ソードアート・オンライン~K・A・Y~ 作:piroyuki
「というわけで今日からしばらくキリト君は外出禁止ね!」
「どういうわけで!?!?」
事の発端はアスナが50層主街区のアルゲードにエギルへの用事と買い出しに行ったときのことだそうな・・・。
「あそこってゴチャゴチャしてるじゃない?それで何かないかなっていろいろ見て回ってたら【KFC】っていう看板のお洒落な建物があったのよ。【KFC】っていったらケン〇ッキーだと思うじゃない!あのフライドチキンを想い浮かべたら懐かしくなっちゃって、皆へのお土産になるかなーって思って入ってみたのよ。」
まあたしかにKFCゆうたらケン〇ッキーですわ。
「そしたらなんか女の人が10人くらいいて全員私の顔見るなり白い目で睨みつけてきて・・・出てけ!!!って追い出されたのよ・・・。なんなのよ?って思って通りかかった人に聞いてみたらさ・・・キリト様ファンクラブの本部なんていうじゃない・・・。」
「よくよく思いだしたらその広間の壁にキリト君っぽい人のポスターとかいっぱい貼ってあったのよ・・・。」
「そ・・・そんなの俺しらないぞ!?」
「知らないとかの問題じゃないわよ!!この一級フラグ建築士!!!」
「い・・!?なんだよそれ!?アスナだって流星のアスナとかいってこの前新聞にファンクラブ会員募集の記事が載ってたじゃないか!!打倒キリトとか書いてあったし!」
「う・・・うるさいわね!とにかくキリト君は危険なの!外出禁止なの!」
とうとうアスナの堪忍袋の緒が切れたらしい。こうなると誰にも止めることはできないのである。
「外出禁止はキツイだろ・・レベリングはどうするんだよ?・・・せめてこの階層だけは許可してくれ・・・」
「うーん・・・」
「なぁ・・・頼むよ・・・・」
「・・・・分かったわよ・・・二日に一回なら許可するわ。そのかわり主街区は禁止ね。」
「くっ・・・買い物も無しか・・・」
「と・・・とにかくほとぼりが冷めるまで家族サービスね!」
「あぁ・・・わかったよ」ショボン
そしてアスナは普通に出かけていくのである。エギル曰く「カーチャンは地上最強の生物だからあきらめろ」とのことだ。
しかし【KFC】はないよな・・・誰のネーミングセンスだよ・・・。
外出禁止令4日目、キリトは湖のほとりで釣り竿を垂らしていた。
釣りスキル皆無のキリトにとってはただのぼんやりタイムである。現実世界で釣りの経験といえば、昔祖父に連れられて海に行ったが二人並んで無口なのと全然釣れなくて暇だったので精神的苦痛を味わい、もう二度と祖父とは釣りには行かないと心に決めたのは幼き日の思ひ出。
竿を上げると餌は無くなっている。とうとう釣りに飽きたキリトは頭の後ろに両手をやって寝っ転がった。
この外出禁止令が出されてから悪いことばかりでもない。ユイはごきげんだし、アスナとの時間も増えたり、ギルドメンバー達の日常も見ることができ、いろいろな発見もあって新鮮さも覚えた。
たとえばマヤは昼食後に長剣を持って剣道のような素振りをしていたり、ひそかに料理スキルを上げてユージーンに毒見させていたらしく、ユージーンは「まだこの地獄は続くのか・・・」とかつぶやいていた。
サチはユイの面倒をよく見ていて、ユイはメンバーの中でも一番サチに懐いているように見える。子供の扱いに慣れているようだ。裁縫スキルを上げているらしく、メンバーの普段着を作り始めている。
リズは細工師からいろいろ教わって鞘の飾り付けを勉強していた。自分のオーダーメイドの剣の鞘は自分で作りたいらしい。キリトの新しい剣の鞘も現在制作中らしい。
エギルは最近映像を撮る技術を身に付けたらしく、日々メンバーやユイのことを撮ってくれている。こいつまさかその映像売ったりしてないだろうな?
ベルクーリは基本的にホームから出てこないから何してるのかなって思ったらたまに地下道からテレポートしてひそかにレベリングしていた。隠居だとかいってたくせに鍛錬を怠らないのはさすが護衛隊長だ。
ユージーンは武道一辺倒だと思っていたが実は勉強家で、部屋に籠っているときは隠れてKAYの攻略本を読んだり、アルゴを使って日々情報収集していたり、マヤの護衛として肩書きをつけたつもりだったが、参謀補佐としての自覚が湧いているようだ。
アルゴはKAYに所属していながら謎の多い行動が多いし、女らしい行動が少ないが、ホームにいるとき・・・特に部屋にいるときの普段着はコスプレ服が多いことが判明した。じつはリアルレイヤー!?
「・・・・・・・zzz」
キリトはそのまま昼寝モードに移行していた。
――キュイー
――チョット・・・ピナッタラ・・・
――ネテルヒトニメイワクダカラ・・・
――フクニツカマッタラ・・・キャッッ・・・
「・・・うーん・・・・・・・」
「もう・・・ピナったら・・・」
キリトは寝ているお腹の上に違和感を覚え、目を覚ますとそこには青い生物が乗っていた。
「・・・これ・・・は・・・・?」
「キュルルル♪」
「あっ・・・すみません!うちのピナが・・・」
その脇には幼い感じのツインテールの女の子が座り込んでいた。
「ん・・・ピナ・・・?もしかして君はシ・・・・・・えっと・・この辺の人じゃないな。あ、この子の友達なのかな?」
シリカと呼ぼうとしたが、ギリギリ思いとどまった。今回は初めての出会いだったのだ。危ないところだった。いまのは限りなくセーフにちかいセーフだ。
「あ、はい。ピナです。」
「・・・フェザーリドラか・・珍しいね。」
「普段は私以外に懐かないのに・・・どうしたんだろ・・・」
「キュイー♪」
「そうか・・よしよし。」
キリトはピナの首を優しく撫でるとピナは心地よさそうに目を細めている。
「ほら、ピナそろそろ・・・」
「キュルル・・・キュイーーー」
「あの・・・すみませんでした!!」
「いや、大丈夫だよ。それよりこんなところで何をしているんだい?」
「えっと・・・K・A・Yの本部に行こうとしていたんですが、急にピナが勝手に飛んでいってしまって追いかけたらえっと・・・あなたの上にいたんです・・・。」
「そっか・・。あ、そうだ。俺ももう帰るところだし、よかったらKAY本部、一緒にいくかい?」
「え?いいんですか?」
「うん、この辺の森はモンスターは出ないけど結構迷いやすいからね。」
「た・・・助かります。あの・・・私シリカっていいます。」
「キリトだ。よろしくな。ピナもよろしく」
「キュイー♪」
「え!?キリトって・・・あのキリト様!?」
「え?どの??」
「あ・・・なんでもないです//よろしくおねがいします!」
キリトは起き上がり、お互いに握手を交わした。そういえばあのときも握手したっけな。なんとなく妹の直葉を思わせる雰囲気、マヤも似ていたが、やっぱりシリカも似ている。懐かしい感覚だった。
シリカはキリトのことを知っていた。攻略組注目株の【双剣のキリト】といえば今や知らない人はいない。KAYの団長なのでもしかしたら今日出会うかもと期待していたが、まさかこんなところで出会うとは夢にも思わなかったのだ。
そして凄く強くて逞しい、鋭い眼光でちょっと怖いイメージをしていたのに普段着のせいか細身で女顔の柔らかなしゃべり方と表情、そしてピナが懐いたということに、シリカは自然と惹かれてしまっていた。
キリトの持つ108の内のスキル、一級フラグ建築士と朴念仁を発動させ、ギルドホームに向けて二人は波乱への一歩を踏みだしたのであった。
若干まとまってないような感じですが、ここで一回切ります。
読みづらかったらすみません。