ソードアート・オンライン~K・A・Y~   作:piroyuki

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SAOの設定の知識がいまいちなのでLVリングの設定をオリジナルの設定として置き換えています。

そして今回はアスナ視点でいきます。


トールバーナの思い出

私とキリト君は一気に迷宮区まで辿り付き、順調にレべリングしていった。クエスト武器をお互い手に入れて初期の武器ともオサラバ。

前回私は女という容姿でなにかと男の人からの接触に警戒していた。だからローブで容姿を隠していたのだけれど、今回は信頼できるキリト君の存在のおかげでそんな必要もない。

 

このSAOっていうゲームはLVによる補正も大きいけれど、それ以上にプレイヤースキル=PSによる影響がかなり大きい。私とキリト君は実際2年も修羅場をくぐってきただけあって、多少の難敵も実際余裕だったりする。

下層エリアっていうこともあるし、なにより安心して背中を預けられるパートナーの存在は大きいよ。

 

 

「さて、この辺で一段落つけるか。」

 

「そうね!一旦トールバーナなでもどりましょ。」

 

そういえば前回キリト君と初めて出会ったのはこのトールバーナだった。初めてPTを組むことになって、黒パンを工夫して食べるとかいってたっけ・・・。

あのときは全然気付かなかったけど、キリト君はあの頃からこの世界に順応した生活を送ってたんだよね・・。

私は早く抜け出すことしか考えてなかったからキリト君の言葉の意味とかあのとき軽く聞き流してたけど、いまならキリト君のこと、わかっちゃうな。

 

 

「ん・・どうした?」

 

「あ・・なんでもない。」

 

「そっか。」

 

「あのね、キリト君」

 

「ん?」

 

「ここで初めて会った時の事・・・覚えてる?」

 

「・・・ああ、覚えてるよ。アスナ、ツンツンだったよな。」

 

「~~~!もう!」

 

「あはは!」

 

「あの時は・・・余裕なかったのよ・・」

 

「そう・・・だったな。」

 

「でもね!今は違うんだよ!」

 

「・・・?」

 

「今はキリト君が本当に隣にいてくれる。」

 

「ああ・・。」

 

「あの頃は隣にいても・・正直警戒してたんだ。」

 

「だよな!俺が隣に座ったらソッコー離れたもんなww」

 

「うん・・あのときはゴメンね?」

 

「いいんだよ。しかたないさ・・。」

 

「うん・・・。」

 

 

 

キリト君の肩にもたれかかるとすごく安心する。こんな殺伐とした世界でこんな落ち着ける空間があるのはキリト君のおかげなんだよ。

 

「なあ、そういやさ」

 

「なぁに?」

 

「戦闘指南のときに書いてたあれ・・・」

 

「うん」

 

「表紙の後ろにKAYって書いてただろ?」

 

「書いたよ?」

 

「あれってどういう意味だ?」

 

「・・えっとね、KはキリトのK。AはアスナのA。」

 

「Yはもしかして・・・」

 

「そう!ユイちゃん!」

 

「アスナ・・・」

 

「エヘヘ。」

 

 

そう。KAYの意味はキリト君と私とユイちゃん。だからあのマニュアルは私たち3人からの贈り物。始まりの日、クラインさんにお願いして、どうにかしてアルゴさんやエギルさんという人物を探してこの書を出来るだけ多くの人に渡してくださいといってください・・・と託した。

 

この効果は抜群で、開始から約2週間でこんなに多くの人たちがここまでたどり着いている。

 

ここでこんな噂がたってた。

 

 

『K・A・Yっていう人が率先してビギナーを導いている』

 

 

実際いるのかもしれないし、いないのかもしれないけどそれはそれで心地いい。

だって、謎の人物が動いてるみたいでかっこよくない?

 

 

「KAYかぁ・・なんかいいな。」

 

「でしょ?」

 

すると突然青い髪の男性が私たちに声をかけてきた。

 

「やぁ、そこの二人」

 

 

どこかで見たことがあるような・・・ないような?

キリト君は・・・ちょっと驚いた顔してる・・。知ってるのかな?それとも・・・

 

「俺はディアベル。君たち、その装備を見るところ結構強いんじゃないか?」

 

「いや・・そうでもないよ。俺はキリト。こっちはアスナだ。」

 

「アスナ・・です。」

 

 

 

思いだした・・・この人は前回の第一層ボス攻略会議で取り仕切ってたひと。最後に死んじゃった人だ。

 

 

「いやぁ、この前迷宮区でモンスターに囲まれた人をものすごい勢いで助けてなのをみてね。」

 

「あの時は必死でしたから・・」

 

「俺も悲鳴をきいて駆けつけようとしたんだけど君たちだけで十分だったからね・・見てたんだよ。」

 

「そうですか・・」

 

「キリト君とアスナさん、折り入って相談がある。」

 

「・・・ボス攻略の話ですか?」

 

「いや、まだボス部屋のマッピングは済んでないんだ。よかったら一緒に探しにいかないか?」

 

「・・・・」

 

「キリト君・・・」

 

 

本当のところ、私たちはボス部屋のマッピングまで終わっていた。

ただこの情報を早くに公開してしまうと早まった人が突っ込んでしまう危険性があったから敢えて公開していなかった。

 

 

「なぁ、ディアベルさんだっけ?」

 

「ん?」

 

「今このトールバーナにいる人でボスに立ち向かえそうなメンバーの宛てはどのくらいだ?」

 

「うーん・・・ざっと見て知り合いも含めて15人くらいかな・・・」

 

「正直にいうと俺はβテスターだ。ここにいるアスナも同じようなものだ。だから言う。」

 

「キ・・・キリト君・・・?」

 

「・・・いいんだ。もう失敗はできないよ。アスナ。」

 

「・・・?」

 

 

よく状況を理解できてないディアベルさんに構わずキリト君は口を開いた。

 

 

「ここのボスは【イルファング・ザ・コボルドロード】だ。正直全員のLVが6以上欲しい。さらにはプレイヤースキルも必須だ。」

 

「あ・・ああ。」

 

「そして恐らくこの攻略には安全マージンを考えれば最低でも30人・・・いや、50人は必要だろう。人の本当の命がかかっているからな。」

 

「そ・・・そう・・なのか。」

 

「しかもβテストの時と違うというパターンも想定したとして、今ボスに挑むのは得策じゃないと考えて・・・ボス部屋の位置は公開してなかった。」

 

「な・・・まさか君たちはもうボス部屋までのマッピングは終わってたのか!?」

 

「・・・ああ。」

 

「す・・すごいな・・・。」

 

 

私は薄々気づいてた。きっとディアベルさんはβテスター。単なるビギナーがボス部屋に挑む大集団を率いるなんてきっと無理。

キリト君はあえてディアベルさんを煽った。

 

 

「ディアベルさん、あんたもβテスターじゃないのか?」

 

「・・・・まぁ・・隠してもしかたないな。」

 

 

 

 

「おうおう、キー坊。しばらくだナ」

 

 

 

割って入ってきたのは情報屋のアルゴさん。彼女はキリト君のことをキー坊と呼ぶ。βテストの頃からキリト君とは知り合いらしいけど、ちょっと苦手。

 

 

「あのボッチなキー坊がこんなかわいい相方連れてるんダ。最初はビックリしたけどナ。」

 

「うるせぇなぁ・・」

 

「ど・・どうも・・」

 

「それより、マッピング情報、まだ売る気はないのカ?」

 

「そりゃ・・まぁな。」

 

「ったく・・まぁ無理もないけどナ。」

 

「現在ボスに挑めそうなのは20人とチョイ。まだ時期尚早カ。」

 

「なぁ、ディアベルさん」

 

「ん?」

 

「俺たちに協力する気はないか?」

 

「協力って?」

 

「LVは問題ないけどプレイヤースキルを磨けばどうにかなるっていう人を集めて訓練するんだよ。」

 

「キリト君・・それって」

 

「あぁ。きっとこの先を考えてもこれは必要だと思うんだ。」

 

「うん!」

 

「そうだな・・・これはゲームじゃないんだもんな。わかった!協力しよう!というかさせてくれ!」

 

「ありがとう。ディアベルさん、そこでアンタにやってもらいたいことがある。あと鼠」

 

「なんだイ?」

 

「この情報を広めてくれ。戦闘技術の訓練会のことだ。」

 

「報酬は高いぜ―?俺っちにとっては重労働なんだからナ?」

 

「あぁ。1万でどうだ?」

 

「オーケー」

 

「そして・・俺はどうすればいいんだ?」

 

「ディアベルさんは【イルファング・ザ・コボルドロード】と取り巻きの【ルイン・コボルド・センチネル】の攻撃パターンを知ってるんだよな。」

 

「ああ、大体は覚えている。」

 

「そこで同じような装備を持った知り合いを何人か集めてその攻撃パターンを再現してほしい。」

 

「・・・なるほど。わかった!」

 

 

 

正直私は不安だった。キリト君のコミュ障は今に始まったことではないけど実際のキリト君はこういったいざっていう時に的確な状況判断ができる。

とっさの声掛けが遅れるのは知ってたけど、今の落ち着いた状況だと本当に頼りになる。

 

 

 

私はそういうキリト君だから安心できる・・。

 

 

 

 




つぎは第一層攻略会議
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