行き当たりバッタリイフライブ!   作:山本富士

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長い夜が始まります。


第19話 A-μ'sクリスマスパーティー 前編

 

〜12月23日〜

 

〈群馬県高崎市ライブ会場…〉

 

雪穂・亜理沙 『ありがとうございました!』

 

パチパチパチパチパチパチ

ワー!ワー! 雪穂〜! 亜理沙〜!

 

 

亜理沙 「あっ!雪穂!あそこに……ほら!」

 

雪穂 「あっ…お姉ちゃん!」

 

 

穂乃果 『パチパチパチパチ!』

 

 

観客席から笑顔で拍手する穂乃果。

 

 

 

〈楽屋…〉

 

穂乃果 「お疲れさま2人とも!凄く良かったよ!」

 

雪穂 「お姉ちゃん!見に来てくれたの!?」

 

亜理沙 「穂乃果さんが見ててくれたなんて亜理沙凄い嬉しいです!ハラショー!」

 

まさか穂乃果がライブを観に来てくれるとは思ってなかったので驚きつつも喜ぶ二人。

 

穂乃果 「duet'sもやっぱり人気あるね〜!ライブ凄い盛り上がってたし!」

 

雪穂 「う、うん…地方のイベントだから人集まらないかなぁって思ったけど…」

 

亜理沙 「ネットでduet's復活の告知をしたら昔のファンの子達がいっぱい来てくれてました♪」

 

穂乃果 「そうなんだ!そういうの嬉しいよね!」

 

雪穂 「うん!」

亜理沙 「はい!」

 

笑顔で頷く雪穂と亜理沙。

 

雪穂 「あっ…でもお姉ちゃん今日はことりさんと海未さんとディズニーランドに行くんじゃなかったの?だからAqoursの応援にも私達のほうにも来れないって… まぁ私達は急に出演決まったからμ’sのみんなにはAqoursの応援に行くように頼んだんだけど…」

 

亜理沙 「そうだった!…穂乃果さん大丈夫だったの?」

 

心配そうに聞く亜理沙。

 

穂乃果 「うん!…今晩どうしても出なきゃならないライブが急遽決まっちゃって。しかも場所が福島だから… ここに来れたのはちょうど通り道で時間も間に合いそうだったからなんだ。でも2人のステージが観れて良かったよ!」

 

笑顔で言う穂乃果。

 

雪穂 「そうなんだ…ま、まぁ私と亜理沙は良かったけどさ。ことりさんと海未さん怒ってなかった?特にことりさんは今日凄い楽しみにしてたよ?」

 

雪穂も心配そうに穂乃果に尋ねる。

 

亜理沙 「うん… ことりさん練習中みんなに言ってた…『穂乃果ちゃんとディズニーランド行くの待ち切れないよ〜♡』って…ことりさん可哀想…あっ!ご、ごめんなさい!」

 

言いながら慌てて穂乃果に謝る亜理沙。

 

穂乃果 「…ううん。ことりちゃん電話では『気にしないで』って言ってくれたけど…きっと呆れてるよね。穂乃果のこと… 海未ちゃんも…」

 

うつ向く穂乃果。

 

雪穂 「…今日の福島のライブってそんなに大切なの?…お姉ちゃん夏ぐらいから凄いたくさんライブしてるじゃん。今日くらいはことりさん達を優先しても良かったんじゃ…」

 

そう言う雪穂の事は見ずにどこか遠くに視線を向けて穂乃果は言った。

 

 

 

穂乃果 「…………今日は駄目なんだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

翌日 12月24日

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〈東京 西木野邸パーティ会場……〉

 

西木野邸敷地内にある豪華な建物の中から陽気な音楽と歌声が聞こえて来る…

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

会いたいひとは誰だい?一緒にすごしたいなら♪
誘いにいこう 楽しく踊ろうって
ふざけながら 抱きついちゃえ ♪
I Wish Merry merry Christmas (わお!)
さあみんなの予定決めちゃいたい夜さ
ジングルベルとまんないっ ♪♪

……………………………

………………


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

Aqours 「ありがとうございました〜!」

 

 

『パチパチパチパチパチパチ!』

 

 

凛 「やっぱり可愛いにゃ〜!(><)」

 

花陽 「私達も踊りたくなっちゃうね♪」

 

希 「さすがラブライブ出場を決めた曲やね!」

 

Aqoursはこの曲を昨日のラブライブ予選決勝で披露し見事予選をトップ通過し『ラブライブ!サンシャイン!!』出場を決めていた。

 

 

ことり 「曜ちゃん〜!♡やっぱり凄い可愛い〜♡♡ギュ…… 」

 

 

『バッ!』

 

千歌 「ことりさん!たまには私とハグしませんか?」

 

 

曜に抱きつこうとすることりの前に両手を広げ立ちはだかり笑顔で言う千歌。

 

ことり 「ち、千歌ちゃん!そ、そうだね〜…」

 

微妙な笑顔のことり。

 

 

千歌 「はい!ギュ〜〜〜♡」

 

 

ことり 「ウッ…ち、千歌ちゃん!ちょ、ちょっと苦しいかも…」

 

かろうじてスマイルで言うことり。

 

 

曜・梨子 『ち、千歌ちゃん!』

 

 

 

 

にこ 「よ〜し!じゃあ次はにこ達のアルバムの中からにこのソロ曲『ラブニコスマイル2018』を…」

 

会場備え付けのカラオケを操作しようとするにこ。…とその時、

 

 

『♪♪♪♪♪ ♪♪ ♪♪♪♪♪…』

 

 

突然イントロが流れ始める。

 

にこ 「あ!だ、だれよ!先に曲入れたの!?」

 

凛 「次はμ’sのメンバーでスノハレ歌うニャ〜!!」

希 「そうやね!」

真姫 「望むところよ!」

海未 「いいですね!」

ことり 「久しぶりのスノハレだ〜♡」

 

盛り上がる凛・希・真姫・海未・ことり。

 

にこ 「あ、あんた達!そんなににこが目立つのが嫌なの!? 怒」

 

花陽 「に、にこちゃん!とりあえずまずはみんなで歌わない?『ラブニコスマイル』はその後でも〜…」

 

笑顔でにこをなだめる花陽。

 

にこ 「『ラブニコスマイル2018』よ!!」

 

 

 

善子 「まったく…μ’sのメンバーは仲がいいのか悪いのかよくわからないわね…」

 

伝説のスクールアイドルにジト目を向ける堕天使。

 

雪穂 「μ’sはいつもあんな感じだよ!」

 

苦笑いしながら言う雪穂。

 

亜理沙 「『仲がいい程ケンカする』だよ! 」

 

ドヤ顔をする亜理沙。

 

雪穂 「逆でしょ!」

 

 

ルビィ 「これが伝説のスクールアイドルμ’sのケンカ…カッコイイ…」

 

花丸 「ルビィちゃん…そこは感動するとこじゃないづらよ? 」

 

ダイヤ 「そうですわよルビィ!これはケンカなどではなく…『照れ隠しのお芝居』という一流のスクールアイドルが使う高等芸能の一つですわ…」

 

ウットリした顔で妹・ルビィ に説明する姉・ダイヤ。

 

ルビィ 「こ、高等芸能…しゅ、しゅごい…」

 

 

果南 「ダイヤ…スクールアイドルのことになると時々おかしくなるよね…」

 

呆れ顔の果南。

 

鞠莉 「普段Coolな分こういうダイヤはGap萌えしちゃいマ〜ス♡」

 

果南 「…本気で言ってる? ジト 」

 

 

鞠莉 「ブラフ(嘘)デース!(・ω<) テヘペロ」

 

 

『ワイワイ ガヤガヤ』

 

 

 

にこ『ラブニコ ラブニコ 世界はラブニコ♪♪はい!』

 

マイクを右側で聴いてるメンバーに向けるにこ。

 

ダイヤ・ルビィ 『ラブニコ ラブニコ 世界はラブニコ♪♪』

 

 

にこ『ラブニコ ラブニコ 宇宙はラブニコ♪♪はい!』

 

マイクを左側で聴いてるメンバーに向けるにこ。

 

凛・花陽・花丸・善子「ら、らぶにこ らぶにこ 宇宙はらぶにこ…」

 

 

にこ 『ありがとーー!』

 

 

ダイヤ・ルビィ 『イェ〜〜!』

 

 

凛・花陽・花丸・善子「イ、イェ〜…」

 

 

 

 

希 「絶妙な温度差やね真姫ちゃん♡」

 

ウィンクしながら真姫に振る希。

 

真姫 「ま、まぁにこちゃん楽しそうだし…いいんじゃない?」

 

盛り上がるカラオケ(一部)を眺めて苦笑する真姫。

 

 

 

 

ことり 「よ〜うちゃ〜ん〜♪幹事お疲れさま〜♡」

 

曜 「ことりちゃん!どうしたでありますか?」

 

フラフラ〜っと近づいてくることりに笑顔で尋ねる曜。

 

 

千歌 「ことりさん!またハグ…します?」

 

 

手を広げてことりに聞く千歌。

 

梨子 「ち、千歌ちゃん!」

 

ことり 「ハ、ハグはもういいかな〜…」

 

苦ことりスマイルで遠慮することり。

 

千歌 「?どうしてです?」

 

千歌スマイルで聞く千歌。

 

 

ことり 「曜ちゃ〜ん!あのさ〜…」

 

曜 「どうしたの?」

 

ことり 「……穂乃果ちゃんから〜連絡来た〜?」

 

ニコニコしながら聞くことり。

 

 

海未 「(ことり…)た、確か穂乃果は遅れて来るのですよね曜?」

 

曜 「はい!穂乃果さん福島から直接来るみたいであります!…そろそろ来るはずですけど…」

 

スマホで時間を見る曜。

 

ことり 「そっか〜♡穂乃果ちゃん早く来ないかな〜 アハハ〜♪」

 

千歌・曜・梨子 『?』

 

ことりの様子がいつもと違うような気がする三人。

 

海未 「こ、ことり?もしかして…酔ってるのではないですか?」

 

海未もことりの様子がおかしいと感じ尋ねる。

 

ことり 「エェ〜?ことりシャンパンちょっとしか〜飲んでないよ〜?」

 

陽気に答えることり。

 

海未 「真姫!…ことりシャンパンどれくらい飲んでましたか?」

 

真姫 「え?どれくらいって… !…ま、まさかこの空き瓶3本の中身空けたのって…!?

 

視線を空き瓶からことりに移す海未と真姫。

 

 

ことり 「千歌ちゃ〜ん!やっぱりことりとハグしよ〜♡♡」

 

 

フラフラ〜っと千歌に抱き付くことり。

 

千歌 「え?…ウッ!酒臭い〜!」

 

顔をしかめる千歌。

 

ことり 「アハハハ〜♪」

 

曜 「こ、ことりちゃん…」

 

心配そうな表情になる曜。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

『コンコン ガチャ』

 

 

パーティー会場の扉が開く。

 

執事 「真姫お嬢様…高坂穂乃果様がお見えになられました。」

 

真姫 「そう… 入ってもらって!」

 

執事 「かしこまりました。」

 

丁寧にお辞儀し、穂乃果を呼びに行く執事。

 

 

 

穂乃果 「ど、どうも〜…」

 

凛 「あっ!穂乃果ちゃんやっと来たニャ〜!」

 

遅れてきて少し気まずそうにパーティー会場に入ってくる穂乃果。

 

穂乃果 「み、みんな遅れてごめんね!福島から秋葉までバスだと結構遠くて…」

 

雪穂 「お姉ちゃんバスで来たの!?」

 

穂乃果 「あ、うん…慌てて行ったから新幹線代足りなくて〜…でも良かった!何とか間に合って!…あ!そうだ!」

 

Aqoursのメンバーを見る穂乃果。

 

穂乃果 「Aqoursのみんな!ラブライブ…じゃなくて『ラブライブ!サンシャイン!!』予選突破おめでとう!これで2大会連続アキバドーム出場だね!」

 

拳を握ってウィンクしながら言う穂乃果。

 

Aqours 『ありがとうございます!』

 

笑顔で応えるAqoursの九人。

 

穂乃果 「これでまた優勝でもしたら凄いことだよね!なにせ今まで2大会連続で優勝したスクールアイドルはいないもん!私達μ'sやあのA-RISEでさえ…」

 

 

ことり 「えぇ〜?私達μ’sは優勝したよ〜?穂乃果ちゃ〜ん♪」

 

 

Aqoursに向かって話す穂乃果に突然話しかけて来ることり。

 

穂乃果 「あっ…ことりちゃん…昨日は…その…ほんとにごめんね!

 

申し訳なさそうにことりに謝る穂乃果。

 

ことり 「え〜?何で謝るの〜?だから〜… ことりたちはラブライブ優勝したでしょ〜?」

 

ニコニコしながら言うことり。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

穂乃果 「あっ…うん!優勝したよね!で、でも2大会連続では…」

 

笑顔で答える穂乃果。

 

ことり 「え……ことりたち…優勝したよ〜? ウルウル」

 

泣きそうな顔をすることり。

 

穂乃果 「だ、だから…ことりちゃん?」

 

全員 「………?」

 

みんながことりの様子がどこかいつもと違うと感じる。

 

 

曜 「…ことりちゃん?」

 

心配そうな顔でことりを見る曜。

 

…そしてその横で幼馴染二人を見ながら海未は胸騒ぎを感じていた。

 

 

海未 「ことり……」

 

 

 

 

 

〜後半に続く〜

 

 

 




ことりと海未との約束をドタキャンし雪穂達のステージに立ち寄りつつ福島のライブに向かった穂乃果。
何故親友二人を裏切るような事をしてまで穂乃果はライブを選んでしまったのか?

そして翌日の楽しげなクリスマスパーティーも穂乃果が駆けつけてから雲行きが怪しくなって行きます。
酔っぱらいと化したことりちゃんは一体どんな行動に出るのか?

次回、「A-μ'sクリスマスパーティー 後編」

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