ソードアート・オンライン~K・A・Y~   作:piroyuki

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再会

運命の鐘は鳴り響いた。このゲームにログインしている全員がはじまりの街に転送されたのだ。前回俺はここでクラインとこの状況に遭遇したのだが、今回は隣にアスナ、そしてビギナーの12人がいる。生き残るために前回一人で次の街まで駆け抜けた。しかし今回は状況が違うのだ。クラインはおそらく仲間と合流するのだろう。しかしあとの12人はどうだ?俺とアスナでこの12人を守り抜きながら次の街まではいけない。

 

《君たちのインベントリーにプレゼントを用意した。確認したまえ。》

 

 

始まる・・・どうする・・・

 

 

 

(パパ・・・・ママ・・・・・)

 

 

「・・・?い・・いま・・・?」

 

「へっ・・?いま・・・」

 

 

(パパ!!ママ!!!)

 

 

「キリト君・・これって!!」

 

「あぁ・・間違いない・・」

 

「「ユイ(ちゃん)」」

 

 

(入口近く、右手にいます!)

 

 

「います・・?いるのか!?」

 

「ユイちゃん!」

 

 

 

 

《プレイヤー諸君の健闘を祈る・・・》

 

 

 

 

ここにいるプレイヤー達は一気に騒々しくなった。皆が皆抗議の声をあげているのだ。

 

「クライン!俺たちは待っている人がいるから行かなきゃならない!」

 

「そ・・それよりお前よう・・・」

 

「すまん・・!クライン!絶対死ぬなよ!何かあったらメッセージ飛ばしてくれ!」

 

「お・・おい!」

 

「クラインさん!また会いましょう!」

 

「待てって!!」

 

「・・・」

 

「・・・クラインさん?」

 

 

「キリト!・・キリトよぉ・・・おめぇ・・・本当は案外かわいい顔してやがんな!結構好みだぜ。」

 

「ちょ・・クラインさん!?」

 

「ははってか、アスナちゃんは可愛過ぎて・・・ほんと、お似合いだな!おめぇら!」

 

「・・・ははっ・・・お前もその野武士面のほうが10倍似合ってるよ!」

 

「ほんと!クラインさんのバンダナ!似合ってますよ!」

 

「誉めるのはバンダナかよ・・・」

 

「あはっ」

 

 

「いこう・・。」

 

「うん!」

 

 

 

後ろを振り返ると、クラインは走って中央広場へと消えていった。

 

 

「キリト君・・・」

 

「・・・行こう・・・ユイが待ってる」

 

「そう・・だね!」

 

 

はじまりの街の出口、その右手にユイはいると言っていた。

俺は、俺たちはあのとき「ユイの心」が砕けるのを見ていた。実際あきらめていたのかもしれない。お互いそのことを口にしなかったのは、本当にユイが「ユイの心」と共に消滅していたら・・・なんてことを考えてしまうかもしれなかったからだった。しかしユイは俺達二人に呼び掛けてきた。確かに。一語一句間違いなく俺とアスナに呼びかけてきたんだ。この出口の右手にいる!いてくれ!!!

 

 

「パパ!!ママ!!!」

 

アスナより一寸先についたキリトに飛びかかって抱きついてきたのは・・・まぎれもなくユイだった!

 

「ユイ!!!」

 

「ユイちゃん!!!」

 

「パパ!!ママ!!」

 

 

 

 

5分くらいだろうか、3人は抱き合いながら感慨にふけっていた。

 

「なぁユイ・・?」

 

「はい、パパ」

 

「ユイはどうやってここにきたんだい?」

 

「はい、今カーディナルの監視に干渉されないように仕掛けているんです」

 

「え?それってもしかして・・?」

 

「はい、すぐに戻らなければなりません・・・」

 

「そんな・・・」

 

「どうにかできないのか?」

 

「少し時間がかかってしまうかもしれませんが・・・ダミープログラムを構築してるんです」

 

「ダミー・・プログラム?」

 

「はい。私の代わりのメンタルヘルスケアーシステムを構築してそこに置き換えることで私の監視の目をダミーにだけ向けるようにプログラミングを試みているんです」

 

「なるほど・・それが完成すれば・・」

 

「はい!また一緒にいられます!」

 

「ユイちゃん・・・!」

 

「・・・ただ・・・まだ時間がかかってしまいます。・・・それより、この今の状況を説明しなければなりません!」

 

「あぁ、確認するが、これは夢じゃないんだよな?」

 

「はい、夢という概念はわかりませんが、これは現実のものと判断できます。」

 

「そして、時間も元に戻ったということと考えていいんだな?」

 

「はい。現在は2022年ですから、戻ってしまっているようです。」

 

「この状況は本当は私の所為なんです。ヒースクリフ・・GMが私のオブジェクトを破壊したことで、私の心に詰まっていた思いがこの状況を生み出したんです・・・。」

 

「どういう・・・ことだ?」

 

「ユイちゃんの思い?」

 

「はい・・。簡単に説明してしまうと・・・私、いいましたよね?パパに何が望みなんだい?って聞かれたときにパパとママと一緒にいたいですって・・。」

 

「ああ、いったね。」

 

「一緒にいたいっていう気持ち、そしてもっと早く会っていればもっと一緒にいられたって思ってたんです。きっとその思いが叶ってしまったんです。」

 

「ユイちゃん・・・ユイちゃん!!!」

 

 

たまらずユイを抱きしめるアスナにこたえる様に、ユイはアスナに身を任せる。

 

「結果として、約4000人の命も救ったってことだよ。ユイ」

 

「え?」

 

「だってそうだろ?すでにナーヴギアを外されて亡くなった200人の人たちはともかくとして、そのユイのおかげでいままでの犠牲者は死ぬ前に戻れたんだよ。」

 

「そうだよ!ユイちゃん!私たちは出来る限り犠牲を出さないように努めていく!こんなチャンスをくれたユイちゃんは私たちの自慢の娘なのよ!!」

 

「は・・・はい!!」

 

「とにかく時間があまりないです・・私はすぐに作業をすすめます!」

 

「そうか・・カーディナルの監視だな・・」

 

「はい!パパ!ママ!頑張って!!!」

 

「ユイちゃんも!」

 

「ユイが帰ってくるまでに22層のあの家を買わなきゃな!」

 

「パパ!!」パァァァ

 

「キリト君は貯金下手だから私が管理しなきゃね!」

 

「んなっ!!」

 

「「「あはははは」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、戻りますね。また会いましょう!」

 

「うん、まってるからね!」

 

「がんばれ!ユイ」

 

「はい!」

 

 

青い光とともにユイは消えていった。永遠の別れではない。希望のある別れなんだ。もちろん自分たちが死なないという前提の別れだが、いまはそんなことは頭になかった。絶対生き延びてふたたびあの生活を取り戻すのだ。

 

 

キリトとアスナはその希望を胸に次の街に向けて駆け抜けていくのであった。




ユイの可愛さは異常。
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