ソードアート・オンライン~K・A・Y~   作:piroyuki

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一気に月日が飛びます。ついに22層に到達です。


思い出の家

俺達はついに到着した。多少強引に攻略していた部分もあったが、攻略はかなり順調だったのだ。

 

今回は2カ月と10日で21層を攻略していた。

アスナ執筆の攻略本は功を奏してスムーズに進めたというのもあったし、後半のアスナの鬼神の如き活躍によってアスナには【バーサーカー】の二つ名がついていたのだ。18層あたりから本当に帰宅に対する気迫はものすごいものがあった。マヤは怯えていたよ。

 

攻略組にはエギルはもちろん、クライン達【風林火山】の面々も出てきていた。

この時あたりからエギルはよく俺を気遣ってくれていた。

 

「ほらーはやくはやく!」

 

「キリトさーん!」

 

「へいへい・・」

 

アスナの必死の貯金により、実はログハウスの購入資金はすでに貯まっており、そろそろ贅沢を・・とも思っていたのだが、一向に貯金はやめていない。何を企んでいるのやら・・・。

 

「このNPCだよね?」

 

「ああ。」

 

「ほらはやく!」

 

「あとからエギルもリズも来るんだから、そんなに焦るなって。」

 

「だって他の人に買われちゃったら嫌じゃん!!」

 

「アスナさんったら♪」

 

 

リズとは11層到達のときに偶然出会った。前回を考えたら早すぎる出会いだったが、アスナと一緒にいたのだから出会うのも必然だったのかもしれない。

 

急かすアスナも可愛いが、21層攻略のときのアスナの喜びようも可愛かった。ほかの攻略組の面々は「こんなアスナさん初めてじゃね?」とか言い出す始末だ。

 

 

「これでよしっと」

 

「ほら!いこ!!」

 

「こらー急かすなって・・!」

 

「キリトさーん!置いてきますよ~~!」

 

「はいよ~!ったくもう・・。」

 

 

コラルの主街区から南西に進んだ南岸、このログハウスは前回アスナとユイと俺が住んでいたところだった。そういえばユイのプログラミングの進行状況はどうなっているんだろうか・・・?

 

「キーリートーくーーーーん!」

 

「はいよー!」

 

 

ログハウスの前でとび跳ねているアスナを見ると、自然と笑みがこぼれる。

 

「せーので開けよ!」

 

「おう!」

 

「「せーの!!」」

 

 

ガチャ

 

 

「「ただいま!!」」

 

 

後ろにいるマヤがそれをみてクスクスと笑っていた。

 

 

「本当におめでとうございます!そしておつかれさまでした!キリトさん、アスナさん!」

 

「ありがとう!マヤちゃん!」

 

「さあ、マヤも上がって」

 

 

本当に懐かしい雰囲気。そして、この嬉しい気持ちはどう表現したらよいのだろうか・・・言葉なんかでは表わしきれないくらいの感情といったところか。

ひょいひょいと家具をオブジェクト化しているアスナを横目に、マヤはテラスで景色を眺めていた。

 

「キリトさんがこの家を選んだ気持ち・・・凄くわかります!」

 

「だろーー!」

 

「はい!」

 

「でも・・・少し寂しいんです・・・」

 

「あ・・・」

 

 

俺とアスナがここに住むことになれば、マヤは宿暮らしが一人きりになるということを言っているのだろう。

 

「あのね、マヤちゃん」

 

「はい?」

 

「私達、まだここには住まないのよ。」

 

「え??なんでですか?」

 

「キリト君、マヤちゃんにならそろそろ話してもいいよね?」

 

「だな。」

 

「あのね、マヤちゃん。私達、子供がいるの。」

 

「・・・え??」

 

「その子はユイちゃんっていう女の子なんだけど・・・」

 

「・・え??・・・え??」

 

「このゲームで出会った・・うーん・・・解りやすく言うと養女みたいな関係なの。」

 

「自慢の娘だ。」

 

「・・・えっと・・・・・・」

 

「なんて言ったらいいのかなぁ・・・」

 

「出会ったとき、俺達の事をパパ、ママって呼んでくれたんだよ。」

 

「本当の子じゃないっていうことですか?」

 

「そういう言い方はしないでほしい・・・かな・・・。」

 

「理屈じゃないんだ。俺達の娘なんだよ。」

 

「・・・はい。キリトさんとアスナさんの子、ユイちゃんですね。」

 

「そういうこと。」

 

「私達ね、ユイちゃんを待ってるの。ユイちゃんが帰ってきたらここで暮らすって決めてたのよ。二人で暮らすのもいいんだけど、やっぱり家族揃ってないと寂しいじゃない?」

 

「そうだったんですか・・・わかりました!」

 

「よし!そろそろエギル達も来るだろうしさっさと片付けるか!」

 

「じゃあ私とマヤちゃんは食事の準備しちゃうね!」

 

 

 

ユイはまだきっと頑張っているのだろう。帰ってくる日が待ち遠しい。あの屈託のないユイの笑顔が早く見たい。

 

「よーーぉ!さっきぶりだなぁお前ら!」

 

「クライン!」

 

「クラインさーん!いらっしゃーい!」

 

「クラインさん!こんにちは!」

 

「おーマヤちゃん!今日もかわいいねぇ!」

 

「~~~!!」

 

「クーラーイーンーさん!マヤちゃんにちょっかい出さないでくれる!!?」

 

「がっは・・・はい・・・スンマセン」

 

「おー無事買えたみたいだなぁ」

 

「やっほ~~おじゃまさま~~」

 

「エギルにリズ!入って入って」

 

 

クラインにエギル、リズベットは三人とも引越しパーティーに来てくれるということでエギルはリズを迎えに行っていた。クラインは風林火山のメンバーをアイテム等の整理をしてからやってきたのだった。

 

「「カンパーイ!!」」

 

 

「いやーほんとアスナちゃん嬉しそうでなによりだわ!」

 

「いえいえーそんなことないですよ~」

 

「いや、ここ最近本当に表情が強張ってたから心配だったんだぜ。」

 

「そうだよー武器の手入れにも来ないしさー」

 

「アスナはこの家を買いたくていててててて!!!!!」

 

「キリトクン、ヨケイナコトイワナイノ」

 

「・・・っつー・・・悪い悪い」

 

「ったくよーみせつけんじゃねぇよー!な!マヤちゃん!」

 

「え?あ、はい」

 

「キリトよーー最近マヤちゃんが相手してくんねーんだよー」

 

「うっせえ!22歳が14歳に手を出してんじゃねぇよ!」

 

 

 

ああ、この雰囲気いいな。

 

そして俺にはこの後の重大イベントがあるんだ。

 

 

「さて!キリトよ!」

 

「ああ!」

 

 

クラインは皆の様子を見計らって切りだしてくれた。

ただ一人頭の上にハテナマークを浮かべている一人を除いて5人は一斉に立ち上がった。

 

「転移!はじまりの街!!」

 

 

 

 

 

「さってと少し歩くぞー」

 

「あいよー」

 

「え??みんないきなりどうしたの??」

 

「ほら~アスナはやくー」

 

「え?え??」

 

 

 

向かっていたのははじまりの街の教会だった。

俺たちはアスナに内緒で教会を貸りきっていたのだ。

 

 

「~~~~!」

 

 

教会を見た瞬間、アスナはそれに気が付いたのだ。

 

「ほら、アスナ、着替えにいこ!」

 

「・・・うん!」

 

 

目から涙が溢れださんばかりになっているアスナをリズとマヤがひっぱっていく。

 

「さて、お前も着替えねえとな。」

 

エギルはこの日の為に俺のタキシードを用意してくれていた。そしてアスナのウエディングドレスも・・。持つべきものは兄貴だな。

 

 

サーシャさんに断りを入れて事前に場所を貸りたのはクラインだった。

自分のギルドホームを修道院に住む子供達のお泊り施設として一日貸したのだ。

 

 

 

 

エギルは神父のコスプレを纏い、俺とアスナの前に立っていた。

 

「健やかなるときも~病める時も~」

 

 

 

アスナはずっと涙を流していた。きっとこんなサプライズがあるなんて思っていなかったんだろう。

そして俺はひそかに貯めていたコルでプラチナに近い金属を買い、リズに渡して結婚指輪を制作してもらった。

 

 

「では指輪の交換を・・・」

 

 

「・・・キリト君・・・こんな・・・」

 

「ほら、手を・・・。」

 

「・・・・・・」

 

 

アスナの細い薬指にピッタリのブライダルリングを嵌めると、アスナはさらに涙を流した。

アスナは震える手でなんとか俺の指にブライダルリングを嵌めると、俺に抱きついてきた。

 

「こんなに嬉しかったの・・・初めて・・・」

 

 

たった4人だったが、拍手が湧いていた。

もらい泣きなのか、マヤもリズも泣いていた。あとついでにクラインも。

 

 

「ほら、お前ら誓いのキスしろ」

 

 

エギルは満面の笑みだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺達の最高の引越し&結婚式は幕を閉じた。

 




クラインの歳、合ってるか?
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