〜第1回「A-μ's」練習後〜
〈穂乃果の家…〉
穂乃果 「ただいま〜あぁ〜お腹減った〜」
ダンスの練習着姿でお腹を押さえながら玄関のドアを開ける穂乃果。
雪穂 「お姉ちゃんおかえり!」
亜理沙 「穂乃果さん!おかえりなさい!」
ゆきアリ 『…あれ?』
穂乃果の姿に反応する雪穂と亜理沙。
穂乃果 「あっ!亜理沙ちゃん来てたんだ!いらっしゃい!」
雪穂 「お姉ちゃん…その格好…」
亜理沙 「”ほの字Tシャツ”着てる!」
穂乃果 「あ、あぁ…うん!今日Aqoursの子達とμ’sのメンバーで初めての合同練習だったから…神田明神でダンスするのも懐かしかったよ♪」
雪穂 「てゆーかお姉ちゃんそのTシャツ着続けてるけどよく破けたりしないね…」
穂乃果 「え?まさか〜!これは”8代目ほの字Tシャツ”だよ!ちなみに高校の時のは6代目だよ!」
笑顔でVサインする穂乃果。
雪穂 「(ほの字T歴史古いな!…てゆーかどこに売ってるの?)」
亜理沙「(ほの字Tハラショ〜♡)」
感慨深げに”8代目ほの字Tシャツ”を眺める二人。
雪穂 「で、でも凄いね!μ’sとAqoursが集まったら結構な人数なんじゃない?」
穂乃果 「そうだね〜絵里ちゃん希ちゃんいなくても16人だからちょっとした集会みたいだったよ…でも凄く楽しかった♪私含めてダンス久しぶり組はみんなヘロヘロになったけど…」
苦笑いしながら言う穂乃果。
亜理沙 「い〜な〜…亜理沙も混ざりたい!」
眉をへの字にして羨ましがる亜理沙。
雪穂 「いやいや!お姉ちゃん達は遊びじゃないんだよ?」
亜理沙を悟す雪穂。
穂乃果 「全然大丈夫だよ!2人とも一緒に練習したかったらいつでも参加して!」
二人にウィンクする穂乃果。
亜理沙 「ホントに!?ハラショ〜♪」
雪穂 「…………」
亜理沙 「…あっ…雪穂。」
喜ぶ亜理沙に対して浮かない表情の雪穂。
穂乃果 「ん?どうしたの?二人とも…」
二人の様子に不思議そうな顔をする穂乃果。
亜理沙 「…穂乃果さん……ちょっと雪穂の話しを聞いてくれますか?」
急に神妙な顔つきになる亜理沙。
雪穂 「ちょっと亜理沙!?」
亜理沙 「だから…さっきも言ったでしょ?穂乃果さんと話した方がいいって…」
穂乃果 「話し?…雪穂が私に?」
少し間を置いてから口を開く雪穂。
雪穂 「……お姉ちゃん あのね?…私…」
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海未 「フゥ〜…それにしても久しぶりのダンスは応えますね…」
練習後の帰り道、穂乃果と別れことりと二人きりになった海未が呟く。
ことり 「うん…!海未ちゃんでもそうなんだね。(曜ちゃんに恥ずかしいとこ見られちゃったなぁ…)」
現役のAqoursとにこりんぱなに比べ久しぶりに踊った穂乃果・ことり・海未・真姫は練習が終わる頃には足がガクブルになっていた…
海未 「まぁ私は弓道は続けてますがダンスはまた動きが違いますからね。それにAqoursの曲は結構アクティブですから…」
ことり 「でもやっぱりみんなで練習するの楽しいね!早くエリちゃんと希ちゃんとも一緒に踊りたいな〜♪」
同意するように微笑む海未。
海未 「それはそうとことり…学校の方との両立は大丈夫なのですか?あ、『A-μ’s』テレ …の衣装を曜と2人で作ると張り切ってましたが…」
心配そうな顔でことりに聞く海未。
ことり 「……うん!さすがに一から作るのは難しいから元々ある衣装を手直ししてお互いのメンバーと交換っこしようかって。…曜ちゃんは自分たちの次の衣装があるし私もそろそろ卒業制作本腰いれないとだから…」
海未 「そうですか… あまり無理をしないで下さいね。」
ことり 「うん!ありがとう♡…でも海未ちゃんも新聞社のお手伝いとか卒論とか大変でしょ?」
海未 「そうですね。でも私は新聞社の方は調整出来ますし卒論も書くのは苦にならないので…」
ことり 「それならことりも衣装づくりは苦にならいよ?」
ことりスマイルで言うことり。
海未 「まぁそれならいいのですが…大変なのはみんな同じですからね。…でも…」
ことり 「うん!それでもやっぱりもう一度…μ’sのみんなでライブ…やりたいよね♡」
海未 「…はい!」
お互いの顔を笑顔で見つめる二人。
ことり 「…ところで海未ちゃん?話は変わるんだけど〜…」
海未 「?…何でしょう?」
ことり 「前に穂乃果ちゃんと三人でディズニーランドに行こうって話したの…覚えてる?」
海未 「あぁ…そうでしたね!いつも穂乃果の都合が合わなくて延ばし延ばしになってますが…全く穂乃果も人のことを振り回してばかりいないで少しはこちらに合わせて欲しいですよね!」
ムスっとしながら言う海未。
ことり 「……そうだよね。」
一瞬ことりの表情が陰る。
海未 「…ことり?」
ことり 「で、でも!穂乃果ちゃんは今しか出来ないことを思いっきりやりたいって頑張ってるんだし!今度の『A-μ’s』だって穂乃果ちゃんだからこそ実現出来そうなんだもんね!」
何か誤魔化すように穂乃果をフォローすることり。
海未 「相変わらずことりは穂乃果に甘いですね…それではいつか穂乃果に対する不満が爆発してしまいますよ?(高校の…あの時みたいに…)」
ことりを心配そうに見つめながら言う海未。
ことり 「…大丈夫だよ!ことりは何があっても穂乃果ちゃんを信じてるから♡(ことりが留学しようとしたあの日…空港に迎えに来てくれた時からずっと…)」
目を閉じて微笑むことり。
海未 「そうですか…私も信じていますよ!穂乃果のことも…ことりのことも!ディズニーランド三人で必ず行きましょうね!」
笑顔でことりに言う海未。
ことり 「うん!」
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〜その日の夜〜〜
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穂乃果 『ボ〜〜ッ……』
ベンチに座り東京の夜景を眺めてボ〜ッとする穂乃果。
〈数時間前…〉
雪穂 「私ね…最近ちょっと悩んでるんだ。」
穂乃果 「…もしかして…恋の悩み!?」
ニヤリとしながら聞く穂乃果。
雪穂 「えっ!?ち、違うよ!」
赤い顔で否定する雪穂。
穂乃果 「違ったか〜…まぁ私に恋愛のこと聞かれても困るんだけどね!」
苦笑いする穂乃果。
亜理沙 「穂乃果さん…雪穂は将来の事で悩んでるんです!」
雪穂の代わりに話しを切り出す亜理沙。
穂乃果 「…将来…のこと?」
雪穂 「うん…お姉ちゃん私ね…ずっと穂むらを継ごうと思ってて…大学も商学部に入ったんだけど…」
穂乃果 「…けど?」
雪穂 「うん…私ね…子供の頃からやりたいことを思いっきりやるお姉ちゃんをずっと見てきて…羨ましかったんだ。…私どちらかというと臆病なタイプだから。」
穂乃果 「…確かにそう…だね。…それで?」
微笑んで尋ねる穂乃果。
雪穂 「うん…それで高校の時どんなに大変でもスクールアイドルを楽しそうにやるお姉ちゃんを見て…やっぱり羨ましくて。思い切って音乃木坂に入って私もやってみようって思ったんだ!」
穂乃果 「そっか…楽しかったでしょ?」
笑顔で尋ねる穂乃果。
雪穂 「うん!凄く!…それでね…この前秋葉のホテルでAqoursの子達とμ’sのみんなでライブをやろう!って盛り上がってるお姉ちゃん達を見て…また凄い羨ましかったんだ…」
亜理沙 「亜理沙も凄く羨ましかったです!」
眉をへの字にして言う亜理沙。
雪穂 「それでね…思ったんだ。本当にこのまま和菓子屋さんになっちゃっていいのかな?…って…こんな気持ちのままでやっていけるのかなって…」
下を向いて自分の気持ちを話す雪穂。
穂乃果 「…そうだったんだ。…それで雪穂は…雪穂はどうしたいの?」
優しい口調で妹に聞く穂乃果。
雪穂 「…わかんない。」
苦笑いしながら答える雪穂。
亜理沙 「雪穂…」
穂乃果 「そっか。…なんかごめんね!悩んでる事気付いてあげられなくて。ほんと駄目なお姉ちゃんだね…」
今度は穂乃果が下を向いてしまう。
雪穂 「な、何言ってんの?お姉ちゃんがそんな気遣い出来たらお姉ちゃんじゃないよ!」
慌てて姉をフォローする雪穂。
穂乃果 「アハハッ それもそっか!」
雪穂 「私の話はそれだけだから… ごめんね。急に変なこと言って…」
申し訳なさそうな顔で言う雪穂。
穂乃果 「ううん…話してくれてありがとう!また何か決まったら教えてね!…亜理沙ちゃんもありがとね!…雪穂のこと…よろしくね!」
亜理沙 「ハイ!雪穂の事は亜理沙に任せてください!」
腕を組んで言う亜理沙。
雪穂 「アハハッ…お姉ちゃん話し聞いてくれてありがとね!また相談するね!」
嬉しそうに言う雪穂。
穂乃果 「…うん!」
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穂乃果 「ボ〜〜ッ……」
『何ボ〜ッとしてるの!』
突然話しかけられて驚いて振り向く穂乃果。
穂乃果 「え?……あ!あなたは!?」
声の主の姿を見てさらに驚く穂乃果。
??? 「久しぶりね!」
穂乃果 「ア、アメリカと秋葉の路上で歌ってたお姉さん!?」
女性シンガー 「覚えててくれたのね!あれから5年近く経つのに…」
穂乃果 「そ、そりゃ覚えてますよ……それで今日は何で東京タワーに現れたんですか?」
東京タワーの展望室で女性シンガーと向き合って尋ねる穂乃果。
女性シンガー 「別に理由はないわよ…ただ何となく迷った時とかに昔からここに登るの…もしかしてあなたもそう?」
穂乃果 「そうですね… 私も同じです!」
女性シンガー 「やっぱりそっか!」
嬉しそうに笑う女性シンガー。
いつのまにか展望室には二人だけしかいなくなっていた。
女性シンガー 「…それで?あなたは今何を迷っているの?」
穂乃果 「迷ってはいません…ただ…」
女性シンガー 「ただ?」
穂乃果 「ほんのちょっと勇気が欲しいなって…自分の思い描いた夢に…思いっきり飛び込む勇気が…!」
女性シンガー 「そっか。……大丈夫よ!あなたにはあんなに素敵な仲間が19人もいるんだから!」
穂乃果 「19人って…」
女性シンガー 「私そろそろ行くね!私の歌を待ってる人達のとこへ!」
穂乃果 「お姉さん…あなたは一体…」
何か尋ねようとする穂乃果に女性シンガーは笑顔で言った。
女性シンガー 「心配しないで!『A-μ’s』はどんな奇跡も起こせるメンバーだから!…それじゃね!」
将来について悩む雪穂。
忙しい穂乃果に中々構って貰えず寂しいことり。
すべてがうまくはいかず立ち止まる穂乃果。
そんな穂乃果に「大丈夫。」と言いに来てくれた女性シンガー。
行き当たりバッタリな物語はどこに向かうのか?
次回、今度こそ本当に「ご機嫌な綺羅ツバサ」