でていた。
ユイにとってはボス戦前夜のこの時間が一番好きなのだ。二人は前夜のみ毎回川の字で寝てくれるのだ。そして帰ってきた二人を満面の笑みで「パパ!ママ!おかえりなさい!」といって出迎える。それをみた二人の嬉しそうな姿がユイにとっては最高の幸せだ。
次の日、二度目のクウォーターポイントである50層攻略が始まる。
こんな時間になってもうた・・・。